結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年02月11日(月曜日)

堺屋太一さんの訃報とロピアNYC研修の”Think, think, think!”

堺屋太一さんが亡くなった。
2月8日午後8時19分。
多臓器不全。
83歳だった。
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小説『団塊の世代』を世に出して、
このネーミングを国民に定着させた。
大阪万博のプロデューサー。

「本気のプロデューサー」が、
何をするにも必須であることを説いた。

私は「ゼロ戦化現象」という概念を、
よく使う。

技術者にまかせておくと、
モノは難しいこと、
精巧なことに突き進んでしまう。

あらゆる業界に起こる。

戦前の1940年ころ、
世界で最も性能がいい戦闘機は、
日本のゼロ戦だった。
スピードが速い、小回りが利く。
そのうえ耐久性がある。

ただしゼロ戦を乗りこなすには、
1000時間の訓練が必要だった。

それに対して、
ドイツのメッサーシュミットは、
300時間で乗りこなすことができた。
アメリカのグラマンは100時間だった。

戦争が進むにしたがって、
パイロットが戦死していくと、
日本にはゼロ戦を操縦する者が、
いなくなった。

技術者に任せておくと、
性能はいいものができるけれど、
どんどん複雑になる。

それによって、
大衆から離れていく。

2010年11月に直接、話を聞いた。

堺屋さんにはまだまだ、
これからの日本を、
見てほしかった。

さて、ニューヨーク・マンハッタン。
ホテルはミレニアム・ブロードウェイ。

28階の部屋の真下にタイムズスクエア。IMG_2279.-1

ホテルは春節対応一色。IMG_2281-1

日本は建国記念の日。
こちらはまだ2月10日。
朝、7時から講義。 DSCN7728-1

司会は遠藤好和さん。
㈱ロピア人事総務マネジャー。DSCN7730-1

ロピアの中核を担うのがチーフ。
そのチーフ以上が参加しているが、
はじめてのアメリカ体験という人も多い。DSCN7753-1

そこでどこよりも、
わかりやすく、
かみ砕いて講義する。DSCN7736-1

テーマは、
好奇心・探求心、
行動力・実行力。

そして”Think, think, think!”
体験したら、
考えて考えて、考え抜け。DSCN7740-1

店舗視察の原則と基本をレクチャーし、
米国小売業の最先端の情報を整理した。DSCN7744-1

ロピアの店舗は、
部門チーフがカギを握る。
その彼ら、彼女らに向かって、
丁寧にわかりやすく、
2時間ほどの講義。
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講義が終わると、
すぐに視察。

まず、アルディ。DSCN7765-1

カラフルな段ボール陳列の売場。
クレンリネスは見違えるほど、
よくなった。
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そして青果売場。
グロサリーディスカウントから、
生鮮もディスカウントの店へ。
もちろんアイテム数は絞り込んである。IMG_2286-1

オーガニックの売場も充実してきた。IMG_2288-1

肉に強いロピア。
どの店舗に行っても
ミート売場をじっくり観察。
そして議論する。
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2リットルのコカ・コーラが
1ドル64セント。
この店は意外に安くない。 IMG_2292-1

牛乳に至っては
1ガロン3ドル79セント。
競争状態によって、
売価設定を変える。DSCN7763-1

「8年連続バリューリーダー」。
つまりウォルマートよりも、
クローガーよりも、
一番安いと評価されていると、自慢げだ。DSCN7760-1
しかしこの地域にはクローガーはないし、
ウォルマートの店舗も少ない。

価格競争の緩い環境のなかで、
この店は、楽な商売をしている。

コンビニのワワ。IMG_2312-1

東海岸の6州に800店ほどを展開する、
リージョナルのコンビニチェーン。
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ファストフードとカフェサービスに、
力を入れる。
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メンバーもコーヒーを注文。IMG_2304-1

全店の半数ほどに、
ガソリンスタンドを併設する。
地域に馴染んだコンビニだ。
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そしてウェグマンズ。IMG_2371-1

スーパーマーケットの入口は、
ドームのようなアーチ形。
その両サイドの一丁目一番地で、
プロモーションアイテムを展開する。IMG_2364-1

売場に入ると高い天井。
一気に市場の雰囲気になる。IMG_2351-1

圧倒的に広くて賑わいのある青果売場。IMG_2350-1

トップには単品量販売場。
お客もよく買っている。IMG_2362-2

青果の奥には、
ショップ形式の花売場。IMG_2338-1

そして島型のチーズ売場。
これも圧倒的な品揃えと買いやすさ。IMG_2321-1

奥壁面にミート売場。
ハムとチーズのデリカテッセン売場は、
いつも切りたてのハムを買い求める
顧客の行列がある。
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その対面売場の隣では、
チーズとハムの切り立てアイテムを、
パッケージしてセルフサービス販売。
最近お目見えした売場だが、
対面とセルフを両にらみで展開するのが、
ウェグマンズだ。
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中身が見えるように、
透明のジッパー袋で販売する。
これがいい。
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シーフードは、
氷を敷いて対面のばら売り。IMG_2333-1

担当スタッフが、
何やら機械を持ってきた。
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魚体に棒の先を突き刺して、
温度を測って鮮度管理をする。DSCN7792.-1JPG

広大なインストアベーカリー。
パンだけでなく、
マフィンやベーグル、
クッキー、ケーキなど
ベイクド商品を扱う。IMG_2327-1

広い主通路では、
プロモーションアイテムを展開する。IMG_2337-1

コンシスタント・ロープライス。
一貫した低価格。
つまりウォルマートのEDLPと同じ戦略。
必需商品は売価を変えずに、
低価格で販売し続ける。IMG_2340-1

天井付近に敷かれたレールの上を、
電車が走る。
これをロピアが取り入れている。IMG_2341-1

店舗奥に、ファミリーパックのコーナー。
大容量商品を低価格で販売する。
コストコ対策の一環だ。IMG_2343-1

日曜の昼のピークタイム。
忙しい中、ケニーさんが話してくれた。IMG_2365-1

通訳は浅野秀二さん。
JAC代表。
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最後に全員で写真。
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ケニーさんに感謝。DSCN7810-1

対抗するショップライト。IMG_2408-1
このニューヨーク周辺で、
トップシェアのボランタリーチェーン。
300店ほどの協同組合だが、
この店はその旗艦店。

店全体、あちこちで、
バレンタインのプロモーション。
入り口では新鮮なイチゴを、
チョコレートでコーティングした菓子。
どんどん試食させる。IMG_2381-1

対面のケーキ売場。
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手づくりのクッキーやケーキなど、
バレンタイン商品を重点販売。DSCN7818-1

ちなみに肉売場でも、
ハート形の容器にステーキを入れて販売。DSCN7817-1

この店はそれぞれの部門やコーナーを、
ショップ形式で展開している。

導入部は青果部門の、
シェフのベジマーケット。IMG_2386-1

高い天井を活かして、
さまざまな装飾を施す。IMG_2382-1

ナチュラル&オーガニックのコーナー。
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デリカテッセンの「ボアーズヘッド」。
超有名なブランドのショップ。
切り立てハムを提供する。  DSCN7824-1

焼きたてピザのコーナー。DSCN7832-1

車を半分に切ったような、
カフェコーナー。
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ジュースとスムージーのコーナー。DSCN7838-1

「オイスターバー」と名付けられた、
シーフード対面売場。
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市場感のある生鮮ゾーンを抜けると、
店舗奥には、加工食品、冷凍食品、
HBCや書籍などの非食品ゾーン。IMG_2399-1

ワイン売場のバレンタインプロモーション。DSCN7848-1

この長いゴンドラの陳列線が、
この店の特長だ。
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レジの奥に、
宅配サービスのための、
ピックアップ商品が並んでいる。DSCN7851-1

このバンで自宅に届ける。
常時4台が稼働している。

1日100件くらいの注文がある。

アメリカでは宅配サービスが、
急速に伸びていて、
ショップライトもそれに対応する。DSCN7853-1

ニュージャージー州を後に、
マンハッタンに戻る。

ソーホー地区の
アマゾン4スターストア。IMG_2431-1

トップセラーアイテムばかりを集めた、
アマゾンのリアル店舗。IMG_2409-1

アマゾンで人気のある最新製品も並ぶ。IMG_2417-1

カテゴリー別に商品が展示され、
いわばショールームのようなもの。IMG_2426-1

この店の評価を聞くマシン。IMG_2430-1
昨年9月のオープン以来、連日、顧客でにぎわう。
当然、ネットでも買える商品ばかりだが、
それでも人気のリアル店舗となっている。

ユニオンスクエアへ移動して、
ホールフーズ。IMG_2462.-1JPG

地下1階・地上2階の3層。
地下がメインの売場。IMG_2449-1

2004年2月に、
マンハッタン最大店舗として、
オープンさせた。

マンハッタンで、
ホールフーズの名を
知らしめる契機になった店舗。
現在も繁盛店だ。
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広くて清潔なシーフード売場。IMG_2455-1

バルク販売の売場。IMG_2457-1

さらにデアリーや冷凍食品、
加工食品がコンパクトに配されている。IMG_2459-1

1階はコンビニエンスな即食のデリ売場と、
銀行方式のチェックスタンド。IMG_2461-1

2階はイートインスペース。
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ユニオンスクエアのライバル、
トレーダー・ジョー。IMG_2463-2

日曜の夕方ということもあって、
人であふれている。IMG_2464-1

店を1周するほどのレジ待ちの行列。IMG_2465-1

その横にあるワインショップ。DSCN7878-1

プライベートブランドの
「チャールズ・ショー」を
目いっぱい売り込む。
世界一売れているワインだ。DSCN7881-1
ニューヨーク州はグロサリーと酒は、
別の店で売らなければならない。
しかし独立したワインショップとしても、
トレーダー・ジョーは、
極めて強いインパクトを持つ。

視察最後は、
ガーデン・オブ・エデン。IMG_2466-1

グルメ志向のスーパーマーケット。IMG_2469-1

コンセプトは、
「ヨーロッパの屋外市場」。
プレゼンテーションに凝る。IMG_2471-1

天井から隙間なく吊り下げられたかご。
店内の壁も天井も商品と装飾で、
密度高く埋め尽くす。IMG_2476.-1JPG

手づくりのデリやケーキが人気だ。IMG_2478-1

シーフードの対面コーナー。IMG_2488-1
3店舗だけの店だが
根強い固定ファンを持つ。
ただし、客層の年齢層は高い。
いわゆる伝統的顧客の「ラガード」に、
支えられた店だ。

ホールフーズやトレーダー・ジョーが、
マンハッタンに入ってきて、
既存のスーパーマーケットは、
決定的な影響を受けた。
今後どれだけ踏ん張っていけるか。

ガーデン・オブ・エデンの、
強みとは何か。

それが問われている。

ディナーは、
三ツ星のイタリアンレストラン。
しかし店名はPEASANT(ペザント)。
「百姓」という意味。IMG_2493-1

シックな店内で、
おいしいイタリアンを味わい、
高木勇輔㈱ロピア代表取締役と、
ワインボトルを空け続けた。

そうして2日目の夜は更けていった。IMG_2492-1

どんな会社にもどんな組織にも、
「本気のプロデューサー」は必須だ。

ウェグマンズにもホールフーズにも、
トレーダー・ジョーにもアルディにも。
ショップライトにもエデンの園にも。

もちろんロピアにも。

堺屋太一さんの遺言のような気がする。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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