結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年11月10日(月曜日)

商人舎11月号「薬+食の正体」と「廣田正 お別れの会」

Everybody! Good Monday!!
[2025vol㊺]

2025年第46週。
11月第3週。

月刊商人舎11月号、本日発刊!!
特集は「薬+食」の正体
ドラッグ&フードに傾いていく日本消費市場

202511_coverpage

[Cover Message]
2025日本小売業番付。トップ10にドラッグストアが3社食い込む。そのうちのウエルシアホールディングスは12月1日にツルハホールディングスと経営統合して、さらに国際レベルのスケールを獲得する。そして「ドラッグ&フード」のフォーマットを開発する。
マツキヨココカラ&カンパニーは比較的オーソドックスなドラッグストアを志向して、非食品充実型である。コスモス薬品は食品の構成比61.2%でM&Aには目もくれず「フード&ドラッグ」フォーマットで突き進む。クスリのアオキホールディングスは地方のインディペンデントスーパーマーケットを次々に買収して、改装効果を上げる。Genky DrugStoresは食品構成比70.4%で年商は2008億円と大台を超えた。
「薬+食」のコンバインは想像を超える「パワー」をもつかに見える。食品専業スーパーマーケットやコンビニエンスストア、食品頼みになってきた総合スーパーはこの「ドラッグ&フード」の躍進を、指を咥えて眺めていていいものか。「薬+食」の正体を明らかにしよう。

[目次]
202511_contents

ご愛読、お願いします。
今月号の中身は明日、紹介の予定。

今日は東京のパレスホテル。
「廣田正 お別れの会」
IMG_8212 (002)

7月3日(木) 、老衰のため、
92歳で永眠された。

食品卸売業界の重鎮。

㈱菱食の社長、会長を担って、
現在の三菱食品をつくった。

私は言い続けた。
「廣田の前に廣田なく、
廣田の後に廣田なし」

この皇居のお堀端のホテルは、
生前の廣田さんが好きで、
よく二人で食事をした。
それも思い出された。

会場に到着すると、
白いカーネーションを渡されて献花。
IMG_8214 (002)

1933年2月27日、中国福建省のお生まれ。
私の父も大連市の生まれだ。

廣田さんらしい大往生だった。

1955年、慶応義塾大学経済学部卒業。
食品卸の㈱北洋商会に入社。
社員38人、年商10億円の会社だった。

1969年に北洋商事となり、
1979年三菱商事の傘下で、
野田喜商事と東西の新菱商事が4社合併。
商号も菱食となって、
当時の三大食品卸売業に食い込んだ。

国分、明治屋、菱食。

私たちは符牒で読んだ。
「日本橋、京橋、平和島」

その後も、合併や経営統合の歴史が続いた。
廣田さんはいつもその中心に居た。

1982年3月、代表権をえて、
代表取締役専務取締役。

1987年3月、代表取締役副社長、
1989年3月、代表取締役社長。

私は同じ年に食品商業編集長となった。
それから廣田さんに何度となくインタビューした。

1995年、東証二部上場、
1997年、東証一部指定替え。

2003年1月、代表取締役会長。

2007年、相談役、
2009年、特別顧問。

2011年、明治屋商事とサンエス、
フードサービスネットワーク、
さらにリョーショクリカーが経営統合して、
三菱食品が誕生。

今、年間売上高2兆1208億円。

この成長の基礎は廣田正がつくった。

献花を終えてしのぶ会の会場に入ると、
三人の方が出迎えてくれた。
現代表取締役の京谷裕さん、
取締役商品担当の細田博英さん。

間に廣田慶子さん、
娘さんで鎌倉廣田オフィス代表。

京谷さんに黙礼して、
慶子さんにひとこと話しかけた。

ありがとうございました。

廣田さんの信条は、
「食品卸売業の仕事を通じて、
社会に貢献していく」

それが廣田さんのライフワーク。

卸売業の地位は廣田さんによって上がった。

しかし小売業に対しても、
製造業に対しても、
総合商社に対しても、
柔らかくも手厳しい発言があった。

見識は高く、見解がぶれることはなかった。

とりわけて印象に残る言葉。
「50人の会社がかかる病気、
100人の会社がかかる病気。
幼年期・少年期・青年期に
人間がかかる病気がそれぞれありますが、
あれと全く一緒」――。

何度もこのことを書いたし、
いろいろな業種業態を見るとき、
私の会社の判断基準のひとつだ。

㈱商業界は故今西武常務が、
「販促特急便」という事業を始めた。

私が商業界取締役となって、
この事業を精算し問題解決をするときに、
廣田さんに助力していただいた。

いつもいつも助けていただいたた。

私も廣田さんのご要望は、
何をおいても受け入れ、それに応えた。

あるスーパーマーケットの御曹司を、
アメリカの企業にインターンシップで入社させた。
廣田さんから頼まれたからだ。

そんな交流が30数年続いた。

廣田さんのチェーンストアへのメッセージ。
「本当は消費者の代わりに、
小売業さんが価格を決めている。
だから価格決定権は、
小売業さんにあって
しかるべきということであって、
その向こうに消費者がいる。
それをややお忘れになった企業が
あったのではないか」

「メーカーにとって卸売業が顧客ではない。
卸売業にとって小売業が顧客ではない。
メーカーも卸売業も小売業も、
コンシューマーが共通の顧客だ」

これは何度も書く。

1962年、林周二著『流通革命』が出た。
廣田さんが入社して、7年経ったときだ。
廣田さんはそれをずっと気に留めていた。

2015年に月刊商人舎12月号で特集した。
「流通革命論の軛を断つ」

廣田さんは喜んでくださった。
あの一冊は廣田さんへのはなむけだった。

パレスホテルからの景色。
二人でよく、このお濠を見た。IMG_8221 (002)

「廣田の前に廣田なく、
廣田の後に廣田なし」

あらためて思う。

廣田さん、
ありがとうございました。
さようなら。

合掌。

では、みなさん、今週も、
廣田正のようにきりっとして生きよう。

Good Monday!  

〈結城義晴〉


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