結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年01月29日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その31】梅

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目はいつもいつも、
季節をちょっと先にとらえる
――。

梅一輪一輪ほどの暖かさ
こちらは江戸の俳諧師・服部嵐雪。
松尾芭蕉の高弟。

「一輪ほど」の言い回しが、いい。
126438473813816328050_IMG_2749
〈ぶらり花暦より〉

早春のころだろうか。
庭の梅がぼつぼつ咲き始めて、
その梅が一輪ずつ咲くごとに、
気候も日に日に暖かくなってゆく。

梅の英語は、
Japanese apricot。
原産は中国だが、
万葉の時代には日本に渡っていて、
盛んに歌われた。

それもあって、
「日本の杏」、
つまりJapanese apricotとなった。

学名はPrunus mume。

バラ科サクラ属、
落葉高木で、1月から4月に、
葉に先立って、花を開かせる。
花弁は5枚。
20130224160336
果実は6月ごろ、黄色く、熟してくる。

よく似た花は桃。

こちらはバラ科モモ属の落葉小高木。

3月下旬から4月上旬に、
薄桃色の花をつける。

梅と桃。
果実は見分けやすいが、
花は間違えることがあるかもしれない。

梅の園芸種は、三つに分類される。
野梅(やばい)系、紅梅系(緋梅系)、
そして豊後(ぶんご)系。

野梅系は原種に近い丈夫な系統。
葉はやや小形、枝つきも細い。
過半数が野梅系。

紅梅系は、外皮がどんな色であろうと、
切断面が紅色になっている種類。
花が白くても、枝の切断面が赤ければ、
紅梅系。

豊後系は、枝が太くて節が高い。
葉は大きくて、丸みがある。
花は大きくて、がく片が反り返っている。

これまたよく似た杏(アンズ)同様に、
花は桃色が多い。
杏もバラ科サクラ属の落葉高木。

食用となるのは白梅。
20130224160300
紅梅の実は小さくて固い。
苦味もある。
だから食用には適さない。
けれど、紅梅は、
その幹の色の美しさから、
器や家具の木材として人気だ。

梅の収穫量が最も多いのは
和歌山県で、昨年は7万5000トン。
全国の梅の収穫量の64%を占める。

だから和歌山県の県花。

桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿。
これは栽培上の注意点を表した言葉。

桜はむやみに伐ると、
切り口から腐敗する。
剪定に気を配る必要がある。

梅は逆に剪定に強い。
それどころか、かなり切り詰めないと、
徒枝が伸びて樹形が雑然となる。
剪定が適切でないと、
実の付きも悪くなる。

【柿】の項でも使ったが、
桃栗三年、柿八年。
これに続く言葉がある。

柚(ゆず)の馬鹿野郎十八年、
梅はすいすい十六年。

剪定にも強い梅は、
すいすいと育つ。

梅に関する言葉で、
含蓄があるのが、
「塩梅(あんばい)」
「えんばい」とも読む。

もともとは料理の塩加減、味加減のこと。
転じて「ものごとのぐあい、ほどあい」の意。

いい言葉だ。

東風吹かば
にほひおこせよ梅の花

(あるじ)なしとて春な忘れそ
菅原道真の歌。

大宰府に左遷される際に、
愛した庭の梅の花に、
別れを惜しんで詠んだ。
DSCN3671.JPG-7

最後に一句。

梅が香にのっと日の出る山路かな

やはり師匠の句はいい。
松尾芭蕉。

早春の山道を歩く。
梅の香りに誘われるかのように、
太陽がのっと顔を出した。

ツバキ、寒椿、山茶花のように、
梅も、桃、杏など、仲間がいる。
DSCN8963-2016-4-10-66666
桜の咲くまでの前座ではない。
それぞれに、その時期には主役なのだ。

東北では、梅、桃、杏、
一斉に咲き乱れる。

これもいいが、一般的には、
その先陣を切るのが梅。
猫はその梅が好きだ。
春の到来を教えてくれるから。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

「月刊商人舎」購読者専用サイト

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外視察研修会
  • 2019年の開催研修会
  • アメリカ視察研修ツアー USA視察Specialコース2019年10月2日(水)~10月8日(火)<5泊7日>開催場所:ワシントンDC、リッチモンド、NY
  • ハワイ・オアフ小売視察研修ツアー ビギナーズコース2019年9月5日(木)~9月9日(月)<3泊5日>開催場所:アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島
月刊商人舎magazine Facebook
ミドルマネジメント研修会
  • 2019年の開催予定
  • 商人舎2019年 ミドルマネジメント研修会2019年9月10日(火)~9月12日(木)開催場所:湯河原

ミドルマネジメント研修会、Blog記事を読む

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介
新着ブログ
ブログ・スペシャルメニュー
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人達の公式ブログ

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.