結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
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2017年01月08日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その29】春の七草

猫の目で見る博物誌――。
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猫の目はいつも季節をとらえる。
そんな季節の目で見る博物誌――。

春の七草。
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古来、日本には、
「若菜摘み」の風習があった。
年の初めに、
雪の間から芽を出した草を摘む。
これが七草の原点。

君がため
春の野に出でて若菜摘む

我が衣手に雪は降りつつ
(光孝天皇『古今集』)

現代語訳では。
「あなたのために春の野に出て、
若菜を摘んでいました。
春だというのにちらちらと雪が降って、
私の着物の袖にも、
雪が降りかかっています」

「それでも、あなたのことを思いながら、
こうして若菜を摘んでいます」

光孝天皇は830年~887年の人。
仁明天皇の第三皇子で、
幼少のころから学問好きで聡明だった。

その春の七草。
せりなずな
ごぎょうはこべら
ほとけのざ

すずなすずしろ
これぞななくさ

せり(芹)は、セリ科の多年草。
学名Oenanthe javanica、
英語でWater dropwort。
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別名シロネグサ(白根草)。
湿地やあぜ道、休耕田など、
水分の多いところで生育する湿地性植物。

まるで競い合うように群生している。
だから「セリ」

次に、なずな(薺)は、
アブラナ科ナズナ属の越年草。
学名Capsella bursa-pastoris、
英名Shepherd’s Purse。
これは「羊飼いの財布」の意味。
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別名ぺんぺん草、三味線草。
田畑や荒れ地、道端など、
至るところに生える。

ごぎょう(御形)は、
キク科ハハコグサ属の越年草。
ハハコグサ(母子草)。
学名Gnaphalium affine、
英語でCudweed。
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小型の草本で、草体は約10-20cm。
茎葉の若いものを食用にする。
北アメリカやヨーロッパでは、
庭草として一般的な植物。

はこべら(繁縷)は、
ナデシコ科ハコベ属の越年草。
学名Stellaria media、英名 Chickweed。
現在の名称はコハコベ(小繁縷)。IMG_5812

 

小型の草本で、草体は約10-20cm。
葉野菜として食用にされるし、
ニワトリの餌などにも使われる。

ほとけのざ(仏の座)は、
キク科に属する越年草。
現在の名称はコオニタビラコ(小鬼田平子)。
学名はLapsana apogonoides Maxim。
英名はNipplewort。IMG_5814
田畑やその周囲のあぜ道など、
湿地に多く生える。

シソ科の「ホトケノザ」とは別のもの。

この後の二つは、
野菜として売場では必須のアイテム。

すずな(菘)はカブ(蕪)。
アブラナ科アブラナ属の越年草。
学名Brassica rapa L. var. rapa、
英名Turnip。
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代表的な根菜類。
別名はカブラ、カブナ、カブラナ、
それからホウサイ(豊菜)、
ダイトウナ(大頭菜)。

カブは頭を意味する「かぶり」、
根を意味する「株」など、
諸説あるが、それだけ重要な野菜。

主要産地は、圧倒的に千葉県。
全国生産の3割を占める。
ついで埼玉県、青森県。
この3件で日本生産の約半分。
ほぼ全てが小カブ。

最後に、すずしろ(蘿蔔)はダイコン(大根)。
アブラナ科ダイコン属の越年草英名。
学名Raphanus sativus var. longipinnatus、
英語でRadish。
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主に肥大した根を食用とする。
種子から油を採ることもある。

緑黄色野菜でもあり、淡色野菜でもある。
「大きな根」を意味する大根(おおね)から、
ダイコンと呼ばれるようになった。

根の長さ・太さなどの形状は多様。
皮の色も白が中心だが、
赤・緑・紫・黄・黒など。

原産地は地中海地方・中東。
ユーラシアの各地へ伝わり、
日本には弥生時代に入った。
平安時代中期『和名類聚抄』にある。
江戸時代に江戸近郊で盛んに栽培。
その中でとくに有名なのが練馬大根。

世界一大きくて重いのが桜島大根、
世界一長いのが守口ダイコン。

おでんには欠かせないアイテム。

葉はビタミンAを多く含み、
汁はビタミンCやジアスターゼを含有。
薬草であり、
消化酵素を持つ。
血栓防止作用や解毒作用もある。

なるほど、必須の野菜である。

流れゆく大根の葉の早さかな   
〈高濱虚子〉

これら七草のセット商品が、
各地に出回っている。IMG_0319.JPG-6

神奈川県産の代表的な商品。
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七草がゆのアイテムもある。IMG_0322.JPG-6

平安時代の光孝天皇には、
想像もつかなかったに違いない。

春の七草。
七草がゆ。
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「粥有十利」(しゅうゆうじり)。
第1、色。第2、力。
第3、寿。第4、楽。
第5、詞清辯。
第6、宿食除。
第7、風除。
第8、飢消。第9、渇消。
第10、大小便調適。

人間は知恵がありますね。
その知恵、生かしましょう。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

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