ジジと植物・動物[2010日曜版⑮]

ボクのなまえは、ジジ。
ヨコハマのユウキ家の、
カゾクのいちいんです。

ボクのシゴトは、
ねること。
今日も、シゴトしています。
そとのセカイは、春まっさかり。
サクラばかりがチューモクされますが、
うつくしい木は、たくさんあります。

木は、うごきませんが、
うつくしい。

ボクも、ねているときは、
うごきません。

シゴトしているときは、
あまりうごかないほうが、
いいそうです。
このブログにでてくるコーネルの講義でも、
そう、いわれていました。
木は、うごきません。

木のえだは、どこか、
うごいているようにみえますが。

木は、「ショクブツ」といいます。
ショクブツは、うごかない。

そして、うごかないけれど、
ショクブツもきっと、
シゴトしているんです。

ボクには、それが、
よく、りかいできます。

木も、えだも、
いきているからです。

木も、えだも、
おもしろいカオをしています。

みんな、ちがうカオを、
しています。
こちらは、
「コウブツ」でたてられたもの。
ヨコハマの慰霊塔。

「イレートー」は、
ぜんぜん、うごきません。
でも、やくわりはある。
つまり、シゴトしているのです。
ボクは「ドウブツ」ですが、
ねるのがシゴト。

ショクブツやコウブツと、
なんだか、にています。
慰霊塔のところに、
イヌくんが、いました。

ひもでひっぱられているのに、
うごかない。

「ずるずる、ズルズル」
いえネコは、ねるのがシゴト。
でも、イヌは、サンポがシゴト。
ボクは、そうおもいます。

「ずるずる、ズルズル」

「んー、なにしてんだろう」

ボクは、すこし、
イライラしてきました。

ボクたちは、ドウブツなんだから、
うごくときは、すばやくうごく。
うごくことができるものが、
あえて、うごかないことに、
カチがあるんです。
うごくときは、
すばやくうごく。

<『ジジの気分』(未刊)より>




















