結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年11月15日(土曜日)

「イオンスタイル市川コルトンプラザ」リニューアル開業に物申す

ニッケコルトンプラザ。
千葉県市川市鬼高。
JR総武線本八幡駅から徒歩10分。

1988年11月開業。
オ・プランタン百貨店が核店舗で、
話題をさらった。

まだ郊外型百貨店の可能性が、
人々に信じられていたころだ。

紆余曲折があって核店が大改装オープン。
イオンスタイル市川コルトンプラザ。
商人舎総出で取材に出かけた。aeon1-facad

もともとは日本毛織㈱の中山工場だった。
その跡地の約4万3000坪の敷地に、
1万6754坪の商業施設がつくられた。

そこで「ニッケ」と名づけられた。

プランタンはフランスの百貨店だが、
ダイエーが提携して日本で展開していた。

しかし郊外百貨店は商圏人口が決定的に足りない。
売上げも利益も思い通りにはいかなかった。

そこで8年後の1996年、
総合スーパーのダイエーに転換した。

さらに2014年11月、
リニューアルを施していた。

しかし2015年1月1日。
ダイエーはイオンの完全子会社となった。

それから10年、ダイエーは近畿圏の会社となった。
そこで関東のダイエーの物件は、
次々にイオンリテールに変わる。

ダイエー市川コルトンプラザは、
8月31日付で営業終了、
10月1日付けでイオンリテールが継承。

そしてイオンスタイルの総合スーパーに、
完全なリニューアルを果たした。

イオンスタイル市川コルトンプラザは、
衣食住フルラインのフォーマットだ。

直営面積は3572坪で売場は2階、3階にある。
2階に広大な食品売場を中心に、
ヘルス&ビューティ、ホームファッション。
3階は衣料とキッズ・ベビー。

オープン前にテープカット。
aeon1-celemo

古澤康之イオンリテール社長、佐山幸司店長、
長岡豊日本毛織社長、田中甲市川市長、
それに地元自治会の関係者ら。
IMG_8307 (002)

待ち望んだ顧客が多数集まった。
IMG_8306 (002)

10時のオープンを待つ。aeon1-open1

約2000人が行列をつくった。

オープンと同時に顧客が押し寄せる。aeon1-open2

先頭のミカンの5㎏箱売りは、
従業員が顧客に手渡しした。

青果、日配に続いて精肉売場。aeon1-meat1

改装前のダイエーと比べると、
精肉売場のスペースは3割広がった。

黒毛和牛を詰め合わせた「お楽しみ袋」。
売価5000円だが2倍の価値がある。
顧客が殺到。aeon1-meat2

鮮魚は売場に担当者を配置して、
対面方式で売り込む。aeon1-fish

最終コーナーはデリカテッセン。aeon1-delica

3階のキッズリパブリック。aeon1-kid

フロアの約半分を占める。
子育てファミリーが多いマーケットに対応した。

4階の店舗事務所に設けられた記者会見場。aeon1-press

佐山店長は「客数、売上げともに1.5倍を目指す」。aeon1-sagawa

衣食住フルラインの強みが、
存分に発揮されることに期待している。

ダイエー時代のコミュニティ社員約200人は、
引き続き店に残って雇用される。
「即戦力になってくれてありがたい」

南関東カンパニーの熊倉淳西千葉事業部長。aeon1-kumakura
従来のイオンスタイルとの違いを説明してくれた。
「最も力を入れた肉売場はインストア比率50~60%」

その熊倉さん(右)と松本信男さん(左)。
松本さんは執行役員南関東カンパニー支社長。
IMG_8312 (002).jpg2

アメリカでは依然、総合スーパーが強い。
「ハイパーマーケット」業態である。
ウォルマートとターゲットは、
最強の店舗である。

イオンスタイルの「GMS」はそれを目指す。

顧客はダイエー時代からずっと、
この店を応援してくれている。
それが今日の繁盛の理由だ。

この店をくまなく歩いてみて、
ダイエー時代とはがらりとイメージが変わった。

しかしウォルマートスーパーセンターと比べると、
まだまだわかりにくい。
ターゲットと比べると、
もっと洗練されていい。

全体的に言えば、
もっともっとショップ形式を強めて、
「面」をくっきりと主張したほうがいいと思う。
まだ「線」のつながりでしかない。

そのうえでそれぞれのショップを、
さらに魅力的に磨き上げる。

2階でも3階でも多くお顧客がレジに並んだ。
もっと上手に入場制限をすべきだろう。

それからレジに並んだ顧客が買っていたものは、
「半額」などのオープン特売品が多かった。

顧客が「半額」を求めてやって来るのではなく、
その品の「980円」や「4900円」の価値そのものが、
確かに認められる必要がある。

そのためにプライスカードは、
もっと主張していいだろう。

この店のオープンによって、
今年度のダイエーからの承継店舗の改装は、
ひと区切りついた。

ダイエーからイオンスタイルへの転換として、
いい出来栄えだと思う。

しかしもっともっと大胆な改革を仕掛けていい。
顧客はそれを望んでいる。

〈結城義晴〉


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