結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年12月12日(水曜日)

USP研究所望年会の「希望」と再考すべき「消費増税の軽減税率」

2018年、平成最後の年末。
押し詰まってきて、
忘年会シーズン。

今日は東京・築地。
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明治創業の河豚の名店。IMG_0610.JPG8

河豚の看板。
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全巻借り切りで、
USP研究所「望年会」。
毎年恒例。
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全館借り切りは、
横綱北の湖以来だとか。

USPは「Universal Shell Programming」
「システムとコンピュータ(道具)の
基本的な関係に立ち返り、
UNIX思想の原点に基づき、
人間の協働活動を力強く支え、
より身近に利用できる
コンピュータ技術を実現する」

大抵のITシステムは欧米発で、
日本はそれらを輸入して使っている。
しかしUSPの「ユニケージ」は、
日本人の知恵を活かした日本発。

代表取締役所長は當仲寛哲さん。
その當仲さんがあいさつ。
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月刊商人舎の今月号で、
対談したばかり。
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USP研究所は創業15年になるが、
最初の年末はスタッフ6人で、
この天竹の河豚を食べた。

「いつか全館借り切りでやろう」
そう考えて頑張ってきた。

もう、7年ほど前から、
その夢は果たされている。

私たちの席も、
突き出しから、
刺身、鍋、雑炊。
そして絶品の鰭酒。IMG_0638.JPG8

食事が始まってから、
恒例のじゃんけん大会。

私はこういったことには、
全く縁が薄いが、
1回戦を勝ち抜いて、
2回戦も「グー」。IMG_5994.jpg8
ここで敗退。

私の隣から大久保恒夫さん、
和田光誉さん、村上篤三郎さん、
小林泰清さん、白鳥和生さん、
そして山口紀生さん。IMG_0641.JPG8

女性陣は、
商人舎の亀谷しづえ、城山佳代子、
そして、真ん中の石坂優子さん。IMG_0644.JPG8
石坂さんは美容栄養アドバイザーで、
惣菜コンサルタントとして売り出し中。
ブログは「ASHITAMOKIREI」
2007年のミスユニバース日本の、
ファイナリスト。
お望みの方は、ご用命ください。

河豚と鰭酒を堪能して、
最後は當仲さんと握手。IMG_0648.JPG8
来年もよろしく。

さて、昨日の日経新聞「大機小機」
コラムニストは魔笛さん。
タイトルは、
「再考すべき増税対策」

このコラムは的を射ている。

2019年10月に予定されている消費増税。
「過去2度も延期され、
さらに延期されたら
財政破綻は現実味を帯びてくる。
そのため今回は政府も本気だ」

「しかし、景気への悪影響を懸念して、
2兆円規模の緩和策が検討され、
1兆円が食料品などへの
軽減税率に割り当てられる模様だ」

「そもそも財政の役割とは、
政府が国民から税金を集め、
公共のために使うことだ」

これが原点。

「また、今回の消費増税の理由は、
現在の税収では必要な財政支出に
全く足りないからだ」

「せっかく国民から集めた税金の使い道は
その場だけの増税緩和策といった
狭い了見からではなく、
全ての支出の優先順位を
熟慮して決めるべきだ」

その場しのぎ。
狭い了見。

「軽減税率やキャッシュレス化は、
財政危機の回避や高齢化対策よりも
重要なのだろうか」

その通り。

そこで消費税の効果を考える。

「消費税は全ての製品価格を
同率で引き上げるから、
増税なしで日本全体の金融資産価値が
その率で減少するのと同じだ」

「しかし、それが
消費を抑えるとは思えない」
これが重要な指摘だ。

「実際、過去15年、
実質金融純資産は34%も増えているのに
実質家計消費は0.3%しか増えていない」

「つまり消費税は
一時的な駆け込み需要と
買い控えを起こしても、
中長期的には影響しない」

「そのうえ、
「軽減税率を適用すれば
製品の相対価格をゆがめる」

「相対価格」をコトバンクで調べると、
横浜市立大学教授の内島敏之さんが、
丁寧に書いている。

「商店で日常目にする価格、
例えばリンゴ1個200円、ナシ1個100円、
バナナ一房300円などのように
貨幣によって表示されたものを
絶対価格absolute price
または貨幣価格money priceという」

「絶対価格は、ある商品一単位が
何単位の貨幣と交換されるかを示している」

「次にリンゴ1個とバナナ一房は
何個のナシと交換されるかを考えてみる。
そのためには、リンゴとバナナの
それぞれの絶対価格の
ナシの絶対価格に対する比率、
つまり200対100、
300対100を考えるとよい」

「前者の比率の値二は、
リンゴ1個とナシ2個とが、
また後者の比率の値三は、
バナナ一房とナシ3個とが、
それぞれ交換されることを示している」

「これらの比率の値二と三とが、
ナシ表示によるリンゴとバナナの
相対価格relative priceである」

大機小機のコラム。
「相対価格は生産費用を反映している。
それを指標に商品を選ぶから、
効率的な消費と生産が選択される」

「軽減税率はその選択をゆがめる」

それよりも、
「軽減税率の財源分だけお金で渡し、
生産費用を正しく反映した価格をもとに、
消費者に自由に選択させたほうがいい」

「さらに、2%だけ、
食料品の価格が下がったところで、
低所得者層ならともかく、
富裕層が食品購入を増やすとも思えない」

アメリカでは食品などの税率は0%、
売上げ税率は州ごとに違うが8%くらい。
イギリスは軽減税率7%で標準税率20%、
ドイツも7%と19%。

「2%だけ」では効果はないに等しい。

だから、
「消費性向の高い低所得者層家計だけに
直接再分配する方が、
景気刺激のためには、
はるかに効果的だ」

「以上の理由から、
増税対策を
行うにしても、

食料品の軽減税率は
採用すべきではない」

まったく、同感。

「それ以前に、
そもそも財政支出項目として、
再分配政策が優先されるべきかを
検討すべきだ」

「こうした検討もないまま、
単なる増税の言い訳に、
貴重な財源を使おうとしている」

「これほど無駄なことはない」

魔笛さんに同感して、
ほぼ全文を再現した。

軽減税率は製品の相対価格をゆがめる。

増税対策を行うにしても、
食料品の軽減税率は
採用すべきではない。

これほど無駄なことはない。

河豚も鰭酒も、
まずくなりそうな、
「無駄な軽減税率採用」だ。

〈結城義晴〉

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