結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年08月13日(木曜日)

盆商戦の「アクセル&ブレーキ」とCOVID-19を「冷静に恐れる」

盆の入り。

もともとは、
旧暦7月15日が盆の中日だった。
旧暦7月13日が盆の入り。

明治政府は新暦をつくって、
西欧の基準に合わせようとした。

それが現在の暦になったが、
その新暦の盆に移行したのは、
多摩地区の一部を除く東京や、
函館、金沢の旧市街など。

あとは全国的に、旧暦の7月15日、
つまり新暦の8月15日を、
そのまま盆の中日とした。

こちらが「旧盆」と言われるもので、
現在も日本中が旧盆をして、
先祖の霊を迎える。
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だから8月15日前後が、
会社の夏季休暇となっているし、
帰省ラッシュとなる。

意図もあっただろうけれど偶然にも、
この旧盆の中日が敗戦の日となった。

そのお盆商戦も本番。
しかし今年は、
大都市圏に住む人々は自宅に残り、
従来のような帰省組は少ない。

だから地方の小売業は、
例年よりも売上げは少ない。
逆に主要都市圏の小売業は、
客数も売上高も例年に比べて多いだろう。

コロナ禍中は「前年並み」はない。
コロナ禍後も「前年の踏襲」は、
否定されねばならない。

お盆を迎えて、
連日、熱暑。

横浜も昨日の最高気温は35.4度と、
35度を超えて、この夏、
一番の暑さだった。

今日も35度を超える「猛暑日」だ。

昨日の段階でCOVID-19感染者数は、
日本全国で累計5万2139人、
前日比979人増、これが新規感染者数。
そして退院者数3万5547人。

感染者数はPCR検査で陽性となった人数。

重症者数は177人、
累計死亡者数は1079人。
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3月16日のブログ。
最善の経済対策は
「感染致死率抑制」と
新型コロナとの「共生」

山本太郎長崎大熱帯医学研究所教授。
その著作は『感染症と文明』
コロナ禍のテキストの一つ。
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山本教授は言う。
新型コロナウィルスの「封じ込めは不可能」。

だから、
「感染拡大のスピードと
致死率を下げる努力をしながら
共存するしかない」

すぐに体内で増えてしまう病原体、
つまり毒性の強い感染症は、
潜伏期が短い。
かわりに周囲に急激に広がる。

そして毒性が強いために、
宿主である人間を殺してしまう。
その結果として、
拡大は途中で止まる。

ペストやコレラ、サーズ(SARS)。

これに対して、
体内で増殖しにくい病原体は、
急激に広がるわけではない。
安定して人間の間で増え続けていく。
そして毒性が弱くなっていって、
最後には潜伏期が、
人間の寿命に等しくなってしまう。

ここに至ると、
ある種の共生の状態となる。
「共存」である。

こうなると「ただの新しい風邪」と呼べる。
COVID-19も変異しているらしいから、
そうなる日が来るのを待つしかない。

そこで原山優子東北大学名誉教授。
「冷静に恐れる」
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3月26日(木曜日)のこのブログ。
「冷静に恐れる」と
「ブレーキを踏みながら前進」する

この態度は今も変えてはならない。
「それには信頼できる情報が欠かせない」

これが重要だ。

「既知の未知」に対して、
情報収集と意思決定のメカニズムを
決めておくこと。

それは可能であるし、
それを実行しているのが
英国の緊急時科学助言グループ「SAGE」。
国家の非常事態に、
政府に科学的な助言を提示する組織だ。

日本の専門家会議は、
これをモデルに創られた。
しかし運営が恣意的で、
分科会となって、またおかしくなった。

SAGEは福島原発事故のときにも、
当時のキャメロン首相に助言した。
「東京にいる英国人を避難させる必要はない」

他の欧州諸国はすぐに、
日本国外への避難を勧告したが、
それとは一線を画する見識を示した。

SAGEも冷静に恐れる姿勢を堅持する。
そして政治判断で、
ブレーキを踏みながら前進する。

ここでブレーキとアクセルを、
踏むタイミングを失ったり、
逆に踏んだりしてはいけない。

朝日新聞「折々のことば」
昨日の第1903回。

編著者の鷲田清一さんが、
ときどき〈ことわざ〉を持ち出す。

三人寄れば文殊の知恵
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鷲田さんのコメント。
「遠隔会議はなかなかに効率的である。
対面の会議よりも速やかに進行する。
余談や脱線がしにくいし、
隣の人とここだけの話もできないから」

「けれども、
話がずれてゆく中にこそ発見がある。
思いがけない連想や
補助線の引き方に驚かされる」

セレンディピティもこれだ。

「何よりも足の揺すりや、
ふとした深呼吸から、
ああ納得していないなとわかる」

これが大事だ。

「針路を変える決断も、
一所(ひとところ)に集まらないと
怖くてできない」

会社の経営や店舗の運営でも、
ブレーキを踏むのか、
アクセルを吹かすのか、
その判断が成果を決定づける。

もちろんCOVID-19対策も。

ここで実践されるべきが、
「三人寄れば文殊の知恵」だ。

「忖度(そんたく)」や「集団思考」には、
このことわざの真理が欠けている。
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(注)集団思考は英語で”Groupthink”。
「集団が合議によって意思決定を行うとき、
集団の強い結束がマイナス方向に作用して、
メンバーが個人で決定を下す場合よりも
しばしば愚かで不合理な決定を
行ってしまう傾向のこと」

盆商戦に対して今は、
ブレーキから足を離すときである。

高校野球交流戦の「一戦主義」だ。

〈結城義晴〉


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