結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年01月19日(木曜日)

米国株式市場続落とニューヨーク小売業への改革問題提起

アメリカ株式市場。
日々の指標になるのが、
ダウ工業株30種平均。

今日18日、4営業日連続して下がった。

ドナルド・トランプ大統領就任は、
明後日に迫った。

そのトランプ政権の政策の不安定感が、
平均株価を下げたことは明らか。

トランプ政権の政策は、
巨額減税とインフラ投資。

これだけ見ると株式市場には好材料。
だから11月8日の一般選挙で当選した後、
期待感で株価は上がり続けた。

しかし2017年の年が明けて、
株式市場も冷静になったというか、
トランプの景気刺激策は、
逆に「悪いインフレ」になりかねないと、
悲観的な観測が広がった。

それが平均株価の続落の原因。

株式市場も、
人間心理のごとく揺れている。

ジャネット・ルイーズ・イエレン女史は、
第15代連邦準備制度理事会議長。
日本でいえば日本銀行総裁。
1946年生まれで、
奇しくもトランプと同年。
FRB史上初の女性議長で経済学者。

トランプと違って知性と教養の人。

そのイエレン議長は語る。
「物価が高くなりすぎて、
金融市場が不安定になるリスクがある」

中国の習近平国家主席は、
ダボス会議に出席して発言。
「保護主義に反対する。
貿易戦争では誰も勝者になれない」

昨日のブログで書いた丹羽宇一郎さんと、
全くの同意見。

いや、世界中の識者の見解が、
一致し始めた。

「海外から流入する、
安い製品と安い労働力が、
国内の雇用を奪っている」
トランプの主張はここに集約されるが、
安い製品、安い労働力が消え失せたら、
必ず「悪い物価上昇」が起こる。

そしてトランプ支持者たちの生活は、
ますます困窮する。

ウォルマートをはじめとした小売業は、
最近の日本の青果物相場の高騰のごとく、
安い製品の物価上昇で、
瞬間的には潤うかもしれない。

しかし総じて消費は冷える。

そして人件費は高まって、
経営は苦しくなる。

この理屈は、
自分だけ儲かればいいという、
ビジネスマンにはわからないのか。
あるいはわからないふりをしているのか。

米国株式市場の感情の起伏のほうが、
実はわかりやすい。

さて、商人舎magazine。
Weekly商人舎・週刊特別企画。
首都圏最新店舗研究⑥
フレッセイ元総社蒼海店
674坪型スクラップ&ビルド店。
なかなか頑張った店だ。

さてさてニューヨーク2日目の研修。

朝7時から、ホテルの会議室で。
第1回目の講義。

はじめにロピア女性社員の音頭で、
ロピアのミッションと「モットー」、
7大用語を唱和。
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「同じ商品ならより安く
同じ価格ならより良いものを」
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朝から、声がそろって
元気な唱和だった。
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そして講義。
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まずカスタマーサティスファクションと、
エンプロイーサティスファクション。
顧客満足と従業員満足。
それをアメリカから学びたい。
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さらにコモディティとノンコモディティの
重要な商品戦略を、
できるだけわかりやすく講義した。
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研修中、2回の理解度テストを実施する。
だから聞いているメンバーも真剣だ。
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1時間30分。
駆け足の講義だったが、
ご清聴に感謝。
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そして9時には専用バスに乗り込んで、
2日目の視察をスタート。

マンハッタンの対岸へ、
ニュージャージーを南下する。

今日の一番目は、
ストップ&ショップ。
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このニューヨーク・ニューアーク地区で、
シェアナンバー1のスーパーマーケット。
オランダのアホールド・デレーズの傘下にある。
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「ストップ&ショップ」バナー全体では422店、
このエリアで166店、シェア17.1%。

ただしエリア第1の規模はあっても、
いわゆるコンベンショナルな店づくり。

業態発想のままのチェーンで、
ポジショニングが希薄である。

青果売り場にはオーガニックの品揃え。
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ナチュラルチーズの売り場。
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デリの対面ショップ。DSCN7277.JPG-7

奥壁面のミート売り場。DSCN2364-1

そしてオーガニックのPB。
「ネイチャーズ・プロミス」
しかしクローガーの大ヒット商品、
「シンプル・トゥルース」の物真似。DSCN7283.JPG-7
つまり独自なものがない。

一定のロープライスを打ち出すが、
ハイ&ロー戦略。
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この店は高齢のラガード客が多い。
客数自体が少ないうえに、
残念ながら、若いお客はわずか。

反面教師としての視察である。

一方、ウェグマンズ。
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朝から老若男女、
多くの顧客がやってきている。DSCN2394-1

市場のような青果売り場。DSCN7287.JPG-7

クレート陳列が中心で、
ローコストオペレーションを徹底する。DSCN7320.JPG-7

鮮魚の平台では氷を敷き詰めて、
貝とサーモンを展開。DSCN7297.JPG-^7

加工肉の対面売り場。
切りたてのハムを提供し、
人気のコーナーだ。DSCN7300.JPG-7

オーガニックの売り場がこんなにある。
エンドは客の主動線に対して、
正面を向けて配置されている。DSCN7305.JPG-7

ファミリーパックの売り場は、
広大なスペースを占める。
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この地区のシェア2位はコストコ。
コストコの大容量販売に対し、
同じ大容量パック商品を開発して、
コストコの強みを消す作戦。

ウェグマンズは、
コンシスタント・ロープライスを採用。
いわゆるエブリデーロープライス。
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これはもちろん、
ウォルマートへの対抗策だ。

コストコに対抗し、
ウォルマートに対応する。

そして1店平均80億円を超える。

店舗左翼にはワイン売り場を設ける。
その中にある、ワインセラー。
隔離され、温度管理された、
「ファイン・ワインルーム」DSCN7317.JPG-7

中央にシックでしゃれた円形什器。DSCN7316.JPG-7

最高価格はシャトーマルゴー695ドル。
6万9500円。
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ウェグマンズの2階カフェで、
ガス店長にインタビュー。DSCN2411-1

朝の忙しい時間帯にもかかわらず
ウェグマンズの理念を、
一気に語ってくれた。
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補足は結城義晴。
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働きたい企業ランキング上位でも、
楽して給料が高いわけではない。
ハードワークをする。
しかしそれが会社から正しく評価される。

それが働き甲斐につながる。

最後はウェグマンズのデリを購入し、
試食を兼ねた昼食。DSCN2425-1
ロピアの社風に似ているところがある。
それが勉強になる。

ふたたびマンハッタンに戻って、
バーニー・グリーングラス。DSCN7334.JPG-7

チョウザメやサケの燻製の専門店。
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チョウザメ燻製はマンハッタン最高。DSCN7330.JPG-7
レストランも併設しているが、
来週、ケネディ日本大使が予約している。

それからブロードウェイの、
ゼイバースへ。
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ニューヨーク最高の品ぞろえを誇る、
チーズ売り場。
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スモークフィッシュ売り場は対面方式。
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燻製のサーモン。
これが実にうまい。DSCN7339.JPG-7
たった1店だが、
ネット販売の構成比が25%。

すごい店だ。

さらにフェアウェイマーケット本店。DSCN2438-1

相変わらず見事な陳列。
ロピアの青果チーフも感激。DSCN2443-1

トマトとモッツアレラチーズ、
そしてバジルの関連販売。
この1年ほどで、
米国スーパーマーケットは、
クロスマーチャンダイジングを強化した。DSCN7352.JPG-7

鮮魚対面売り場も、
プレゼンテーションが変わった。
クロスマーチャンダイジング。DSCN7367.JPG-7

2階のオーガニック売り場。
これがすごい。
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フェアウェイは2013年に、
ナスダックに株式上場したが、
昨2016年に破産申請した。

それでも本店には、
顧客が変わらずにやってきて、
この店のポジショニングを、
支持してくれる。
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隣のシタレラ。
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ニューヨークを代表する、
デリ専門店。
ニューヨークとその周辺に7店。
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しかし商品構成は、
スーパーマーケット。
鮮魚売り場の全面に、
青果物を関連販売。DSCN7387.JPG-7
ここもアメリカの流行をとらえる。

そしてブロードウェイの、
トレーダー・ジョー。
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地下2層式の店舗で、
大繁盛店。
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デアリー(乳製品)売り場。
ニューヨークシティならぬ、
ムーヨークシティの壁面。
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バナナの売り場は、
午後3時にもかかわらず、
こんな状態。
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地下2階売り場は、
グロサリーと冷凍食品。
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しかし売れすぎて欠品だらけ。
補充が間に合っていない。

トレーダー・ジョーには、
オペレーション改革が求められている。
その意味でイノベーションがない。

午後3時というのに、
長い行列と混雑するレジ。DSCN7404.JPG-7
これも解決しなければならない問題だ。

デリバリーサービスも始まっている。
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もう1店のトレーダー・ジョー。
ユニオンスクエアの大繁盛店。
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入り口の花売り場には、
ユニオンスクエアのイラスト。
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こちらも売り場の第1コーナーまで、
レジ待ちの行列。
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しかしバナナは補充されたばかりで、
豊富な商品量。
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隣接するワインショップ。
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ここで夕食調理大会用のワインを吟味。
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PBのチャールズショー。
2ドル99セント。
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どの店も大繁盛のトレーダー・ジョー。
しかし問題は表面化してきている。

ガーデン・オブ・エデン。
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青果物の陳列は、
目を見張らされる。DSCN7415.JPG-7

グロサリー売り場も独特の雰囲気がある。DSCN7417.JPG-7

そして家庭の味のデリ売り場。DSCN7419.JPG-7

ケーキ売り場で、
ヒマワリのケーキ、
購入しました。
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かつてはこのエリアで、
独特の位置を占める店だった。

トレーダー・ジョーとホールフーズが、
次々に進出してきて、
客数が激減。

それでも必死でサバイバルしている。

今日の最後は、
ホールフーズ。
ユニオンスクエア店。
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1階はデリ専門店。
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チョップド・サラダのコーナー。
好きな具材・好きなドレッシングを選ぶと
和えてくれる。
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地階は生鮮食品とグロサリー。DSCN7428.JPG-7

鮮魚対面売り場は、
ちょっと閑散としていた。DSCN7429.JPG-7

精肉からチーズ売り場へ。
狭い店を3層にして、
上手に活用している。DSCN7430.JPG-7

その2階のイートインスペース。
リニューアルして、
シックな感じになった。DSCN7432.JPG-7

若干、弱含みとはいえ、
この混雑ぶり。
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顧客はホールフーズを評価している。

朝日新聞『折々のことば』
昨日の640回。
毎日のことだから 
ご馳走でない日も
あるのです
(料理研究家「土井善晴のレシピ100」から)

鷲田清一さんのコメント。
「料理は気が向いたら
やるようなものではない。
したかろうがしたくなかろうが、
自分のため、家族のために、
延々とくり返すほかない営みだ」

その通り。
だから店も延々と繰り返す。

「人に何かを『してあげる』
『してもらう』という経験の、
あるいは、人を慕いまた、
人に慕われるという関係の、
その核にあるものだ」

そして、
「達成ということがないから、
山ばかりでは続かない」

店も毎日のことだから、
ご馳走でないこともある。

だからこそトレーダー・ジョーにも、
オペレーション改革は、
必須となる。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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