結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年08月29日(木曜日)

お天気産業&「天気の子」とPayPay/LINE Pay旋風

九州の記録的大雨。
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日本気象協会の君島由希子さんが、
報告してくれている。
九州支社の気象予報士/防災士。
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この異例の秋雨前線は、
「引き続き活発な活動を続ける見込みです」

9月1日の二百十日まで大雨が長引いて、
「災害の危険性が高い状態が続くでしょう」

九州では今月19日ごろから、
もう10日間も断続的に雨が降り続く。

「異例」の「秋雨」の「長期化」。

小売業も製造業も、
いまやお天気産業。

毎日、お天気のことを書いている気がする。

ああ。

それにしても新海誠監督。
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7月19日封切のアニメーション映画、
「天気の子」。
公開約1カ月で興行収入100億円を突破。
歴代日本映画の興行収入ランキングで、
早くもトップ10入りを果たす快進撃。

映画公開前日の7月18日には、
『小説 天気の子』を出版。
これは異例の初版50万部スタートで、
重版に次ぐ重版。
現在62万部に到達。

令和元年は「天気の年」になりそうだ。

さて、商人舎流通スーパーニュース。
サミット、ライフ、ベイシア三連発。

サミットnews|
9/1から全店でQRコード決済サービス5タイプを導入

9月1日から、
Alipay/WeChat Payの中国版、
LINE Pay/PayPay/メルペイの日本版を、
全店舗で導入開始。

SCSK(株)と(株)ネットスターズの協力で、
短期間での全店舗サービス展開。

サミットは昨2018年10月に、
全社プロジェクトチームを立ち上げて、
この問題に取り組んできた。
[Summit Digital Transformation]
略してSDX。

その成果だ。

ライフnews|
スマホ決済PayPay・LINE Pay・メルペイを9/2全店導入

こちらは全274店舗で9月2日スタート。
PayPay/LINE Pay/メルペイ。
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ストアスキャン方式を採用して、
ユーザーのスマホに表示されたコードを、
レジで読み取る。

ベイシアnews|
131店でスマホ決済「PayPay」「LINE Pay」の運用開始

ベイシアは9月6日、やはり全店で開始。
こちらはユーザースキャン方式で、
顧客がアプリで読み取る。
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今週の月曜日のこのブログ。
「どかとよろしき残暑かな」と
9月のPayPay旋風の予感

9月1日から30日までの1カ月間、
「10時~14時がおトク! 家計を応援!
スーパーマーケット大還元祭」
PayPayが開催。
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PayPay旋風を予測したが、
大当たり!!

出遅れてはならない。

しかし一方で、
冷静に考えておくこともある。
忘れずに。

最後に痛快なコラム。
日経新聞「大機小機」

タイトルは、
「経済学者につづり方教室を」

コラムニストは横ヤリさん。

「夏休みも終わってしまうが、
経済学者や経済官僚は
つづり方教室にでも通ったら、
と思うことがしばしばある」

ふふふ。

政府・日銀関係者や多くの経済学者の分析。
「企業や消費者の期待成長率
低下していることが要因の一つ」

コラムニスト。
「人々の期待成長率が低下している?
そんなはずはない。
企業だって消費者だって
望むべく期待成長率はいつも高めだろう」

学者やエコノミストが言わんとするのは、
「期待」ではなく、
「予想成長率が低下している」ということ。

「無神経な翻訳が背景にある」

増税効果で消費は伸び悩む」
「デフレの履歴効果がデフレを生む」
「配偶者控除は女性の
労働参加抑制効果をもたらす」

これらの表現も経済学者は、
抵抗感なく使う。

“効果”という言葉は、
良い結果を生む場合に使うのが
普通の日本語である」

完全失業率
歴史的に低下しているのに
雇用者所得が伸びない」

コラムニスト。
「完全失業率とは何か?」
“不完全失業率”というのがあるのか。
「雇用者所得とは何か」

「雇用者」には二つの意味がある。
「雇われる者」の意味もあるが、
「雇い主」をさすこともある。

役所は「被雇用者」と使う。

「”雇用者”の意味が文脈次第で
くるくる変わる」

保険者も、
保険業務を運営している組織や会社と、
保険を利用している「被保険者」。

「会計用語もわかりにくい」

貸借対照表は、
バランスシートのことで、BSと略す。
しかし日本語では「貸借対照」。
貸し借りのみを示すような印象を与える。

「訳語として最適だったか」

しかも表の左側を「借方」
右側を「貸方」と呼ぶ。

だが貸付金は借方に、
借金は貸方に記録される。

「頭がクラクラする」

ちなみにこれは福澤諭吉の訳と言われる。

コラムニストは怒る。
「先人が古くから使ってきたから
修正する意欲も起きないのか」

「専門用語を使うことに
自己満足を感じるのか」
これはある。

「学問の世界や役所に潜むギルド体質
普通の人々にわかってもらおうという
サービス精神はないようである」

同感。

このギルド体質は、
荒井伸也さんが指摘した、
悪い意味での「職人気質」だ。

我々、小売商業の世界にも、
製造業、卸売業の世界にも、
ジャーナリストの世界にも、
蔓延していることを忘れてはいけない。

〈結城義晴〉

2019年08月28日(水曜日)

UAゼンセン第1回流通産業労使フォーラムの「普通の特別」

令和元年初の8月もあと4日。
九州北部には記録的な大雨。

私の生まれ故郷は、
福岡県福岡市早良区。

ここも大雨だ。

結城一族が住んでいるが、
みんな大変だろうし、
不安だろう。

わが日本列島は、
地震列島にして台風列島、
そしてすこしずつ、
亜熱帯地方の雨期のようになる。

心からお見舞いしたい。
そして現地の小売産業やサービス産業が、
人々のライフラインとなってほしいと願う。

今日の私は横浜商人舎オフィスで、
月刊商人舎9月号の必死の入稿仕事。

午後から東京・水道橋へ。
東京ドームシティホテル。

UAゼンセン流通部門主催。
第1回流通産業労使フォーラム。

昨年までは労使懇談会という名称で、
6回まで開催されていた。
その昨年までの労使懇談会が、
「顔合わせ」や「心合わせ」だったとすれば、
これからの労使フォーラムは、
「力合わせ」だという。

まったくその通り。

私は夕方の開催記念パーティから出席した。

主催者挨拶は藤吉大輔さん。
UAゼンセン副会長にして流通部門部門長。
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藤吉さんはすこぶる機嫌がよくて、
「心合わせと力合わせ」の、
手ごたえを感じたような挨拶だった。
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来賓あいさつは参議院議員のお二人。
河合孝典さんと田村まみさん。IMG_00519
河合さんは労使が力を合わせて、
「軽減税率問題」などに、
本気で取り組まねばならないと主張した。

田村まみさんは、7月の参議院選で、
国民民主党の比例代表でトップ当選。
イオン出身の参議院議員の誕生だ。IMG_00539
おめでとう。

1年前の”候補”のころは初々しかった。
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これから猛勉強して、
存分に力を発揮してほしい。
流通を代表する政治家になってほしい。

乾杯の発声は高橋了さん。
流通部門副部門長。
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高橋さんは流通部門の政治担当で、
先の「力合わせ」の話をしてくれた。

乾杯の後は懇親。

田村まみさんと記念の写真。IMG_00599

去年はこうだった。
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私は月刊商人舎8月号の特集を贈った。
我ら、ポリティカル・マーチャンツ!

藤吉さんと握手。
藤吉さんは間違いなく、
流通産業の鍵を握る人の一人だ。IMG_00669

それから㈱平和堂の皆さん。
私の右は夏原行平さん、専務取締役管理本部長。
左は本持慎二さん、教育人事部長。
そして両サイドは平和堂労働組合のお二人。
右が中央執行委員長の千秋章造さん、
左が中央執行書記長の山本昇司さん。
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その夏原さんと小苅米秀樹さん。
小苅米さんは㈱ベルジョイス会長で、
お二人はコーネル大学ジャパン「伝説の1期生」IMG_00779

㈱万代の加藤健さんと西城敏幸さん。
加藤さんは取締役総務担当、
西城さんは万代ユニオン中央執行委員長。
この10月で退任する。
ありがとうございました。IMG_00629

イオンリテール㈱副社長の西松正人さん。
管理担当でホームコーディ事業も担当する。IMG_00789

㈱イトーヨーカ堂の樋口昭さんと石合弘二さん。
右の樋口さんは取締役管理本部長、
真ん中の石合さんは労働組合中央執行委員長。IMG_00639

㈱フジの皆さん。
私の隣から豊田洋介さん、中西信将さん。
豊田さんは取締役管理本部長。
中西さんは人事総務部次長兼労務政策課課長。
そしてフジユニオンの高橋慶長さんと富永篤さん。
高橋さんは中央執行委員長、
富永さんは中央書記長。
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アクシアルリテイリング㈱のお二人。
五十嵐安夫さんと矢島良彦さん。
五十嵐さんは副社長で、
矢島さんは原信労働組合中央執行委員長。IMG_00859
各社とも労使揃って参加している。

それから狐墳英毅さんと白鳥和生さん。
弧墳さんは一般社団法人徳育経営研究所常務理事。
㈱長崎屋の幹部だった。
白鳥さんは日経新聞社編集局調査部次長。IMG_00679

最後に大塚耕平参議院議員と、
商人舎ゼネラルマネジャーの亀谷しづえ。IMG_00829

UIゼンセン同盟の時代から、
この労働組合との関係は深い。
「流通産業政策」策定の際は助力した。
UIゼンセン同盟会長だった落合清四さんには、
コーネル・ジャパンの講師をお願いした。
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元連合会長の高木剛さんには、
商人舎発足の会の発起人になっていただいた。

そして労働組合と経営者が、
互いにそのポジショニングを主張し、
理解しあったうえで、
まさに「心合わせ」と「力合わせ」を、
していかなければならないと思う。

それが「Political Merchants」の、
これからのあり方でもある。

東京ドームホテルは、
雨模様の中にくっきりと浮かんでいた。IMG_00909

最後に昨日の朝日新聞「折々のことば」
第1563回。

特別なものを
特別に作っても
特別ではないんですよ。
(川俣正)
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「逆に、身近にあって、
不要とされた”普通”のもので
何か違うモノを作るのは”特別”だ」
(『高校生と考える世界とつながる生き方』から)
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Politicalとは、
特別なものではない。
身近なもの、普通のものだ。

その身近なもの、普通のものから、
特別なものが生まれる。

田村まみさんと再会し、
UAゼンセンの労使を見ていて、
その「普通の特別」を強く感じた。

それが我らの、
ポリティカル・マーチャンツだ。

〈結城義晴〉

2019年08月27日(火曜日)

商売の①売れ筋②死に筋②見せ筋と「コントラスト効果」

今日は1日、横浜商人舎オフィス。
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裏の遊歩道の緑は美しい。
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アロハとストローハットで恐縮。IMG_00419

東京新聞の巻頭コラム、
「筆洗」

中日新聞の「中日春秋」と、
同じ文章の日もある。
そうでない日もある。

中日新聞は中部・東海地方のブロック紙で、
その子会社が東京の地方紙「東京新聞」。
だから両紙の巻頭コラムが、
同じ文章になる日が多い。

朝日、讀賣、毎日、日経、産経を、
「全国紙」と呼ぶ。
チェーンストアに置き換えると、
これがナショナルチェーン。

中日新聞をはじめとして、
北海道新聞、西日本新聞、中国新聞など、
数県あるいはそれに見合う地域の新聞を
「ブロック紙」というが、
これがリージョナルチェーン。

そして一つの県に専念する新聞が、
「地方紙」で、これがローカルチェーン。

新聞の経営軸と、
チェーンストアのドミナント戦略は、
同期している。

今日の地方紙のコラム「筆洗」は、
中日春秋とは異なる内容。

料理メニューのコースの論議。
コースは二つ考えられる。
⑴お値打ちコース四千円
⑵満足コース五千円

この2つのコースでは、
どちらを選ぶか決め手がない。

そこで一つのコースを加える。
⑶豪華プラン一万円

そして三つのコースから選ぶ。

こう設定すると、
⑵の満足コースを選ぶ人が増える。

「値の高いプランを加えることで
⑵を安く感じる効果がある」らしい。

営業マンの「指南書」にある。
「コントラスト効果」。
「対比効果」ともいう。

小売業の世界にも、昔からある。
①売れ筋
②死に筋
②見せ筋

①の売れ筋は、
「品揃えラインのなかで、
最もよく売れている商品」
(商業界『商業用語事典』の故高山邦輔定義)
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「特にきわだって販売量の多い品目で、
在庫量の適正な商品」
(『必須単語1001』の故渥美俊一定義)

ABC分析をして、
よく売れるA分類の商品。

わかりやすい。

売れ筋に関しては、
品切れや欠品があってはならない。

②の死に筋は、
「カットしたい商品」
――「言いえて妙」の浅香健一定義は、
『商業用語事典』から。
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「品種ごとにあらかじめ各社が決めてある
在庫年令制限を超えて在庫している商品」
(渥美定義)

「ふつうはその品種の商品回転日数の
1.5倍を枠とする」

漠然と「売れない商品」では、
実態を把握できない。
「商品回転率が低い商品」だとしても、
その低いレベルがどのくらいかが、
決められていなければならない。

渥美理論は執拗に、
数字で事実を把握しようとする。
これはとても大事な姿勢だ。
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③の見せ筋は、
「販売数量は少なくても、
店に欠くことのできない商品」
(浅香定義)

「店格を高めたり、
値ごろの商品の売れ行きを
よくしたりする効果がある」
これがコントラスト効果である。

ただし私は、
「見せ筋」という語感は、
よろしくないと思うし、
使わない。

どんな店でも、
売場は無限にあるわけではない。
しかもネット販売がこれだけ普及すると、
eコマースには「見せ筋」が、
これでもかと提示されている。
スマホを見れば、
いくらでもそんな商品は出てくる。

だからリアル店舗の「見せ筋」は、
効果が薄らいだ。

浅香健一先生も、
商業界からの依頼で、
一般的な定義をしたものであって、
これをお勧めしているわけではない。

筆洗のメニューコースの話に戻ると、
売れるのは⑴のお値打ちコース。
⑵の満足コースも売れるけれど。

しかし⑶を提案しておくと、
対比効果で⑵が売れる。

ただし渥美理論では、
「売価の上限と下限の幅を狭くせよ」
つまり⑶は否定される。

⑴と⑵で、トータルに低価にせよ。
とりわけ⑴を強調せよ。
それが渥美俊一流。

営業マンの指南書と、
渥美チェーンストア理論は異なる。

私の商品論・価格論の基本はいつも、
コモディティと、
ノンコモディティ。

渥美理論はコモディティ重点型。
コモディティディスカウント主義。

しかしアメリカでも、
ホールフーズマーケットや、
HEBセントラルマーケット。
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世界のイータリーなども、
ノンコモディティに高い価値を認める。

消費トレンドは必ず、
高度化、高質化、個性化し、
その結果として多様化に向かう。
歴史がそれを示している。

そして重要なことだが、
コモディティとノンコモディティには、
コントラスト効果も働く。

コラムはG7サミットへ。
日米首脳による貿易協定。

米国産の牛肉・豚肉の関税を、
日本側はTPPの水準に引き下げる。
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日本側が求めていた乗用車は、
関税撤廃が見送りとなって、
現在の2.5%に据え置かれた。 donald-trump-1269307_12809999

「それでも一時期、トランプ大統領が
安全保障を理由に、
日本車を含む輸入自動車に
25%の追加関税を加えると
主張していたことを思えば、
そんなことはなかった分、
今回の合意がありがたく見えてくる」

コラムニストの発見。
「あっ。これがコントラスト効果なのか」

「日本の要求はうっちゃられたのに
上出来の交渉のように考えてしまう。
しかも合意の全貌はまだ見えていない」

しかし国と国の貿易交渉の場に、
コントラスト効果はない。

コモディティとノンコモディティ。
選択の自由が保障されたところに、
コントラスト効果がある。

〈結城義晴〉

2019年08月26日(月曜日)

「どかとよろしき残暑かな」と9月のPayPay旋風の予感

Everybody! Good Monday!
[2019vol34]

2019年第35週、8月第5週の最終週。
8月が終わり、いわば「正式」に夏が終わる。

「作家の幸田文さんは、
随筆で”季節のかたみ”という
印象的な言葉を使っている」

南日本新聞巻頭コラム、
「南風録」

「厳しい暑さの夏の形見は、
庭にバケツの水をひっくり返した時、
乾いた土がはぜるような音を立てて
ひび割れた思い出だ」

今年の「夏の形見」は何だろう。

山陽新聞の巻頭コラムは、
「滴一滴」

こちらは「季節スイッチ」という言葉を使う。
「おでんは、最高気温が
30度を下回る日をきっかけに
売り上げが伸びる」

その30度を切るとき、
「季節スイッチが入った」と表現する。

「処暑を過ぎて、
過ごしやすい朝夕が増えてきた。
日脚も徐々に短くなり、
やがて”秋の夜長”へと向かう」

そして阿波野青畝(あわのせいほ)の句。
朝夕がどかとよろしき残暑かな

青畝は奈良県生まれの俳人。
口癖は「長生きは得でっせ」で、
93歳まで生きた。

この句の「どかとよろしき」の「どか」は、
関西弁でいえば「ごっつう」といった感じ。
「すごくいい」という意味。

この8月最終週は、
そんな「季節スイッチ」が変わる、
「どかとよろしき」7日間だ。

清少納言の「枕草子」では、
春夏秋冬が描写される。
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「夏は夜」
「月のころはさらなり、闇もなほ、
ほたるの多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、
ほのかにうち光りて行くもをかし」

「古典」の授業では、
「をかし」は「趣がある」と教えられるが、
「なんとなくいいね」といったニュアンス。

「秋は夕暮れ」
「夕日の差して
山の端いと近うなりたるに、
からすの寝所へ行くとて、
三つ四つ、二つ三つなど
飛び急ぐさへあはれなり」

「あはれなり」は、
しみじみとしていて、
心打たれること。

夏は夜が良いし、
秋は夕暮れが良い。

「どかとよろしき残暑」のころは、
両方の良さを堪能できるかもしれない。

さて今日は、
シェ・フルール横濱。
商人舎オフィスから徒歩3分。
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創作和フランス料理。IMG_00319

商人舎の歓送迎会ランチ。
コース料理のスタートは、
冷製スープ。
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そしてカラフルなオードブル。
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メインディッシュは、
神奈川県特産のヤマユリポークのソテー。IMG_00259

白身魚のポワレ。IMG_00269

ズワイガニのパスタ。IMG_00279

デザートとコーヒー、紅茶。IMG_00289

大満足で写真。IMG_00309
「集まり散じて
人は変われど 

仰ぐは同じき
理想の光」

この会の最後の言葉として、
私は早稲田大学校歌の歌詞を紹介した。
相馬御風の作詞。

人は集まる。
人は散じる。
しかし同じ理想の光を仰ぐ。

商人舎の「舎」とは、
そうありたいという意味だ。
いつも、いつまでも。

さて、今日の商人舎流通スーパーニュース。
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QRコード決済サービス「PayPay」9/1全店導入torisen_20190826_02
㈱とりせん(群馬県館林・前原宏之社長)が、
9月1日(日)から「PayPay」を全店導入。

昨年に創立70周年を迎えたとりせん。
群馬県27店舗、栃木県19店舗、
茨城県10店舗、さらに埼玉県3店舗で、
合計59店舗。

オール日本スーパーマーケット協会の、
有力メンバー企業だ。

そのとりせんが導入するPayPayは、
9月1日から30日までの1カ月、
全国の加盟スーパーマーケット対象に、
「10時~14時がおトク! 家計を応援!
スーパーマーケット大還元祭」を開催する。

毎日10時から14時の間に、
PayPayで支払うと、
最大10%のPayPayボーナスを還元する。

PayPayは、
コンビニ、ドラッグストアをはじめ、
全国のスーパーマーケットに対して、
異様な執念で加盟勧誘をしている。

もちろんソフトバンク㈱とヤフー㈱が、
合弁で作った会社がPayPay㈱。

アスクル㈱前社長の岩田彰一郎さんが、
株主総会で退任する事件で注目されたが、
9月は全国のスーパーマーケットへの、
最大10%還元が話題をさらいそうだ。

10時から14時に1割還元だから、
午前中から午後までの客数増に貢献する。

そして9月が終わると消費増税。
いいところに目をつける。

スマホを使った「QRコード決済」は、
アリペイとウィーチャットペイが、
中国圏で先行する。

日本では2016年に、
オリガミペイが先鞭をつけた。
それにLINE(ライン)ペイ、
楽天ペイなどが次々参入。

そこに2018年10月に、
PayPayが満を持して登場。

ソフトバンクの社外取締役が、
ジャック・マーということもあって、
アリババの金融サービス子会社と提携。

昨2018年末商戦の12月には、
「100億円あげちゃうキャンペーン」実施。
原則として購入金額の20%、
抽選で全額(上限10万円)が還元された。

しかしわずか10日間で、
キャンペーン予算に到達して終了。

2月12日には第2弾100億円キャンペーン。
そして消費増税を控えたこの8月だけでも、
ライフコーポレーション、西友、
東急ストア、そしてとりせんが、
PayPay導入に踏み切った。

すでにユニクロ&ジーユー。

コンビニはセブン-イレブン、ローソン、
ファミリーマート、ミニストップ、
そしてセイコーマート。

ドラッグストアはツルハ、
マツモトキヨシ、ココカラファイン、
もう雪崩を打ったように導入。

イオンは4月に関東と山梨県でスタート。
ロピアもオーケーも導入した。

セブン-イレブンは7Payで味噌をつけて、
国内3社と中国2社のQR決済を導入。

そして今、スーパーマーケットが、
こぞって導入。
9月はPayPay旋風の季節になりそうだ。
それにつられてLINE Payも広がる。

消費増税や軽減税率にだけ、
目を奪われていてはいけない。

そのことをきっかけに何かが起こる。
それが商売に影響を与える。

激動の9月に突入しようとしている。

その直前の「どかとよろしき残暑」である。

では、みなさん、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年08月25日(日曜日)

滝沢秀一「ゴミ清掃員の日常」と「もったいない・ありがたい」

「折々のことば」
朝日新聞一面のコラム。
編著者は鷲田清一さん。
その博識と見識、
そして視野の広さ、貪欲さには、
毎朝、舌を巻く。
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いまや、朝日の名物「天声人語」を、
完全に食ってしまった。

今日の第1561回。

管理されなければ
できない

恥ずかしい世代になんて
なりたくない。
(滝沢秀一)

お笑いコンビ「マシンガンズ」の芸人。

1976年生まれ。
1998年から「マシンガンズ」で活動。
「エンタの神様」などに、
ちょこちょこっと出ていた。

太田プロダクション所属だが、
売れっ子芸人では、もちろんない。

結婚して、子供もいる。
そこで定収入を得るため、
2012年からゴミ収集会社に、
正社員として勤めている。

つまり二足のわらじ、あるいは兼業。

そしてツイッターでゴミ清掃員の日常を、
赤裸々に綴り始めた。

鷲田さんの表現。
「悲喜こもごもの清掃作業にあたる中、
人びとの嗜好や消費行動の歪(ひず)みに
戸惑い、そして思う」

それらをまとめて、
昨2018年9月、エッセイ本を発刊。
それが思わぬ大ヒット。
『このゴミは収集できません』
サブタイトルは、
「ゴミ清掃員が見たあり得ない光景」
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「有料化、罰則など、
ゴミ回収をめぐる規制の拡大も、
ゴミの仕分けや水切り、
物を買う前の要不要の一考などを
一人一人がきちんと
意識してやれば回避できる」

今年の5月には、
コミックス『ゴミ清掃員の日常』を発刊。
奥さんの滝沢友紀さんが漫画を担当。
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P+D MAGAZINEのインタビュー。
滝沢がゴミ清掃の仕事を始めてみると、
「居心地がいいので驚きました」

「もちろん肉体的には
しんどいときもあるのですが、
本当にどんな年齢・国籍の人でも
できる仕事だし、面白いんですよ」

この業界の人がよく言うそうだ。
「3年働いたらもう、
この世界から抜け出せなくなる」

滝沢の述懐。
「僕自身もゴミ清掃を6年続けてきて、
もう辞めたいとはまったく思わないです」

なぜだろう。

ちょっと流通業界に似ているか。

その理由は、
社会に貢献している、
実感があるからだと思う。

ゴミ清掃の仕事の中で辛いこと。
「しんどいのは、やっぱり夏と冬ですかね。
夏は暑いし、冬は雪が降ると、
道も渋滞するし……」

「夏のペットボトルのゴミの量の多さは、
一度みなさんにも
見てもらいたいくらいです。
ひとつの収集所で出るゴミの量が、
とにかく増える」

朝早くから始めて、
夜6時くらいになっても回収しきれない。

滝沢は分別の重要さを力説する。
「たとえば、分別が不十分で
可燃ゴミの中に不燃ゴミが
多く混じってしまっていると、
焼却炉でゴミを燃やすときに、
ゴミが入りきらないので焼却炉を
一度止めなきゃいけなくなるんですよ」

「燃えなかったゴミを手作業でかき出して、
また焼却炉に火をつけるわけです。
で、このとき、一度止めた
焼却炉に再び火をつけるという作業に、
だいたい250万円から350万円の費用がかかる」

そういった家庭ゴミの処理費用は
税金で賄われている。

滝沢。
「東京のゴミの埋立地は
あと50年しか持たないと言われている。
減量化や分別にまったく気持ちが
向かない人がいまだにいることには
心が痛みます」

そして将来の問題。
「リサイクルってやっぱり
習慣だと思うんですね。
だから、子どもが小さいうちから
絵本でそういうことを教えられたら、
自然とゴミを分別して
リサイクルできる大人になってくれるかな」

芸人としては売れなくとも、
ゴミ清掃員となって、
その観察力と発信力で、
社会に貢献する。

いい話だ。

最後に再び結城義晴のMessage。
月刊商人舎2017年4月号の巻頭言。
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もったいない、
ありがたい。

「売れない」のではない。
「売っていない」のだ。
「売り損なっている」のだ。

鈴木敏文さんが言い、
故緒方知行さんが追従(ついしょう)した。
これは機会損失撲滅の本質を突いた。

だからセブン-イレブンは、
加盟店とスーパーバイザーに徹底した。
「売れ筋でロスを出せ!!」

しかし残念ながらこの時代は終わった。
値下げロス・廃棄ロスと機会ロスは、
本来、二律背反の関係にある。

だから戦略的に、組織的に、
もう1人・もう1品・もう1円の改善がいる。
そしてもう1パーセントの努力が望まれる。

フィリップ・コトラーが読みきった、
マーケティング1.0は、
製品中心の時代だった。

マーケティング2.0は、
消費者志向の時代で、
売り手市場から買い手市場に移行した。

そしてマーケティング3.0の今は、
価値共創の時代である。
ソーシャルマーケティングの時代である。

「売れない」のではない。
「もったいない」が足りないし、
「ありがたい」が少ないのだ――。

「もったいない、ありがたい」が広がれば、
ゴミもロスも格段に減っていく。

〈結城義晴〉

2019年08月24日(土曜日)

ナチチャコパック「前高・高高」とMarketingの「ライバルと敵」

先週金曜日のこのブログで、
「ナチチャコの金曜パック」に触れた。

TBSラジオの深夜放送。
大人気の「パックインミュージック」
金曜担当が野沢那智と白石冬美だった。51aQ9rAqAAL._SX339_BO1,204,203,200_

故野沢さんがナチ、白石さんがチャコ。

調べてみると、
1967年7月から1982年7月まで続いた。
番組終了時には反対デモまで起こった。

木曜日の深夜だから、
「金曜パック」と略称した。

ラジオ番組で、
おしゃべりをして音楽をかける。
その担当者を、
ディスクジョッキーと言っていたが、
「パック」あたりから、
パーソナリティと呼んだ。

私は1968年に高校生になって、
71年に卒業した。
受験勉強も懸命にやったが、
そのときパックインミュージックは、
いつも心の支えだった。

このナチチャコパックでは、
「お題拝借」というコーナーがあって、
リスナーの投稿ハガキを紹介した。
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そのなかで、
「タカタカ(高高)とマエタカ(前高)の戦い」
延々と繰り広げられた。

高崎高校と前橋高校。

群馬県のライバル高校の投書合戦。
抱腹絶倒のけなしあい、足の引っ張り合い。
それでいて同志的な感情も芽生える。

近隣の女子高まで巻き込んで広がり、
やがて様々なライバル合戦となった。

ライバル校と言えば、
日本の大学では早稲田と慶応。
最近のクイズ番組では東大と京大か。

イギリスでは、
オックスフォードとケンブリッジ。
アメリカでは、
ハーバードとエール。

マエタカ・タカタカ風に高校でいえば、
東京の日比谷と西高が有名。
宮城では仙台一校と仙台二校、
大阪では北野高校と天王寺高校。
熊本は熊本高校と済々黌。

こんな本まで出版された。
買う必要はないけれど。
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私の生まれ故郷の福岡では修悠館が、
なんといっても断トツの名門だし、
鹿児島のそれは鶴丸高校。

つまりライバルがいないこともある。

ライバルが多いこともある。
わが神奈川は、
横浜では翠嵐と希望ヶ丘、
西では湘南高校と平塚江南。

そして神奈川は、
私立高校にライバルがある。
栄光と聖光。

東京の私立は開成と麻布。

県ごとのライバルというだけでなく、
埼玉の浦和高校と神奈川の湘南高校は、
古くから交流戦をしている。

浦和高校は㈱ヤオコーの川野幸夫さんや、
㈱プラネットの玉生弘昌さん。
湘南は㈱True Dataの米倉裕之さん。

True Dataの役員会のあと、
ランチのときに話題に上ったりする。

東京・新橋の有薫酒蔵
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「高校よせがきノートの店」として有名だ。
koukounoto
最新で3225校もののよせがきノートがある。
一度、覗いてみてください。

甲子園の高校野球にも、
もちろんライバル名門校がある。

神奈川の横浜と東海大相模、
宮城の東北高校と仙台育英、
現在の大阪は大阪桐蔭と履正社か。

夏の甲子園は、
大阪・履正社の優勝で終わった。
高校野球に関係しない人たちも、
自分の高校を懐かしく思い出す。
それも一興か。

しかし高校に限らず、
ライバルの存在は、
自分を高めてくれる。

マーケティングの視点でいえば、
マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー。

リーダーは市場をけん引する者、
チャレンジャーは差異を生み出す者。
これこそまさしく、
ライバルのポジショニングである。

マーケットフォロワーは脱落する。

歌人・斎藤茂太の言葉。
「あなたの短所を攻めるのが敵。
あなたの長所を認めるのがライバル」

そして瀬古利彦のコメントがいい。
マラソンランナー・監督。
「自分が苦しい時は、
ライバルもまた苦しいのです。
そう思うと、いたずらに、
苦しんで走ることの無意味さがわかります。
自然のまま、静かに走ることで、
闘志の燃焼をさらに
深められるようになったのです」

最後に経営の神様・松下幸之助。
「ライバルが強くなければ、
自分も強くならない」

あなたにはライバルがいますか?

〈結城義晴〉

2019年08月23日(金曜日)

平富郎「勢いが運を呼び込む」と米国企業「株主第一主義」からの転機

今日は二十四節気の「処暑」。

1年を15日くらいずつ24に分ける。
それが二十四節気。

その「立秋」の次のクールが「処暑」。
「暑さが峠を越えて後退し始めるころ」。

中日新聞の巻頭コラム「中日春秋」
この「処暑」をテーマにした。

「街の中で赤トンボが飛ぶのをみた。
アキアカネだろう」

そして飯田蛇笏の句。
いくもどり 
つばさそよがす 
あきつかな

あきつは「秋津」と書いて、トンボの別名。

「秋津を詠んだ名句ではないけれど」と、
コラムニストはちょっと、
生意気な言い回し。

「涼と残暑の間を行き来しながら、
秋の色は濃くなっていくのだろう」

㈱エコス会長の平富郎さんから、
私のスマホに電話が入った。
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「先生! 今月号、いいねえ」

ありがとうございます。
平さんが褒めてくださったのは、
月刊商人舎8月号特集。
増税前の店舗戦略査定!!
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わが㈱商人舎には、
「発起人」の皆さんが、
93人、名を連ねてくださっている。
その皆さんを中心に、
私は毎月、レターをお送りしている。

今月の特集は6社、6店舗を、
「星一つ」「星二つ」「星三つ」で、
評価し、査定した。

そしてこのレターに書いた。
私の評価・査定に対して、
「ご批判は甘んじてお受けします」

平さんはこの私の呼びかけに、
わざわざ答えてくださった。
そして「評価」に賛同してくださった。

「星三つのロピアはいいねえ。
勢いが運を呼び込む」

これ、平さんの名言だと思う。

ロピアも完成まではまだまだだけれど、
J・バーニーが指摘する模倣困難性が、
少しずつ現出し始めた。

「ヨークベニマルとヤオコーも、
書いてある通りだ」

「先生は今、
ナンバー1のコンサルタントだ」

私は、いわゆるコンサルタントではない。
しかしそう言って褒めていただくと、
面はゆいけれど、身が引き締まる。
高い志を持ち続けねばならないと思う。

ありがとうございました。

さて今日は、朝から東京・大手町へ。
1014年開業の東京駅。
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その丸の内北口の天井。IMG_00039

駅前には新丸ビル。
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三沢厚彦のAnimal-2017-01-B2。
1961年、京都生まれの彫刻家。
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半年ほど前に、
急に血糖値が上がった。

そこで田嶼尚子(たじまなおこ)先生から、
特別に指導してもらった。
東京慈恵会医科大学名誉教授。

毎月、一度、先生の医院に通って、
検査を受け、診断をしてもらって、
節制に努めた。

今日も「Perfect!」と評価してもらった。

半年間、数値は理想的に推移して、
血糖値は101まで下がり、
ヘモグロビンA1cも6.6まで下がった。

もう一息だ。

田嶋尚子先生。
「こんな人はめったにいません」

うれしい限り。
ここでも身が引き締まる。

さて、8月20日の日経新聞「真相深層」
「米企業”株主第一”に転機」
藤田和明編集委員が書く。

「米国型の資本主義が、
大きな転機を迎えつつある」

この8月19日に、
米国のビジネス・ラウンドテーブル(BR)が、
声明文を公表した。

BRは米主要企業の経営者団体である。
1972年に設立されて現在、
米国主要企業200社の首脳が会員である。

アメリカの財界組織は主に4つある。
⑴全米製造業者協会
(National Association of Manufacturers; NAM)
⑵全米商業会議所
(U.S. Chamber of Commerce)
⑶全米独立企業連盟(中小企業の代表)
(National Federation of Independent Business)

そして⑷BRは、
大企業の利益を代表する組織で、
日本でいえば経団連。

そのBRの今回の宣言は、
従来の「株主第一主義」の見直しにある。

宣言のタイトルにあるのが、
「すべての米国人のためになる経済」

JPモルガン・チェース、アマゾン・コム、
ゼネラル・モーターズなど、
米国の大企業181人の経営トップが、
今回の声明に名を連ねた。

米国の企業社会は金融危機後の10年間で、
力強い回復をみせた。

その米国型経営では、
「株主利益を最重視することが
経済全体を前に動かす」と考えられてきた。

しかしその後、深まる格差や環境問題に、
向き合わざるをえなくなってきた。

そして、
顧客や従業員、取引先、地域社会といった
利害関係者に広く配慮し、
長期に企業価値を高める必要が出てきた。

この宣言は、
株主利益第一からの転換を意味する。

藤田編集委員は述懐する。
「振り返れば、金融資本主義の暴走が
リーマン・ショックを招いた。
しかし危機を脱するために取った施策は
さらなる金融緩和であり、減税だった」

そして株価や土地など、
資産価格の押し上げが、
米国経済を支えた。

しかし、
持つものと持たざるものとの格差は、
それまで以上に広がった。

仏経済学者ジャック・アタリ。
2030年を展望した著書で、
「99%の人々が激怒する」時代の到来を、
予測し、予言した。
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アタリは予言する。
「富の極度の集中、環境負荷に、
歯止めをかけなければ、
人々の怒りが爆発する」

この流れを米国企業も、
無視できなくなってきた。

そしてトップ自らが、
軌道修正を宣言した。

この意味は大きい。

欧州は米国よりも、
この修正において先を行く。

たとえば英国は、
上場企業の企業統治指針を改めた。
今年1月以降の決算期から適用している。
「利害関係者として従業員の声を
経営に取り込む」ような改革である。

しかし日本の「企業統治改革」はむしろ、
株主重視へ振り子を振る方向を選んだ。

つまり逆の振り子である。

もともと日本の企業には、
従業員や取引先、社会を大事にする、
そんな企業文化の素地がある。

近江商人の「三方良し」の精神である。

しかしその半面、利益水準は低いままだ。
30年に及ぶ株価低迷を抜け出せない。

この米国BRの宣言は、
「双方離れていた振り子が
米国からは日本の方へ
日本からは米国の方へ
寄る動きともみえる」

小売流通業のチェーンストアにおいても、
同じことが言える。

日本は米国のほうへ寄る。
しかし米国は意外にも日本を向く。

生前のサム・ウォルトンは、
日本型経営を志向していた。
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ピーター・ドラッカー先生も、
日本のマネジメントに関心を抱いた。
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だから盲目的な米国志向からは、
トンチンカンな施策しか生まれないのだ。

〈結城義晴〉

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