結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年04月23日(土曜日)

楽天とコンビニに「集権と分権」の融合を感じる

日経新聞『人こと』欄に、
楽天社長の三木谷浩史さん登場。

「震災対応、中小にたくましさ」のタイトル。

三木谷さんは言う。
「震災後、4万店の順応がすさまじく速かった」。
インターネットモールへの出展者は中小店ばかりだが、
その出店者はたくましかったし、素早かった。

お客の消費を先回りし、
必要とされる商品をいち早く品揃えした。
放射能汚染物質が肌に付着するのを防ぐ雨がっぱ、
軽くて歩きやすい紳士靴、
放射能計測器。

「どこから仕入れたのだろうか」。
楽天市場の売上げは震災前より「ややプラス」

楽天の強みは中小店を束ねた 「分散型モデル」。
この分散こそが災害対策の「カギ」になると、
三木谷さんは主張する。

分散型と言えば、フランチャイズのコンビニチェーン。
被災地の加盟店オーナーを支援する動きが始まった。

ファミリーマートは、
生活費支援や転居費用、見舞金として
最大41億円を投じる。

サークルKサンクスは、
店舗を失ったオーナーに対して、
近隣店での短期雇用を検討する。

セブン-イレブン・ジャパンは、
これまた店舗を失ったオーナーたちに、
本部負担で移動店舗を提供。

各社ともに契約内容にはない手厚い施策。
復旧、復興への動きが加速し始めた。

しかし分散型モデルは、
分散した個店だけで成り立つものではない。

強力な本部や中核となるモールシステムがなければ、
分散型はただの中小店である。

私の最初の著書『メッセージ』から、
「集権か、分権か。」

中央集権か、地方分権か。
本部集中か、個店対応か。

集めると効率が上がり、
分けると能率が下がる、のか。
いや、ムリに集めるとムダ、ムリが生じ、
分けると、キメ細やかな対応ができる、のか。

機能の集中と役割の分散。
責任の集中と無責任の分散。

雪印の一連の行為も、
続々摘発される他の不正事件も。
ダイエーの水際の再建も、
あのKマートの連邦破産法適用も。

集権と分権の論理破綻の中で起こり、
集中と分散の範囲再整備の中で蘇る。

マキュアベッリの「君主論」によれば、
最も理想的な政治とは最良の独裁者によるもの、となる。
もっとも唾棄すべきは、
衆愚政治と衆愚組織。

権力と機能の集中と分散を
時と状況に応じてスピーディに使い分ける。

そんな絶対的なカリスマの存在こそが、
社会と大衆の求めるものなのかもしれない。
最良の独裁者が、集めて、分ける。
理想のカリスマが、分けて、集める。

社長よ、部長よ、店長よ。
衆愚にまみれた長と名のつく者たちよ。
最良の独裁者たれ。
理想のカリスマたれ。

それがとりもなおさず、
集権と分権との全体最適のあり方を体現することになる。
<『戦略編』より>

東日本大震災を経て、
「集権と分権」との新の融合が求められ始めた。
国家も、企業も、チェーンストアも。

それが崩れたならば、
メガバンクのみずほ銀行ですら、
頭取の辞任が避けられない。
障害発生や被害拡大を防げなかったみずほ銀行の西堀利(さとる)頭取は、
6月に退任の方向。

昨日は夕方、商人舎に、
㈱イースト・プレス書籍5部の中西庸(なかにし・よう)さん。20110422181618.jpg
このところずっと取り組んできた本の最終ゲラ校正を渡した。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』。
5月下旬発刊予定。

震災後の多忙の中で、
ちょっと遅れた。

お詫びします。

その後、渋谷「浜ちゃん」へ。
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大衆飲み屋で、安くてうまい。
夜の9時になると満席となって、
エネルギーが満ち溢れる。

この店で、㈱コメリ執行役員の丸山一郎さんと懇談。
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永らく店舗開発を担当して、
1000店体制となったコメリの出店戦略の中核を担った。
現在は、グリーンエネルギープロジェクトリーダー。
そして省エネ委員会リーダーを兼務。

店舗とエコロジーの最新問題を議論し、
少しだけ明るい未来の中に身を置いた気がした。

今週も、このブログに来てくださって、
心から感謝。

よい週末を。

<結城義晴>

2011年04月22日(金曜日)

「最悪を覚悟して最善を尽くす」と「年を経ることによる集中力の心地よさ」

意外な訃報が三つ。

まず、一般には、
キャンディーズのスーちゃん。
田中好子さんが21日に逝った。
乳がんのために55歳の若い命を散らせた。
アイドルから「普通の女の子」にもどって、
それから見事、女優に転身。

私も出版社の社長から、
一度、素浪人となり、
それから㈱商人舎社長、
コーネル大学RMPジャパン副学長、
そして立教のビジネスデザイン研究科教授と転身した。

ジャーナリスト、経営者から、
ジャーナリスト、教員になった。
だからスーちゃんの活躍は、
わがことのようにうれしかった。

平成元年の映画「黒い雨」では、
日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた。
最近では母親役を好演していた。
19年間、がんと戦っていたという。

合掌。

次に、ほんとうにびっくりしたが、
亀ヶ谷 邦博さんが4月14日、急逝。
享年66。

「フィットケアデポ」のバナーで、
横浜に強力なドミナント展開する㈱カメガヤの会長。
日本チェーンドラッグストア協会常任理事兼事業化推進委員長など、
ドラッグストアの産業化に尽力。
私の住む横浜市港北区の妙蓮寺が発祥の地。
だから親しくさせていただいた。

ユニークな経営思想を持っていて、
もしかしたらドラッグストア業界で、
一番、原則的なチェーンストアを志向していたかもしれない。

訃報を知ったときには、信じられなかった。
ドラッグストア業界全体にとっても、
本当に大きな痛手だと思う。

心から哀悼の意を表しつつ、合掌。

㈱アレフ社長の庄司昭夫さんも逝去。
本当に残念なことに先月23日、亡くなった。
享年68。

1968年に盛岡で飲食店を創業し、
1981年にハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を始めた。
極めてユニークな経営思想で、
300店を超える全国チェーンに育て上げた。
庄司さんとは、商業界社長時代もずっと、同志だった。

「理念武装、理論武装、技術武装」は庄司さんの表現。
私が「心の力、頭の力、技の力」と考えていたことと、
それは一致した。

亀ヶ谷さんも庄司さんも、
そしてスーちゃんも、まだまだ若かった。
無念でならない。

庄司さんの「お別れの会」は
5月17日(火)札幌パークホテルで催される。
私は、その日、大阪で講演があるため、
駆けつけることができない。
これも残念でならない。
改めて、お別れをしたいと思う。

そして、2011年の早春、
東北関東大津波大震災で多くの方が亡くなった。
子供も、若者も、大人も、高齢者も。

そしていま、東北では満開の桜が、
関東以西では新緑が、
幾多の魂を弔っている。
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3月11日の地震、そして津波。
さらにフクシマの原発事故と放射能。

いままた、余震の南下。
昨日は千葉県を震源とする震度5弱の地震。

どんなことが起こるか、予想もつかない。

私は、何と言うか、腹が決まった。
「いつでも来い!」という覚悟。

「最悪を覚悟して、最善を尽くす」
そのうえで今を、充実して生きる。

決して投げやりにはならないし、
厭世的な気分ではないけれど、
覚悟はある。

最近、少しだけ年を重ね、
どんどん、できないことが増えてきた。
何でもできるものではないと観念した。

例えば、大好きなスポーツ。
球技も好きだし、体を動かすことは得意だった。

しかし50年ほど前に白内障を病み、
5年前に網膜剥離を患い、
3年前に緑内障となった。
そして右目の視力が低下した。

だから大好きな球技はほとんどできなくなった。
野球、サッカー、テニス、卓球、バドミントン。
そこで止まっている球を打つ球技しかできない。

しかしそういった閉塞された世界に、
何というか、心地よさを感じるようになった。

限定されているからこそ、
集中できるし、
心底楽しむこともできる。

少しずつ年をとっていくメリットは、
この集中にあるのだと気がついた。

これはほんとうに、
すっきりした気分を、
私にもたらした。

地震、津波、放射能、余震の南下。
そのなかで、いま「できること」に集中する。
それも心地よい。

そんな心境になった。
これは、58歳の結城義晴にとって、
新しい発見となった。

さて、昨日の午後は来客多し。

イオン㈱SM事業戦略チームの石川大元(ひろゆき)さん。
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イオンビジネススクール(ABS)講義の打合せ。

ABCの冒頭講座で、結城義晴のチェーンストア理論、
商業の現代化論と商業哲学を話す。

石川さんの熱心さに感謝し、著書にサインしてプレゼント。
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その後、ファイブ・ア・デイ協会理事長の池田健太郎さん(私の隣)と、
フレッシュMDホールディングス㈱社長の堀内達生さん、
フレッシュリミックス㈱取締役FMD事業本部長の福家裕香里さんが来社。
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堀内さんは㈱ドール社長を経た後、独立し、
青果物のコールドチェーン・システム会社を立ち上げた。
だから、青果物流通の日米の相違がよくわかっている。
90分にわたるディスカッションは、とても面白かった。

アメリカの青果流通や食肉流通、
それぞれのマーチャンダイジングの体系を学ぶ機会を、
つくらねばと改めて感じた。

今週は、結城義晴のブログ[毎日更新宣言]を始めて以来、
1週間で最高のアクセス数記録をつくった。
読者のみなさんに、心から感謝したい。

良い週末を。

被災地のみなさんが、
安心して眠ることができるよう。
そして彼らにどんなものでもいい、体を動かす仕事が与えられるよう。
祈りたい。

<結城義晴>

2011年04月21日(木曜日)

「震災特需」と「商人の品格」

商人舎ホーム―ページの巻頭に、
桜の絵柄の「東北関東大津波大震災へのメッセージ」と並べて、
日の丸富士の「東日本大震災チャリティセミナー」のお知らせを載せました。

ご協力、ご参集を、要請します。

私は、5月12日(木)の12:30から、
この企画のトップバッターで、
メッセージを発信します。

夕方の17:00に終わる最終講座まで、
私もともに会場で、被災地の商人を支援し、応援します。
その会場は、大阪・中之島のリーガロイヤルホテル大阪。

さて、この商人舎ホームページの巻頭テロップ。
「流通ニュース」

商人舎と同志のように提携していて、
あくまで客観的に、第三者的に、冷静に、
小売流通・サービス業のニュースを提供し続ける。

その流通ニュースの画面上段にボタンが並ぶ。
左から、HOME 経営戦略 店舗 月次売上
決算 商品 トピックス IT 海外

この左から4番目の「月次売上」をクリックする。

そうすると、「ニュース一覧(月次売上)」の下に、
記事ごとの見出しが、ずらっと出てくる。

その見出しに表わされているのは、
協会、企業ごとの3月の売上高前年同月比。

4月20日段階の記事タイトルだけだが、
全部、抜き出してみよう。

* コンビニエンスストア/3月の全店売上9.2%増、既存店7.7%増 (2011年04月20日)
* セブン-イレブン/3月の売上12.2%増、既存店9.5%増 (2011年04月20日)
* マツモトキヨシHD/3月の全店売上高15.2%増、既存店7.3%増 (2011年04月20日)
* AOKI/3月の売上2.0%減、既存店2.8%減 (2011年04月20日)
* モスバーガー/3月の売上3.7%減、既存店2.7%減 (2011年04月20日)
* ゲンキー/3月の売上33.4%増、既存店は24.0%増 (2011年04月20日)
* カスミ/3月の売上高1.5%増の177億円 (2011年04月19日)
* ヤオコー/3月の全店売上高20.4%増、既存店9.6%増 (2011年04月19日)
* アークス/3月の売上5.6%増、既存店3.9%増 (2011年04月19日)
* 吉野家/3月の売上3.1%減、既存店0.8%増 (2011年04月19日)
* CCC/3月の売上0.1%増、既存店2.1%減 (2011年04月19日)
* J.フロントリテイリング/3月の百貨店10.9%減、SM3.2%増 (2011年04月18日)
* 高島屋グループ/震災で、3月の百貨店総売上16.8%減 (2011年04月18日)
* H2O/3月の百貨店9.7%増、SM4.3%増 (2011年04月18日)
* グローウェルHD/3月の売上22.7%増、既存店16.9%増 (2011年04月18日)
* コスモス薬品/3月の売上22.2%増、既存店10.7%増 (2011年04月18日)
* 青山商事/3月の青山商事の売上2.0%減、既存店3.0%減 (2011年04月18日)
* キタムラ/3月の売上16.7%減の83億3600万円 (2011年04月18日)
* 日本KFC/3月の売上、KFC0.4%増、ピザハット10.4%減 (2011年04月18日)
* 神戸物産/3月の売上高18.3%増の135億円 (2011年04月18日)
* マックスバリュ西日本/3月の売上11.3%増、既存店0.7%増 (2011年04月15日)
* マルエツ/3月の売上12.8%増、既存店8.2%増 (2011年04月15日)
* マックスバリュ東海/3月の売上13.9%増、既存店6.9%増 (2011年04月15日)
* マックスバリュ東北/3月の売上6.1%増、既存店6.7%増 (2011年04月15日)
* 大黒天物産/3月の売上14.4%増 (2011年04月15日)
* カネ美食品/3月の売上0.8%増の67億円 (2011年04月15日)
* ユニー/3月の売上0.9%減、既存店0.9%増 (2011年04月14日)
* コーナン商事/3月の売上11.0%増、既存店は9.3%増 (2011年04月14日)
* ゲオ/3月の直営店売上6.9%増、既存店1.9%増 (2011年04月14日)
* 日本通信販売協会/2月の売上2.5%増の1210億円 (2011年04月14日)
* アルペン/3月の全店売上11.4%減、既存店13.5%減 (2011年04月14日)
* マックスバリュ北海道/3月の売上8.9%増、既存店6.8%増 (2011年04月14日)
* コロワイド/3月の売上21.0%減、既存店13.8%減 (2011年04月14日)
* コナカ/3月の売上22.6%減、既存店17.1%減 (2011年04月14日)
* セブンネットショッピング/3月はジャニーズ関連商品が好調 (2011年04月14日)
* 三城ホールディングス/3月の売上2.2%減、既存店は0.7%増 (2011年04月14日)
* スーパーバリュー/3月の売上高12.8%増 (2011年04月14日)
* スギHD/3月の売上16.5%増、既存店11.7%増 (2011年04月13日)
* カワチ薬品/3月の売上6.4%増、既存店は4.4%増 (2011年04月13日)
* ココカラファイン/3月の全店78.6%増、既存店10.2%増 (2011年04月13日)
* サイゼリヤ/3月の売上7.4%減、既存店は11.2%減 (2011年04月13日)
* かっぱ寿司/3月の売上19.5%減の59億円 (2011年04月13日)
* カカクコム/3月の総ページビュー5.1%減の12億2827万 (2011年04月13日)
* ジョイフル/3月の売上1.8%減、既存店1.7%減 (2011年04月13日)
* ローソン/3月の全店売上10.0%増、既存店7.2%増 (2011年04月12日)
* ヤマダ電機/3月の売上高15.7%減、店舗数は2726店へ (2011年04月12日)
* ビール類市場/3月は震災で初めて新ジャンルが前年割れ (2011年04月12日)
* サークルKサンクス/3月の既存店日販5.5%増48万6000円 (2011年04月12日)
* 良品計画/3月の売上10.7%減、直営既存店18.2%減 (2011年04月12日)
* ココス/3月の売上13.1%減、既存店は7.2%減 (2011年04月12日)
* スリーエフ/3月の既存店平均日販13.7%増の48万4000円 (2011年04月12日)
* ファミリーマート/3月の売上12.6%増、既存店日販5.2%増 (2011年04月11日)
* コメリ/3月の売上17.7%増、既存店12.8%増 (2011年04月11日)
* ビックカメラ/3月の売上高12.1%減 (2011年04月11日)
* ミニストップ/3月既存店平均日販9.6%増の48万5000円 (2011年04月11日)
* PLANT/3月の売上9.2%増、スーパーセンター9.6%増 (2011年04月11日)
* 王将フードサービス/3月の既存店売上6.7%減 (2011年04月11日)
* 大塚家具/3月の全店売上高15.0%減 (2011年04月11日)
* ポプラ/3月の既存店日商4.2%増の37万6000円 (2011年04月11日)
* ハニーズ/3月の売上28.1%減、既存店27.7%減 (2011年04月11日)
* マクドナルド/休業店舗の影響で、3月の売上12.8%減、既存店7.3%減 (2011年04月08日)
* ケーズHD/3月の売上27.5%減、既存店は31.3%減 (2011年04月08日)
* バロー/3月のSM事業売上20.2%増、既存店7.3%増 (2011年04月08日)
* ゼビオ/3月のゼビオ全店売上10.2%減、既存店15.5%減 (2011年04月08日)
* スターバックス/3月の売上6.8%減、既存店10.1%減 (2011年04月08日)
* ワタミ/3月の売上17.9%減の58.8億円 (2011年04月08日)
* 原信ナルスHD/3月のSM売上11.0%増、既存店8.5%増 (2011年04月08日)
* 大庄/3月の売上23.0%減、既存店21.1%減 (2011年04月08日)
* マックスバリュ東海/3月の売上13.9%増、既存店6.9%増 (2011年04月07日)
* サンエー・インターナショナル/3月の売上19.6%減、既存店21.7%減 (2011年04月07日)
* スタートトゥデイ/3月の商品取扱高5.4%増の41億7300万円 (2011年04月06日)
* すき家/3月の売上14.6%増、既存店は7.0%増 (2011年04月05日)
* パルコ/3月の仙台店売上げ64.8%減 (2011年04月04日)
* チヨダ/2月の売上18.7%減、既存店17.5%減 (2011年04月04日)
* オークワ/3月の売上6.0%増、既存店2.9%増 (2011年04月04日)
* ABCマート/3月の売上10.8%減、既存店は11.0%減 (2011年04月04日)
* ユナイテッドアローズ/3月の売上18.9%減、既存店は17.0%減 (2011年04月04日)
* ポイント/3月の売上8.8%減、既存店は21.4%減 (2011年04月04日)
* カッパ・クリエイト/3月は売上高24.7%減 (2011年04月04日)
* アークランドサカモト/3月度の既存店売上8.8%増 (2011年04月04日)
* ジーフット/3月の売上6.6%減、既存店13.7%減 (2011年04月04日)
* ブックオフ/3月の売上7.0%減、既存店10.9%減 (2011年04月04日)
* 三越伊勢丹HD/3月の売上は三越銀座店11.6%増、伊勢丹新宿店24.7%減 (2011年04月01日)
* ユニクロ/震災の影響で3月の既存店売上10.5%減 (2011年04月01日)
* 大丸松坂屋百貨店/3月の売上高9.6%減 (2011年04月01日)
* 高島屋/3月の関東地区店頭売上25.9%減も月末は回復傾向 (2011年04月01日)
* 阪急阪神百貨店/3月の阪急本店3.3%減、阪神本店4.1%減 (2011年04月01日)
* ニトリ/3月の全店売上高8.5%減、既存店17.2%減 (2011年04月01日)
* JR名古屋タカシマヤ/3月の売上2.1%減の90億3600万円 (2011年04月01日)
* 松屋/3月の銀座本店31.6%減 (2011年04月01日)
* 松屋フーズ/3月の売上12.5%増、既存店7.5%増 (2011年04月01日)

凄いニュース量だが、
業態別にまとめると、
食品スーパーマーケットの3月の成績は、
二桁の伸び。

被災したカスミは、売上高1.5%増の177億円 。
同じくマックスバリュ東北は、売上6.1%増、既存店6.7%増。

しかし、それ以外の企業。

ヤオコー/全店売上高20.4%増、既存店9.6%増
バロー/SM事業売上20.2%増、既存店7.3%増

神戸物産/売上高18.3%増の135億円
大黒天物産/売上14.4%増
マルエツ/売上12.8%増、既存店8.2%増
マックスバリュ東海/売上13.9%増、既存店6.9%増
マックスバリュ西日本/売上11.3%増、既存店0.7%増
原信ナルスHD/SM売上11.0%増、既存店8.5%増

北海道は少しだけ、ちがった。
アークス/売上5.6%増、既存店3.9%増
マックスバリュ北海道/売上8.9%増、既存店6.8%増

コンビニも各チェーンとも好調。
セブン-イレブン/売上12.2%増、既存店9.5%増
ローソン/全店売上10.0%増、既存店7.2%増
ファミリーマート/売上12.6%増、既存店日販5.2%増
サークルKサンクス/既存店日販5.5%増48万6000円
ミニストップ/既存店平均日販9.6%増の48万5000円
スリーエフ/既存店平均日販13.7%増の48万4000円
ポプラ/既存店日商4.2%増の37万6000円

ドラッグストアはいずれも、超絶好調。
ココカラファイン/全店78.6%増、既存店10.2%増
ゲンキー/売上33.4%増、既存店は24.0%増
グローウェルHD/売上22.7%増、既存店16.9%増
コスモス薬品/売上22.2%増、既存店10.7%増
スギHD/売上16.5%増、既存店11.7%増
マツモトキヨシHD/全店売上高15.2%増、既存店7.3%増
カワチ薬品/売上6.4%増、既存店は4.4%増

ホームセンターも、絶好調。
コメリ/売上17.7%増、既存店12.8%増
コーナン商事/売上11.0%増、既存店は9.3%増
アークランドサカモト/既存店売上8.8%増

対して、百貨店、総合スーパーの大型店業態、
ファッションチェーン、専門店チェーン、
さらに外食チェーン、みな悪い。
こちらはずっと続くトレンド。

何しろユニクロまでが、
前年対比マイナス10.5%。

「震災特需」
それがあった業態と地域。
それがなかった業態と地域。

鮮明に浮かび上がった。

そこで、「特需」を受けた企業群は、
どう行動するか。

もちろんこれは、
「未来の自分の売上げの先食い」
という側面もある。

ただし3月にはすべての企業が、
特売を控えた。

すなわち定価で販売し、
これだけの売上げ増だった。
粗利益は上がっただろうし、
営業利益も出たはず。

今日は、はっきりと言っておこう。

被災した企業や地域は、
壮絶だ。

「震災特需」の利益。
いかに使うかが、
商人の品格である。

本当の志が、わかる。

さて昨日は、
商業経営問題研究会(通称RMLC) の4月例会。
この日の会場は、港区虎ノ門。
日本チェーンストア協会会議室。

会議室には歴代の協会長の顔写真が並ぶ。20110421185629.jpg

初代会長の㈱ダイエー創業者の中内功さん、
二代目のイオン㈱名誉会長の岡田卓也さん、
三代目の㈱セブン&アイ・ホールディングス名誉会長の伊藤雅俊さん。
皆さん、お若い。
20110421185753.jpg
しかし、凄い写真が並びます。
みな、志と品格を備えた知識商人ばかり。

その歴代協会長の皆さんに見つめられて始まったRMLC。
今回は高木和成代表世話人の紹介で、
㈱やまと社長の小林久さんが、
ゲストスピーカーを務めてくれた。
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やまとは、山梨県内のローカル・スーパーマーケット。
本部がある韮崎市を中心に、
12店舗を展開し、年商62億円。

10年前に、先代から引き継いだ時には、赤字会社だった。
それからの「破たんスーパーマーケットの再生物語」を、
2時間ほど話してもらった。
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「高齢化が進む地域で、やまとは60から70代がターゲット」
「居抜き物件、競売物件でローコスト経営に徹する」
「人が嫌がること、まねのできないことをやる」
「店はお客を選べないが、お客は店を選べる」
「だから、一流の地域三番手になろう!」

やまとは、500グラム298円の弁当をつくり、売る。
500グラム一律だから、
おかずが少なければご飯の量が多く、
トンカツ弁当のように重量がかさむと、ご飯が少ない。
これがお小遣いの限られたお年寄りや若者に大人気。

震災後は300円に値上げし、
4円分を義援金にしている。
1年にすれば500万の寄付になる。
これを「10年間は続ける」という。

さらには、家庭の生ゴミを店頭で回収。
堆肥化して、契約農家に無料で提供。
できた野菜はやまとで販売するというエコの取り組み。

生ごみを持ち込んだ会員のカードには、
5円分のポイントを付ける。
生ごみを処理してもらって、ポイントがふえる。
お客には二重のメリットだが、小林さんは、
「わざわざ持参したお客への感謝だから」。

やまとは計画停電のときにも、営業を続けた。
お客が車のライトをつけて、その間、
店内を照らしてくれたという。

まさに、地域密着。
糸井重里さんいうところの「親しい商売」。

4月例会の後半は、
結城義晴の東北関東大津波大地震現地レポート。

写真を見ていただきながら、
被災地の小売業の活躍を報告し、
私なりのまとめを話した。
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隣は「飯能の流通仙人」こと、杉山昭次郎先生。
久しぶりに飯能から参加いただいた。

さらにこの日は、
㈱ライフコーポレーション常務の並木利昭さんも参加。
並木さんも被災した石巻市に支援物資を持って訪問した。
改めてライフラインを守るスーパーマーケットの役割を実感したと語った。
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講演後に小林さん、 高木和成さんと写真。
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元気いっぱいの小林さんの経営。
「一流の地域三番手」とは、
多分、フィリップ・コトラーのいう「ニッチャー」のことを、
意味するんだと思う。

一番手のマーケット・リーダー、
二番手のマーケット・チャレンジャーに対して、
三番手以下のフォロワーではなく、

ポジショニングを確立したニッチャーになろうということだ。

それを「一流の」という形容詞をつけて表現した。

規模も有効だし、
それがなければできないことがたくさんある。
しかし規模があってもできないことが、
これも山ほどある。

どんな役割を選ぶか、
それに徹することができるか。

これが「親しい商売」の鍵を握ることだ。

そしてそれが商人の品格となる。

<結城義晴>

2011年04月20日(水曜日)

「東北関東大津波大震災」現地レポート「終章 親しい商売と親しいコミュニケーション」

昨夜20時46分25秒、
岩手県大船渡市の米谷春夫さんから投稿コメント。
そう、㈱マイヤ社長。

「今度こそ、当社の幹部以下社員を、
自慢したい気持ちでイッパイです。
私は素晴らしい社員を持っていると誇りに思います」

「天災は例外なくいつでもどこにでも到来します。
マイヤの対応から、
良い面も悪しき面も教訓にして頂ければ幸いです」

「明日20日は全社のチーフ以上を震災後初めて集め、
51期方針発表会及び50期表彰式を、
大船渡から1時間の遠野市で行います」

「マイヤは二度目の誕生!!」
を声高らかに訴え、
たくましく前進していく機会にしたいと思います。

「乞うご期待!! マイヤ」です。

頑張れ、マイヤ。
負けるな、マイヤ。

私も声をかけたくなる。

するとマイヤが遠野市で方針発表会を開催する今朝、
9時17分22秒、 爾今翁(ジコンオウ)さんからコメント。

「すごい人がいるもんだ。
近くに店舗があれば
顧客になりたい」

「心がすさみ 疲れがどっと出て
ベッドに伏せるこの頃

瓦礫をまたぐ生活
この記事で元気をもらった」

「しかし 爺ちゃんは 人知れず
コメントを呼んで 号泣した」

私は朝から、
爾今翁さんのコメントを読んで、
人知れず、泣いた。

この大きな震災の後、
様々なマーケットが変化していく。
小売市場にも、いくつかの変化が現れる。

第一に、小売業の寡占化が進む。
極めて冷静に見ると、これは確かだ。

日本の小売業は2007年商業統計で、
113万6755店。
10年前の1997年が141万9696店であったから、
28万2941店の減少で、マイナス19.9%。

1年に3万店近くの減少が続いた勘定。

売上高は134兆5717億円で、、
147兆7431億円から8.9%のマイナス。

つまり、黙っていても店数減少の傾向だったものが、
この津波と地震の被災によって、
東北三陸沿岸や北関東で激減する。
マインドとしては全国に、これは広まる。
あの津波にさらわれた街の店店が、
どれだけの意志を持って復興するのだろう。

今朝の日経MJの囲み記事「消費見所・カン所」に、
イオン㈱社長の岡田元也さんがコメント。
この大震災の教訓として、
「小売業の業界再編」が促されると分析。

「本部集中による効率化を進めてきたが、
コンピューターシステムや物流の拠点を分散するなど、
従来のやり方を変えなければいけない」

「店舗の免震構造」など「防災投資」がかさむ。
だから「他社との連携を選ぶ小売業が増える」

ナショナルチェーンは地方分散化を進め、
それでいて投資額は過大化する。

だから「企業の統合が進む」という「見立て」。

これもクールな判断だろうし、
イオンのグループ戦略と同期する。

実際、この震災では、
ナショナルチェーンが活躍した。

イオン、セブン&アイ・ホールディングスの両雄。

それに、CGCジャパンの大奮闘。
さらに全日食チェーン、セルコ・チェーンも。
こちらはボランタリーチェーンのナショナルチェーン。

私は、この傾向は進むと考える。

何しろヨークベニマルのようなリージョナルチェーンですら、
全域で被災してしまった。

ベニマルもセブン&アイのグループであったことで、
さまざまな恩恵をこうむった。

マイヤもマルトも、
ジョイスもベルプラスも、
CGCジャパンに加盟していた。
そしてその本部や仲間の企業の協力、助力が、
企業の存続に貢献した。
岡田さんの言う「連携の選択」である。

この全国チェーン化が進むことが、
第二の変化。

つまりレギュラーチェーンとボランタリーチェーンにおける、
ナショナルチェーンの競争レベルとなる。

どちらがいいとも断言はできない。

もちろん私は日本の小売業界を、
「大きな自然の森」にたとえている。

大木もあれば、雑木もあるし、
雑草もある。

みな、底力のある大木、雑木、雑草。
それが自分の顧客を定めて、
ポジショニングを鮮明にしながら、
一所懸命に生きる。

この時、必ずしも大木が強いとはいえない。
雑木や雑草が、いつも弱いともいえない。

何しろ生命力のある者だけが残っているのだから。

マイヤ、マルトを見ていると、
それが実感できるし、確信できる。

ここでいう生命力とは、
第一に米谷春夫さんのいう「ファイティングスピリッツ」であり、
第二に顧客や地域と店との強い関係性である。
それを米谷さんは「お客様が優しくなった」と感じた。

第三の変化は、この顧客と個店の親密性である。
ますます親密に、ますます親しくなる。

これまた今朝の日経MJの最終面に糸井重里登場。
自身も東京糸井重里事務所という会社を経営し、
社員50人年商20億円強のビジネスを展開する。
「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営しながら、
商品づくりなどの商売をしている。

その糸井さんは、
「親しい商売が楽しいよね」という。

「1万人の潜在顧客で十分成り立つ商品は山ほどある」
これが21世紀の糸井流商法。
ナショナルブランドメーカーから見ると、
完全な異質の「小商圏主義」。

1万人で成り立つ「親しい商売」
そのための「親しいコミュニケーション」

寡占化の方向に進みつつ、
ナショナルチェーン化が進行する中で、
それらの条件の上位に来るのが、
「親しい商売」である。
私もまったく同感。
㈱商人舎もこの方針だ。

東北関東大津波大震災のあと。
「親しい商売」ができる店や会社に、
輝く未来が待っている。

私はそれを、確信している。

「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」

復旧・復興を成し遂げよ。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
「親しい商売」に向けて邁進せよ。

では、これにてひとまず、
「東北関東大津波大震災」現地レポートの「終焉」。
永らくのご愛読、心から感謝。

<結城義晴>

2011年04月19日(火曜日)

「東北関東大津波大震災」現地レポート「九章 大船渡マイヤ、二度目の誕生」

昨日のブログ「吉野の桜」は、
凄いアクセス数。
ありがとうございました。

こういった明るいニュースや話題が、
今、強く求められてもいる。
そのことが良くわかりました。

吉野ストア社長の安川光男さん、
ほんとうに、ありがとう。

それでも東北関東大津波大震災の現実は、
もとにもどらないし、消えてなくなりはしない。

このことにも真正面から、
向き合っていかなければならない。

日経新聞最終面の『交遊抄』。
指月電機製作所社長の梶川泰彦さんと、
秋田県羽後町の大江尚征町長の交流の話。

梶川さんの指月電機の出産祝い金制度、
「第1子に3万円、第2子に2万円、第3子に1万円、
第4子以後は祝い金は無し」
だった。
なんというか、これが普通の感覚。
下村湖人作『次郎物語』など、
この感じを強く持つ。

家長主義か、長男偏重の表れか。

梶川さんは社員と相談しながら、それを変えた。
「第1子に10万円、第2子に20万円、
第3子に30万円・・・」

累進的に増額する制度。

とっても、いいことです。

これを国や市町村も、
やらねばいけない。

梶川さんの会社では、
「制度を変えて1年ほど経たあたりから、
双子誕生の話など喜ばしい話を社内で聞くようになった」

国や市町村でも、
こんなふうにならなければいけない。

これを大がかりにやる必要があると思う。
一郎・太郎だけでなく、
次郎・三郎・四郎・五郎が、
家族だけでなく社会全体から、
おおいに祝福されねばならない。

さて「東北関東大津波大震災・現地レポート九章」
岩手県大船渡の㈱マイヤの巻。

あらためて、
亡くなられた皆様に追悼の意を表し、
心からご冥福をお祈りしたいと思います。

本当につらい出来事だったが、
まずはユーチューブを見ていただこう。
大船渡の津波のビデオ。
地元カメラマンによる9分23秒の映像。
[youtubeID:1Fbv9vVo80g]

大船渡の隣の陸前高田でも、
北の釜石、宮古でも、
宮城県の石巻でも。

津波は容赦なく、
人家や店舗をさらっていった。
もちろん尊い人命も奪い去った。

朝日新聞4月5日の夕刊の記事。
「岩手 スーパー屋上の夜」

「津波が襲った日、岩手県のスーパーの屋上に、
多くの従業員や住民が取り残された。
店内に流れ着いた人を救ったり、
隣のビルに食べ物を運んだりして支え合った。
店員たちはいま、被災地に食料品を届けている。

同県陸前高田市のマイヤ高田店。
店長の新沼善寛さん(59歳) は3月11日、
3階建ての店舗の外階段を必死に駆け上がった。
下を見ると、駐車場の自分の車が波にさらわれていった。

客や従業員の多くは、津波が来る前に避難させていた。

屋上には、
最後まで店内の確認をしていた従業員や避難に来た住民、
消防団員ら13人が残った。

親子らしい女性と女の子が、
屋根の上にしがみついたまま、
沖に流されていくのが見えた。
『どうすることもできなかった』

水が少し引くと、3階はがれきの山。
燃やして暖をとろうと、
がれきを取りに行った従業員が叫んだ。
『人がいる』。

3階の天井の骨組みにずぶぬれの男性がつかまっていた。
市役所の職員が、波にのまれて運ばれていた。
職員を抱えて下ろし、消防団員が着ていた上着を着せた。

夜はコンクリートの上に発泡スチロールを敷き、
暖を取るため段ボールを体に巻き付けた。

翌朝、ヘリコプターが救助に来た。

同県大船渡市のマイヤ本店の屋上にも、
従業員や住民ら計59人が残された。

同社販売部のマネジャーの伊藤長一さん(59歳)は午後7時ごろ、
斜め向かいのホテルの屋上に避難していた人たちの叫び声を聞いた。
『食べ物がない』。

5階建てのスーパーは3階まで浸水したが、
4階には売り物の菓子類があった。

ただ、スーパーの屋上から、
ホテルの屋上までは約20メートル離れている。
伊藤さんたちは店内から荷造り用のビニール製のひもを見つけ、
その先にボールを結び付けた。

野球の経験がある従業員が、
本店屋上から向かいのホテルの屋上目がけて投げた。
何度も失敗した後にようやく届き、
菓子をいっぱい詰めたスーパーの買い物かごの持ち手にひもを通した。

スーパーとホテルの高さの違いを利用して、
ロープウエーのように買い物かごを移動させてホテル屋上に届けた。

マイヤは岩手県沿岸部を中心に16店を展開する地元スーパー。
津波で6店が店ごと流されたり、全半壊の被害を受けたりした。
従業員7人が亡くなり、約20人の行方がいまも分からない。

それでも、地震4日後から、
陸前高田市の小学校で食糧品の出張販売を始めた。
少しずつ、販売場所を増やしている。

新沼さんは
『こういう時こそ、
地元スーパーとして、
住民の力になりたい』

と、力を込めた」  〈長富由希子〉
〈全文掲載〉

4月7日の夕方、私は相棒の鈴木國朗さんと、
大船渡のマイヤ大船渡インター店に到着。
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駐車場は満杯だった。

この店が現在、
マイヤの仮設本部となっている。
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店の裏の搬入口から、
バックヤードに入って行った。

店長室を外の小窓から覗きこむと、
社長の米谷春夫さんが、机に座って、
一心不乱に、パソコンに何か打ち込んでいた。

静かに扉を開けて顔を見せると、
目があった。
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足を踏み入れ、
近寄って、
両手で固い握手。

それだけで、
涙が込み上げてきた。

3月11日、米谷さんは東京にいた。
CGCジャパンの会合が開かれる予定だった。

しかしあの大きな地震。
米谷さんは東京在住の妹さんに車を手配してもらって、
24時間、一般道を走り通しで地元にもどった。

その間、朝日新聞の記事のように大船渡本店では、
幹部をはじめとして伊藤マネジャーたちが、
陸前高田店では新沼店長が、
必死の努力を重ねていた。

それでも、すぐに停電、断水、それに余震。

幹部の判断で、被災を免れた大船渡インター店では、
被災した店舗を片付けつつ、
震災当日の11日から、
店頭販売が始まった。

駐車場にワゴンを持ち出し、
水やカップめんなどを、
50円ポッキリで売った。

お客さんが、どっと押し寄せた。
13日早朝、そんな中に米谷社長帰還。

しかし米谷さんの陸前高田の自宅は津波にさらわれて、
すべてを持っていかれた。

大事なものや先祖代々受け継いだ品々、
思い出の品など、一切が無くなった。

そのうえ、86歳のお母様、
奥様、ご長男の安否も不明だった。

あとでわかったことだが、
奥様は無事に避難していた。
長男は山田町で被災し、
自分の後ろの車まで、
水で持って行かれるという間一髪のところで、
助かった。

お母様はいまだに安否がわからない。

それでも米谷さんは、地元にもどって、
一日も休まず、働き続ける。

それは、マイヤがスーパーマーケットだから。
地域の最大のライフラインだから。

この三陸には、
「30年以内に99%の確率で大地震がくる」
そう言われていた。

だから入念に対応策を施していた。
避難訓練は欠かさなかった。
緊急マニュアルも整備していた。
倒壊防止の設備も装備した。

ただこれだけの津波は考えていなかった。

大船渡本店は5階建ての大型店だった。
25メートルの津波はその3階まで来た。

大船渡は4店舗のうち本店、中央店、綾里店の3店舗が全壊半壊、
市街地からちょっと離れたインター店だけ残った。

陸前高田は高田店とリプル店の2店舗、大槌町はマスト店が、
それぞれ全壊あるいは半壊で営業停止した。

16店のうち大型店3店を含む6店が休業。
会社にとっては大きな痛手となった。

マイヤは1961年に、
「株式会社主婦の店大船渡店」として設立された。

その前年の1960年、
三陸地方は大きな災害に見舞われた。

「チリ地震」である。

1960年、5月22日、チリ中部近海で発生し、
首都サンティアゴ始め、全土が壊滅状態に陥ったとされる。

有史以来観測された中で最大規模の巨大地震で、
この地震によって発生した地震波は地球を3周した。

本震発生から約15時間後にハワイ諸島が津波に襲われ、
さらに約22時間後、最大6mの津波が三陸海岸沿岸に訪れた。
大船渡市で53人、南三陸町で41人が亡くなった。

マイヤはこのチリ地震の津波の助成金を元手に、
1961年にスタートした会社である。

その後、1979年、CGCジャパンに加盟、
1979年、株式会社マイヤに商号変更。
1980年代は多店化を進めていく。
1981年、釜石市に㈱釜石マイヤ設立、
1993年、㈱釜石マイヤを吸収合併、
同時に大槌町シーサイドタウン「マスト」のキーテナントとして出店。
1998年には、宮城県気仙沼市に県外1号店・気仙沼バイパス店をオープン、
さらに2001年、岩手県央地域1号店として、盛岡市に青山店をオープン。

三陸地方のローカルチェーンストアとして、
16店200億円の体制を築いていた。

中心となる陸前高田ではシェア8割、
大船渡では45%。

しかしチリ地震からちょうど半世紀、50年後に、
ふたたび地震と津波によって、6店舗を失った。

この5年間は増収増益を果たし、内部留保もし、
今期は過去最高益を出す勢いだった。
社員・従業員には決算賞与を計画していた。

その矢先の壊滅的な震災。

しかし米谷社長始め、
幹部・社員・従業員の士気の衰えは、
微塵もない。

それが今の、
インター店に満ち溢れている。

「ファイティングスピリッツは健在です」
米谷さんは言う。
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3月18日に、復活宣言。
ホームページに熱いメッセージを掲載した。
私も感動し、ブログで紹介した。

「マイヤは、陸前高田の2店舗、
大船渡4店舗のうち3店舗、大槌町のマストが
それぞれ全壊あるいは半壊で営業停止しましたが、
大船渡インター店はじめ、10店舗で営業中です。
このような非常事態だからこそ、
食のライフラインを支える使命を重く認識し、
できるかぎり精一杯の商品供給に努めております。

愛して止まないふるさと・岩手の暮らしを守るため、
従業員も必死に頑張っています。
失くしたものをいつまでもくよくよせず、
残されたものに希望を託して、
一日一日をスクラムを組んで乗り越えていきましょう。

平成23年3月18日
株式会社 マイヤ 代表取締役社長 米谷 春夫」
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私は声援を送った。

頑張れ、マイヤ。
負けるな、マイヤ。

3月27日、米谷さんから、ブログに返礼コメント。
「掲載してくださって感謝申し上げます」

「とにかく大船渡と陸前高田市6万人の
ライフラインを守るため必死です」

「まだまだ商品が足りません。
防災協定を締結している3市1町にも
まだまだ供給をしなければなりません。
調味料や日配品などまったく不足しています」

「家族を失い自宅を失いながらも
避難所から通勤している従業員も多数ですが
皆んな前途に眼を向けて明るくたくましく頑張っています。
ファイティングスピリッツも健在です」

「いまこそSMの社会的地位を高める機会でもあります。
宜しくご支援くださいませ」

そのマイヤにCGCジャパン本部や東北CGC、
関東信越のCGCの仲間の企業から、
さらに主婦の店チェーンの仲間の企業からも、
次々に支援物資が送られてきた。

現在イオンと資本提携している元「主婦の店秩父」のベルクからも、
8トンの水やコメが届いた。

原島功社長からは、
「なんでも足りないものは送るから」と、
温かい電話が入った。

米谷さんは、
ベルクのレジ袋を送ってもらって、
使った。

現在は、店がなくなった分、
4カ所に出張販売所を設けて、商品を提供している。
さらに移動販売者に商品供給して、
売ってもらっている。

これらも地域のライフラインを守る役割を、
おおいに果たしている。

大船渡インター店を見ると、大繁盛。

そのレジの天井付近は抜けた。
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青いビニールシートをかけて営業している。
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4月7日段階では、
店のコンディションは、
むしろ東京・横浜の都心店などよりも、
充実していた。
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奥主通路も、あくまで明るく、快適。
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納豆など、日配品も品切れが少ない。
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精肉の品揃えもご覧の通り。
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店は不思議だ。
あんな激震が走ったというのに、
今では、何もなかったかのようだ。
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淡々と商品がつくられ、手当てされ、
並べられ、売られる。
お客さんは、淡々と買っていく。
ただし、「優しくなった」
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島陳列もいっぱいに積み上げてある。
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惣菜・米飯の品ぞろえも、
欠かせない。
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水とおにぎりばかり食べてきた被災地の人々に、
パンは重要で新鮮な商品だ。
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大船渡の3店舗が営業停止しているために、
インター店への来店客数は凄い。

盛岡の店のパートタイマーさんが、
自分で染めた「のぼり」を贈ってくれた。
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「地域の皆様と共に・・・
がんばろう!岩手」

米谷さんは宝物のように、それを掲げる。

米谷さんがインター店の売場に出ていると、
お客さんから声がかけられる。
「社長、ありがとう」

米谷さんが家を失い、着るものもなくしたことを知るお客さんは、
「下着だけど使って!」とプレゼントしてくれる。

米谷さんは述懐する。
「お客さんの表情が変わってきました」

どう、変わったのか。
「お客さんが優しくなった」

これこそ、
ライフラインを守りきったマイヤに対する地域からの評価である。
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1960年のチリ地震の助成金で始まったマイヤ。
2011年の東日本大地震で大きく被災する。
しかし本当に幸いなことに、
お客様、従業員ともに、
店にいた人々からは、
一人も死傷者が出なかった。
出勤者は全員、無事だった。

そのうえで、
故郷のライフラインを守りきる。
そうするとお客さんは、
優しくなる。

宮城県気仙沼市の熊谷電気㈱社長・熊谷光良さんは、
米谷さんの友人である。
商業界の気仙沼同友会のリーダーで、
私も尊敬する経営者。

その熊谷さんが語る。
「建物も商品もみんな流されてしまいました。
しかしお陰様で、家族も社員も全員無事でした。
多くのものをなくしたけれど、
商売で大切なものはひとつも失っていない」

マイヤにも、まったく同じことが当てはまる。

6店舗を失った。
しかしファイティングスピリッツは健在である。
そのうえお客様は優しくなった。

マイヤにとって、
商売に大切なものは全部、
残った。


かつて商業界の指導者・新保民八が絶叫したように、
それはマイヤが50年ぶりに、
「二度目の誕生」を果たしたことを、
意味している。

おめでとう。
マイヤ。

第二の誕生を確認し、
次の発展を確信しながら、
米谷春夫社長と力いっぱい握手。
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マイヤは第二の誕生を機に、
次の50年を経て、
「100年企業」となるに違いない。

<結城義晴>

2011年04月18日(月曜日)

「吉野桜」の「千客万来」と「一目千本」の「言い切りと見える化」

Everybody! Good Monday!
[vol16]

2011年第16週、4月も第4週。
もうそろそろ、
ゴールデンウィークが、
見えてきました。

東日本大震災が起こったからといって、
ゴールデンウィークに、
消費をセーブする必要はない。

もちろん政府や地方自治体、
法人、個人揃って、できる限りの、
被災地復興へ向けた努力を重ねつつ、
被災しなかった地域では、
「救国の散財」に挑みたい。

どんどん消費する。
どんどん購買を促進させる。

今週は、ゴールデンウィークの前哨戦。
そのウォーミングアップ。

わくわくする提案を用意し、
矢継ぎ早に打ち出したい。

プロ野球の東北楽天イーグルスの選手が、
何か死に物狂いで野球をやっている姿を、
商売する自分に移し替えて、
必死で売場をつくり、
必死で売り込みたい。

それが私たちができることの中で、
被災地を支援する一番の仕事だ。

昨日、日本で一番混んだところ。
そのひとつに入ることは間違いない。
奈良県の吉野山。
商人舎ファミリーの安川光男さんのお招きに応じて、
急遽、駆け足で回ってきた。
安川さんは吉野ストア社長にして、
商人舎第2回USA視察チームの団長。
その時の団長方針は、
「明るく、楽しく、元気よく」
実に、全員をよくリードしてくれた。

その吉野の桜。

私は心から堪能した。

JR新幹線で京都に降り、
それから近鉄特急で吉野駅。
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外国人客や東京からの花見客が少ないとは言っても、
今年一番の出足。
駅前の茶屋は満員。
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ロープウェイ・ケーブルカーの行列の最後尾はここ。
左側がバスの行列。
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並ぶこと50分。
ケーブル乗り場の千本口駅が見えてきた。
右側は歩いて登る人々。
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ゴンドラは28人乗り。
満員の車両が4分おきに出入りして、
吉野山に人を運ぶ。
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3分で吉野山駅。
駅を降りると、人の群れ。
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「救国の散財」などと力まなくとも、
関西をはじめ西日本の人々は、
意欲満々で生活を楽しんでいる。

もちろん誰ひとり、
震災のことを忘れているわけではない。
それが私にとって一番の収穫。

吉野山駅から両サイドの土産物屋などをのぞきながら、
重要文化財・銅の鳥居へ。
日本三大鳥居のひとつ。

広島・宮島の木の鳥居、
大阪・四天王寺の石の鳥居と、
この奈良・吉野の銅の鳥居。
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宿は、鳥居のそばの辰巳屋。
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中曽根康弘さんも泊まった部屋。

その部屋から上千本・中千本の桜が見える。
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吉野山の桜名所は4カ所に分かれる。
下千本から中千本、そして上千本、奥千本。

宿を出て、仁王門へ。
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人がいっぱい。

その仁王門。
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国宝。
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右に「あ」
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左に「うん」
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仁王門から登って2分。
国宝・金峯山寺蔵王堂。
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奈良の東大寺大仏殿に次ぐ規模。
蔵王堂が吉野山の象徴。

まだまだ人並は続く。
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吉水神社の「一目千本」に人だかり。
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その「一目千本」
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上の方の桜の集まりが「上千本」。
真ん中の桜の集団が「中千本」。

これは日本人なら、
是非とも一度は、
見るべし。
富士登山と同じ。

「一目」とはビジュアライゼーション、
最近のはやりの言葉でいえば「見える化」。
それが「千本」。
もちろんきっちり1000本ではない。

しかし1000本と言い切るところがいい。

「言い切り」と「見える化」。

「一目千本」のプロモーションは、
その根本原理を見事にとらえ、
1300年以上もの間、
日本人の心をつかまえてきた。

これが凄い。

吉水神社から、さらに、
車で一番奥まで登る。
すると奥千本。
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この道を40分歩くと、
「西行庵」。
西行法師はこの山深いところで、
5年間暮らした。

奥千本の金峯神社から下って、
高城山展望台からの「見下ろす吉野桜」。
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吉水神社の「一目千本」が「見上げる吉野桜」ならば、
ここは「見下ろす吉野桜」
これも日本人なら、
一度は見るべし。
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吉野の桜は、他とは違う。

例えば、上野公園の桜。
皇居周辺・千鳥が淵の桜。
横浜・三ツ沢公園の桜。
菊名池公園の桜。
新田間川の桜。

自分の周りの桜ばかり見ていると、
自分が「井の中の蛙」であったことを、
思い知らされる。

そして、これも自然の凄さ、
人の営みの長さなど、
感じ取ることになる。
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高城山展望台から、
だらだらと七曲がりに道が続くと、
花矢倉展望台。
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ここからは桜吹雪を浴びながら、
桜のドームの中を歩く。
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極楽のごとし。
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そして後醍醐天皇陵のある如意輪寺。
ここからも「一目千本」
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右上に辰巳屋が見える。

中千本、下千本と下って、
吉野駅を過ぎ、
吉野神宮。
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大正時代にできた吉野地方の大社。
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ここには、人影が見られなかったが、
吉野の山には「千客万来」。

西行法師が住み着いた。
源義経が静御前と一緒に逃げてきた。
豊臣秀吉も千利休も、
松尾芭蕉もやってきた。

もちろん万葉の貴族たちは、
吉野の桜を愛でた。

その吉野の桜。
東日本大震災の後でも、
「千客万来」

それを支える「一目千本」

安心した。
力をもらった。

安川光男さん、
ありがとう。
そして、頑張れ。

高野、吉野、熊野。
霊験あらたかといわれる三つの「野」。

1936年に吉野熊野国立公園、
2004年、世界遺産に指定されている。

私は21世紀の日本の中核産業のひとつを、
観光だと考えてきた。

福島第一原発の事故の風評被害で、
日本の観光資源に、
大きなマイナスイメージができてしまった。

しかし吉野山の価値は、
まったく落ちてはいない。

まさに「吉野の桜の千客万来」。
これは日本を元気づける。

元気づけられるものに、触れよう。
元気づけれるところに、行こう。
元気づけられる人に、会おう。

そして自分で元気を出そう。

元気を出そうよ、
それがあなたの
仕事です。
元気を売ろうよ、
それがあなたの
役目です。

ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。

では、今週も。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

チャリティセミナー「商人支援プロジェクト」

「ひとつになろう日本!」
私は第1回の大阪会場でのトップバッターとして出講します。
テーマは「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
サブテーマは「ライフラインを担う商業人の使命感が日本を救う!」

東北関東大津波大震災を経験して、
日本のスーパーマーケットをはじめとする小売流通業は、
今後、いかに考え、どう行動しなければならないか。
消費と商売と経営はどのように変わるか。
私なりの解答を出します。

元気を共有します。

日時は、5月12日(木) 12:30~17:00。
場所は、リーガロイヤルホテル大阪。

よろしく。

2011年04月17日(日曜日)

ジジと春爛漫[2011日曜版vol16]

避難所の少女猫の仔しかと抱き
〈織田美奈子・日経俳壇より〉

ジジです。
春らんまん。
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ボクにも、
こんなときが、
ありました。
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だっこしてくれているのは、
ボクのかあさん。
なまえはミント。

ユウキヨシハルのおとうさんは、
新幹線にのって、西へ。
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フジがきれいです。
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まだまだ西へ。
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ふたつのヒコーキ雲。
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どこまでいくのか、
ボクはしりません。
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でも、まってます。

まつときには、
ねる。
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春らんまんの桜の夢でも、
みながら。
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桜の花のいのちは、
みじかい。
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さみしいものです。
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だから、せいいっぱい、
さいてください。
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せいいっぱい、
主張してください。
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ボクも、おうえんします。
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でも、ことしの桜は、
みじかかったでしょうか、
ながかったのでしょうか。
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ボクには、
あっというまにおわったように、
おもえます。
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それも、
おおきな地震と、
おおきな津波の、
せいでしょうか。
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まだまだ、これから、
桜がさくところも、
たくさんあります。

それに桜のあとには、
ツツジがまっています。
そしてなにより、
新緑がやってきます。

ちいさな喜び、
ささやかな幸せ、
あすへの希望。

おとうさんがいつも、
いいます。

とてもだいじなことだと、
おもいます。

こんやも、
被災されたみなさんが、
こころやすらかにねむれますように。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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