大谷翔平MVP!!の「自分の色」と「好きなものが与えてくれる力」

大谷翔平。
ナショナルリーグMVP。
Most Valuable Player。
最優秀選手賞。
アメリカンリーグMVPは、
アーロン・ジャッジ。
もちろんヤンキースのホームラン王。
大谷のMVPは3年連続4度目。
ジャッジは2年連続3度目。
フィリーズのカイル・シュワバーが、
本塁打と打点の2冠王となった。
そのシュワバーを抑えて、
今回も満票での選出となった。
2度目の右肘手術を経て、
今季は投手として復帰した。
ゲームに出ながらのリハビリは、
史上初のことだった。
その艱難を乗り越えたからこそ、
価値は高まったと思う。
投球回数を5イニングに伸ばした8月27日、
レッズ打線を1失点に抑えて、
749日ぶりの白星を挙げた。
打者としては自己最多の55本塁打。
[出塁率+長打率]のOPSは1.014。
ナ・リーグで断トツ。

二刀流を続ける理由を大谷は語る。
「できると思っているから、
というのが一番」
「それが自分の強みであり、
自分の色。
自分にしかできない
役割だと思う」
私の言う「人生のポジショニング」。
大谷翔平はそれを体現している。
大リーグの歴史では、
バリー・ボンズが7度のMVPを獲得している。
大谷はボンズに次ぐ4度目。
ただしボンズにはドーピング疑惑があって、
実績は十分だが野球殿堂には入っていない。
シーズン最高の打者の「ハンク・アーロン賞」、
最高の指名打者の「エドガー・マルティネス賞」、
そしてメジャーリーグ全体のベストナイン、
「オールMLBファーストチーム」にも選ばれた。
3月18日のシーズンスタートの日から、
ワールドシリーズ終了まで、
私たちも大いに堪能させてもらった。
感謝しかない。
東京新聞の「筆洗」
ウィリアム・ホイ選手を紹介する。
通称、”Dummy” Hoy。
1862年生まれ、1961年、99歳で亡くなった。
3歳の時に髄膜炎にかかって難聴となった。
しかし聴覚障害を抱えながらプロ野球選手となって、
通算2044安打と594盗塁を記録。
2003年にレッズの野球殿堂入りを果たした。
従来の野球では審判は声を上げて、
「ストライク、ボール、アウト、セーフ」など、
判定をしていた。
ホイ選手は審判のその判定の声が聴こえなかった。
そこである日、思い切って審判に頼んだ。
ストライクの場合は右手を挙げてほしい。
ここから判定を体で示す動作が導入された。
セーフなら両手を広げる。
アウトなら親指を立てる。
ホイ選手は語っている。
「成功には試練に挑む、
強い心と勇気が必要です」
大谷翔平と同じだ。
朝日新聞「折々のことば」第3521回。
好きなものはぼくたちに
力を与えてくれるんです。
〈辻邦生〉
「好きなことは何でも楽しく、
生命を漲(みなぎ)らせる」
「それは、人生におけるひとつの意味を
ぼくたちがつかんでいる、ということだ」
ヘミングウェイなら危機的状況での「勇気」、
サン=テグジュペリなら「空」。
「偉大な作家はその意味、
つまり『生命のシンボル』に確(しか)と触れ、
そこに身を置いているので揺らぐことがない」
好きなものが大谷翔平に、
力を与えてくれる。
ヘミングウェイの「勇気」、
サン=テグジュペリの「空」。
大谷翔平の「Baseball」。
私たちなら「商売」、
あるいは「仕事」。
「生命のシンボル」に確と触れ、
そこに身を置いていれば、
揺らぐことがないのだ。
〈結城義晴〉



























