結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年12月31日(土曜日)

チェーンストアの民主主義とイオンスタイル碑文谷訪問

大晦日さだめなき世の定(さだめ)
〈井原西鶴〉

2016年の、その大晦日。

東京・横浜は、
ほんとうに穏やかな一日。

朝日新聞『経済気象台』
コラムニスト昴さんは、
過去60年あまり、
米国にかかわってきた。

そのアメリカ分析。

「米国の偉大さは、
核でもドルでもありません。
国際社会が米国を畏敬してきたのは、
世界中から集まった移民が、
自由と平等を国是に
50の国(州)をつくり、
人種のるつぼという多様性を
生かした創意工夫で、
世界に通用する文物、文明を、
築いてきたからです」

「米国は人類の未来の姿、
いま様にいえばグローバリゼーションを
シミュレーションして、
見せてくれてきたのです」

納得・賛成。

米国チェーンストアも、
この自由と平等、
多様性を生かした
創意工夫から、

人類の未来を、
シミュレートしてくれた。

だから私たちは、
アメリカから学んできた。

しかし、昴さん。
「私は、トランプ現象を、
民主主義の機能不全とする悲観論には
くみしません。
米国の民主主義は、
多民族国家ゆえの復元力があります」

そうそう。

「トランプ登場は後世の歴史には
『草の根のあだ花』と一言
残るだけだと思います」

昴さんほどの人の見解に、
ちょっと安心。

「民主主義なしの米国は
あり得ません」

チェーンストアも、
民主主義を、
その根本思想とする。

今日は、夕方のピークに向けて、
イオンスタイル碑文谷へ。DSCN9947.JPG-6[

この40年ほどの間、
私自身も、勉強させてもらったし、
たいへんお世話にもなった店。

大晦日になって、
どうしても気になった。

東横線学芸大学駅を降りて、
店に近づくと、ドキドキしてきた。

店舗入り口では、
今日だけの限定で、
「ときめきポイント5倍」セールを、
展開していた。
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その1階入り口の青果部門。
すごい顧客数。
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マグロづくしは大好評。
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奥主通路が長くて変形の売り場だが、
そこに顧客がごった返していると、
妙な迫力がある。
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エビの天ぷらも、
このボリューム。
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今年の12月16日。
かつてのダイエー碑文谷店が、
イオンスタイル碑文谷として、
完全リニューアルオープン。

そして大晦日のこの客数。
うれしいことこの上ない。
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2階に上がると、
ギフト&スウィーツコーナー。
この売り場も碑文谷仕様だが、
大成功。
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1階から4階まで、
くまなく売り場を歩いて、
その出来栄えと顧客の状態を観察した。

3階の化粧品売り場は、
大晦日のこの時間だから、
閑散としていたが、
正月明けには賑わうだろう。

最新の品ぞろえと売場づくりに、
顧客の側が反応していた。

店に迷惑がかかるので、
一顧客として訪れたが、
町野弘幸店長が姿を見つけて、
時間を割いてやってきてくれた。

その町野さんと、
南関東カンパニーで、
広報を担当する大島さん。
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大島さんは今日、
本部から応援にやってきた。

町野さんとは、
今秋の第6回アメリカ視察に、
ご一緒した。

昨日の売上げは、
イオンリテール全店で第3位だった。

5階から7階までは、
来年3月31日オープンで、
いまだ片肺飛行。

それで3位という成果は、やはり、
ダイエーの遺産が残っているのだろうし、
もちろん現在の店の人たちの、
努力の結果でもある。

今日は、トップを狙う。

その心意気やよし。

「今日はこの調子で、
午後10時まで営業します。
そして明日は8時に初売りです」
町野さんは、元気に語った。

再び、言おう。
「初心忘るべからず」

年末や大晦日には、
日本のチェーンストアでは、
本部の人たちが、
全員、店舗現場に、
応援に駆け付ける。

これは実にいい仕組みだ。

店では人手が増えて、
大いに助かる。

本部は店の実態、現場の状況が、
よくわかる。

相互理解が深まる。

そして何よりも、
顧客にじかに接して、
商業の仕事を、
全社的に実感することができる。

これこそチェーンストアや商業が、
民主主義を根幹とすることを示すものだ。

こういったデモクラティックな制度こそ、
四半期に1回くらいは、
実施すべきだろうと思う。

「神は現場にあり」
なのだから。

今年も現場を巡った。
昨年も一昨年も、
そして来年も再来年も。

その現場で、
私を迎えてくれた、
すべての知識商人に、
お礼申し上げたい。

では、結城義晴のブログ[毎日更新宣言]
これにて終了。

長い長いご愛読、
こころから感謝します。

ただひとり風の音聞く大晦日
〈渥美 清〉

〈結城義晴〉

2016年12月30日(金曜日)

鳥ひろ閉店・イオンモール最高益・働き方改革の輪廻転生画竜点睛

2016年12月30日。
今年はうるう年だから、
今日は365日目。

横浜の東横線妙蓮寺駅1分の、
鳥ひろ。
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秋田出身のご亭主が、
焼き鳥屋を始めたが、
名物はきりたんぽ鍋、1600円。

もちろん焼き鳥も。
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ただし注文しても、
なかなか出てこない。

それでも人気店で、
土日曜の夕方など、
家族連れ、カップル、
一人客などで満杯。

その、鳥ひろが、
今日で閉店。
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私も最後の鳥ひろに、
最後の焼き鳥を食べに行った。

店は最後の客で、
ひどく賑わっていた。

しかし、さみしい限りだ。
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一方、イオンモール㈱は、
「経常益最高」

日経新聞の投資情報欄。
2016年第3四半期の連結決算。
日経だけの先行報道。

だからこういう表現になる。
「テナント賃料収入の増加で、
売上高にあたる営業収益は
16%増の1950億円前後だったようだ」

「3~11月期の連結経常利益は
前年同期比7%増の300億円前後」

そして「この期間としては、
過去最高を更新したようだ」

この時期、イオンモール今治新都市など、
国内で3モールを新規に出店。
ファッションビル運営のOPAを子会社化。
17モールを大型改装。

シネコンとフードコートのマッチングが、
日本映画の大ヒットで奏功した。

映画「君の名は。」も、
イオンモールの最高益に、
大いに貢献した。

店揃えの面では、
苦戦する衣料関連のテナントを、
キッズスペースや飲食店に入れ替えた。

さらに「ブラックフライデー」セールは、
「想定を大幅に上回ったとみられ、
9~11月期の既存店売上高は前年同期比で
10四半期ぶりプラスに転じたようだ」

イオン㈱はまだまだ、
数字に表れるところまで、
改革は進んでいないけれど、
イオンモールは好調。

モール事業の肝は、
店揃えとその改廃。

店は常に世間から、
厳しく評価されている。

そしてその社会的評価と、
経営の継続性によって、
輪廻転生する。

イオンモールは、この輪廻転生を、
ビジネスのエネルギーにしている。

鳥ひろは閉店して、
イオンモールは最高益。

それが2017年の12月30日だ。

さて日経新聞『大機小機』
「画竜点睛を欠く働き方改革」

月刊商人舎11月号は、
働き方改革×人材マネジメント
戦略的HRMしか
小売りサービス業を
救うものはない!!

安倍首相肝いりの
「働き方改革実現会議」
「同一労働同一賃金」実現のための
ガイドラインを発表した。

「正社員と非正社員との間の
合理的な賃金差が何かを、
具体的な事例で示した」

コラムニストの吾妻橋さんが、
厳しく指摘する。

「例えばキャリアコースの一環として
定型的業務で働く正社員は、
これを指導する立場の
同一業務の非正社員より
高給でも問題がない、としている」

「同一労働同一賃金」は、
仕事が同じなら、
賃金も同じにすること。

しかし、今回のガイドラインは、
日本の雇用慣行を、
変えないことを前提にしている。

だから、このキャリアコースの例は、
当初の理念からは離れてしまったし、
逆に慣行を正当化している。

これでは「画竜点睛を欠く」
「画竜」は「がりょう」と読む。
念のために。

「限られた範囲の正社員に
長期の企業内訓練を与える雇用慣行は、
戦後の高い成長期に普及した」

「その前提条件が大きく
変化したにもかかわらず、
なお固守されている」

コラムニストの主張。
「市場経済では本来、
需要や生産の変動に応じた
雇用調整は避けられない」

日本の仕組みは、
「もっぱら非正社員の雇用を
景気変動の調整弁としている」

アメリカの雇用調整の考え方。
「勤続年数の短い順に
補償金を受け取って
一時解雇されるルールが
労使間で合意されている」

解雇されるリスクは誰にでもある。
そしてその数は全体として見れば、
不況の深刻度によって決まる。

アメリカ流は、
「カネさえ払えば解雇していいのか」
と批判されるし、それはある面では、
妥当な指摘かとも見える。

だが、日本の現実は、
中小企業の社員や非正社員が、
「解雇法制がないために、
十分な補償なしに解雇されている」

つまり、今回の「働き方改革」は、
現状を無視した、
「大企業正社員の論理である」

はっきりと言い切った。

経済が長期停滞して、
「正社員を守るための非正社員数が、
傾向的に増え、この『身分格差』が、
大きな社会問題になった」

小売りサービス業で、
業績が悪くなると、
パートタイマー比率を増やすのは、
この構図に他ならない。

コラムニストの結論。
「『働き方の壁』の改善には、
包括的な解雇の金銭補償の
ルール化が不可欠になる」

大胆に映るかもしれないが、
欧米諸国では一般化している。

「企業の利益が、
株主より社員に分配される
日本の雇用慣行」

これが労使の、
長期的な利益共同体を築いた。

この成功体験が、
「必要な改革を妨げる主因」となっている。

正社員も含めた改革を、
タブー視してはならない。

鳥ひろで働いていたパートさんたち、
いったいどんな解雇補償を、
されているのだろう。

もちろん経営者の一存で、
補償や慰労がなされているのだろうが、
中小企業やその非正社員は、
日本全体で見れば、
まだまだ視野の外にある。

輪廻転生と画竜点睛。

真の働き方改革に、
タブーがあってはならない。

〈結城義晴〉

2016年12月29日(木曜日)

よく聴き、直感を働かせ、推論し、原理を探せ。

商人舎は昨日で仕事納め。
今日は、流通問題研究協会の、
IDR望年ゴルフコンペ。

静岡県松田の、
チェックメイトカントリークラブ。
東を臨むと眼下に橋本市。IMG_0267.JPG-6

遠く横浜みなとみらい見える。IMG_0265.JPG-6

南は伊豆大島がくっきり。

そして、夕方の富士の姿。IMG_0273.JPG-6

今年も何度もこの美しさに、
心を癒された。
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充実のラウンドで、
大満足。

一応、玉生弘昌協会会長にも、
齋藤充弘副会長にも、
スコアではいい勝負で、
わずかに凌いだし。

玉生さんはプラネット会長、
齋藤さんは全日本食品会長。

いいゴルフだった。

さて、朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一さん編著。

観念は生き物であって、
鮮度を失わずに俎の上に
のせることには
ある職人的熟練を要する
(中井久夫、精神科医、神戸大学名誉教授)

「刻々と変化する状況を
正確にキャッチするのに、
厳格な方法論はときに邪魔になる」

至言。

「状況に耳を澄ますとき、
聴くほうの耳が
事の軽重を選別してはならない。
聴くべきことを教えてくれるのは
状況のほうだから」

「よく聴くためには、
その微細な変化に臨機応変に
向き合わねばならない」

パスカル『パンセ抄』より。
「直感と推論」

直感によって
判断するのになれた人は、
推論については
何一つこれを理解しない。
なぜなら、彼らは
一目見ただけで

ことの本質を見抜こうとし、
原理を探す習慣が
まったくないからだ。

これに対して、
原理によって
推論するのになれた人は、
直感については
何一つこれを理解しない。
彼らは原理を探すが、
一目見ただけで、
それを見つけることなど
できはしないからだ。
(断章三)

パスカルは厳しい。
直感も推論も、
ともに要求する。

状況に耳を澄まして、
よく聴き、

直感を働かせ、推論し、
原理を探す。

来年もこの姿勢で臨みたい。

最後に日経新聞に企業情報。
ユニー・ファミリーマートホールディングス。
3~11月の第3四半期連結決算。

例によって、日経だけの先行記事。

ユニファミマは9月1日に発足。

だから第3四半期は、
旧ファミリーマートの3~8期に、
統合会社の9~11月期を合算して計算。

旧2社の実績との単純比較では、
営業総収入は5300億円前後、
単純比較で7%減。
営業利益は5%減。

「コンビニの不振を
好調な総合スーパーが
下支えした」

といってもこれは営業利益の話。
日経の関心は利益にある。

コンビニは、
「ブランド力の底上げが進まず、
サークルKサンクスは
既存店売上高の落ち込みが
大きかった」

総合スーパー「利益好調」の理由は、
①不採算店を閉鎖
②店舗の減損処理の前倒し

これは当たり前。

16年11月末時点は216店。
前年同月末比マイナス14店。

来期の政策。
①店舗改装や総菜開発
②レジの刷新と効率的な店舗運営

17年2月期の連結決算予想。
営業総収入は9116億円、
営業利益は565億円。

業容を縮小して、
利益率を上げる。

出直しとしては良いだろう。
しかしコンビニと総合スーパーを、
どう変えるかの、
根本的な戦略は見えてこない。

よく聴き、
直感を働かせ、推論し、
原理を探さねばならない。

〈結城義晴〉

2016年12月28日(水曜日)

「勇者は、勇者を敬う」と「難しい話をやさしくする過ち」

今年もあと4日で、
正月元旦。
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㈱商人舎は今日で、
仕事納め。

しかしこの冬一番の冷え込み。

その最終日に、
月刊商人舎1月号の最終責了。

私の原稿だけが残った。

今年の書き納め。
8300字。

1年間、
ご苦労様でした。

午後には、東京・日暮里。
㈱ダイナム。

タスク・プロジェクト会議。
4月からスタートして、
何とか目標に到達。

みんな、素晴らしかった。

そのあと、打ち上げ。IMG_0262.JPG-6
お疲れ様。

さて、安倍晋三日本国総理大臣。
ハワイのパールハーバー。

アリゾナ記念館で、
犠牲者を慰霊して、
書簡表明。

「昨日、私は、
カネオヘの海兵隊基地に、
一人の、日本帝国海軍士官の
碑(いしぶみ)を訪れました」

その人物とは、
真珠湾攻撃中に被弾し、
戦死した、戦闘機パイロット、
飯田房太中佐。

その飯田中佐の墜落地点に、
碑を建てられた。

攻撃を受けた側にいた、
米軍の人々によって。

「死者の、勇気を称(たた)え、
石碑を建ててくれた」

安倍首相は詩を引用する。
アンブローズ・ビアス。

The brave respect the brave.
「勇者は、勇者を敬う」

「戦い合った敵であっても、
敬意を表する。
憎しみ合った敵であっても、
理解しようとする」

戦争は絶対に、
避けねばならないが、
競争においては、
相手に敬意を表することが、
必須である。

さらに安倍首相は、
エイブラハム・リンカーン大統領の、
有名な言葉を語る。

ワシントンのリンカーン・メモリアル。
その壁に刻まれた言葉。

「誰に対しても、
悪意を抱かず、
慈悲の心で向き合う」。

「永続する平和を、
われわれすべてのあいだに打ち立て、
大切に守る任務を、やりとげる」

最後のメッセージ。
「私は日本国民を代表し、
米国が、世界が、
日本に示してくれた寛容に、
改めて、ここに、
心からの感謝を申し上げます」

よいメッセージだったと思う。

日経オンライン『経営者ブログ』
今年最後の鈴木幸一さん。
インターネットの草分け。
今年も、1年、読ませてもらった。
たくさんの示唆をもらった。

「難しい話を、やさしくする過ち」

「鈴木さんの話は、
飛んでいてわかりづらい」
そんな評価があるという。

「難しい話をやさしくすれば、
理解者を増やすことは
できるかもしれないが、
一方で議論が
本質からそれがちになる」

これは極めて大切なことだ。

「何百年も続いてきた仕組みを
変えてしまうITの本質を理解するには、
難しい話を、難しい話として
理解してもらうしかない」

ITに限らない。

「そう言いはってしまうものだから、
だんだんと政策に関わる話からは
遠ざかることになった。
まして、短い言葉で
多くの人々を動かそうとする
政治の世界には
疎遠のままである」

「一般大衆を動かすには、
3行の言葉で訴えよ」

しかし、
「短い言葉は往々にして
本質をねじ曲げ、
結局は危うい道か、
迂遠(うえん)な回り道を強いられる」

「そんな危惧があって、
黙ってしまうことが多い」

「端的な言葉で人を動かす
才能がないということなのだろう」
鈴木さんは謙虚だ。

難しいことを易しく。
易しいことを面白く。
面白いことをより深く。

林廣美先生に教わった言葉。

これは結局、
難しいことから逃げずに、
最後には「より深く」を追及する。

そして循環する。

難しい話を、難しい話として
理解してもらうしかない。

しかし難しい話を、
できるだけわかりやすく、
表現する努力を怠ってはいけない。

月刊商人舎では、
このところ、この難しい話を、
特集してきた。

10月号特集は、
Big DATA×「仮説・検証」

11月号特集は、
働き方改革×人材マネジメント

しかし、たとえば、
「働き方改革は、
利益を上げさえすれば、
成就ずることができる」
などという短絡は、
それこそ本質から外れる。

難しいこと、相反するようなこと、
それをポンと投げておいて、
「やり遂げろ」と言うのも、
やはり大きく本質からずれる。

「端的な言葉で人を動かす」
これも、
時と場合によって、
危険なことになる。

「難しい話を、やさしくする過ち」
以て自戒とすべし。

〈結城義晴〉

2016年12月27日(火曜日)

1964年「そのうち何とか」と2017年・岩崎高治「厳しい年」

年末商戦は今、つかの間の凪状態か。
明後日の29日から「際の勝負」

「早仕掛け」の成果は、
「際」の詰めがなければ成就しない。

さて第97代安倍晋三首相。
政府専用機で、
ハワイに到着。

一連の追悼行事が始まった。

アメリカの現役大統領と、
日本の現役総理大臣が、
一緒に真珠湾犠牲者を慰霊。
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素晴らしい。

あれから75年、
初めてのことだ。

パールハーバーには戦艦アリゾナが沈む。
その上にアリゾナ記念館が建設された。

安倍首相はオバマ大統領とともに、
この記念館で献花する。

そして「不戦の決意」を表明する。

この22日、トランプ次期大統領は、
得意のツイッターに書き込んだ。
「核兵器について、
世界がまともに考えるようになるまで、
米国は核能力を
強化し拡大すべきだ」

ああ。

安倍さんには、決然と、
不戦の決意表明をしてほしい。

さて『ほぼ日』の糸井重里。

「金のないやつぁ俺んとこへこい」
青島幸男作詞、萩原哲晶作曲、
もちろん植木等が、
明るく笑いながら歌ってた。
タイトルは、
「だまって俺について来い」

歌は続く。
「俺もないけど心配するな。
見ろよ、青い空、白い雲」

結論は、
「そのうちなんとかなるだろう」

東京オリンピックの1964年の歌。

「これ、いまつくったとしても、
こういう展開で完成しきれないと
思うんだよね」

同感。

「なんで、当時、この歌が成立していたか。
どうして、みんなでこの歌で
笑っていられたのか」

「それは、1964年という
時代のせいだと思うんだよね」

「なんでだか知らないけど
『そのうちなんとかなるだろう』
と、言えちゃうのが
『高度成長』の時代ってものだよね」

「この時代には、
たいていの商売が、
事業が、暮らしが、
あんまり考えなくても、
うまく行ってたんだよ。
『高度成長』って、
そういうことだったんだよねー」

この時代を経験していない人には、
実感がわかないかもしれない。

でも、知っておいてほしい。

「いまの時代の豊かさと比べてみたら、
そのころのほうがずっと
貧しかったんだけれど、
右肩上がりに『もっとよくなる感じ』が
あったんだね」

今でも、こんな感じの経営者、
いるかもしれない。

なにしろ、
「核能力を強化し拡大すべきだ」
などという次期大統領が、
当選してしまうくらいだから。

それから52年。

糸井の述懐。
「『なにかがきっと待っている』
のほうが、不安そうだなぁ」

ちなみにこれは、
『ひょっこりひょうたん島』

わかる。

さて、昨日の日経新聞。
岩崎高治さんが登場。
㈱ライフコーポレーション社長。
DSCN1950.JPG-6〈写真は商人舎撮影〉

聞き手は編集委員の田中陽さん。

「消費の状況を知るために
意識している数字がある――
それは雨が降った翌日の売上高だ」

言ってくれました。

Weather Marketing。
月刊商人舎8月号。
商品前線異常なし!

「消費が自律的な時は
前日分の落ち込みの
8割を取り戻せるが、
最近は5割にとどまっている」

つまり最近の消費は、
「自律的」ではない。

「現金給与総額と売上高の伸びは
連動していたが
ここ1年は売上高の伸びが
鈍ってきている」

つまり、
「給料は増えているが
社会保障費への支出増が
重荷になっていると見ている」

今日のDaily商人舎。
【11月家計調査】

最後の文章。
「全体に実収入が増加して、
支出が減少している。
つまり貯蓄ないし、
家庭内ストックが増えている」

岩崎さんと同じ分析だ。

「地域別では関西は関東に比べて弱い」

ポイントセールについても、
正直に述べている。

今年6月、ポイントの仕組みを変更。
「同業他社並みにしたところ、
途端に客数、売上高が落ち込んだ」

そして11月。
「かつての制度に近い仕組みに
修正したところ来店客数も戻った」

これは200分の1にしたら、
客数・売上高が減って、
100分の1に戻したら、
客数も回復したということ。

「ポイント制度に
敏感だったことがよくわかった。
それだけ買い物に対する目が
厳しいということだ」

「消費は一進一退というよりも
ほふく前進なのだが、
少しでも国民負担となるような
ニュースがあると萎縮してしまう」

昨日のブログの川野幸夫さん。
ヤオコー会長。
「今年はまあまあだった」

「約10年、社長をしているが
これほど消費者が将来不安を抱いて、
それが消費に影を落としているのは
初めてのような気がする」

「客単価と一点単価は
ここ数年ほとんど変わっていない」

ライフの場合、
前者は2000円超、
後者は200円超。

「買い物客を高級志向、価格志向など
9つに分類して分析すると、
全体で3%の高級志向の買い物客は
さらにいい商品を買おうとしているが、
価格に敏感な買い物客は
競合店の価格を比較しながら
安い商品を買う傾向が鮮明」

もう有名になった、
ライフのクラスター分析。
もちろんID-POSデータ活用による。
〈月刊商人舎2016年4月号〉

「最近は若い世帯の買い物行動に
変化が見られる。
世帯人員は少ないはずにもかかわらず
肉などはジャンボパックを購入している」

岩崎さんの読み。
「お得感があり、
外食するよりは自宅で料理をした方が
節約できるからだと思う」

ウェグマンズのファミリーパックと、
まったく同じトレンドの、
同じ発想の商政策だ。

「深刻な人手不足は
経営に大きな影響を与えている。
この2年でパートの時給は
50円上がった」

「人材の供給が制約され、
新規出店などの投資が
抑えられてきている」

最後に2017年の展望。
「小売業にとって、
経費が増えることばかりなので
厳しい年になるだろう」

「その先にあるのが、
もう一段の業界再編だと思っている」

岩崎高治の時代認識は、
ひどく厳しい。

「そのうちなんとかなるだろう」
なんてことは、断じてない。

それが正しい。

〈結城義晴〉

2016年12月26日(月曜日)

川野幸夫の1年の総括「まあまあ」と「レジレス化&統一店休制度」

Everybody! Good Monday!
[2016vol52]

2016年も最終週。
1月元旦を第1週と数え始めて、
今週は第53週。

毎日更新宣言ブログ、
毎週、毎週のご愛読、
感謝します。

振り返ってみると、
今年1年、一度も病気せず、
風邪もひかず、怪我もせず、
元気にやり遂げることができました。

それは何よりも、
真摯に、緊張して、
このブログに取り組んだ、
成果の一つだと思います。

「私、手は抜かないので」
ドクターXの外科医・大門未知子風に。

ご愛読、感謝します。

それにしても、
横浜は暖かい年の瀬です。
小春日和がつづく。

漁の舟小春日和に眠りをる
〈朝日俳壇より 岡崎市・米津勇美〉

そんな日です。

しかし日本列島は長い。

列島の脊梁冬に入りて住む
〈同 養父市・足立威宏〉
(金子兜太選評)
作者住む日本列島養父市の、
冬の寂寥(せきりょう)感の深さ強さ。
養父は「やぶ」と読むが、
兵庫県北部但馬地域の山間都市。

さらに一句。

(こがらし)や帽子押へてすれ違ふ
〈同 川西市・日塔脩〉

東京・横浜は暖冬だけれど、
木枯らしが吹く地方もある。さて、今日は、東京・日本橋。
日本スーパーマーケット協会。
一般社団法人。

今年最後の記者会見。DSCN1796.JPG-6

スーパーマーケット、および生協の、
11月の営業報告があっった。

特徴は、企業規模による営業成績の落差。

パネル数は270社だが、
1~3店舗の企業47社の前年同月比は、
全店で97.9%、既存店で97.9%。

51店以上の43社の前年同月比は、
全店で104.7%、既存店で102.1%。

その中間に位置する企業群も、
店数が多くて、売上規模が大きい会社が、
比較的好調で、小さい会社が不調。

あくまでも客観的な統計で、
個別の企業の話ではない。

しかしこの全体のトレンドは、
企業の統合が進むだろうことを、
示唆している。

その後、会長の川野幸夫さんが、
一年の総括。
㈱ヤオコー会長。
DSCN1798.JPG-6

今年のスーパーマーケット業界の状況を、
川野さんは表現した。

「まあまあの状況」

百貨店、総合スーパーは低迷したが、
「スーパーマーケットはまあまあ」

この「まあまあ」が逆に、
スーパーマーケット業態の特性でもある。

他の業態が絶好調の時も、
スーパーマーケットは「まあまあ」

他業態が不調の時も、
スーパーマーケットは「まあまあ」

クリスマス商戦も、各社、
「まあまあ」だった。

それが社会のインフラ産業の特徴だ。

川野さんが強調したのが、
人手不足の問題と、
働き方改革、生産性向上。

月刊商人舎11月号の特集と、
問題意識は完全に一致した。
働き方改革×人材マネジメント

そこで協会は二つの取り組みをする。
第1は「レジレス化」

研究会を立ち上げて、
完全無人レジの研究を始める。

アマゾンGOの無人店舗実験も登場して、
想像以上に速いスピードで、
レジレス化が進む。

マンアワーで見ると現在、
全体の20%がレジに投入されている。

フレンドリーな接客を受けたい。
そんなニーズもある。
しかしそれは、
別のサービス機能でできる。

生産性アップのために、
レジレス化は進められねばならない。

小売業に限らずサービス業全体で、
同じ課題として取り組む必要がある。

政府や行政に加わってもらう場面も、
出てくるに違いない。

第2は、
営業時間の短縮や、

店舗休日の設定の問題。

協会としては、
統一店休制度の創設を提案する。

そのために検討委員会が設けられて、
具体的な議論が展開される。

最後に川野さんが語ったのが、
スーパーマーケット産業の位置づけ。

食品スーパーマーケットでは、
他の業態に比べて、
寡占化が進んでいない。

マラソンに例えると、
せいぜい20キロ地点。

先頭集団が走っているが、
それにどんどん後続集団が続いている。

つまり食品スーパーマーケットは、
「まだ若い業態だ。
スーパーマーケットの発展は、
まだまだこれからだ」

大手企業と中小企業の格差は、
開くかもしれないが、
世代交代が進んで、
若い経営者から、
問題提起がなされている。

最後に江戸時代の身分制度の話。
士農工商の序列。

江戸時代には、
一番下の商が幕府や藩を動かした。

新田を開墾するときなど、
必ず商人資本や商人の知恵が生かされた。

明治になって、
商業は農業と一緒に、
失業のバッファー程度としてしか、
見られなくなった。

富国強兵・殖産興業のスローガンのもと、
政府は作る機能を最優先した。

さらに戦後も国民の中に、
士農工商は残った。

それが長い間に、
国民の頭の中に刷り込まれた。

どうしたらいいか。

この意識を変えるには、
高い志を持って、
みんなが努力する以外にない。

川野さんの弁舌は、
どんどん熱を帯びていった。

記者会見が終わって、
全員が解散してから、
川野さんと単独会談。
DSCN1808.JPG-6

スーパーマーケットの協会が、
やはり大同団結して、
同一労働同一賃金問題、
レジレス化や統一店休問題、
さらに軽減税率や本体価格表示問題に、
真剣に取り組まねばならない。

私が主張しているのが、
「ポリティカル・マーチャント」

政商ではない。
政治的主張を持った商人。

清水信次さんがそのお手本。
川野幸夫さんがその後継者。

清水さんは日本小売業協会会長、
日本チェーンストア協会会長、
日本スーパーマーケット協会名誉会長、
新日本スーパーマーケット協会名誉会長、
そしてライフコーポレーション会長。

清水さんにも川野さんにも、
まだまだ頑張ってもらわねばならない。
DSCN1810.JPG-6

川野幸夫さん、74歳。
結城義晴、64歳。

大所高所から、
じっくり考察し素早く行動する。

共に頑張りましょう。
DSCN1812.JPG-6

夜の銀座のイルミネーション、
例年より控え目な印象で、
これも「まあまあ」だった。IMG_0250.JPG-6

安倍晋三首相は今夜、
ハワイに向けて出発する。
真珠湾攻撃の犠牲者慰霊。
そして、パールハーバーで、
バラク・オバマ大統領とともに、
不戦表明をする。

ここでも大所高所からの、
見識が問われる。

みなさんも、今週の、
歳末際の商戦に向けて、
大所高所から、
「まあまあ」のちょっと上を行こう。

では、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年12月25日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その28】樅(モミ)

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目は変わらぬものを見分ける。
そんな目で見る博物誌――。

Merry Christmas!20111224154648
今日こそ、クリスマス。

そしてクリスマスツリー。
20121222180152

もちろん立教大学。
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クリスマスのイルミネーション。
DSCN7715-2

クリスマスキャロル。

もみのき もみのき ときわに あおき
もみのき もみのき ときわに あおき
くさもえる なつも ゆきしろき ふゆも
もみのき もみのき ときわに あおき
〈小学校教科書、野口耽介作詞〉

ドイツ民謡。

日本語の歌詞は、いくつもある。

樅の木 樅の木 生いや茂れる
木蔭をさまよい 語りし思い出
樅の木 樅の木 いなまお恋し
〈並木祐一訳詞〉

もみの木 もみの木 いつも緑よ
もみの木 もみの木 いつも緑よ
輝く夏の日 雪降る冬の日
もみの木 もみの木 いつも緑よ
〈中山知子作詞〉

おおタンネンバウム
おおタンネンバウム
ときわのみどり
おおタンネンバウム
おおタンネンバウム
ときわのみどり
夏の山路には 枝をさしのべて
清がしき木陰に われをいざなう
〈早川義郎作詞〉

ちなみにコーネル大学の校歌も、
この歌のメロディー。DSCN9954.JPG-6

樅は、マツ科モミ属の常緑針葉樹。
学名Abies firma。

北半球の寒冷地から温帯に分布。
日本に自生する樅は、
北端は秋田県、南端は鹿児島県屋久島。

樹高は40mにも達する。
樹形は円錐状で、
クリスマスツリー形となることが多い。

枝は、幹の同じ高さから、
輪を描くように四方八方に出る。
輪生(りんせい)という。

樹皮は茶色がかっている。

葉は針状。
細くて固い。
先端はふたまたで、
鋭くとがっている。

マツ科の植物は雌雄異花。

樅の雄花は、
小さなラグビーボール形で、
多数群生する。

雌花は、枝の先端に、
上向きに形成され、
受粉後上向きに立ったまま、
果実になる。

果実は「球果」と呼ばれ、
木化した鱗片状の葉が、
球状に集まってできている。

球果の大きさは10~15cm。

若い球果の色は緑色、
成熟すると灰褐色に変わる。

熟すると樹上で、
鱗片が剥がれ落ちて分解し、
種子を散布する。
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『樅ノ木は残った』は、
山本周五郎の歴史小説。
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江戸時代前期の「伊達騒動」が題材。

仙台藩伊達家で起こったお家騒動。
主人公は国家老の原田甲斐。

従来の解釈では、
悪人とされてきたが、
山本周五郎は、
幕府による取り潰しの画策から、
伊達藩を守るために尽力した、
忠臣として描く。

その原田甲斐が、
自邸の庭に立つ樅の巨木を語る。
「私はこの木が好きだ。
この木は何も語らない。
だから私はこの木が好きだ」

樅の木のイメージは、重い。
樅の木は永遠に青い。
草萌える夏も、雪白き冬も。
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だからクリスマスキャロルになった。
くるくる変わるものは、
永遠の存在にはなりえない。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

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