結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年03月03日(土曜日)

桃の節句の「和をもって貴しとなす」と「仲良き事は美しき哉」

3月3日の桃の節句。
ひな祭り。

今日は月刊商人舎3月号の最終責了日。
ありがたいことです。
また、いい雑誌ができました。

楽しみにしてください。

巻頭言をご披露しましょう。
それは3月の商人舎標語でもあります。

[Message of March]
和をもって貴しとなす。

「以和為貴――」。
和をもって貴しとなす。
しかし、この「和」は、
「同」ではない。

「和」とは、
互いに協調することだ。
だから「和する」ためには、
もともとそれぞれが違わねばならない。

いや、もともとは、
みな、異なるものなのだ。
だから和する。
それが貴い。

「同」は、
同じであること。
等しいこと。
異なることの反対である。

「論語」にある。
子曰く、
君子は和して同ぜず、
小人は同じて和せず。

内食と外食をいま、
「和して同ぜず」でまとめる。
「同じて和せず」はいけない。
それがGrocerantの本質だ。

「Sell」と「Cook」をいま、
和して同ぜずで調和させる。
同じて和せずではない。
それがGrocerantを超える世界を創る。
〈結城義晴〉

聖徳太子の十七条憲法の、
第一条の言葉として、
「日本書紀」に記されています。

太子が書いたかどうか、
真偽のほどは論争中だけれど。

しかし原点は「論語」にあります。

「有子曰わく、
礼の和を用て貴しと為すは、
先王の道も斯を美と為す」

それでも太子の価値が、
下がるものではありません。

太子は勉強家だったということです。

何よりも国民に対して、
最初に言いたいこと。
それが「和をもって貴しとなす」

太子は続けて書いています。
「無忤為宗」
「忤(さから)う無きを宗となす」
「忤う」は調和を崩すこと。

和を大切にしようよ。
調和を保とうよ。

そんな感じでしょうか。

お店も会社も、
和を大切に、調和を保とう。

今回はこれを人間の和だけでなく、
概念の調和や融合に使ってみました。

いかがでしょうか。

白樺派の作家・武者小路実篤は、
「仲良き事は美しき哉」

仲良きこと、すなわち和。
それは美しい。すなわち調和。

すばらしい。

私は中学生くらいのころ、
武者小路にはまっていて、
ほとんどの文庫は読破しました。

そしてひそかに、
「武者先生」と呼んでいました。

真理先生、馬鹿一、石かきさんなど、
ほんとうに懐かしい。
今となっては、
ちょっと恥ずかしい気もしますが。

さて、ゲラの責了をして、
最終の東海道新幹線のぞみに飛び乗る。

弁当はこれ。
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「ひな祭り弁当」
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ビールを飲みながら、
ゆっくりと食事。

これもいい。

岡山駅に着くと、
駅前のANAクラウンプラザホテル。
ロビーにフルラインの雛飾り。
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お内裏様とお雛様。
三人官女と五人囃子。
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そういえば今日はひな祭り。
ここでまた思い出した。

お雛さんたちも、
「和をもって貴しとなす」

仲良くね。

〈結城義晴〉

2018年03月02日(金曜日)

将棋界の一番長い日と「AI時代に望まれるサービスの仕事」

今日は、「将棋界の一番長い日」。
名人挑戦権を争うA級順位戦の最終日。

11回戦の5局の会場は、
静岡市葵区の料亭「浮月楼」。

今期はまれに見る混戦で、
10戦して7勝の棋士がいない。

超のつく天才たちの最後の闘いは、
深夜まで続く。
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肝心の名人挑戦者を決める一局は、
久保利明王将と深浦康市九段戦。

私は仕事しながら、
全5局の棋譜を深夜まで追い続けた。

決着は明日になってしまう。

そうしたら、今夜は満月だった。
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AIが世界を覆いつくすかに見える現在、
将棋や囲碁、チェスなどの天才たちは、
AIにない人間らしい闘いを見せてくれる。
すべての人間を勇気づけてくれる。

今日の日経新聞朝刊、
「グローバルオピニオン」
「AI時代に望まれる仕事は」
クリストファー・ピサリデス教授。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス。
2010年ノーベル経済学賞受賞。
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人工知能やロボットなどの新技術が、
雇用を破壊するのではないか。

それに対して、
「私は基本的に、楽観している」
ありがたい。

天才棋士たちを見ていると、
それも実感できる気がする。

「新技術によってなくなる仕事は
もちろん多くあるが、
なくなる分を上回るだけの
雇用を生み出す力が、
経済には備わっていると
見ているからだ」

楽観主義者か。
しかしノーベル経済学者。
理論的であるはずだ。

その課題は何か。
「仕事を失った人びとが良い仕事を
なるべく早くみつけられるようにする
環境づくりだろう」

そこで政府がやるべきこと。
「技能習得の訓練は、
公的部門でやるよりも、
実際に必要な仕事のニーズに合わせて
民間部門で実施するほうが効果的だ」

私もそう思う。

さらに重要なこと。
「今後増えるのは人が人に接したり、
感動を与えたりするような
サービス分野の需要」

AI時代には同時に、
サービス業の需要が
増える。

「自動化の一層の進展などで
製造業や一般の事務作業の生産性は
一段と高まり、
経済や生活水準を全体として
押し上げるのに貢献するだろう」

「しかし、雇用を創出する力という点では、
こうした分野にあまり期待できない」

その半面、
「人びとはモノよりも
娯楽や教育、健康、介護といった分野に
カネを使うようになる」

よく言われることだ。

「もちろん、
サービス分野の職といっても
低技能のものは
新たな雇用をうみ出さないし、
賃金も低い水準にとどまる」

悪いけれど「清掃などの仕事」は、
「機械にとって代わられる可能性がある」

「だが、質の高いサービスを提供する仕事は
簡単には機械に置き換えられない」

「質の高いサービスを提供する仕事」

ここでいう「サービス」には、
4つの特性がある。
フィリップ・コトラーの整理。

第1は、無形性。
形のないもの。
第2は、非分離性。
その生産と消費は同時に行われ、
分離することができない。
第3は、変動性。
提供者、時間、場所によって変わる。
第4に、即時性。
すぐに消滅する。

ピサリデス教授は、
重要なことを言う。
「創造力を必要とする仕事はもちろんだが、
人の気持ちを理解する社会的な能力が
必要な仕事なども同じだ」

「人の気持ちを理解する社会的な能力」

例えば介護の仕事。
例えば接客の仕事。
例えば教育の仕事。
例えばマネジメントの仕事。

だから逆に無人レジなどは、
人間らしいサービスがないから、
よろしくないことになる。

しかし悩ましいこともある。
「サービス分野の質の向上は
数字でとらえにくいことである」

「人びとがサービスに満足し、
幸せを感じても、
直接は生産性の上昇に結びつかない。
国内総生産(GDP)統計にも反映されない」

だから求められるのは、
「介護からホテル、レストラン業まで、
サービス分野の仕事が社会のなかで
もっと評価されるようになることだ」

その通り。

AIの時代はサービス業の時代なのだ。

「質の向上に、
対価が払われるようになり、
賃金が対価に合わせて
増えるのが望ましい」

さらに、サービス時代には、
「GDPとは異なる物差しを持つこと」

GDPは、
市場で売買された価値しか測らない。

そして「AIなどの技術革新の活用を、
ためらうようなことがあってはならない」

それは、
「経済の成長を鈍らせ、
かえって雇用の創出を
遅らせることになるからだ」

AIと人間のサービスは、
反対のように思える。

デジタルとアナログ。

しかし、デジタル時代だからこそ、
アナログが貴重なものになる。

残念ながら日本の経済学者に、
ノーベル賞受賞者はいない。
ピサリデス教授の見解はうれしい。

最後は3日連続で今日も、
ウィンストン・チャーチル卿の言葉。
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A pessimist sees the difficulty in every opportunity;
an optimist sees the opportunity in every difficulty.
悲観主義者は、すべての機会の中に難題を見つけ出す。
楽観主義者は、あらゆる問題の中に機会を見い出す。

ピサリデス教授は、
チャーチル卿と同じオプティミストだ。
もちろん私も。

〈結城義晴〉

2018年03月01日(木曜日)

北野祐次の「破壊的Innovation」の「never give up!」

二月、逃げる。
三月、去る。

2018年3月1日。

いつも思い出すのが、
弥生三月は
突然やってきます♪

よしあきら作詞作曲のワルツ。

2月が28日と短いから、
3月は突然、やってくる。

そんな趣旨の歌。

分析してしまうと、
面白味はなくなる気もするが。

商人舎オフィスの裏の遊歩道。
幼稚園の子どもたちが午前の散歩。
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今日から春。
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しゃぼん玉が宙に浮く。IMG_4242.JPG8

それを追いかける。IMG_4244.JPG8

屋根までとんで、
こわれて、きえた♪IMG_4246.JPG8

あ~あ。
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のどかだ。

さて今日から新年度の会社が多い。
来月から新年度という会社もあるが。

ブログ「てっちゃんの店長日記」
「てっちゃん」こと大越鉄夫店長が、
2008年2月から書き続けているブログ。
下手なコンサルタントなどより、断然、
ものの見方がしっかりしているし、
筆が立つ。

公開されているブログだから、
是非、愛読してください。
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皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている
「てっちゃん」です。

はじまりはいつもこのフレーズ。

てっちゃんも、
今日から新年度に入る。

「新たな年度といえば、
新たな予算をもってスタートする。
従来の売上や荒利率予算は過去のもの。
今月からは、
新たな売上予算と荒利率予算を
追い求めなければならない」

本部との予算の調整と修正。
これがきちんとできる店長は、
日本中探しても、そうはいない。

また、店長の考え方をきちんと理解して、
互いに納得した予算を組む会社も、
多いわけではない。

てっちゃんの店長としての考え方は、
実にしっかりとしている。

てっちゃんは「粗利益予算」を重視する。
そしてなによりも、客数を大切にする。
「店長の最大の数値対策は、客数増。
客数増の為に、如何に、
予算を自分なりに加工するか」

調整、修正でも、
「出来ることは最後まで粘る。
それも店長の仕事であろう。
やれることは全てやる。
そして勝負を待つ」

店長の仕事は、
「出来るだけ、現在の勢いを止めないで
客数増を継続させて行く。
あとは、各部の踏ん張りで、
どこまで売りを作れるか」

いい店長だ。

てっちゃんの店で働く人たち、
とても幸せだと思う。

さて、AJSNetworkが届けられた。
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巻頭は対談。
横山清×田尻一。
横山さんは(株)アークス社長。
新日本スーパーマーケット協会会長。
田尻さんは前サミット(株)社長。
オール日本スーパーマーケット協会会長。

私の連載は第123回で、
最終回を迎えた。
「応援団長の辛口時評」
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10年にわたるご愛読を感謝したい。

最後のタイトルは、
「Last Message」

北野祐次さんが生み出したのが、
「関西スーパー方式」だ。
それは「破壊的イノベーション」だった。
その理由は今回、きちんと書いた。

そしてそれが、
この協会活動の原動力だったことも。

私はクレイトン・クリステンセンを引用。

最後だから、タイトル通り、
辛口の時評となった。

そう理解されるかどうか。

クリステンセンは言う。
「優良企業は、
優れているがゆえに
失敗する」

今日の朝日新聞「折々のことば」
第1036回。
大体において日本人は、
ものを考えるときに
基礎となるものを
文章の形として考えるよりも
単語だけでものを考える
(田中美知太郎)

編著者は、鷲田清一さん。
毎日毎日、なぜに、
こんなに響くのだろう。

「人は言葉を、
その意味を問いつめることなく
手ざわりだけで使ううち、
何となくわかった気になる」

ほんとうにこれは恐ろしい。

「だから『自由』についても、
護らなければいつ、
失われてしまうかわからないことや、
自由を行使するのも
それをせずに控えるのも自由、
というところにまで思いが及ばない」

シュンペーターやドラッカーが提起し、
クリステンセンが解析したのが、
「イノベーション」。

この言葉こそ、
意味を問い詰めることなく、
手触りだけで使われることが多い。
そして何となくわかった気になる。

これが一番、恐ろしい。

北野祐次さんの「イノベーション」も、
てっちゃんの「店長の客数主義」も、
意味を問い詰めることなく、
言葉だけで使われると、
一番大切なことが見落とされてしまう。

ほんとうに、
以って自戒とすべし。

昨日も引用したけれど、
英国のウィンストン・チャーチル卿。
index
Never, never, never, never give up.
決して、決して、決して、
決してあきらめるな。
決してやめるな、
放り出すな。

これは間違いようがない励ましの言葉で、
実践あるのみ。

AJSのみなさんにも、
この言葉は置き土産にできるだろう。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

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