結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年12月24日(土曜日)

Christmas Eve!マッケンジー・ジュタヌガンと平富郎の笑顔

Christmas Eve。
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それにしても、
糸魚川の大火。
新潟県糸魚川市中心部、
約150棟、約4万㎡を、
天皇誕生日の祝日に、
約30時間にわたって焼き尽くした。

けが人は住民2人、
消防団員9人。

ほんとうに不幸中の幸いで、
焼死者はいなかった。

お見舞い申し上げたい。

朝日新聞『折々のことば616』
鷲田清一さん編著。

とても波長が合うから、
毎日のように、紹介したくなる。

空の箱には、
たくさんものが入るように、
不幸な家庭に育った人は、
幸せをたくさん詰め込めます。
(美輪明宏「花言葉」から)

「たしかに富者がしばしば
財の増減に神経をすり減らすのに対し、
貧者にはときにおどろくほど
気前のいい人がいる」

「もちろん財だけの問題ではない」

知識も情報も考え方も。

クリスマスイブの、
サンタクロースのプレゼント。IMG_0227.JPG6

昨日の日経新聞『スポーツ欄』
「ルーティンは笑顔」

ニュージーランド代表、
ダミアン・マッケンジー。
「ラグビー王国」期待の新鋭。
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177センチ、78キロ。
ラグビー選手としても、
フルバックとしても小柄。

日本人の五郎丸歩だって、
同じポジションで185センチ、100キロ。

マッケンジーのランは切れ味抜群。
今年のスーパーラグビー。
ボールを持っての走行距離、
防御ラインの突破回数。

ともに全選手中第1位。
トライ数は第2位。

だから異名は「スマイル・アサシン」
つまり「笑顔の暗殺者」

なぜスマイルか。

ラグビー・ゴールキックのルーティン。
昨年のワールドカップイングランド大会、
日本代表の五郎丸によって、
広く知られるようになった。

マッケンジーも、
プレースキッカー。

「ボールを置いた後、
真剣な表情を一変。
笑顔をつくってから蹴る」

スピード出世したマッケンジーだが、
抱えていた悩みはゴールキック。

「筋肉が硬直してボールに
足を当てるタイミングが分からず、
ミスすることがあった」

メンタルコーチの勧めもあって、
「リラックスするために
効果があると思った」

難しい秘訣はない。
蹴る直前に、
口角を上げるだけ。

しかし、
「蹴る時に自由に動けるようになった」

今や大型スクリーンに
その笑顔が映される度に
ファンが喜ぶ人気選手。

笑顔をつくる。
口角を上げるだけ。

同じルーティーンのアスリートが、
もう一人いる。

アリヤ・ジュタヌガン。
タイの女子プロゴルファー。
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今年、全英女子オープンで優勝。

打つ前に笑う。
パットでも、ショットでも。
軽く笑顔をつくってから、
アドレスに入る。

こちらも口角を上げるだけ。

気持ちを楽にさせる。
自分をリラックスさせる。

脳内にはアルファ波が出るらしい。
集中力アップにもつながるらしい。

そういえばチェーンストアのトップで、
同じような笑顔の人がいる。

平富郎さん。
㈱エコス会長。
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接客の際も、
初対面の時も、
会議の席でも、
商談の場合にも、
笑顔を見せる。
口角を上げる。

だからクリスマスイブにも笑顔。

箱の中に笑顔。
幸せをたくさん詰め込んで。

Merry Christmas!

〈結城義晴〉

2016年12月23日(金曜日)

天皇誕生日の吉田拓郎・糸井重里の「旅のストレスと人の成長」

天皇誕生日の祝日。
今日から三連休。

まあ、クリスマス連休。

皇居前には参賀の人々が、
3万8000人、集まった。IMG_5738.JPG-6

第125代明仁今上天皇。
83歳。
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誕生日おめでとうございます。

夜の皇居は、
ライティングされて、
美しかった。
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一方、北海道地方は、
大雪、暴風の大荒れ。
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札幌市の積雪は90センチを超えた。
12月の雪として50年ぶりの記録。
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お見舞い申し上げます。

夜には、吉田拓郎。
NHKのSONGSに登場。
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1946年4月5日生まれの70歳。IMG_5757.JPG-6

最高のバックミュージシャンに囲まれて、
9曲を歌った。
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私は「ある雨の日の情景」が、
なんともよかった。
バンド全員で、
アカペラでコーラスした。

確か57歳の時に、
拓郎は肺ガンを患った。

それを克服して、
70歳の自分をさらけ出した。

それは、よかった。
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さて『ほぼ日刊糸井新聞』

会社名を、
㈱東京糸井重里事務所から、
㈱ほぼ日に、改称して、
いよいよ絶好調。

「友人が、海外のあちこちで
仕事をしては、帰国し、
国内でいろいろやっては、
また見知らぬ外国に行き
……というような暮らしをしている」

その友人が、先日、
「疲れました」と素直に言った。

そこで糸井は旅を考察する。

「飛行機の移動だけでも
疲れるとも思うけれど、
各地でちょっと長めの滞在を
繰りかえす仕事だから、
その地に馴れかけたころには、
次の場所に行く。
そういうことがかなり
負担になっているのだろう」

わかる。

「だれかに『あれ、とって』と頼んだら、
その『あれ』をとってくれる人も、
じぶんの手の延長だ」

この表現が糸井らしい。

「コンビニも、電車も、
近所の人も、仕事場も、
それぞれ、みんな
『じぶんの可能性の延長』なのである」

そのとおり。

「言い換えれば、ふだん
ふつうに暮らしている環境は、
広い意味での『じぶん』なのである」

自分の家も、
自分の店も、
自分の会社も、
ぜんぶ「自分」だ。

「その環境込みでの
『じぶん』というものを、
がらっと変えてしまわざるをえないのが、
『旅』だ」

「いつもの、思いやら
手足やらが使えないのだ」

そんなものと連れ立って、
旅をしたがる甘えん坊もいるが。

旅では、
「じぶんの力が、
ほんとうに原寸大の、
『ただのじぶん』になった状態で
生きることになる」

これも私、実感するが、
たいへんなストレスとなる。

「旅先の環境を
『じぶん化』していく過程は、
人を、とても大きく
成長させてくれることなのだ」

そう、旅先では、
わがままは通らない。

自分を無理にでも変えなければ、
新しい環境のなかで生きていけない。

そんなストレスのかかる旅を、
繰りかえしてやっていたら、
とんでもなく疲れる。

しかし、それは同時に、
人を成長させてくれる。

そして、ついでのような、
糸井の反省。

「ぼく自身には、その
『旅』のようなものが足りない。
じぶんを変化させねばならない
ストレスが、少ない」

「安定的にパフォーマンスを
発揮しやすいかもしれないが、
これでは、じぶんが
『固くなってしまう』と思うのだ」

今日の結論。
「変化は、人としてはつらいこと。
だけど、必要なんだよね」

今年、私も、旅をした。

そして来年ももうすこし、
無茶をせず、無理をする。

今上天皇は83年、
吉田拓郎は70年、
ストレスのかかる旅を、
続けてきたようなものだ。

糸氏重里自身の発言は、
謙遜である。

私も負けられない。
皆さんにも、
変化は必要だ。

〈結城義晴〉

2016年12月22日(木曜日)

NaturalHouse白川洋平さん・阪急Oasis千野和利さんに会った

冬とは思えない暖かさ。
今日は20度になった。

アメリカのミネソタ州。
ミネアポリスはマイナス30度。

現地の土井啓子さんが、
フェイスブックで報告してくれた。
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今日は朝から、東京・青山。

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自然食品専門店の草分け。
現在はオーガニック専門店。

1978年創業で、
30店の直営店を展開する。

私、30年以上も前に、
取材したことがある。

その現在の代表取締役社長、
白川洋平さん。DSCN9748.JPG-6

初めて会ったが、
すぐに意気投合。

長い付き合いをしましょう。

「商人は正人である」
私は故成瀬義一先生の、
有名な言葉を思い出した。

そのあと、車で新宿へ。

ハイアットリージェンシー東京。
ランチミーティング。

千野和利さん。
㈱阪急オアシス会長。
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ご一緒したのは、
㈱伊藤園副会長の江島祥仁さんと、
専務取締役の小林義雄さん。

ありがとうございました。

千野さんとは、大所高所から、
スーパーマーケット産業全体の展望、
H2Oリテイリングの関西構想、
阪急オアシスの新フォーマット、
そして企業連携と企業統合など、
ざっくばらんに語り合った。

私も随分と、
突っ込んだ意見を言った。

剣道五段の千野さんは、
現在も毎朝、
100本の素振りを欠かさない。

それだけに体力、気力は充実。

1949年生まれの67歳。

私はどんなことも、
当該の中心人物に直接、
話を聞くことにしている。

それは当事者が一番よく、
そのことを考えているし、
そのことを知っているからだ。

自分の目で見る。
自分の耳で聞く。
そして、
自分の頭で考える。

千野さんもその面では、
私の同志。

来年早々、
アメリカからヨーロッパまで、
研究の旅に出て、
新しいフォーマットに取り組むそうだ。

さて日経オンライン経営者ブログ。
高原豪久さん、
ユニ・チャーム社長。

タイトルは、
「12月に思う経営の在り方」

話は次期大統領ドナルド・トランプから、
第35代ジョン・F・ケネディ、
第26代セオドア・ル―ズベルトへと進む。
そのルーズベルトは、
赤穂浪士を礼賛していた。

ルーズベルトは、
英訳“CHUSHIN-GURA”を愛読した。

一般に評価されるのは、
大石内蔵助のリーダーシップだ。

しかしルーズベルトは、
「四十七人の義士」の
「義士たるところ」に共感した。

高原さんはそう、推測する。

この時代、武士は、
サラリーマン化しつつあった。

だから余計に、
町人は畏敬の念も込めて、
赤穂浪士を「赤穂義士」と称賛した。

義士の“義”の意味は、
「助ける」「補足する」「かわりにやる」
「義足・義手」という言葉がある。

そこで高原さんは、
「『義』務」を定義する。

「やらねばならないことをやらされる」
ではなくて、
「やるべきこと、やりたいことを、
その一員が思いを同じくして
実行すること」

ユニ・チャームでは、
「共振の経営」を推進している。

その『三つの特長』

第1は、
ものの見方・考え方を
変える仕組みがあること。

これは「社是」「理念」に相当する。
「要諦は全社が向かっている方向と、
社員一人ひとりの仕事の方向が
一致すること」

第2は、
実行せざるを得ない仕組みが
あること。

「目的はお互いがお互いの仕事を
見せ合う・見合う仕組みを意味する」

「幹部と社員の間の壁をなくし、
お互いの仕事を自由に
見ることができるようにする」

そのことによって、
「お互いの仕事を理解し、尊重し、
そしてフランクにアドバイスを
し合える風土・文化を醸成する」

第3は、
仕事のやりがいを実感できる
仕組みがあること。

「やりがい」=「仕事をする喜び」

「共振の経営」を通じて、
互いに「喜びあい」「認め合う」
風土・文化を醸成する。

仕事を通じ物心両面の豊かさを感じ、
「努力し、成果をあげた人」が、
正しく評価される会社にする。

高原さんは熱い。

「戦略は模倣されますが、
企業間の格差は、
それを実践する度合いによって
決まります」

そして結論。
「我が社では
『三つの特長』を盛り込んだ
『共振の経営』によって、
『義務を遂行する仕組み』を
他社が模倣できないレベルにまで
全社員で高めることを
目指しています」

この「義務を遂行する仕組み」は、
ピーター・ドラッカーの、
「責任の組織化」である。

「他社が模倣できないレベル」は、
ジェイ・バーニーの、
「模倣困難性」である。

それらによって、組織は、
継続的な競争優位を築くことができる。

〈結城義晴〉

2016年12月21日(水曜日)

12月景気基調判断の「上方修正!」から「沈黙と無言」の力へ

日一分一分ちゞまる冬至かな 
〈正岡子規〉

明治35年、1902年の9月、
享年34で逝った子規を思えば、
この句が胸にしみる。

今日は、2016年の冬至です。

日経新聞巻頭の『春秋』
一年の短さをいひ柚子湯かな
〈岩井善子〉
L3381140001693801〈兵庫県香住町いまご荘〉

くりかえし繰り返しの一年。
その繰り返しに応えるのも、
小売りサービス業の使命だ。

さて、12月の政府月例経済報告。

やっと来た。

景気認識の基調判断を、
上方修正!

1年9カ月ぶり。

「一部に改善の遅れもみられるが、
緩やかな回復基調が続いている」

2014年4月、安倍晋三内閣で、
消費税率8%への引き上げ。

2014年11月にあわてて、
2015年10月に予定していた、
税率10%への引き上げを、
2017年4月に1年半延期。

その後の2015年3月。
消費増税してから丸1年。

そこでやはり景気認識を上方修正。

その時の表現。
「企業部門に改善がみられるなど、
緩やかな回復基調が続いている」

「緩やかな回復基調」は、
景況判断の常とう句だが、
まあ、それが発信されただけでも、
ちょっと気分が晴れる。

海外経済は回復。
アメリカでは昨日、
株式市場でダウ工業株30種平均が、
前日比91ドル高と続伸。
1週間ぶりに最高値を更新。

日本経済も輸出に持ち直しの気配。
雇用環境は全体でみれば改善され、
所得は増加。

そこで個人消費が上向いてきた。

その個人消費に対する表現。
11月は「総じてみれば底堅い動き」
12月は「持ち直しの動き」

もしかしたら政府のリップサービスか?

なんてことも思ってしまうが、
クリスマス商戦と歳末商戦には、
すこし安堵しつつ臨みたい。

ここまで来たら、
一気呵成、商売邁進。

マイナスの発言など、
耳に入れる必要はない。

さて、朝日新聞の一面、
今日の『折々のことば』
鷲田清一さん編著。

沈黙している人だけが
聴いているのであって、
口を閉じない者には
何も聞こえません。
(ヨゼフ・ピーパー「余暇と祝祭」から)

ドイツのトマス主義哲学者、
カトリック思想家。
ミュンスター大学教授。

沈黙とは口をつぐむことではない。
「口を開けばとぎれてしまうような
深い心の通いあい」のことだ。

「人を懐深く受け入れるには、
鎧を脱いでいちど
自分を緩める必要がある」

「だがそれは、事のなりゆきに
心置きなく身を委ねられる
『信頼』なしには難しい。
まずは日頃よりそういう関係を
周囲との間で育んでおかねば」

遠藤周作著『沈黙』を、
どうしても思い起こす。

神は語りかける。
「私は沈黙していたのではない。
お前たちと共に
苦しんでいたのだ」

11月29日の『折々のことば592』
無言は
強い質問である
(御厨貴「人を見抜く『質問力』」から)

日本の政治史学者・政治学者、
東京大学・東京都立大学名誉教授。

「人に質問してその答えが
そつのない帳尻合わせに聞こえるときは、
さらに突っ込んだ質問をするよりも、
いったん黙り込んだほうがいい」

政治家へのインタビュアー御厨の、
経験に基づく真骨頂。

同感だ。

「そんな答えを待っていたのではない、
そこは本当のところどうなのか、
という強い聞き返しになるから」

そして反対に、
「質問を受ける側にも
同じ思いはある」

対面していて、
相手が無言になったら、
あるいは沈黙したら、
それは「強い質問」か、
あるいは、
「ともに苦しんでいた」か。

べらべらと、
しゃべっているだけの者は、
何も聞いてはいない。

自分のことだけ、
自分の考えだけ、
話し続ける者は、
その瞬間、
何も感じてはいない。

考えてはいない。

冬至の一日。
そんなことを思う。

少し早めに帰る柚子湯に入るため
〈 「紅葉山」より 岸田稚魚〉
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締めの一句。
とりわけて何事もなし冬至粥
〈佐藤鬼房〉

それも、よし。
冬至には。

〈結城義晴〉

2016年12月20日(火曜日)

ヤオコーとしまむらの「戦略的人材資源マネジメント」

12月も20日になったのに、
横浜では暖かい日が続く。

小春日和。

Daily商人舎に、
日本とアメリカのニュース。

Japan Newsは、
[11月百貨店]
既存店売上高▲2.4%
高島屋だけ1.1%増の不思議

この中で日本列島全部、
百貨店は前年比ダウン。
ところが高島屋だけ、
プラス1.1%。

11月に良ければ、
12月商戦は確実に、
高島屋のリードで動く。

食品2.8%プラス、雑貨4.9%プラス。
免税品は、プラス9.2%。

マークしておきたい。

World Newsは、
米国ホリデーシーズンの
小売業販促費・割引率と
返品処理システム

これは必読。

特に「返品処理システム」に関しては、
読んでおいてほしい。

さて今日は、
染谷剛史さん、来社。
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㈱リンク&モチベーション、
執行役カンパニー長。

リンク&モチベーションは、
人材採用・育成のコンサルティング会社。
東証一部上場企業だ。

染谷さんはその中で、
小売・流通・外食等のサービス事業に
特化した新規事業MEチームの長。

彼のビジョンと志に感銘を受けて、
12月6日に、商人舎と、
特別コラボセミナーを開催した。

セミナーの主題は、
「流通サービス業の
“戦略的人材資源マネジメント”を考える」

全国から有力企業の、
人事担当幹部、トップが、
参集して、中身のあるセミナーになった。

今日はその後の展開の話。

来年はまた、
一緒に仕事ができるだろう。

その染谷さんのお土産。
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いま、大ヒット中のチョコレート。
「Minimal」
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染谷さんの後輩の山下貴嗣さんが、
2年前に起業した店。

会社は㈱bace bace Inc.
山下さんはその代表取締役。

小さなチョコレート店舗だが、
東京の富ヶ谷本店のほか、
銀座と白銀高輪に支店がある。

素材や製法にこだわりをもつ、
「Bean to Bar」チョコレート。
豆(Bean)から板(Bar)にする工程全てに、
手間暇をかけて、
カルチャーとして製造する。

ニューヨーク・ブルックリンの、
「マスト・ブラザーズが始まり。
この「Bean to Bar」概念は、
現在、ヨーロッパにも伝わっているが、
日本の先駆けが「Minimal」

この商品は、クリスマスエディション。
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1枚1100円~1500円。
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板チョコだが、
カカオの味がしっかりあって、
種類ごとにアロマやフレーバー、
舌触りが異なる。

まるでワインを楽しむような、
特別のチョコレートだ。
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現在、すぐには買えないほど、
大ヒット中。

染谷さんの後輩だけに、
目の付け所が面白い。

さて『しまむらとヤオコー
小川孔輔さんの単行本があった。
小川さんは法政大学大学院の、
イノベーションマネジメント研究科教授。

この本は2011年の発行だった。

今日、この2社のニュースが、
日経新聞に載った。

ヤオコーの記事は、
来年度の連結決算予測。
これは投資家のための情報。
http://magazine.shoninsha.co.jp/wp-content/uploads/2015/09/201509-cover2.png

2017年3月期連結売上高は、
3385億円を見込む。
これは前期比4%増。
税引き利益は94億円で、
これも4%増。

対して2018年3月期連結売上高は、
4000億円前後へと飛躍する。
2017年対比2割増。

その理由の第1は、来年4月の、
㈱エイヴイの完全子会社化。
同社は神奈川県を地盤にする、
ディスカウントスーパーマーケット。

ローコスト・ロープライスが、
唯一最大の戦略で、
ゆっくりと成長してきた。
2016年3月期売上高は、
483億円で、前期比10%増。

このエイヴイの売上げがそっくり、
ヤオコーの連結決算に乗ってくる。

第2に、ヤオコー自身でも、
6~7店の新規出店計画をもつ。
さらに一部店舗は改装する。

エイヴイの全発行済株式を、
約115億円で取得する。

エイヴイの側から、
売り込みがあったという話だが、
ヤオコーにとっては、
「いい買い物」だった。

対極的な体質の会社が、
グループに入る。

互いの社風は異なっても、
急ぐことはない。

ゆっくりとゆっくりと、
融合していけばいい。

その点は、
米国クローガーがお手本となる。

一方の、
しまむら。
こちらは例によって、
日経だけの事前情報で、
第3四半期までの決算。

2016年3~11月期の売上高は、
4300億円前後で、
前年同期比5%増の見込み。
連結営業利益は380億円前後で、
こちらは2割増。
過去最高益を更新。

記事に書かれているのは、
「気温の低下に伴い
冬物衣料の販売が伸びた。
ベビー用品も好調だった」

そのうえ、「値引き販売の抑制」
これで採算が維持された。

とりわけベビー用品の「バースデイ」が、
25.1%増と目立った。

月刊商人舎12月号
キッズ・ベビー特集の「逆説の力」

しまむらのバースデイも発揮している。

商品開発も奏功している。
「ウラモコ」は、
裏地に起毛をほどこしたスエットなど。
「裏地あったかパンツ」は、
発売3年目で販売が一巡したが、
ブルゾンやスカンツなど、
トレンドの商品が伸びた。

そんな地味な商品開発を展開しつつ、
在庫管理を徹底した。

商品数を前年比で2割程度絞った。
アイテムごとに割引率を設定。
値引きせずに販売する体制を整えた。

既存店売上高前年同月比は、
9月13.8%減、10月5.4%減と低迷、
その間、在庫管理が効果を出した。
そうすると11月の既存店は、
16.4%の増加を見た。

2017年2月期通期売上高は、
5751億円の見込み。
前期比5%増、
営業利益は462億円で、
16%増。

総合スーパーや百貨店の衣料品は、
相変わらず不振だが、
それを横目で見つつ、
好調を維持している。

ヤオコーとしまむら。
どちらも埼玉県小川町出身の企業。

食品と衣料品で、
4000億円と5000億円台の、
日本有数のチェーンストアとなってきた。

小川町は古くから、
起業家精神が盛んな土地として知られる。

しかし私は、両者ともに、
戦略的人材資源マネジメントに、
優れた企業だと評価している。

〈結城義晴〉

2016年12月19日(月曜日)

Check-out革命と「くり返しの中に客は何かを見つける」

Everybody! Good Monday!
[2016vol51]

今年も52週目。
あと2週間。

1月1日の週を第1週と数えると、
1年は53週になる。

だから今週は第52週。

その今週の水曜日の21日は、
1年で昼が一番短い冬至。

昨日のブログに書いたけれど、
冬至には柚子湯につかって、
かぼちゃを食す。

いいもんです。

そして金曜日の23日は、
天皇誕生日。

土曜の24日がクリスマスイブ、
日曜の25日がクリスマス。

つまり今週末は、
年末商戦第1ラウンド。

そのあたりは、Weekly商人舎、
月曜朝一2週間販促企画にて

先週に続いて、
今年の年末年始商戦のスケジュール表。
㈱紀文食品作。7574615577c459bf9d4b11051acdc344
さて今日の月曜日は、
師走も押し詰まってきた割には、
暖かい。

まさに小春日和。

昼の月の海を探すや日向ぼこ   
〈朝日俳壇より さいたま市・久保田恵子〉

(金子兜太選評)昼の月の面に、
うっすらと浮かぶ月の海。
映像面白し。

私は、日向ぼっこに魅力を感じる。

多言語の雑踏の中歳の市 
〈同 立川市・笹間茂〉

(長谷川櫂選評)さまざまな人々。
さまざまな言葉。
思えば、なごやかな風景。

石川啄木の短歌を思い浮かべる。
ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく

1年の終わりには、
ますますそんな気になる。

来し方の記憶の嘘や冬ぬくし   

〈同 さぬき市・鈴木幸江〉

暖かい冬です。

熱燗の冷めて議論の沸騰す   
〈同 川崎市・神村謙二〉

そんな議論も、
しなくなったなぁ。
ああ。

今日は、横浜商人舎オフィス。
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夕方、㈱寺岡精工の三木桂さん来社。
営業ポータルグループ部長。IMG_0207.JPG-6
右は松井康彦さん、
商人舎エグゼクティブプロデューサー。

それから横浜駅に移動して、
横浜ベイシェラトンホテルで、
西村馨さんと合流。
同社グローバルビジネスデベロップメント部門本部長(私の右)。IMG_0217.JPG-6

月刊商人舎2014年2月号特集は、
Check-out Service革命
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西村さんにも三木さんにも、
たいへんお世話になって、
特集は大好評だった。
(現在も販売中。年間購読していただければ、
いつでもネットで読めますし、そこからの印刷も可能です。
㈱商人舎)

「セミセルフ」のチェックスタンドは、
寺岡精工が開発して、
このレジは爆発的に普及した。

今年末で1000店に導入された。

日本発チェックアウトイノベーションは、
他業態、他業界、他国にも、
普及し始めている。

感慨深い。

さて、日経新聞巻頭コラム『春秋』

セブン-イレブンの名前の由来から入る。
朝7時から夜11時まで店を開けて、
「開いててよかった」

それが24時間へ。

ファストフードやファミレスも、
それに続いた。

しかし。

「外食業界で
24時間営業を

とりやめる動きが
相次いでいる」

理由①
アルバイトやパートタイマーなどの
働き手が集まらない。

理由②
社員やオーナーが
穴埋めに入るのにも
限界がある。

理由③
客も若者層が減り高齢者が増えたため、
深夜より朝から午前中にかけての方が
力を入れるべき時間帯になった。

そして感慨深げ。
「このまま24時間型の店が減り、
深夜の街から明かりが
消えていくのだろうか」

さまざまな声。
「暮らしが落ち着きを取り戻す。
長時間労働が減る。
夜道が暗くなり不安」

結論は、
「労働力不足時代ならではの
新サービスを企業は生み出せるか」

ファストフードは立地を選んで、
24時間営業店が残るだろう。

コンビニエンスストア、
特にセブン-イレブンは、
24時間がコンセプトそのものだから、
死に物狂いで、
まさに「死守」するだろう。

ニーズがあれば、
店は開ける。
そして人を集め、
採算をとる。

交番や警察署は、
24時間で活動している。
救急病院や消防署も、
24時間で動き続ける。

Marketingと捉えるか
Managementと見るか
それともMissionと考えるか。

それによって、
判断は反対にもなる。

それだけだ。

朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一さん編著。

時間よりも、むしろ
何を何回やったかという
「回数」のほうが、
大事なんです。
(横尾忠則)

「ほぼ日刊イトイ新聞」の鼎談。
糸井重里、細野晴臣、そして横尾忠則。

イエローマジックオーケストラ発足の時、
横尾さんは細野さんに誘われて、
バンドメンバーに入る予定だった。

意外だが、事実。

そんなところから始まった三人の話。
横尾忠則がぼそぼそっとつぶやいた。

「恋人たちの逢瀬でも客商売でも、
1回の時間より、何度会えるか、
来てくれたかが大事」

商売では客数主義を意味する。

「人生もどれだけ時間が残っているかより、
回数券をどれだけもっているかが大事」

横尾の名言。
「くり返しの中に人は、
何かを見つける」

「お百度参りも千羽鶴も
南無阿弥陀仏も、
反復にこそ意味がある」

24時間営業も繰り返し。
チェックスタンドも反復。

「くり返しの中に客は、
何かを見つける」

では、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年12月18日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その27】カボチャ

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目は季節を見分ける。
そんな目で見る博物誌――。

今年の冬至は、
12月21日。

1年で一番昼間が短い日。

その冬至には、
カボチャを食べる。
kabocya200

なぜか。

理由のひとつは、縁起担ぎの「運盛り」
「運盛り」は「ん」のつくものを食べると、
「運」がつくという、いわば駄洒落。

にんじん、ぎんなん、きんかん、
だいこん、れんこん、うどん、……
そしてなんきん。

この「南京」がカボチャのこと。

さらに「いろはにほへと」は、
「ん」で終わる。

「ん」には、
年賀状の言葉にも使われる、
「一陽来復」の意味が、
込められている。

「一陽来復」は、
冬が終わり春が来ること。
冬至から春分を経て、
夏至に向かう。

悪いことが続いた後で、
幸運に向かうこと。
陰の気がきわまって、
陽の気に変わること。

そんな深い意味もある。

理由のふたつは、
カボチャの栄養素。
ビタミンAやカロチンが豊富。
だから風邪に効く。
脳血管疾患の予防にもなる。
DSCN9422.JPG-6

カボチャは、
ウリ科カボチャ属。

学名はCucurbita。
もちろんラテン語で、
「ウリ」の意味。

それが転用された。

英語には、実は二つある。
①pumpkin(パンプキン)
②squash(スクウォッシュ)

パンプキンは果皮がオレンジ色。
ハロウィンなどに使われる。
DSCN9198.JPG-6

その他の種類はみなスクウォッシュ。

日本産のカボチャは、
kabocha squashと呼ばれる。

通説だが、「カボチャ」は、
ポルトガル語のCamboja(カンボジャ)。
これはカンボジアの国名。

日本の方言で、
「ぼうぶら」「ボーボラ」などという。
これもポルトガル語のabóbora(アボボラ)。
アボボラは「カボチャ」や「ウリ類」の意味。

天文年間(1532年~1555年)に、
ポルトガル人が、
カンボジアから持ち込んだ。

だからこんなネーミングとなった。

中国語では、南瓜(ナングァ;nánguā)、
それが日本で「南京」になった。

だから「唐茄子(とうなす)」ともいう。

カボチャは意外に、
多彩な名称を持つ。

原産は南北アメリカ大陸。
現在の主要生産地は、
中国、インド、ウクライナ、アフリカ。

葉は一枚ずつが大きくて、
ハート型。
斑模様がつくこともある。
花は黄色、または橙色で、
星形。
O
らいちゃんの家庭菜園日記より〉

日本では春に種をまき、
夏から秋に果実を収穫する。

野菜の中では、
とりわけて生命力が強い。

だから栽培法は簡単。
オーガニック栽培も簡単。
播種・植えつけ後は、
放置しておけばいい。

3種類が栽培されているが、
いずれも南北アメリカ大陸で、
栽培化されて世界に広まった。

①セイヨウカボチャ。
主に大型のカボチャで、
日本で多く採れる。
アンデス山脈の高地で栽培化された種。
「栗カボチャ」とも呼ばれて、
ほくほくとした食感。

②ニホンカボチャ
中米の熱帯地方で栽培化された種。
黒皮南瓜や鹿ケ谷南瓜などの、
いわゆる日本カボチャ。

③ペポカボチャ
北米南部の乾燥地帯で栽培化された種。
ドングリカボチャ、キンシウリなど。
ハロウィンのオレンジ色のものもペポ種。
DSCN9171.JPG-6
ズッキーニもペポカボチャの一種。

形や食味に風変わりなものが多い。
DSCN9196-6

栄養素はまず、
ビタミンAを豊富に含む。
カロチンも含有。

皮は硬い。
長い時間、低温で加熱すると、
柔らかくなり、甘味が増す。
DSCN9426.JPG-6

収穫後、約1カ月頃が、
糖化のピークとなる。

保存性に優れる。
数カ月、常温での貯蔵が可能。

だから夏や秋に収穫して、
冬至に食べることができる。
DSCN9424.JPG-6

ただしカボチャの季語は秋。

朝市にころがる南瓜選びをり
〈『春耕』より 小林螢二〉

撫でてやり叩きてもやり初南瓜
〈『濱』より 村越化石〉

丈夫で栄養価も高いカボチャ。
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冬至にかぎらず、
食べてやりましょうね。
元気で長生きするために。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

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