結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年12月18日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その27】カボチャ

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目は季節を見分ける。
そんな目で見る博物誌――。

今年の冬至は、
12月21日。

1年で一番昼間が短い日。

その冬至には、
カボチャを食べる。
kabocya200

なぜか。

理由のひとつは、縁起担ぎの「運盛り」
「運盛り」は「ん」のつくものを食べると、
「運」がつくという、いわば駄洒落。

にんじん、ぎんなん、きんかん、
だいこん、れんこん、うどん、……
そしてなんきん。

この「南京」がカボチャのこと。

さらに「いろはにほへと」は、
「ん」で終わる。

「ん」には、
年賀状の言葉にも使われる、
「一陽来復」の意味が、
込められている。

「一陽来復」は、
冬が終わり春が来ること。
冬至から春分を経て、
夏至に向かう。

悪いことが続いた後で、
幸運に向かうこと。
陰の気がきわまって、
陽の気に変わること。

そんな深い意味もある。

理由のふたつは、
カボチャの栄養素。
ビタミンAやカロチンが豊富。
だから風邪に効く。
脳血管疾患の予防にもなる。
DSCN9422.JPG-6

カボチャは、
ウリ科カボチャ属。

学名はCucurbita。
もちろんラテン語で、
「ウリ」の意味。

それが転用された。

英語には、実は二つある。
①pumpkin(パンプキン)
②squash(スクウォッシュ)

パンプキンは果皮がオレンジ色。
ハロウィンなどに使われる。
DSCN9198.JPG-6

その他の種類はみなスクウォッシュ。

日本産のカボチャは、
kabocha squashと呼ばれる。

通説だが、「カボチャ」は、
ポルトガル語のCamboja(カンボジャ)。
これはカンボジアの国名。

日本の方言で、
「ぼうぶら」「ボーボラ」などという。
これもポルトガル語のabóbora(アボボラ)。
アボボラは「カボチャ」や「ウリ類」の意味。

天文年間(1532年~1555年)に、
ポルトガル人が、
カンボジアから持ち込んだ。

だからこんなネーミングとなった。

中国語では、南瓜(ナングァ;nánguā)、
それが日本で「南京」になった。

だから「唐茄子(とうなす)」ともいう。

カボチャは意外に、
多彩な名称を持つ。

原産は南北アメリカ大陸。
現在の主要生産地は、
中国、インド、ウクライナ、アフリカ。

葉は一枚ずつが大きくて、
ハート型。
斑模様がつくこともある。
花は黄色、または橙色で、
星形。
O
らいちゃんの家庭菜園日記より〉

日本では春に種をまき、
夏から秋に果実を収穫する。

野菜の中では、
とりわけて生命力が強い。

だから栽培法は簡単。
オーガニック栽培も簡単。
播種・植えつけ後は、
放置しておけばいい。

3種類が栽培されているが、
いずれも南北アメリカ大陸で、
栽培化されて世界に広まった。

①セイヨウカボチャ。
主に大型のカボチャで、
日本で多く採れる。
アンデス山脈の高地で栽培化された種。
「栗カボチャ」とも呼ばれて、
ほくほくとした食感。

②ニホンカボチャ
中米の熱帯地方で栽培化された種。
黒皮南瓜や鹿ケ谷南瓜などの、
いわゆる日本カボチャ。

③ペポカボチャ
北米南部の乾燥地帯で栽培化された種。
ドングリカボチャ、キンシウリなど。
ハロウィンのオレンジ色のものもペポ種。
DSCN9171.JPG-6
ズッキーニもペポカボチャの一種。

形や食味に風変わりなものが多い。
DSCN9196-6

栄養素はまず、
ビタミンAを豊富に含む。
カロチンも含有。

皮は硬い。
長い時間、低温で加熱すると、
柔らかくなり、甘味が増す。
DSCN9426.JPG-6

収穫後、約1カ月頃が、
糖化のピークとなる。

保存性に優れる。
数カ月、常温での貯蔵が可能。

だから夏や秋に収穫して、
冬至に食べることができる。
DSCN9424.JPG-6

ただしカボチャの季語は秋。

朝市にころがる南瓜選びをり
〈『春耕』より 小林螢二〉

撫でてやり叩きてもやり初南瓜
〈『濱』より 村越化石〉

丈夫で栄養価も高いカボチャ。
DSCN8963-2016-4-10-66666
冬至にかぎらず、
食べてやりましょうね。
元気で長生きするために。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.