結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年12月09日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その69】白菜

ほんとうに久しぶりです。
猫の目で見る博物誌――。
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いつのまにか冬ですが、
その冬の野菜が白菜です。

白菜を買ふふつくらとした手かな
〈石田勝彦〉

ハクサイ、買いました。

大白菜かがやく芯に刃を入るる
〈村田脩〉

そして芯に包丁の刃を入れました。

白菜をさつく~と鍋用意
〈高木晴子〉

さっくさっくと音をさせて、
ハクサイを切ります。
鍋の用意です。

chinese-cabbage01

ハクサイは、
アブラナ科アブラナ属。
二年生植物。

英語では一般には、
Chinese cabbage。
つまり中国キャベツ。

しかしChinese cabbageは、
広い意味の「中国野菜」でもあって、
日本のハクサイは、
「Napa cabbage」。

そのCabbageのキャベツも、
アブラナ科アブラナ属で、
こちらは多年草。
ただしキャベツは栽培上は一年生植物。

カブもアブラナ科アブラナ属、
ラパ種の越年草。

どれも元は同じ。

ちなみにハクサイの「二年草」の意味は、
発芽から生長、開花、結実、枯死までが、
1年以上数年未満の植物のこと。

これに対してキャベツの「一年草」は、
発芽から枯死までが1年以内で、
年を越さない植物。

年を越すカブは「越年草」で、
秋に発芽して越冬し、
翌年に開花結実する植物。
だから「冬型一年草」である。

最後に「多年草」は、
秋になると地上部は枯れるが、
地下茎または根が生きのこって、
翌春になるとその地下茎や根から、
新しく茎や葉が出てくる 植物。

ハクサイの遠い祖先種は「在来ナタネ」。

中央アジアから北ヨーロッパに分布。
古代に東方に伝播して、
中国で多種多様な菜類を生み出した。

中国・華北のカブの一種と、
華南のツケナの一種が、
7世紀ごろに自然交雑して、
ハクサイの原始型ができた。

この原種はブラッシカ・ラパ。
Brassica rapa。

この原始型から不結球ハクサイができ、
さらに改良されて結球ハクサイが誕生。

だから現在の結球のハクサイの学名は、
Brassica rapa L. var. pekinensis Rupr.。

日本での生産量は、
キャベツ、ダイコンに次いで、
3番目に多い。

農林水産省統計は、
1941年からデータが取られ、
すでに50万トンが生産されていた。
最大生産量は1968年の186万トン。
2017年は収穫量88万トン。

キャベツは142万8000トンで、
ダイコンは132万5000トン。

キャベツがダイコンを抜いた。

原産地の中国には3系統のハクサイがある。
山東系、北方系、南方系。
日本には山東系が定着して、
その一代雑種のF1品種が栽培されている。

F1品種は、一世代に限った品種。
収量が安定して形がそろった作物ができる。
異なる性質の親株を人工的にかけ合わせて、
雑種がつくられるが、
それによって優れた作物ができる。

ハクサイはそのF1品種の代表。
chinese-cabbage02

日本の栽培の歴史も面白い。
江戸時代以前は何度も非結球種が渡来。
しかし、品種を保持できなかった。
強い交雑性が原因。

明治時代初期に本格的に導入されたが、
ほとんどが失敗するなかで、
愛知県栽培所で山東系ハクサイが成功。
これは半結球種だった。

明治時代末期から大正時代にかけて、
宮城県で芝罘(チーフー)白菜の導入に成功。
松島湾の小島で隔離して育種した。
そこで「松島白菜」の品種名がついた。
宮城県の農家はその種をもとに栽培して、
「仙台白菜」の名称で出荷した。

同じ明治末期から大正にかけて、
名古屋市中川区で野崎徳四郎氏が、
山東系を改良して、
現在の結球ハクサイをつくった。

昭和の時代になると、
石川県で栽培が軌道に乗った。

その結果、現在の三大品種群が生まれた。
第1の松島群・第2の野崎群・第3の加賀群。

一方、ハクサイは、
栽培の時期によって三つのタイプがある。

主力は秋冬ハクサイで、
8月に種子を播いて11~12月に収穫する。
ハクサイ生産の68%を占めている。

夏ハクサイは高冷地の栽培で、
5月ごろ種を播いて8月ごろ収穫する。
長野県が主産地。

春ハクサイは暖地で生産され、
早春から温床育苗して4~5月に収穫。
主産地は茨城県および長野県。

主産地は茨城県の24万3700トンと、
長野県の23万5200トン。
両県で全体の54.4%を占める。

一般のハクサイは「円筒形」と呼ばれる。
外葉が緑色、内側が黄緑か黄色、白色。
品種はF1でもあるので多種が出回っている。

小学館の「食の医学館」
ハクサイの効能について丁寧に書く。
「カリウムは100g中220mgと
キャベツの200mgを上回ります。
利尿作用があり、
ナトリウムの排泄を促進し、
高血圧予防に有効です」

ハクサイの抗がん作用。

「アブラナ科の野菜に共通する
発がん物質を抑制する作用のある物質を
含んでいるのが特徴です」

「それはインドール化合物」

「発がん物質を解毒する
酵素の生成を活発にし、
発がん物質から細胞を守る働きをします」

「最近では発がん物質の1つである
亜硝酸アミンの吸収・蓄積を防ぐ
モリブデンという微量元素が
含まれていることもわかりました」

「これらの物質により、ハクサイには
ある程度の抗がん作用が期待できます」

最後に「ハクサイの絵本」。
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出版社は農山漁村文化協会。
なかなかよろしい。

ハクサイに、発がん物質から、
細胞を守る働きがあるなんて、
知らなかった。
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でも小学館の「食の医学館」。
ちょっと強調し過ぎのような気もします。
言い回しにはずいぶん気を使っていますが。

表現には気をつけましょう。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

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