結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年07月09日(日曜日)

夾竹桃の花が咲いた。

夾竹桃の花が咲いた。IMG_52373
キク類キョウチクトウ科の常緑広葉樹。
花は6月から9月に咲く。

強い経口毒性がある。
花、葉、枝、根、果実すべての部分、
それから周辺の土壌にも毒性が生じる。
腐葉土にしても1年間は毒性が残る。
さらに生木を燃やした煙も有毒である。

それでも乾燥や大気汚染に強い。
工業地帯や市街地の緑化に、
街路樹として利用される。

燃えにくいうえに火に強い。
したがって防火樹としても活用される。

広島市は原爆投下で焼け野原になった。
75年間、草木も生えないとさえ言われた。
しかし被爆焼土に夾竹桃はいち早く咲いた。

そこで復興のシンボルとなり、
広島市の花に指定されている。

夾竹桃の二面性。

こういった二面性は、
どんなものにも確かに存在する。

ほぼ日の糸井重里さん。
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エッセイは「今日のダーリン」

「犬が人を噛んでもニュースにならないが、
人が犬を噛んだらニュースになる」
よく言われることだ。

「珍しいことがニュースになるというのは、
当たっている」

「当たり前のことは、
わざわざ言う理由がないからだ」

私たちもニュースを記事にするときには、
それが珍しいからだ。

新店オープンは珍しい。
既存店改装も珍しい。

普通の店の毎日の売場は、
珍しくはない。

「ということは、
黒いものばかりが目立つのが、
ニュースであったり、
みんなの読んでいる
ネットの世界なのだとしたら、
実際の、当たり前の社会は、
ほとんどが白いということだ」

「こんなに悪いやつがいましたよ」
「みんなこんな汚いことを考えてますよ」
そんな情報がやたらに目につくかもしれない。

毎日のように報道される。

「けれど、それは、
めずらしいことだから目に入る、
ということだ」

その通り。

「めずらしく見える話題が
目立っているだけで、
ほとんどの犬は人を噛んでいないし、
ほぼすべての人は
犬を噛んだりなんかしていない」

お店はそんな珍しいことばかりでは、
できあがっていない。

お店は当たり前のことでできている。

「最近ではみんなやってますよ」
というようなことは、
「ほとんどのみんなはやってない」
と思ったほうがいい。

「これ、売れてますよ」
という決め台詞。

ほんとうに売れている品だけにしたい。

「ごくごくふつうの人は、
悪いことをしたがらないし、
それほどバカじゃないし、
ちょっとやさしい」

「そのくらいに思っているのが、
ちょうどいいのだと思う」

ごくごく普通の人が、
ごくごく普通の店をやっていて、
ごくごく普通のお客様を迎える。

けれどとても感じがいいだとか、
とても親切だとか、
ちょっと気が利いているだとか、
そんなところで顧客と接点をもつ。

それがいいお店というものだ。

「悪いことをするにしても、
バカであることにしても、
ちょっといじわるであることにしても、
それは、”じぶんと同じくらい”だと
思っていればいい」

「こんなことを言ってると、
底の浅い、こどもっぽい考えだと
思われるかもしれないけれど、
こう思ってたほうが圧倒的に
生きやすいとも言えるのだ」

「”ご町内”は”暗黒街”じゃぁないんだからさ」

そうアルカポネ時代の禁酒を売る酒屋ではない。

そして糸井のいつものキメの言葉。
「”人間は人間を好きでいたい”、
そのほうが生きやすいから」

生きやすいからだけではない。

人間を好きな店であることが、
店が存在する最大の理由になる。

夾竹桃だって、
中毒の事例はわずかしかない。

1877年の明治10年。
西南戦争のときの官軍の兵が、
折った枝を箸代わりに利用して、
中毒した。

1980年、千葉県の農場。
牛の飼料の中にキョウチクトウの葉が混入した。
乳牛20頭が中毒を起こし、
そのうちの9頭が死んだ。

2017年、香川県高松市内の小学校。
校庭に植えられたキョウチクトウの葉を
3枚から5枚食べた2年生の児童2人が、
吐き気や頭痛などの中毒症状を起こした。

中毒事例はこれくらいだ。

夾竹桃はヒロシマのシンボルだ。
そのほうが大切なことなのだ。

〈結城義晴〉

2023年07月08日(土曜日)

安倍晋三元総理死去から1年後の「グランドデザインと現代化」

安倍晋三元首相は、
昨年の今日、銃撃され、死去した。

謹んでご冥福を祈りたい。
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死去の直後の参議院選挙は、
与党の圧勝。

ロシアのウクライナ侵攻は、
泥沼化し、エネルギー危機が訪れた。

多くのメディアで、
安倍政治とその後の総括が展開される。

政治学者の御厨貴さん。
朝日新聞に語った。

1951年生まれ、東京大学名誉教授。
専門は近現代日本政治史。
政治家などの口述記録を歴史研究に生かす、
いわゆるオーラルヒストリーの第一人者。
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「あの瞬間、日本の政治が大きく変わる、
激動の1年を迎えるのではないかと
予測しました」

「日本の政治が混沌とするんじゃないかと
当初は思いました」

「しかし、そうはなりませんでした」

「確かに安倍氏という存在は
いなくなったけれど、
そのまま政治は凍結されているようです」

「そのまま凍結」なるほど。

「岸田文雄首相のもとで
政治が奇妙に『行政化』され、
躍動感が失われた結果だといえるでしょう」

「政治の行政化」を、
御厨さんは指摘する。

賛成だ。

モンテスキューの三権分立。
立法権、行政権、司法権。

国会と内閣と裁判所。

しかし「安倍後」は、
政治が行政化してしまった。
つまり立法権の本質が薄弱化した。

それは三権が分立していない状態である。

内閣の官僚化である。

「良きにつけ、悪しきにつけ、
安倍氏の政治は、彼なりの
イデオロギーや思い入れに
深く彩られていました」

「それに対して岸田氏は状況追従型で
やらなければならないことを
ただ進めているようです。
そこには情熱も深い思い入れも見えません」

「これは理想を掲げる
本来の意味での政治ではなく、
行政のやり方です」

企業の経営も行政化してしまったら、
その本質を失う。

「政治的な動機をむき出しにせず、
まるで大きな政治課題ではなく
小さなことをやっているような形で、
あまり力を込めずに説明を繰り返します」

「安倍氏も菅義偉前首相も、
思いがあるだけに、
つい力を込めて言い募ってしまうんですが、
岸田首相にはそれがありません。
淡々と説明して打ち切りますね」

それでいいのだろう。

「いま政治に求められているのは、
安倍氏が進めてきた分断の政治の
帰結があらわれていることを直視して、
抜本的な対策を示すことです」

「安倍氏の政治手法は
敵と味方をはっきりさせて、
対決姿勢を鮮明に打ち出す政治でした」

「対立と分断をどうすれば緩和できるのかが、
問われています」

「右肩上がりの時代は終わり、
世界の中で日本の立場は
とても難しくなっています」

「実は90年代からもう経済の成長は難しい
ということが分かっていました」

「それなのにずっと
問題は先送りされています。
ちょうどその時代に、
私たちは政治改革に随分
時間とエネルギーを費やしましたが、
そのころから日本経済は縮小し、
埋没を続けています」

「明治以来の日本は
国家として大きくなること、
発展をすることを主眼に
さまざまな政策を進めてきましたが、
このように小さくなることへの対応は
したことがありません」

「成長しているときは様々な問題を
成長と分配が解決してくれますが、
知恵を絞らなければならないのは
縮小するときです」

会社も同じ。

だからチェーンストアは、
なんとしても店数を増やす。
あるいは事業を増やす。

成長モードにもって行く。

国も同じだ。

けれどその成長の方向は、
かつてとは異なる。

それがわからない。
政治家にも官僚にも。

だから今、行政化しているのだとも考えられる。

御厨さん。
「明治以来、この国を支え、
55年からは自民党と政策を担ってきた
霞が関の官僚組織も
根っこから劣化していると思います」

「例えば日本の国土計画については
『全総』と呼ばれた全国総合開発計画を
60年代からほぼ10年ごとに策定し、
大きな絵を描いていました」

グランドデザインだ。

「旧通産省も世界で競争できる産業や
中小企業政策などの大きなプランを、
有識者や族議員と呼ばれた政治家の力などを
総動員して練り上げていました」

「しかし今世紀に入ってから
そうした霞が関の機能は
見えなくなっています」

「いまは護送船団方式を組めず、
業界への行政指導もできなくなっていますし、
時代が変わっているのは事実でしょう。

かつてと違って大学生が官僚になることを
希望しなくなっているのも明白です。
官僚組織もこのままでは危うい状況です」

悪しき官僚化である。

安倍元首相死去の1年で、
そんなことが明らかになった。

少なくとも小売業やサービス業。
チェーンストアや商業の世界は、
そんな隘路にはまることなく、
未来志向でありたい。

そのために必要なことは、
現時点の総括である。

私は商業の近代化は進んだが、
いまだ現代化は成し遂げられていないと思う。

商業現代化の姿を明らかにする。

そのこと自体が、
産業のエネルギーになりうる。

その一端を担うのが商人舎でありたい。
その一助となるのが私たちの役割である。

安倍晋三一周忌に、
そんなことを思った。

〈結城義晴〉

2023年07月07日(金曜日)

True Data In-House Event 2023の「存在価値と社会的意義」

七夕。

関東は晴天。
まずは愛でたい。

織姫と彦星。
織女星はこと座のベガ、
牽牛星はわし座のアルタイル。

それれを眺めることはなかったが、
頭の中をロマンティックな物語がよぎった。

朝から商人舎オフィス。

ランチはみんなで、
インドカレーとナン。

午後、當仲寛哲さん来社。
USP研究所所長。
(ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所)
秘書広報の馬場優子さんが一緒に来てくれた。
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近況を報告してくれて、
その話が実に面白かった。

私は「當仲さんは天才である」と公言している。
チェーンストアの情報システムを、
根本のところから解き明かして、
システム化する。

それが他の追随を許さぬというか、
代わるもののない、
當仲さんの機能だ。
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月刊商人舎に原稿を書いてもらうことになった。

その後、夕方、
東京・信濃町から、
明治記念館へ。
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入口のところで写真。IMG_52003

空を見上げると、
秋の雲のようだった。IMG_52013

㈱True Data。
「見えない真実を、見に行こう」
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右が「代代乃櫻」、左が「あらはれ」IMG_52033

True Data In-House Event 2023。
つまり社員と応援団のイベント。

社外取締役の私も呼ばれた。IMG_59273

同じテーブルには、
上席執行役員の越尾由紀さん。
「越尾さんも天才だ」と私は言っている。IMG_59423

開会のあいさつは、
代表取締役社長の米倉裕之さん。IMG_59333
2000年に発足した通称CCL。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。

この会社の社長を引き継いで、
ビッグ・データマーケティングの会社として、
True Dataへと発展させ、
2021年12月16日に、
マザーズに株式公開を果たした。

乾杯の音頭は越尾さん。IMG_59523
2003年にCCLに入社して、
20年間、この会社の発展を推進してきた。

おめでとう。

私も2008年6月に社外取締役に就任した。
㈱商人舎をつくったばかりだった。
だから15年もかかわっている。IMG_59543
商業界社長の時代、
その商業界から一冊の本が発刊された。
『顧客識別小売業』
著者はゲーリー・ホーキンス。
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そしてこの本の翻訳者たちが、
CCLという会社を創業した。

その会社に私は社外取締役として、
呼ばれた。

私は立教大学大学院の特任教授となって、
マーケティングの講義の中で、
この本をテキストの一部に使った。

米倉さんや越尾さんにも、
私の講義でゲスト講師を務めてもらった。

発足にも縁があったし、
成長の段階もずっと見てきた。

CCLの時代に、
創業10周年記念の集まりが実施された。
取引先を集めて、
越尾さんが講演をした。
私も講演をした。

それ以来、20周年記念式典や、
上場記念のイベントもやらなかった。

すべては新型コロナウイルス感染症拡大のためだ。

しかしその間にも、
お陰様で事業は発展し、
業容は拡大して、
社員は80名を超えた。

新卒採用も定期的に実施して、
将来有望な人財がどんどん入社してきた。

True Dataの特長は、
そんな新しい若い人財にも、
どんどん仕事を提供できることだ。
新しい会社だからである。

社風がそれをさらに奨励する。

もちろんスカウトで、
優秀な人財も入社してくる。

マーケティングやITだけでなく、
マネジメントや営業のプロの集団となった。

コロナの中でも、
そういった陣容が整って、
やっと社内を挙げて、
イベントができるようになった。

ポストコロナの時代に向けて、
全員が一堂に会して、
意思を統一することができる。
それがこのIn-House Eventである。

そのTrue Dataの沿革が、
動画で流された。

ハイライトは上場のとき。IMG_59653

米倉さんが東京証券取引所の鐘を鳴らした。IMG_59663

食事は明治記念館のフルコース。
シャンパンからビール、白赤のワイン。

若手社員2グループのインタビューの企画。
True Dataの取引先や応援団のトークセッションなど、
楽しい企画が展開された。

私のところにやって来てくれたのが、
坂本光さん。
リテールDX部の営業グループと、
リテールマーケティング部のリーダー。IMG_59713
小売業との接点にいて、
True Dataの問題解決力を発揮するセクション。

よろしくお願いします。

将来を嘱望されている。

それからそれぞれに小売業の担当をもった面々。IMG_59753
よろしくお願いします。

越尾さんがカメラの画面に侵入してきた。

このメンバーとともに定期的に、
勉強会や交流会を開催したいなあ。
私は勝手にそう思った。

宴もたけなわ。

玉生弘昌さん登壇。
もちろん㈱プラネット会長で、
True Data取締役。
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玉生さんの決断で2008年、
プラネットがCCLの最大の株主となった。

そしてTrue Dataは躍進し始めた。

谷あり、山あり、また谷あり。
そうしながらここまで来た。

いろいろな事件が起こった。
いろいろな人間のドラマがあった。

いろいろな投資が行われ、
いろいろなイノベーションが生まれた。

玉生さんは、
米倉さんの人間性を高く評価している。

話がその段になると、
玉生さん、こみ上げるものがあって、
声が詰まった。

私もそれを見ていて、
涙が止まらなかった。

実に圧倒的なスピーチだった。

プラネットの存在価値と、
True Dataの社会的意義を、
見事に表現した。

いい話だった。

玉生さんのスピーチが、
このIn-House Eventの価値を高めた。

若い人たちも新しい人たちも、
このスピーチを覚えておいてほしい。

このイベントに名を連ねたことを、
誇りにする時代がやって来るに違いない。

最後に中締めとお礼のあいさつは、
島崎尚子さん。
取締役上席執行役員。
データマーケティングと営業の要。IMG_598423
いい会だった。

米倉さんとツーショット。IMG_59853

もちろん玉生さんとも写真。IMG_59953

みなさん、True Dataをよろしく。

1+99。

まだまだ1のTrue Dataです。
しかしこれから99をつくって100となります。
いやこれから999をつくるし、
やがて9999をつくります。

ゼブラ企業でありながらも、
成長は無限だ。
それを望むならば。

ゼブラ企業は、
トレード・オンを志向する。

そのスピードをもった人間集団です。
本当にほんとうにご期待ください。

〈結城義晴〉

2023年07月06日(木曜日)

お勧めします!! 「15分から20分の午睡」

今日は午後出社。

原稿執筆もゲラ校正も、
仕事そのものは、
机の前に座ってやる。

座っているだけだが、
結構、体力を消耗する。
頭と目はフル回転している。

そこで極度に疲労する。

帰宅したのが午後11時過ぎだったが、
気持ちが高ぶっているから、
すぐには眠れない。

それでも昨夜から今朝にかけて、
実によく寝た。

目いっぱい働いて、
ぐっすり眠る。

それが何よりだ。

ジジもよく、昼寝していた。
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昨日の東京新聞「筆洗」

ナポレオンは1日3時間しか寝なかった。
これについてはコラム子は、
「少々疑っている」らしいが、
「同じ睡眠に関するフランスのことわざの方は
信じることにしている」

“La nuit porte conseil”
“La nuit”は「夜」。
”porte”は「運ぶ、持ってくる」。
“conseil”は「忠告、アドバイス」。

訳せば「夜はアドバイスを運ぶ」

「問題や困難な状況にぶつかっても
あれこれ悩まず、寝てしまおう。
よい知恵も出てくるかも―」

フランス人らしくて、
これは、正しい。

ただしテーマももたず、
なんにも悩まず、
なんにも考えずに、
ただ、ストンと寝てしまったら、
夜が明けてもよい知恵は出ない。

何かの問題に対して、
悩みに悩んで、
考えに考えて、
安易に結論を出さずに、
そのうえで眠りにつく。

すると寝ている間に、
「エージング」が起こって、
考えが発酵する。

それが良い知恵になる。

山陽新聞の「滴一滴」

「昼寝を意味する”三尺寝”は夏の季語だ」
「さんじゃくね」と読む。

大工や職人が三尺ほどの狭い場所で寝るから。
日陰が三尺ほど動く間だけ眠るから。
謂れはさまざまだ。

三尺は約90センチ。

入口の柱の蔭や三尺寝
〈松瀬青々〉

「暑い夏の夜は寝苦しく体力も落ちる。
だから日中、しばしの眠りで
元気を回復する。
昼寝は健康づくりの一助だろう」

ナポレオンも夜寝るのは3時間だが、
暇を見つけては日中にちょくちょく、
短い睡眠をとっていたそうだ。

そんな昼寝に新たな効用が見つかった。
「毎日昼寝をする習慣のある人は、
加齢に伴う脳の萎縮ペースが遅い」
英国の研究者らによる調査だ。

2006~2010年に、
40~69歳の健康情報を集めた。
3万5000人のサンプルを分析。

昼寝をするグループは、
昼ねしないグループに比べて、
脳の体積の減り方が遅くなっていた。
2.5年から6.5年分だという。

「昼寝は脳の健康を維持する鍵となる」

アメリカのグーグル本社には、
仮眠室がある。

ファーストリテイリングにも、
たしかそんな施設があった。

日本の企業でも近年、
職場での昼寝を推奨する動きがある。

小売業やサービス業の未来の店舗にも、
そんなスペースが設けられるだろう。

コラムは注意を促す。
「能率アップなどに役立つとはいえ、
気を付けたいのは、時間。
長すぎれば目覚めが悪くなる」

私も原稿書きの際には、
自分のチェア—に座ったまま、
ちょっとだけウトウトと眠る。

ランチのあとなど。

厚生労働省も睡眠指針を出して、
勤労世代にお勧めしている。
「午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝」

私も代表取締役として、
㈱商人舎のみんなには、
これをお勧めしよう。

社長が率先してそれをやる!
みんなも、どうぞ。

しかし。

愕然として昼寝覚めたる一人かな
〈河東碧梧桐〉

つい長寝をしてしまい、
目覚めれば自分一人――。

ある、ある。

コラムは余計な注意をして終わる。
「そうならぬよう、
適度な昼寝を是としたい」

15分から20分の午睡。
この間にも、
考えの熟成と発酵が起こるかもしれない。
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お勧めします。
商人舎のみんな!!

〈結城義晴〉

2023年07月05日(水曜日)

Shohei Ohtaniの「唯一無二の存在」

今日は1日、横浜商人舎オフィス。

最後の自分の原稿を書いて、
それから校正。
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全部読んで、責了した。IMG_E51683

今月のメッセージは、
「士農工商」
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巻頭に「このひとのこのひと言」を二題。
これがとてもよかった。

ご期待ください。

私たちが必死の思いで原稿を書いている間、
この人は大活躍。

大谷翔平だ。

毎日新聞巻頭コラム「余録」

「米国の心と精神を知りたいと思う者は
野球とそのルール、実際の試合を学んだ方がいい」

ジャック・バーザンの1950年代の著書の言葉。
フランス生まれの米国の歴史家。

米大リーグの黄金時代は、
戦前から1960年代である。

けれど今も人気は落ちていない。

今年1月の米国世論調査。
野球はアメリカンフットボールに次ぐ2位だった。

このアメリカ合衆国を体現する、
ベースボールで大谷翔平は、
最大級の賛辞を贈られている。
「過去最高の選手」
「歴史を塗り替えた」
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その6月の成績。

全試合に出場。
これがすごい。

そのうえで、
本塁打・打率・打点でリーグトップ。
150メートルの特大ホームランも放った。

そして投手としても2勝を挙げた。

「ベーブ・ルースと比較するのは
もうやめよう」

そんなコメントも相次いだ。

「日本と米国では球場の広さも違いますしね。
アーロン選手の記録はあくまで偉大です」
46年前の王貞治。

大リーグ記録を抜く、
世界最高の756号を打った時の談話。
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大谷翔平はその垣根を超えて、
そのうえで「過去最高」と絶賛される。

本人は至ってクールだ。

来週は米大リーグのオールスター戦。
ルール変更までして実現した、
「二刀流」での選出。

それも3年連続となった。

「唯一無二」の存在。

今年120年を迎えた大リーグ。
ベースボール復権も、
Shoheiの双肩にかかっている。

日本の若者、
頼もしい。

未来は君らに任せた。
商売も。

〈結城義晴〉

2023年07月04日(火曜日)

2023FSSFのon-line「運営委員会」とそごう・西武労組の「スト権」

今日は正午に日本食糧新聞社へ。

フードストアソリューションズフェアの、
運営委員会。
FSSF!

今野正義会長兼CEOと二人。IMG_5912 (002)3

いつものメンバーの杉田尚社長は、
大阪支社からオンラインで参加。
千野和利離創協理事長もオンライン参加。
離島振興地方創生協会。

運営委員の皆さんも、
オンラインでリモート参加。IMG_5154 (002)3
ありがとうございます。

運営委員の副主催企業が22社に増えた。
FSSF
新たに九州地方から㈱エレナと㈱ハローデイ、
中国地方から㈱ハローズ、㈱天満屋ストア、
そして近畿地方から㈱平和堂が参加してくれた。

日本スーパーマーケット協会が、
新しい体制になった。

そこで強調されたのが、
競争と協調。

店頭では競争しても、
物流や環境、人手対策などは強調する。

地方創生や地方産品の発掘、
生産者の育成なども、
協調領域に入ってくる

ご参加、ほんとうにありがとうございます。

運営委員会にはトップ、幹部が参加してくれる。

㈱万代社長の阿部秀行さんとは、
このところ頻繁にお会いしているが、
今日も参加してくれた。

コノミヤ社長の芋縄隆史さんは、
今年はパネラーで登壇してくれる。
運営委員会もありがとうございました。

エレナ社長の中村憲治さんも、
社長天満屋ストアの野口重明さんも、
初参加ながら出席してくれた。
感謝したい。

さらにフジ・リテイリング社長の山口普(ひろし)さん、
エイチ・ツー・オー食品グループ社長の林克弘さん、
トーホーストア社長の橋本博文さん。
ありがとうございました。

ライフコーポレーションからは、
今回から専務の森下留寿さんが出てくれた。

丸久も専務の宇多村美彦さん。
関西スーパーマーケットは、
昨年パネラーを務めてくれた常務の柄谷康夫さん。
キョーエイも専務の中尾康政さん。

それ以外の企業からも、
幹部が参加してくれて、
9月の本番に向けて力強い限り。

事務局からフェア全体の説明があり、
私が今年度のセミナー企画の解説をした。

正式に発表され、チラシが出来上がったら、
このブログでも紹介しよう。

良い講座が揃いました。
ご協力、心から感謝します。

最後に、
副社長の木下猛統(たけのり)さんも加わって写真。IMG_5915 (002)3

運営委員会が終わると、
横浜商人舎オフィスに戻って、
月刊商人舎7月号の原稿執筆と入稿。

今月は特集の前に、
新しい企画を入れた。

楽しみにしてください。

さて、日経新聞、朝日新聞など、
ほとんどが記事にした。
「そごう・西武労組スト検討」

セブン&アイ・ホールディングスが、
傘下のそごう・西武の売却を進めている。

そごう・西武の従業員側からすると、
これまでの過程でセブン&アイの経営側と、
対話の機会が設けられていなかった。
雇用維持への不安が拭えてはいなかった。

そこでそごう・西武労働組合が、
ストライキの検討に入った。
寺岡泰博中央執行委員長。
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ただし今回はまず投票によって、
スト権を確立する必要がある。
それには組合員の過半数の賛成がいる。

日本国憲法第28条。
「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の
団体行動をする権利は、これを保障する」

労働者が団結して組合を結成する団結権と、
ストなどを行う団体行動権が保障されている。

さらにこれらの権利を具体的に定める法律として、
労働組合法と労働関係調整法がある。

つまり労働者がストを行う権利は保障されている。

しかし多くの労働組合は、
労働組合規約などの内部規約で決めている。
「ストライキの実行には
組合員の過半数(あるいは3分の2)以上の
賛成を必要とする」などなど。

これを「スト権の確立」という。

そごう・西武は過半数以上の賛成で、
スト権が確立される。
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今後、労組幹部は全国の10店舗を巡って、
スト権の確立について説明する。

そのうえで7月9日~22日に実際の投票をして、
25日に結果が公表される。

スト権が確立されれば、
組合側は会社側との交渉の武器にする。

期間や対象店舗、範囲などの詳細は、
その都度、執行部が議論して決める。

そごう・西武の従業員は全国10店舗で約5000人。
そのうち約8割が組合員である。

組織率は高い。

ただしスト権を確立しても、
それを実行すれば顧客に迷惑をかける。
取引先にも影響が出る。

店のロイヤルティは棄損される。
それをあえてやるのか。

ハードルは高い。

このそごう・西武労働組合は、
UAゼンセンの東京都支部流通部会に属している。

この流通部会の加盟労組が凄い。

ライフ労働組合/赤札堂労働組合/専門店ユニオン連合会/松屋グループ労働組合連合会/ぱぱすユニオン/東急百貨店グループ労働組合/エコスユニオン/三越伊勢丹グループ労働組合/イオンマーケット労働組合/イオンリテールワーカーズユニオン/いなげや労働組合/魚力労働組合/オザムユニオン/オリンピック労働組合/京王ストア労働組合/コモディイイダ労働組合/サミット・レイバー・ユニオン/サンドラッグユニオン/サンベルクユニオン/三和労働組合/スーパーアルプス労働組合/SEIYUグループ労働組合連合会/セブン&アイグループ労働組合連合会/ダイエーユニオン/東武ストア労働組合/長崎屋労働組合/関東労組花正労働組合/まいばすけっと労働組合/桝屋労働組合/マルイグループユニオン/マルエツ労働組合/オールオートバックスセブンユニオン/コジマ労働組合/ソフマップ労働組合/トリ労働組合/はせがわ労働組合/ビッグカメラ労働組合/ヤマダ電機労働組合/ローソンユニオン/小田急商業労働組合連合会/J.フロントリテイリンググループ労働組合連合会/全髙島屋労働組合連合会/そごう・西武労働組合/東武流通労働組合連合会/京王百貨店労働組合/三越伊勢丹グループ労働組合など

小売業態の違いを問わず、
これだけの労働組合が加盟している。

凄い。

他の流通部会の労組はどう見ているのだろうか。
応援や支援をするのだろうか。

彼らは労働組合員であると同時に、
企業人であり、また商人である。

それらの三つの立場に、
どう折り合いをつけるのか。
どう考えるのか。

それでも日本国憲法は、
団結権と団体行動権を、
正当に保障している。

〈結城義晴〉

2023年07月03日(月曜日)

岡田卓也旭日大綬章「お祝いの会」と伊藤雅俊「お別れの会」

Everybody! Good Monday!
[2023vol㉗]

2023年第27週。
7月第1週。

今日は1日中、感動していた。

岡田卓也イオン名誉会長相談役が、
春の受勲で旭日大綬章を受章された。

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5月9日、皇居。
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親授式。
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今上天皇から手渡された。jukunnn3

そのお祝いの会が開かれた。
パレスホテル東京。
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旭日大綬章はかつての勲一等旭日大綬章。
「国家又ハ公共ニ対シ勲績アル者ニ之ヲ賜フ 」

小売業では初の受章。

政治家、裁判官などが受賞する勲章だが、
民間ではこれまで製造業、
とくに重厚長大産業の、
傑出した経営者が受章してきた。

岡田さんの受章の理由は、
「小売業の近代化と発展への貢献」

午前11時受付開始で、
12時に開会。

着席形式で、
招待客も絞り込まれた。

私の丸テーブルは、
イオンリテールの井出武美社長と、
ジャスコ、イオンの重責を担って、
イオンモール、ダイエーなどの、
社長・会長を歴任した川戸義晴さん。
日本食糧新聞社会長兼CEOの今野正義さん、
日本リテイリングセンターの宮本田鶴子さん、
そしてライフコーポレーションの並木利昭さん。

冒頭で吉田昭夫イオン㈱社長が、
発起人を代表して、
その発起人の協会会長を紹介した。

日本小売業協会、
日本チェーンストア協会、
日本ショッピングセンター協会、
日本ファッション協会。

発起人代表は岡田元也イオン会長。

それから岡田卓也さんが登壇。

杖を突きながらも、
歩いて壇上に上がり、
7分間、原稿もなしに語った。

この語りがすごかった。
20歳で学生社長に就任したことから、
士農工商の話、平和産業のこと、
そして2年後に控える100周年のことまで、
淀みなく、力強く語り続けた。

「この受賞は私個人のものではありません。
日本の小売業全体でいただいたものです」

いやあ、すごかった。

私は感動しっ放しだった。

そのあと岸田文雄内閣総理大臣の祝辞。
こちらは手元の原稿を読みながら、
テレビや国会と同じ口調で10分ほど。

あまり感動はなかった。

それでも衆議院議員を5期務めた父君・岸田文武氏は、
大正15年生まれで岡田さんの一つ年下だという。

岸田さんの話が終わると、
乾杯。

ご発声は正田修さん。
日清製粉グループ本社名誉会長相談役。

杖を突いて登壇し、
ユーモアたっぷりに簡潔なスピーチ。
そして乾杯。

その後、食事。
「夏至」と銘打たれたパレスホテルの、
高級お重とステーキ。
IMG_5120

美味。

ちょっとだけワインをいただいた。

締めの挨拶は、
岡田元也イオン会長。

淡々とした元也節で、
岡田卓也とイオンの真髄を語った。

これがよかった。

岡田卓也名誉会長と、
岡田元也会長の話。

月刊商人舎に解説を加えて掲載することにした。
それくらい良かった。

会が終わると、
名誉会長に挨拶に行った。

宮本さんが言った。
「渥美も喜んでいると思います」

結城も言った。
「倉本長治先生も喜んでいらっしゃると思います」

岡田さんはうなづいた。

それから元也会長にも一言。
「スピーチ、すごくよかったです」

実にいい受賞のお祝いだった。

パレスホテルをあとに、
ニューオータニ東京へ。IMG_51463

正面玄関には看板が掲げられていた。
IMG_51453

伊藤雅俊さんのお別れの会。
IMG_51443

そう、重なってしまったのだ。

岡田卓也さんの受章の会と、
伊藤雅俊さんのお別れの会。

鶴の間にいくと、遺影。
お別れの会④3

青と白。花と鳩。
お別れの会⑤3

午前中に鈴木敏文さんが弔辞を読んだ。お別れの会⑥3
これがまた、素晴らしかった。

「伊藤さん、あなたは稀有の創業者でした」

「私は伊藤さんの大きな掌の上で
踊っていたのでしょう」

この弔辞も歴史に残るものだ。
月刊商人舎に全文を掲載して、
解説しよう。

私たちは献花した。
朝10時から午後3時まで続いた。
お別れの会⑦3

次の間には遺品などが展示されていた。
お別れの会③3

そして「伊藤雅俊の軌跡」とタイトルされた
ビデオが流された。
お別れの会②3

「信頼と誠実」の精神に基づく商いのこころ…

誰でも見ることができる。

モーニング姿で、
終始、参列者に対応していた、
伊藤順朗さんと話した。
伊藤雅俊さんのご次男。

「代表取締役専務執行役員」の名刺をくれた。

代表権を持ってからは、
会っていなかったからだ。

「メールアドレスは変わりませんから」

順郎さんは月刊商人舎を読んでくれていて、
「追悼文はありがとうございました」

私は言った。
「最近は手厳しいことも書いています」

「それでも伊藤イズムを貫いてください。
そうすれば必ず良くなります」

丁寧にうなづいて、
互いに礼をした。

鈴木敏文さんにも伊藤順朗さんにも、
感動した。

今日は凄い1日だった。

お祝いの会とお別れの会。

しかしこれは明と暗ではない。

日本の小売業が認められたことを、
確認する日だった。

伊藤雅俊さん、
岡田卓也さん。

ありがとうございます。

倉本長治先生は、
喜んでいます。

では、みなさん、今週も、
信頼と誠実の精神で。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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