結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年01月04日(金曜日)

2008年の経済・消費を俯瞰し「賢くて若い」社会を目指す

さて仕事始めの1月4日。
会社によっては、7日からというところもある。

初売りは、
百貨店・家電量販店が好調。
それでも、前年比は、
新宿伊勢丹3%、
西武池袋4%、
阪急梅田6%。

どの業態フォーマットでも
福袋がよく売れた。

食品スーパーマーケットなど、
在庫を抑えて、
売れる分だけ売る、
という姿勢が強かったように思う。

コンビニは、
年始商戦は強い。
しかも売れないという強迫観念がないから
通常通りのオペレーション。
在庫管理には、気を使わない。
それがこのフォーマットの強さだ。

国際問題に目を転じる。

原油高。
3日、一時、1バレル100台を突破。
ドル安、そして円安。

ここには中東和平問題も絡む。
中東問題は、人類にとって21世紀最大の課題。
すなわち宗教問題である。

宗教は、他を認めるか否かというところに行き着く。
一神教か否か。

日本では、幸いなことに、これはない。
新興宗教同士の小さなものはあるけれど。

一神教のキリスト教とユダヤ教、イスラム教が争う。
その抗争が中東に集約される。

祈るだけ。
人間の賢さに期待をかけて。

そう、人間の賢さ。

アメリカ経済の減速感
サブプライム問題に端を発した。
しかし、お祭り騒ぎの大統領選は11月本選挙まで続く。
おそらく、今年の世界の話題をさらうのは、
この米国大統領選挙と北京オリンピック。

日本人も、こういった話題に引きずられやすい。

商売のテーマにはなるけれど。

その陰で、ヨーロッパの好調はいつまで続くか。
私は、健全なヨーロッパは、
健全な経済から、と考えている。
それは引き続いてほしい。

一方、BRICs。
ブラジル・ロシア・インド・中国。
間違いなく、これらの国が、国際関係の中で、
重要な位置を占めるようになる。

今年には、私、
これらの国をすべて訪れねばならないと思う。
肌で感じることが、重要なのだ。

日本経済。 
福田内閣は、ねじれ国会を余儀なくされている。
今年は、衆議院解散が見込まれる。
7月洞爺湖サミットも開かれる。

変わることは、良いけれど、
今は、じっくりと、
「この国のかたち」を定めねばならないと思う。

2000年以上も前に、
ヨーロッパのグランドデザインを構想した
ユリウス・カエサルのように。

これは、様々な会社にも当てはまる。

M&Aを成功させる唯一のポイントは、
その後のグランドデザインであると思う。

日本の2007年実質経済成長率1.4%だった。
2008年の予想は2%。
だから悲観することばかりではない。

2002年2月からの景気回復局面は、
この1月で72カ月、6年間も続いている。
わが商業にその好調感が薄いだけ。

個人消費は、今年、1%台半ばの増加見込み。
消費者物価指数も、上昇傾向が定着化すると予想されている。

円安になると、
国内二重価格が出てくる。
外国人向けの高価格と
“国内貧民“向け低価格。

だから価格は、今年も、
小売業にとっての重要問題となる。

たとえ話で、この二重価格がすり替えられつつ、
論じられることがある。
気をつけねばならない。

高級ホテルではどうの。
高級レストランではどうの。

最後に二つの重要問題。

一つは、地球の問題としての温暖化。

購買力平価ベースのGDP100万ドルに対するCO2排出量が試算された。
日本371トン、
ドイツ387トン。
日本は先進国である。
しかし、この二酸化炭素の削減率が、先進国の中でただ一人、
減っている。

ゴミの問題と同様、
この目の前のごみを私が拾うことで、
必ず、一歩前に進む。
この、個人の認識。
そして、組織で取り組むCO2対策。
国で取組む対策。

もう一つは、少子化傾向。
2007年は2005年に次いで、また減った。

高齢化社会は、むしろ誇るべきこと。
高齢者がさらに長生きし、増加することは、嬉しいことだ。
それに対して、子供が増えない。
根本対策が必要だ。

日本社会全体の知恵と富を、
少子化対策に振り向けるべきである。

ただし、これを抑えることは難しい。
従って、当面のビジネス上は、対策を練らねばならない。
ここで重要なのは、
ビジネスは常に、小商圏で展開されているということだ。
少子高齢化は、われわれの既存ビジネスの小商圏の周辺では、
徐々にやってくる。
極端な少子高齢化対策は、だから失敗する。
まず、観察と調査から始めることだ。

少子高齢化社会に関しては、
人々のマインドのほうが重要な問題だ。

すなわち「若さ」に対する自己認識である。

その意味で、いつまでも「若さ」を誇示する企業や店であって欲しい。
それが、人間の賢さにつながる。

賢くて、若い。
実年齢よりも。

そんな人が増える社会を目指したいものだ。
今年も。

<結城義晴>

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