結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年04月27日(水曜日)

ニトリとエディオンの資本業務提携の意味合い

日経新聞「スタートアップ」

@EDGEのコーナーに、
染谷剛史さんが登場。
HataLuck and PersonCEO。
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社名ナレッジ・マーチャントワークスを、
ハタラックアンドパーソンに変えて、
心機一転再スタートを切った。

「アルバイト従業員の働きがいを上げたい」

小売店舗の業務改善アプリを手掛ける。
アプリ「はたLuck」は、
接客が良いアルバイトに対して、
店長が評価の「星」を送る機能をもつ。
連絡帳機能もある。

コロナ前の2019年にアプリの提供を開始。
21年には三井不動産に採用され、
各地の商業施設のテナントで使われている。
足元の導入実績は全国で約9300店舗に達する。

染谷さんの活躍はうれしい。

さて経営統合の話が連発。
「コロナはM&Aを早める」

まずは地方銀行。

静岡銀行と名古屋銀行。
包括業務提携を結んだ。
今後は資本提携も協議される。

愛知県の地銀ランキングは、
2番手が愛知銀行で3番手が中京銀行。
2024年の合併を予定する。

名古屋銀行は首位。

一方、静岡銀行は2020年に、
山梨中央銀行と包括業務提携を結んだ。
「静岡・山梨アライアンス」

小売業で言えば、
イオンのマックスバリュ東海と、
マックスバリュ中部の統合と似ている。

地銀同士の業務提携は全国で相次ぐ。
19年の千葉銀行と横浜銀行。
「千葉・横浜パートナーシップ」

かつて都市銀行は15行だった。
それが今、メガバンクによる「鼎占」となった。

地方銀行でもそれが進む。

一方、ニトリホールディングス。
会長の似鳥昭雄さんは絶好調。
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35期連続増収増益。

商人舎流通SuperNews。
ニトリnews|
エディオンと資本業務提携/8.6%の普通株式を5/13取得

エディオンと資本業務提携する。
ヤマダ、ビックカメラに次ぐ家電チェーン3位。
久保允誉(まさたか)会長兼社長も、
Jリーグのサンフレッチェ広島会長を兼ねるなど、
多彩な活躍ぶりだ。
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ニトリはエディオンの株主LIXILから、
102億円で8.6%の株式を買い取る。
その後、1.4%を株式市場の内外から買い付ける。
そして10%にもっていく。

これによってニトリは、
日本マスタートラスト信託銀行に次いで、
第2位の株主となる。

そのうえで店舗開発、商品開発、
さらに物流ネットワークの相互活用など、
協業を進める。

【結城義晴の述懐】を書いておいた。
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ニトリホールディングスは、
㈱島忠を2021年1月6日付で連結子会社とした。
ホームファッションのニトリと、
ホームセンターと家具の島忠。

これに家電のエディオンが加わる。

ニトリホールディングスの2022年2月期決算。
売上高8116億円(前年同期比13.2%増)、
経常利益1418億円(2.5%増)。
エディオンは昨年3月期、
売上高7681億円(4.7%増)、
経常利益は108.1%増の278億円。

単純合算すれば約1兆6000億円。
非食品チェーンとしては第2位に躍進する。

対する首位のヤマダホールディングスは、
2021年3月期1兆7525億円(前年同期比8.7%増)、
経常利益989億円(114.6%増)。
売上げで肉薄し、利益で凌駕する。

ヤマダホールディングスも19年12月、
大塚家具を子会社化して、
新フォーマット「ライフセレクト」を開発。

コロナは米国レベルの競争を、
日本市場で現象化させる。
寡占から鼎占、そして複占へ。 

私の予言。

ただし、巨大な2者、
マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャーに対して、
多様なマーケットニッチャーが、
市場のバラエティを形成して、
「小売業の森」は現代化が進む。

マーケットフォロワーが、
市場から消えていく。

小売業の森の価値観は、
規模の大小だけでは決まらない。
多様なマーケットニッチャーこそが、
未来の可能性を秘めていて、
極めて重要な意味を持つ。

これも私の見立て。

コロナがそれらを早めた。

〈結城義晴〉

2022年04月26日(火曜日)

商業界会館の売却・解体と「海には字が書いてある」

商業界会館がなくなる。
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東京都港区麻布台。
国道1号線の桜田通りが走る。
それと東京タワー通りとが交わった、
飯倉交差点の角にある、
6階建ての古いビルだ。

株式会社商業界会館が所有する。

ファサードには倉本長治の碑がある。
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店は客のためにある
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株式会社商業界は、
2020年4月2日に自己破産した。
多くの方々に多大なご迷惑をかけた。

その親会社の㈱商業界会館は、
存続してこのビルを管理していた。

その商業界会館が3月末をもって、
森トラスト㈱にこの土地と建物を売却した。

1階はロビーと受付、
2階はセミナールーム、
3階がクラブ室。
4階から6階までを、
㈱商業界がオフィスとして使っていた。

6階にはかつて、
宿泊ルームがあって、
上京した全国の商人が、
ここに泊まって勉強したり、
首都圏で仕入れ活動をしたりした。

商人の殿堂。

昭和41年(1966年)3月に、
全国の商人たちの浄財によって、
倉本長治のために建立された。
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そのすべての寄付者の名前が、
1階の八角柱に記されていた。

1階ロビーの大理石の壁には、
岡田徹の詩が刻まれていた。

小さな店であることを
恥じることはないよ
その
小さなあなたのお店に
人の心の美しさを
一杯に満たそうよ

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1階から2階への階段には、
欅板に彫られた言葉があった。

正しきに依りて
滅ぶる店あらば

滅びてもよし
断じて滅びず
新保民八
新保民八

3階クラブ室のシャンデリアは、
ヴェネチアングラスで、
長治主幹が当地を訪れて持ち帰った。

その他にも記念の品などは、
丁寧に保管されている。

一級建築士や照明コンサルタントが、
全館を再調査して、
何が残せるかが決定された。

しかし3階のクラブ室や、
4階の主幹室などは、
昭和の香りがする空間で、
そのまま移設したいくらいだ。

私はこのクラブ室と主幹室が特に好きで、
社長の時代には長い時間、佇んで、
モノを考えたり、書いたりした。

もう店子もすべていなくなって、
ビルそのものも耐震構造になっていない。
残念なことだが、
建て替えをする以外にない。
㈱会館にはその資金はない。

そこで売却の運びとなった。

私はここに30年通って仕事した。IMG_13212-448x617
手を合わせたい気持ちだ。

ありがとうございました。

今週は月刊商人舎5月号の怒涛の入稿。

毎日、毎日、パソコンに向かって、
原稿を執筆し、原稿を手直しする。
タイトルをつけて、デザインを指定し、
誌面にしていく。

その合間にブログを書く。
ブログの読者には申し訳ないけれど、
合間の執筆です。

それでも結構、力作の文章が書けたりする。

不思議です。

さて中日新聞の「中日春秋」。
東京新聞の「筆洗」と同じ文章の日がある。

昨日がそれだった。

「海には字が書いてある」
作家の立松和平さんが、
知床半島のベテラン漁師から聞いた言葉。

「天候が変わりやすく、
波の高い知床の海は
船を出すかどうかの判断が難しい」

「海を見つめ、風や潮が
どんな字やメッセージを出しているかを
読み解く。
そこから荒れ具合を予想し、
決断の材料にする」

知床半島の観光船遭難事故は痛ましい。
亡くなられた人々のご冥福を祈りたい。

正確なことはわからないが、
運航会社のマネジメントに、
原因の一つがあったようだ。

残念なことだ。

「海の字」を経験の浅い船長が読めなかった。
経営者は「海の字」のことすら無視した。

小売業やサービス業の店にも、
「客の字」が書かれている。

それを読む。

そしてマネジメントする。

ピーター・ドラッカーは言う。
「マネジメントとは、
人の強みを生かすことである」

作家・安土敏こと荒井伸也さんは、
「マネジメントとは、
簡単に言えば段取り組みのことだ」
これもいい。

故ジョン・F・ケネディの消費者の権利。
「コンシューマードクトリン」と呼ばれる。
①安全である権利
②知らされる権利
③選択できる権利
④意見を聞き遂げられる権利

店も観光船も、
安全である権利が第一にくる。

この4つの権利を死守するために、
「海の字」を読み、「客の字」を読み、
マネジメントする。

守られねば、
人の命が危うくなる。

ウクライナでは、
その命が軽々しく奪われる。
戦争が進行中だから、
そういうことが日常茶飯に起こる。

当人や家族、友人にとっては、
この上なく悲惨なことなのに、
ニュースとして知る者は、
私も含めて、なんというか、
慣れてくる。

それは人間として悲しい。
痛ましいことばかりだ。

私はそんなとき、
仕事に没頭する。

それが一番いいし、
それしかないともいえるだろうか。

人も建物も、
会社も国も、
永遠ではない。

存在している間に、
どれだけ輝けるか。

だから私の場合、
生きていることに感謝しつつ、
仕事に没頭するしかない。

合掌。

〈結城義晴〉

2022年04月25日(月曜日)

カメイドクロック内覧会の顛末と「不器用な人」

Everybody! Good Monday!
[2022vol⑰]

2022年第17週。
4月最終週から5月第1週。
つまりゴールデンウィーク。

今年はまず4月29日(金曜日)の昭和の日から、
土日曜日を含めて3連休。
5月2日の月曜日を挟んで、
3日の憲法記念日、
4日のみどりの日、
5日のこどもの日と3連休。

さらに6日金曜日を挟んで、
土日曜の連休。

2日と6日を休暇にすると、
最大10連休。

テレワークも進んでいるから、
大型連休のイメージはあるだろう。

計画通りに着々と仕事を進捗させて、
計画を超える成果を上げたい。

今日は東京・亀戸(かめいど)。
「KAMEIDO CLOCK」の開業内覧会。
「カメイドクロック」と呼ぶ。
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グランドオープンは28日(木曜日)。

「地域に住まう皆さまと共に
“亀戸”の記憶を紡ぎ、
新しい“時”を刻む生活創造拠点」

つまり「亀戸」で「時を刻む」。
だから「KAMEIDO CLOCK」となった。

喜び勇んで出かけた。
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野村不動産と野村不動産コマースの開発。
テナントは全136店舗。

初年度年商目標は200億円。
来館者数目標は1200万人。

核店舗で地下1階に入るライフは、
年商36億円。

商人舎流通スーパーニュース。
ライフnews|
563坪・36億円「ライフ カメイドクロック店」4/28開業

まず、そのライフコーポレーションの内覧。
流通報道記者会中心にカコミ取材。

皆川剛広報部長が丁寧に説明してくれた。
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ショッピングセンター内出店として、
随所に工夫が凝らされて、
とてもいい出来栄えだ。

2015年のヤオコーららぽーと富士見店が、
商業集積の店舗として話題になったが、
それとはまた違ったレイアウトの組み方で、
ライフらしさを出した。

ワインセラーはこれからのライフの特長となる。
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一通り店内を見て、写真など撮影して、
最後に幹部のみなさんと写真。

私の左から、
カメイドクロック店長の山内徳久さん、
執行役員首都圏ストア本部長の海野紀明さん、
取締役専務執行役員の並木利昭さん、
常務執行役員の荒井信一郎さん、
そして開発統括特命担当の依田宏さん。
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荒井さんは営業統括兼首都圏商品本部長兼近畿圏商品本部長。
依田さんは首都圏RE部兼首都圏施設・購買部部長。

ありがとうございました。

ライフの取材が終わると、
カメイドクロック全体のメディアツアー。IMG_26492

1階の共有スペースに集合。
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そしてゾロゾロと館内を案内してもらう。IMG_25992

まず地下1階は、
ライフのスーパーマーケットと、
食品専門店のゾーン。

次に4階に上がって、
フードコート。
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その4階のカメスポ。
e-sports studio。
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3階にはデコホームが入っている。IMG_26542

さらにファーストリテイリングのジーユー。
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2階はアパレル中心で、
ユニクロはこの2階に入居している。

1階には「ネコサポ」が入った。
ヤマト運輸に業務委託した、
インフォメーションカウンター。

インフォメーション業務はもちろん、
館内物流業務から車椅子の貸出、
落とし物・拾得物の取扱い、
ヤマト運輸の宅急便の発送・受取サービス、
クロークサービスまで行う。
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そして1階には「カメクロ横丁」の飲食店街。IMG_26602

一番最後に「やまと寿司」。
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ここで食事。
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千葉県鴨川市のやまと水産の回転寿司。IMG_26232
このショッピングセンターに来たら、
一度、試してください。

店を巡るのは楽しい。
ショッピングセンターももちろん楽しい。
今日の万歩計は1万1900歩を記した。

カメイドクロックも、
黄金週間にグランドオープンする。

その飛び石三連休連弾も、
今週末から始まる。

4月10日の朝日新聞「折々のことば」
第2346回。

やはり私のメモに残ったことば。

頭が切れたり、
器用な人より、
ちょっと鈍感で
誠実な人の方が
よろしいですな。
(奈良の宮大工・西岡常一『木に学べ』から)
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「器用な人は
苦もなく先に進んでゆけるので、
往々にして
“本当のものをつかまないうちに”
作業を終えてしまう」

「反対に不器用な人は
“とことんやらないと得心ができない”から、
要所を疎(おろそ)かにせずに熟達する」

編著者の鷲田清一さん。
「画家の場合だとたしかに、
手がそつなく動く、
その器用さを不自由と感じ、
あえて利き手とは逆の手で
筆を持つ人がいる」

私の下手な筆字もそれだ。

しかし、商売には実は、
不器用な人が向いている。

では、みなさん、
今週も、仕事を楽しもう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年04月24日(日曜日)

「はじまり」は 「終わり」を知る者によって開かれる。

「明日、また明日、また明日と、
小刻みに一日一日が過ぎ去って行き、
定められた時の最後の一行にたどりつく」

「きのうという日々は
いつも馬鹿どもに、
塵泥(ちりひじ)の死への道を
照らして来ただけだ」

「消えろ、消えろ、束の間のともし火!
人生はただ影法師の歩みだ」

「哀れな役者が短い時間を
舞台の上で派手に動いて声張り上げて、
あとは誰ひとり知る者もない」
ウィリアム・シェークスピア。
『マクベス』木下順二訳。
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この台詞。
まるでウラジーミル・プーチンのようだ。

スコットランドの将軍マクベスは、
勇猛果敢だが小心な一面もある男。
魔女の暗示にかかり、妻と謀って、
主君ダンカンを暗殺して王位に就く。
しかし内面と外面の重圧に耐えきれず、
錯乱して暴政を行い、
貴族や王子らの復讐に倒れる。

シェークスピアは不思議なことに、
1564年の4月23日に生まれ、
1616年の4月23日に没した。

「プーチンの戦争」は正念場を迎えた。
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対ドイツ戦勝記念日の5月9日までに、
ウクライナ東部ドンバス地方の制圧を完了し、
一定の「戦果」として誇示したい意向のようだ。
しかしウクライナ軍は、
国際社会の軍事支援を受けて、
態勢が増強されている。

小心のプーチンの内面外面の重圧は、
いかばかりか。

朝日新聞「折々のことば」
第2266回は今年1月18日版。

これも印象に残る言葉だった。
メモ帳に残っていた。

「はじまり」は
「終わり」を知る者によって
開かれる。
これは絶望の底に潜む
希望です。
〈姜(きょう)信子〉

『忘却の野に春を想う』
歴史社会学者・山内明美との往復書簡。
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姜信子は1961年、横浜市生まれの作家。
1986年『ごく普通の在日韓国人』で、
ノンフィクション朝日ジャーナル賞受賞。
2017年『声 千年先に届くほどに』で、
鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞。

山内明美は1976年、宮城県南三陸町生まれ。
宮城教育大学教育学部准教授。
歴史社会学・農村社会学を専攻。
東日本大震災以後は、
郷里の南三陸で農村調査を行っている。

ふたりの往復書簡は、
現代のひずみを描き出す。

「“復興”したとされる三陸沿岸の人影も
疎(まば)らな人工的な景色を見て、
ハンセン病療養所のそれをつい思う」
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「すべてが閉ざされ、断たれた後、
宗教や芸能は
発生時のいわばゼロ地点へと
いったん押し戻され、
そこから種を蒔(ま)くように
首をもたげるはずだ」

ヨハネの福音書の「一粒の麦」と同じだ。

「はじまり」は、
「終わり」を知る者によって
開かれる。

プーチン戦争の終わりを知る者は、
プーチンではない。

したがって、はじまりを開く者は、
プーチンではない。

明日、また明日、また明日と、
一日一日を小刻みに闘う、
ゼレンスキーに違いない。

そして、
多くの死を悼みつつ乗り越えた、
絶望の底に潜む希望は、
必ず成就するだろう。

さあ、私たちも、
明日、また明日、また明日と、
小刻みな一日一日の仕事に精を出そう。

〈結城義晴〉

2022年04月23日(土曜日)

土曜日の1日、商人舎流通SuperNewsを活用して店クリ。

東急東横線のSDGs Trainに乗って。IMG_25352

中目黒から恵比寿へ。
セントラルスクエアの告知が、
恵比寿駅に出ている。IMG_25462

その恵比寿ガーデンプレイス。IMG_25372

土曜日の朝のひととき。IMG_25392

白いつつじも満開。IMG_25402

ロウリーズも出店している。
米国発ローストビーフレストラン。IMG_25412

商人舎流通スーパーニュース。
恵比寿ガーデンプレイスnews|
地下2階「フーディーズガーデン」盛況オープン

そのフーディーズガーデン。
明治屋ストアーが見える。IMG_25442

そしてライフコーポレーションの店。
セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店。
略称YGP。IMG_25452

ライフnews|
「セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」4/15オープン

先週、岩崎高治社長にインタビューしたが、
週末の店を見ておきたかった。
上々の出来栄えで安心した。

重要な店はウィークデーにも見るし、
ウィークエンドにも訪れる。

夕方にも見るし、
午前中もウォッチする。

そして顧客の表情や買い方を見る。

収穫は大きかった。

恵比寿から渋谷へ。

渋谷のJRから井の頭線への連絡通路に、
長さ30m、高さ5.5mの巨大な壁画。
故岡本太郎作「明日の神話」。
1970年ごろの作品。
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その渋谷駅は人、人、人。
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有名な渋谷交差点。IMG_25482

井の頭線で下北沢へ。

駅前でフリーマーケットが開かれていた。
都会のウィークエンド風景だ。IMG_25542

その駅前にオオゼキ下北沢店。IMG_25512

大繁盛で、いい商売をしている。
つまり、安くはないが、それでも売れる。
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駅の反対側にダイエー下北沢店。IMG_25552

そして小田急線専用の改札口。IMG_25672

この改札口前に、
新しいショッピングゾーンができている。
今年1月20日開業のtefu lounge(テフラウンジ)。
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核店舗がビオラル。
ライフコーポレーションの新フォーマット。IMG_25642
オーガニックスーパーマーケットで、
その単独店の最新形。

ライフnews|
首都圏ビオラル2号店「ビオラル下北沢駅前店」2/26開設

右でオーガニックカフェを提供し、
左で小売りする。IMG_25662
まだ顧客はついていないが、
少しずつ認知されていくだろう。

下北沢をあとに、
京王線で経堂まで出る。

駅前にOdakyu OX経堂店があって、
同社の旗艦店舗だ。

さらに、
ライフnews|
食品売場拡げてライフ経堂店(東京・3層1823坪)2/23刷新
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サミットの新店を迎え撃つリニューアル。

そのサミットストア世田谷船橋店。
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サミットnews|
4/6新店「サミットストア世田谷船橋店」/GO GREENを体現IMG_25732
現時点のサミットの最高レベルの店だ。

中2階にサミカフェがあって、
イートインができる。
そして店内を見下ろすことが出来る。IMG_25812
米国ウェグマンズが得意とするパターンで、
ホールフーズも多用する。
日本ではカスミのBLANDE研究学園店が、
この方式を採用して成功を収めている。

もちろんサミットストア世田谷船橋店も、
とてもいい感じで取り入れている。
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そして「GO GREEN」チャレンジ宣言。IMG_25862
サミットは必ず新しい挑戦をして、
それが成長に結びついている。

千歳船橋駅に出て、
それから吉祥寺へ。IMG_26182

駅前に喫茶室ルノアール。
タバコの臭いが充満しているが、
それでも満員御礼で、
待たねば入れない。IMG_26162
時代と逆行する店だが、
大都市ではそれもサバイバルの手段となる。

そして「文化ストアー」IMG_26132
時代に取り残されたものが、
「レトロ」として評価される。

その吉祥寺駅前から人の列が続く。
向こうに〇1〇1が見える。IMG_26192

そう、丸井吉祥寺店。IMG_25882
土曜日の人出は多いが、
丸井吉祥寺店は全26店中19番目。
昨年度の売上げは41億7700万円で、
前年比83.0%。
売場は1万1950㎡もある。

そこで1階にビオラルを入れた。IMG_25892

ライフnews|
12/19オーガニック型「ビオラル丸井吉祥寺店」首都圏初出店

これが大繁盛。
狭い店だが20人ほどの顧客が、
レジ待ちして行列を作っている。IMG_26102
日本のスーパーマーケットで、
本格的にオーガニックに挑戦しているのは、
このライフのビオラルと、
イオンのビオセボン。

むしろ2社しかないのは、
淋しい限りだ。

月刊商人舎5月号で、
そのあたりも指摘しよう。

それにしても、
商人舎流通スーパーニュースを使って、
土曜日の1日、店舗クリニックした。

大いに楽しかった。
またやろう! ヤマモト君。

〈結城義晴〉

2022年04月22日(金曜日)

日本初のスーパーマーケットはどこか? 意外な答えです。

毎日新聞巻頭コラム「余禄」

「日本初のスーパーマーケットはどこか」

うれしいねぇ。
「余禄」で日本のスーパーマーケットの起源を、
論じてくれる。

「時期は東京・青山の紀ノ国屋が最も早い。
1953年にセルフサービス方式を採用している」

一般にはそう言われることが多い。

ただし、丸和フードセンター第1号説もある。
現在の北九州市小倉北区に、
1956年に誕生。

創業者は伝説の吉田日出男。

紀ノ国屋に比べれば、
比較的大型店で、
しかも安売りを旗印にしていた。

世界初のスーパーマーケットは、
米国のキングカレンで、
1930年に登場した。

カレンはクローガーの社員だったが、
トップマネジメントに新フォーマットの提案をした。

それまでのグロサリーストアを、
倉庫型の大型店に変えて、
ディスカウントを武器にする店をつくる。

その上申が拒否されて、
カレンは自分で事業を始めた。

それがキングカレンである。
セルフサービスのグロサリーストアが、
スーパーマーケットに変わった。

その意味では日本の第1号は、
丸和フードセンターであろう。

紀ノ国屋は、
セルフサービス1号店と考えてもいい。

そのセルフサービスは、
1916年のピグリーウィグリーが世界最初だ。
クラレンス・サンダースが発明した。

吉田日出男は、
「主婦の店」を象徴的な店名にして、
「主婦の店」運動の中心人物となっていった。

主婦の店多治見は現在のバローだ。
主婦の店秩父はベルクである。
徳島主婦の店はキョーエイであるし、
淡路主婦の店はリベラルだ。
主婦の店大船渡店はマイヤであるし、
潮来主婦の店はセイミヤだ。

ダイエー創業者の中内功も、
大阪千林の1号店に
「主婦の店ダイエー薬局」と名づけたが、
吉田日出男の主婦の店とは関係なかった。

勝手に主婦の店を名乗った。

しかししかし、
日本列島に最初に登場した、
本格的なスーパーマーケットは、
米軍立川基地の中にあった。
紀ノ国屋よりも先にオープンした。

顧客は米軍の幹部や兵士。
それを㈱商業界の先生方が見に行った。
故渥美俊一先生は加わっていなかった。

故倉本初夫二代目主幹から、
一度だけ聞いたことがある。

もっと丁寧に聞いておけばよかった。

なるほどGHQの職員や兵士たちが、
家族とともに毎日の生活を維持するには、
スーパーマーケットが不可欠だ。

だから全国の米軍基地には、
ミニスーパーがあったに違いない。

現在も「エクスチェンジ」と呼ばれる、
チェーンストアがあって、
世界に3100店を展開している。

正式名称は、
「army air force exchange store」である。

「余禄」はその吉田日出男が戦時中、
強制撤去された市場の復興に尽力し、
入り口に店舗を構えたことを報告する。

その「旦過(たんが)市場」が、
4月19日に火事に遭った。

残念なことだ。

さて今日は、
商人舎オフィスに来客。
ユースキン製薬㈱のお二人。

代表取締役社長の野渡和義さんと、
企画部部長の野渡毅之さん。IMG_2528 (002)2
私は横浜の中高一貫教育の私立学校に通った。
その器械体操部の3年先輩が野渡さんだった。

中学1年で入部して、
高校生と一緒に練習した。

野渡さんは私の一番のあこがれの先輩だった。
いつも見上げるようにしていた。

2012年、
サッポロドラッグストアーの講演会で、
44年ぶりに再開して、
それ以来、交流が続いている。

貴之さんはそのご長男で、
ユースキン製薬の将来を担う。

このブログデビューです。
よろしくお願いします。

新型コロナウイルス感染拡大で、
人々は頻繁に手洗いをするようになった。

手洗い、マスク、ディスタンス。

そこで手が荒れる。

ユースキン製薬の業績も、
順調だという。

最後に私の本をプレゼントした。IMG_25322

夜、家に帰る時に、
いつも長光山妙蓮寺の前を通る。IMG_2525 (002)2

その門の前に毎月、
住職の言葉が掲げられる。IMG_2523 (002)2
よわねをはくな
くよくよするな
なきごというな
うしろをむくな

ウクライナの人々も、
いま、こんな気持ちなのだろうか。

しかし私は思う。

よわねをはいてもいいよ、
くよくよしてもいいよ。
なきごといってもいいよ、
でもうしろをむいてはいけないよ。

よわねをはいても、
くよくよしても、
なきごといっても、
まえをむいていこう。

〈結城義晴〉

2022年04月21日(木曜日)

プーチンの「アゾフスタリ宣言」と3月の業態別営業統計

日本電産の永守重信会長がCEOに復帰する。
nagamori
日産自動車からスカウトした関潤社長は、
CEOを外れてCOOに。

2020年4月1日、
永守さんは述懐した。
「集団指導体制への移行は、
創業以来最大の間違いだった!」

「(集団指導体制は)呼び名はいいが、
強いリーダーがいないとだめ。
5、6人で決めていたのではだめだ」

そこで日産のナンバー3の関さんをスカウトして、
COO兼社長にした。
さらに昨21年6月、関社長はCEOに就任。

しかしそれでもコロナ禍とウクライナ戦争。
永守会長による経営指導体制で、
「スピード感のある経営」を取り戻す。

その永守信条は、
すぐやる、
必ずやる、
できるまでやる。

同時に日本電産は社名を変える。
「ニデック」(NIDEC CORPORATION)

あんまりいい社名とは思えないが、
グローバル企業としてイメージ刷新。

「コロナは時間を早める」と言い続けているが、
最速の意思決定や迅速な行動変容は、
ほんとうに難しいということだ。

永守重信、77歳。

もう、後継者はいないかもしれない。

さて、
ロシアの「マリウポリ制圧宣言」。
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プーチンとショイグが、
ファミレスの席に向かい合うようにして、
報告を受け、指示を受けた。
プーチンショイグ

ポール・セザンヌの絵を思い出した。
「カード遊びをする男たち」
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ウラジーミル・プーチンは大統領、69歳。
セルゲイ・ショイグは国防相、66歳。

ショイグの報告では、
アゾフスタリ製鉄所には、
まだ2000人以上の兵士が中にいる。
作戦は「3~4日で完了する」

しかしプーチンは、
マリウポリ制圧の成功を祝福しつつ、
アゾフスタリへの攻撃を止め、
「ハエも通れぬ封鎖」を命じた。

テレビでは二人のやり取りを、
同時通訳でずっと流した。

結局、アゾフスタリを、
陥落させることはできなかった。

プーチンの失敗。

それを出来損ないの小芝居で、
国内と世界に露出した。

こんなに重要なことを、
小さな正方形のメモをめくりながら、
延々と報告するショイグ。

右手でテーブルの端を握りながら、
身体の揺れを抑えるように、
内外に嘘を重ねるプーチン。

まだまだウクライナでの闘いは終わらない。

これからウクライナの平原を舞台に、
正念場の「戦争」が起こるのだろう。
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それでもロシアの行き詰まりは見えた気がした。

プーチンにも、
その意志を継ぐ後継者はいない。

ロシアはどうなるのだろうか。
ケインズの「平和の経済的帰結」も、
視野に入ったのかもしれない。
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さて、商人舎流通スーパーニュース。
29本のニュースが並んだ。

そのなかで3月の統計。

3月チェーンストア統計|
総販売額1兆1123億円2.0%増/食料品・住関堅調

全体の売上高は前年同月比102.0%、
既存店売上高は101.9%。
対象企業数は56社、店舗数は1万1808店。

食料品は102.1%(既存店101.2%)。
衣料品は94.8%(同99.2%)、
住関品は104.9%(同105.9%)。
サービスは額は少ないが180.6%(同182.0%)。

衣料品はさらに悪くなっているが、
それ以外は回復基調だ。

3月スーパーマーケット統計|
既存店0.9%増/総売上高9962億円2.3%増

総売上高は前年同月比102.3%。
食品合計は102.5%。

青果105.4%、水産100.1%、畜産100.8%。
惣菜106.6%、日配101.8%、一般食品101.5%。

非食品も100.3%。

チェーンストア協会と類似している。

企業数270社、8308店舗。

1店舗平均月商は1億1629万円。
単純12倍すると13億9548万円。
平均14億円となる。

意外に見えるかもしれないが、
1店年商が上がってきている。

つまり良い店が残っている。
弱い店は閉鎖したか、
改装している。

270社の結果がそれを物語っている。

売場1㎡当たり売上高は7万円。
これも1年にし、坪当たりにすると277万円。

地域別では近畿地方だけが前年同月を下回った。
また店舗規模別では10店舗以下の企業が、
前年同月を下回って、苦戦している。

3月コンビニ統計|
既存店売上高8754億円1.2%増/天候不良で客数は1.5%減

店舗売上高は既存店ベースが前年同月比101.2%、
全店ベースで101.7%。
4カ月連続のプラス。

全店舗数は5万5912店、前年比0.2%増。

しかし客数は既存店で1.5%減、全店で1.1%減。
平均客単価は、既存店2.7%増、全店2.8%増。

コンビニも完全に飽和だ。

かくて業態間競争も激化する。

商人舎4月号の巻頭言。
[Message of April]
カットスロートコンペティションへ。

争うこと。
競うこと。
闘うこと。
生死を分けること。

コロナパンデミックが往って、
ポストコロナの時代がやってくる。
競争のあり様は変わる。
強い者同士のより厳しい競争となる。

カットスロートコンペティションは、
喉を掻き切る競争。
激しくて途切れない競争。
消耗と革新の連続。

「戦争における行動は、
重たい液体の中で運動するようなもの。
ただ前進することも水中では、
敏捷、正確には行えない」(クラウゼヴィッツ『戦争論』)

プロイセン王国の軍人クラウゼヴィッツは、
ロシアに侵攻したナポレオン軍が消耗し、
敗退するさまを目の当たりにした。
そして「戦争論」にまとめた。

戦場で軍の動きを拘束し、
その計画を台無しにするもの。
予想外の偶然や事故の連鎖を、
クラウゼヴィッツは「摩擦」と呼んだ。

会社の経営や店の運営も、
「重たい液体の中の運動」になることがある。
すると敏捷さと正確さが失われる。
それが「摩擦」であり、摩擦が生まれると負ける。

カットスロートコンペティションでは、
強敵ばかりの少数の闘いが展開される。
それは「重たい液体の中の運動」に似る。
その覚悟をし、腹を決めた者だけが生き残る。

カットスロートコンペティションでは、
現実を正確に認め、
夢を計画化した者だけが勝ち残る。
分析力と創造力、行動力だけが味方である。

ただし激しい競争であっても、
カットスロートコンペティションは、
戦争ではないし、殺し合いではない。
正々堂々の腕と知恵の競い合いである。

だからかならず、
それに参画する者にご利益がもたらされる。
勝利した者にも惨敗した者にも、
成長の証を示してくれる。

ただし、そこから逃走した者には、
大きな罰が下される。
参画しなかった者には、
なんのご利益も与えられない。

コロナパンデミックが往って、
ポストコロナの時代がやってくる。
競争のあり様は変わる。
強い者同士のより厳しい競争となる。

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ウクライナの闘いは、
もっともっと悲惨だ。

それは一刻も早く終わらせねばならない。

〈結城義晴〉

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