結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年08月02日(木曜日)

米国食品卸スーパーバリュー売却の根底にあるもの

亡き母や海見るたびに見るたびに
〈小林一茶〉

午前中、斎場へ母の遺体を移し、
湯灌のあと、納棺。

7月31日の午後4時30分、
自宅の自分のベッドで静かに逝った。
本当に安らかな顔だった。

大正15年3月15日、
広島県西条生まれ。
92歳の死だった。

看護師を一生の仕事とした。
人のために生きることを貫いた。

私は気を取り直して、
仕事を続けた。

山鳩啼く祈りわれより母ながき
〈寺山修司〉

(橋本多佳子評)
額づいて祈る母と子がいる。
母と並んで祈っていた頭をあげると、
母はなお祈りつゞけて、
額づいているのであった。
山鳩のこえはこの二人を包む様に、
ほうほうと啼いている。
作者は何か心をうたれてなおも
母のうなじに眼を落している。
若い美しい句である。

昼頃から、
横浜商人舎オフィス。

明治マーケティングレビューが届いた。
私の連載は第42回。
季刊誌で42回だから、10年と半年。IMG_5965.jpg8
連載タイトルは、
「小売業のスーパーマーケティング」
[Introduction]
中国ではSupermarketを、
「超級市場」といいます。
「小売業のスーパーマーケティング」は、
そんな「超級」のマーケティングを
目指します。そして同時に、
スーパーマーケットの
マーケティングでもあります。

さて、注目の、
アップルの時価総額が、

1兆ドルを突破した。
20121107193744
日経新聞の宮本岳則ニューヨーク特派員。
「2日の米国株式市場で、
米アップルの時価総額が
米企業として初めて1兆ドルを突破した」

「主力スマートフォンの高価格路線や、
関連サービスで稼ぐ戦略で
市場予想を上回る成果を上げ、
成長期待が一段と高まった」

「初の1兆ドル達成を巡っては、
米アマゾン・コムが猛追していたが、
投資家は利益水準や株主還元で
上回るアップルに軍配を上げた」

昨日のブログでも書いたが、
GAFAが注目の的。

グーグル(Google)のG、
アップル(Apple)のA、
フェイスブック(Facebook)のF、
アマゾン(Amazon)のA。

このなかで二つのAが争って、
リンゴが勝利。

グーグルもアルファベット社の傘下で、
だから実はAである。

さらに中国にもう一つ、Aがいる。
アリババ集団。

「世界の上場企業の中で最初に
1兆ドルを突破したのは、
中国政府系のエネルギー会社、
中国石油天然気(ペトロチャイナ)」

「07年の上海株式市場上場時に
米ドル換算で達成した。
現在は1900億ドル(約20兆円)台で
低迷している」

Aの時代。

一方、買収される会社もある。

商人舎流通スーパーニュース。
スーパーバリューnews|
食品卸二番手企業が自然食品卸UNFIに買収される

20年ほど前の米国食品卸売業は、
御三家が頑張っていた。
スーパーバリュー、
フレミング、
マクレーン。

スーパーバリューは、
カブ・フーズなど食品小売業を経営し、
安定しているかに見えた。

しかし、2006年には、
三分割されたアルバートソンの主体を、
Albertson’s LLCとして買収した。

2013年1月、再びサーベラス社に売却。

その後、スーパーバリュー自身も低迷。
今回、ユナイテッド・ナチュラルフーズの傘下に。
ユナイテッドはホールフーズの有力取引先。

だからスーパーバリューは、
今やアマゾンの取引先となる。

フレミング社は、
かつての菱食(現三菱食品)と提携していた。

マクレーン社は1990年に、
ウォルマートに買収された。
ウォルマートは同社から食品を学んで、
2003年に売却してしまった。

折しも日経MJ8月1日号は、
「17年度卸売業調査」を発表。

食品卸売業の上位ランク。
⑴三菱食品2兆5134億円
⑵日本アクセス2兆1374億円
⑶国分グループ本社1兆8797億円
⑷加藤産業9738億円
⑸三井食品8164億円
⑹トモシアホールディングス7052億円
⑺伊藤忠食品6609億円

前年比の売上高は、
三菱食品が4.2%増、
日本アクセスが6.0%増、
国分が3.4%増と、
そこそこ健闘した。

ただし三菱食品も日本アクセスも減益。
国分と加藤産業、三井、トモシア、
そして伊藤忠は増益。

アメリカの卸売業の方が、
厳しい競争環境にある。

チェーンストアが発達した米国。

ゴドフリー・レブハーは見抜いていた。
チェーンストアの本質は、
「小売業者であると同時に
卸売業者であること」

ウォルマートが食品を始めるにあたって、
マクレーンを買収したのは、
まさにレブハーの言う通りだった。

日本では「問屋無用論」は、
それこそ無用だった。

もちろんトンネル口銭を、
かすめ取るだけの問屋は、
早々に一掃された。

それが歴史である。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 謹んでご母堂様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

    「のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり」
    斉藤茂吉

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