結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年04月15日(火曜日)

痛風治療とメルカドーナの奇跡、そしてカルフール・アルカンポ

日経新聞一面トップ記事。
「健康保険料、最高の8.8%」。

大企業の健康保険組合の話だけれど、
相次いで保険料を引き上げ、
2014年度保険料率が平均8.8%。
過去最高を更新。

一般に三保険といわれる、
失業保険、健康保険、厚生年金。

その保険料は月収に料率をかけた金額。
原則的には労使折半で負担し、
会社員は給与から天引き。

労使の契約で7対3もあれば、
100%会社負担という場合もある。

全国約1400の大企業健保組合のうち、
2014年度は500前後が、
平均0.2ポイント料率を上げる。

理由は高齢者医療制度への支援金増大のため。
その額、2013年度で3兆2000億円。

健康保険組合の赤字額は、
2014年度で3600億円強。

そこで政府は、
消費増税と保険料増額で対応する。

日本国民は消費税だけでなく、
保険料の増加で、
ますます苦しくなり、
さらに価格コンシャスは高まる。

小売りサービス業は、
それを受け止めねばならない。

さてバルセロナ2日目。

突然、痛風の持病が発症。
右足親指の付け根が、
赤く腫れて、ズキズキ痛む。

バルセロナ到着の夜に痛みだし、
何とか2日目の視察をこなすも、
痛みはよくなるどころか、
ますますひどくなる一方。

私の痛風体験の最初は2005年。
㈱商業界社長就任2年目。
連日連夜、会社改革に明け暮れて、
激務とストレスが溜まって発症。

このときは松葉づえをついて会社に通った。
休んではいられなかった。

第2回目が2010年10月末。
商人舎を発足させて2年。

立教大学大学院・結城ゼミ、
第2期生の秋の仮提出前合宿初日のこと。

この時も、米欧出張が2週間を超え、
コーネル大学RMPジャパン第3期を、
立ち上げたばかり。

さらに10月末の29日・30日には、
「関東16店駆け巡り」研修会。

これらはみんな、
このブログに記されていて、
結城義晴闘病記録となっている。

忙しい日々を送るとその結果、
食事は不規則になる。
食べる量は増え、
食べる内容もこってり系になる。
運動不足にも陥る。

今回は三度目の消費税ならぬ、
三度目の痛風。

前回は左足親指付け根で、
今回は右足親指付け根。
第1回目は覚えていない。

夕方、タクシーを飛ばし、
市内の「HOSPITAL CIMA」へ。
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スペインの医療機関は約8割が公立。
私が行ったのは、
残る2割の中に入る私立病院。

スペインの社会保障保険制度は、
加入者の公立病院の診療費は無料となる。
たとえ違法の移民であっても。

薬はすべて病院で処方され、
ドラッグストアで購買するが、
これも大幅に割引された価格。

ただし、無料の公立病院は、
たいへん混雑している。

私立医療機関は空いていて、
医療内容も充実。

私はその空いている私立病院へ。
急患用の入り口はこちら。
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地下に通ずる入り口。
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地下に降りると案内版。
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病院内の通路。
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受付でパスポートを提示。
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患者の手首には、
紙製の腕輪がまかれる。
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バーコードが記載されている。
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そして急患待合室。
オレンジやグリーン、ブルーの椅子が並ぶ。
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私も待機。
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持っているのは診察用の受付シート。
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私の受付番号はYY0147。

壁には掲示板。
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そしてYY0147の表示。
すぐに呼び出された。
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待合室から診療室へ。
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このベッドに寝かされて
ドクターの診療。
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まず男性の看護士がやって来て、
ヒアリングを受け、
その後で女性のドクター。

ビニール手袋をはめて、
患部をちょいちょいと触って、
すぐにゴミ箱に手袋を捨てた。

それで診察終り。
痛み止めと尿酸の結晶を溶かす薬。
それらの処方箋をもらい、
100ユーロ也。
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足は傷むが、いい経験をした。
現地コーディネーターのセニョール・ムッタには、
たいへんお世話になった。
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ムッタさんが薬局を2軒回って、
薬を買ってきてくれた。
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上が2ユーロ、下が6ユーロ、
合わせて8ユーロ。
安い。

夜は薬を飲み、
足を氷で冷やして、
おいしいものも我慢して、
横になりながら仕事。

おかげさまで、
ずいぶんはかどった。

さて、そんな右足の痛みを、
引きずりながらの一日。
朝から充実した視察だった。

バルセロナ視察の主目的は、
メルカドーナ。
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通訳はセニョール・ムッタ。

広報ディレクターのジョアン・ジリさんが案内役。
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店内を巡りながら、
メルカドーナの新しい施策を解説してくれる。
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青果売場ではわれわれのために
スイカとオレンジの試食を用意してくれた。
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これが実に甘くておいしかった。
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整然と片づけられたバックヤード。
毎日必要な量が納品されるため、
在庫量は驚くほど少ない。
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店内ツアーを終えると、
場所を隣のホテルに移して、
さらに質疑応答。
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隣の女性は、
バレンシアから駆け付けてくれたバルバラさん。
青果ディレクター。
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私が記者会見の筆頭質問者の如くして、
1時間以上のインタビュー。

メルカドーナのユニークな経営の本質が、
次々に明らかになる。
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団員も熱心に耳を傾ける。
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メルカドーナは取材を受けない企業として有名。
だから、団員たちからも質問が次々に飛ぶ。
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これまでにないほど、
実にいいインタビューだった。
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想像を絶する経営だった。
そしてそれがシンプルに徹していた。

店を見るだけでは、
絶対にわからないメルカド―ナの奇跡。

ジョアンさんやバルバラさんを囲んで、
店の前で記念写真。
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ジョアンさんからは
メルカドーナの企業概要をもらった。
バレンシア語だけど。
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ナイスガイで優秀なジョアンさんに、
心から感謝。

この内容は、
月刊『商人舎』か、
商人舎Magazineで。

残念ながら、ブログでは公開しない。
読者になってください。

凄い内容のインタビューです。
目から鱗です。

そして興奮のうちに、次の視察店へ。
ボックスストアのディア。
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店内奥は核売場の冷凍食品。
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そして再びメルカドーナへ。
闘牛場跡のフラッグシップ店。
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円形のファサードが特徴的。
月刊『商人舎』11月号で紹介している。
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インタビュー後の視察だから、
売場の各所の施策がよくわかる。
だから団員も一層熱心になる。
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昼食はこの闘牛場ショッピングセンターで。

そしてアルカンポ。
フランス・オーシャンがスペインで展開する、
ハイパーマーケット。
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箱型ショッピングセンターの核店舗。
地下1階が食品売場。
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ワインとリカー売場が、拡大されている。
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次に、車で10分ほどのショッピングセンター。
そこにカルフールが入っている。
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こちらのショッピングセンターは最新型。
カルフールはフランスの香りを前面に出して、
核店舗の役割を演じようと必死。
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1階が食品売場。
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対面の精肉売場。
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アルカンポもカルフールも
月曜の午後は閑散としている。

昨日の日曜日、
小売業は休日。
休日明けの月曜なのに、
客の少なさが気になる。

スーパーマーケットのメルカドーナは
2店舗ともに客が入っていた。

ハイパーマーケットとスーパーマーケット。
両業態の違いがくっきりと出た視察だった。

その後、ホテルに帰ってから、
さらに病院へ。

メルカドーナの奇跡を、
またまた新たに感じとった。
そのご褒美と反動のごとき痛風。

どちらにも感謝。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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