結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年01月12日(火曜日)

ツルヤ「群馬前橋の陣」と20年前の「販売革新/新世紀の透視者」

餃子の王将丸岡店。
〈中日新聞より〉
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日本海側の大雪の影響で、
福井県の国道8号で車が立ち往生。
それを見た丸岡店(福井県坂井市)では、
徒歩で店舗に駆けつけて調理し、
熱々の餃子や炒飯を差し入れした。
つまり無料提供。

10日の日曜日から11日の成人の日のこと。

㈱王将フードサービスは、
ホームページに「おもてなしの心」を掲げる。
「王将で働くスタッフは、
お客様のために何ができるのかを
常に考えています。
例えば冬の寒い日、
行列ができて店外で
お待ちいただいているお客様に、
温かいお茶を振る舞うこともあります」

「このような対応は
マニュアルによるものではなく、
全国各店舗の従業員一人ひとりの
“おもてなしの心”によるものです」

「お客様のために
何ができるのかを常に考え行動するという、
創業以来脈々と受け継がれてきた
王将のDNAは、世代を超えて
お客様満足を創造し続けます」

フードサービスの社会的使命。
それをすかさず行動に移す。

常日頃からスローガンで、
「温かいお茶を振る舞う」を考えていれば、
熱々の餃子や炒飯も
すぐに思いつくのだろう。

同じ業界にいる者として、
嬉しい限りだ。
誇りにも思う。

さて商人舎新春1月号。
お届けしました。
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特別企画は、
ツルヤ「群馬前橋の陣」
是非、読んでほしいな。

特集のまえがきを抜粋して引用。

「小売業の競争と言えば、
すぐに思い出すのが
銀座戦争、日本橋戦争だ。
超大型の都市百貨店同士の闘いだった」

「それが1970年代の後半から、
津田沼戦争、船橋戦争、藤沢戦争、
神戸三宮戦争などと、
郊外都市部へ移っていった。
この小売業の闘いは
ダイエー、西友、イトーヨーカ堂、
ジャスコ(当時)、マイカル、ユニーなど
総合スーパーを中心とした競争だった」

「しかし最近は、そういった闘いには
とんとお目にかからない。
もう百貨店や総合スーパーに
成長力がなくなったからだ」

「このコロナ禍の”キャズム”は
さらにそういった業態を衰退に追い込む。
衰退期には激しい闘いは起こらない。
マーケットは飽和のなかで、
縮小均衡していくだけである」

「その代わりに”激戦”と称する闘いは
スーパーマーケット同士、
あるいはスーパーマーケットと
食品売場を持った総合スーパーの
闘いとなってきた。
そこに食品を強化したドラッグストアや
ホームセンターが割り込んでくる。
もちろんいずれも
単独店舗の競合ではなくて、
商業集積同士の闘いとなってきた」

「その典型が、
昨年秋の”ロピア関西の陣”であり、
この”ツルヤ群馬前橋の陣”である」

関東の㈱ロピアは関西に飛んだ。
長野県の㈱ツルヤは群馬県への隣県出店。

「激しい競争の主戦場となった
スーパーマーケット業態において、
ロピアもツルヤも
企業規模はまだまだ大きくはない。
しかしその店舗のユニークさと
爆発力、成長力は共通している。
そして、スーパーマーケットとしては
“超”のつく広域商圏型であることも
類似している」

「競争という時限爆弾が破裂するには、
若々しい競争者の登場が必須である。
同類の新規参入は
競争をちょっと刺激するだけで、
画期的な新しい価値を創造することはない」

「閉塞されたコロナ禍のキャズム期に、
マーケットはかつての
百貨店や総合スーパーのごとき
圧倒的なリテーラーを
“食生活”分野で求めている。
それが”群馬前橋の陣”でもまた、
証明されたことになる」
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ツルヤ前橋南店の爆発力、
そしてベイシアの底力、
ヤオコーとベルクの営業力、
フレッセイ、とりせんの土着性。

見どころ満載。

商人舎特別コーディネーターの川勝利一。
ツルヤさんは「裏切らない」
ヤオコーさんは「楽しんで」
ベルクさんは「飽きさせない」
ベイシアさんは「low to high」かな?

座布団4枚!!

緊急事態宣言が終了したら、
是非、勉強に行ってほしいものだ。

もちろん商人舎1月号は必携だ。

最新号を紹介したら、
20年前の雑誌をご覧入れよう。
21世紀に入った第1号雑誌。
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これでしょうか。
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「販売革新」2001年1月号。
もちろん編集長は結城義晴。
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これだけの豊富な内容。
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ロングインタービュー特集は、
「新世紀の透視者たち」
3人の経営者が21世紀の商売を透視する。

ジャスコ社長 岡田元也(49歳)
ファーストリテイリング社長 柳井正(51歳)
マツモトキヨシ代表 松本南海雄(57歳)
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そしてビジュアル特集は、
「カルフールの全貌」
20世紀の最後の12月8日、
カルフールが日本参入した。
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10年後の2010年12月1日に、
イオンリテール㈱に吸収合併された。

Mr.Maxやしまむら3業態の分析、
ホームソリューション革命宣言、
ハックシティ1号店解剖。
日本ドラッグストアの基幹産業化戦略は、
故宗像守執筆。
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惣菜イノベーション。
2月の営業企画書。

そして私は無理やり故渥美俊一先生に、
「百貨店チェーン化理論」を書いてもらった。
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20年前はブログを書いてなかったし、
講演・講義も単行本執筆もなかった。

今は雑誌一筋にこんなパワーは出せない。
その代わりに剃刀の切り口を見せたい。

それにしても、
復刊した「月刊食品商業」。
2月号が今日届けられたが、
ガッカリしたなぁ。
さびしいなぁ。

みなさんが、
苦労してつくった昔の店が、
散々な状態になったら、
どう思います?

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 毎日ありがとうございます。

    販売革新2001年1月の内容は、はっきりと覚えています。1月号を片手にオープンして間もないカルフールに視察に出かけたのも、懐かしい思い出です。

    博多から大阪市に引っ越す際に、販売革新のバックナンバーは処分しました。今思えば残念です。当時販売革新は博多では一般書店では、中々手に入らず苦労しました。

    しかし結城先生が社長を退いた頃からでしょうか、販売革新のページ数の減少と、内容の陳腐化が目立ちはじめて、定期講読を中止しました。

  • いまちゃん、ありがとうございます。
    覚えていてくださって、感謝します。
    嬉しい限りです。

    雑誌も、店舗と同じで、生き物です。
    意識して、進化を続けなければ、
    ご指摘のようにすぐに陳腐化が始まります。

    恐ろしいことです。
    だからいつも進化を志さねばなりません。
    どんなときにも立ち止まってはいられないのです。

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