結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年03月10日(土曜日)

イオン㈱岡田元也社長発言「東北は成長地域に変わる」

3月11日。
明日、
あなたは何をしていますか?

私は、今日から、
立教大学新座キャンパスの太刀川記念交流会館。
ビジネスデザイン研究科の結城ゼミ、
その2012年新年度のキックオフ・ミーティング

新ゼミ生7人と、
結城ゼミのOB・OGが集まって、
研究に対する考え方や方法をレクチャーし、ヒアリングする。

集まって、議論したり、交流したり、
絆を確かめながら、3月11日を迎える。

私は「モノを考え、モノを教える」役目を果たしながら、
東日本大震災が起こった同じ日を過ごそうと思う。

亡くなられた方々のご冥福を祈りたい。

さて日経新聞の「人こと」欄に、
イオン㈱岡田元也社長が登場。

その発言が衝撃的だ。
「ビジネスモデル自体が変わった」

震災後に消費トレンドが変わるとか、
商品が変わるとか、
売り方を変えよとか、
さまざまな論議がある。

しかし東日本大震災のあとには、
被災地とその付近で、
「業態」や「フォーマット」の変化、変貌が起こる。

例えばドラッグストアが食料品、それも生鮮食品や日配、惣菜を拡充。
コンビニエンスストアでは主婦や高齢者の顧客が増加。

だから、「東北での事業展開は
既存業態にとらわれていては対応できない」。

そんなところから新しいフォーマットが誕生する。
私はそう思う。

岡田さんが語った場は、
仙台市で開かれた従業員の集い。

東北地方に関して、「市場として飽和感があった」が、
復興投資で「東北は成長地域に変わる」
岡田さんは、こう強調。

この日は東北エリアの新卒内定者が80人、参加していた。
彼らに対するエール。
「被災地での仕事は、
人々の命を支える小売りの原点を学べる。
恵まれていると思ってほしい」

私も、思う。
東北の子供たちは、きっといい大人になる。
東北の新入社員は、いい知識商人になるに違いない。

さて、先週末に行ってきた台湾旅行
結城ゼミ3期生の修了旅行。

観光編をちょっとだけ紹介。
まず、台北101
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行ってみると、
上の方は雲に煙っている。

高度382メートル。
89フロア。
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下界も煙って、
見えにくい。
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しかし下に降りてきたら、
なぜか、ピカピカの晴れ。
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残念。

中正紀念堂。
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中華民国(台湾)の建国者・蒋介石の史跡。
台湾では「蒋中正」と呼ばれる。
だから中正紀念堂。

蒋介石の像は、
ワシントンのリンカーン記念堂とそっくり。
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自由広場の両側には戯劇院=オペラハウス(左側)と、
音楽庁=コンサートホール(右側)。
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紀念堂の反対側に、
自由広場
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中正紀念堂を背景に写真。
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自由広場の門を背景に写真。
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さらに国立故宮博物院
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美術品数合計60万8985件。
世界四大博物館のひとつ。

こちらのロビーには孫文の像
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ここでも写真。
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新北市にある淡水区。
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ウォーターフロントの観光地。
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ここで舟に乗って、対岸に渡る。
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そしてムール貝の専門店。
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極めて美味。

ここでも写真。
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最後は九吩
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映画「千と千尋の神隠し」のモデルとなった観光地。
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ノスタルジックな坂の街。
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この街で最も見晴らしの良い店。
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おいしい中華料理と台湾ビール。
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一番最後の写真は、ホテルで。
全聯福利中心の初貴民さんを囲んで。
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台湾は、「世界で一番日本のことが好きな国」。
みなさんも、いちど、訪れてください。

私がお薦めします。

観光もよいし、流通小売り・サービス業の勉強にもなる。

では。

<結城義晴>

2012年03月09日(金曜日)

タブレット、スマホの時代とユースキン製薬新社屋披露会で感じたこと

今日も東京・横浜は雨。
ひと雨ごとに春。

松任谷由美の「春よ、来い」

春よ 遠き春よ
瞼閉じればそこに
愛をくれし君の
なつかしき声がする

とはいうものの、今年は、
胸の奥がざわざわしている。

あの日が迫っているからだ。

ほぼ日刊イトイ新聞の「それぞれの3月11日」
「3月11日、なにしてる?」と問いかける。

3月11日、
あなたは、
何をしていますか?

さて日経新聞3面に、
「タブレット端末、1億台時代へ」 の記事。

米国の調査会社ガートナーの昨年の予測。
世界のタブレット出荷台数は、
2011年に約7000万台だった。
それが2014年には2億2000万台に増える。

その時点で、パソコンは、
5億3000万台と予想されているから、
パソコンの半分に迫る。

今年の2012年、
米国でのタブレット出荷台数予測は3530万台。
これは個人向けノートパソコンの2950万台を上回る。

1カ月ほど前の2月7日のこのブログ。
「スマホがパソコンを逆転」 と書いた。

さらに今度はタブレットがパソコンに迫る。

タブレットの代表はアップルのiPad。
これが世界シェアの約6割。

韓国サムスン電子とグーグルの「ギャラクシータブ」、
米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」シリーズが、
iPadを追う。

マイクロソフトも今年度の「ウィンドウズ8」で、
タブレット・マーケットでの巻き返しを意図している。

タブレットは、
①パソコンの高性能
②スマホの携帯性

両者を併せ持つ。

私も月1回の会議のひとつは、
ipadを使う。

アップルのティム・クックCEO。
「タブレットはわずか2年で
普通の人々の生活に無くてはならない存在になった」。

「日本では3月16日にソフトバンクモバイルが新型iPadを発売。
KDDIも4月以降に発売する見通し」

スマホとタブレットが、
もうパソコンを追い抜き、それに迫る。

このスピード感。

しかしそれらがすべてを塗り替えてしまうわけではない。
共存しつつ、さらに便利になっていく。

インターネットのホームページからブログへ。
そしてツイッターからフェイスブックへ。

しかし、古い古い古本も残るし、
単行本は新書、文庫ジャンルも広がる。
新聞や雑誌もなくなるわけではない。

ただただチャネルやメディアの種類が増える。
そしてそれぞれにマーケットを獲得し、
定着していく。

より便利なものが最大の存在に、
そうでないものはそれなりに定着する。

1962年、エベレット・ロジャースが説いた「イノベーター理論」。
顧客は5種類に分けられる。
1.イノベーター =革新的顧客
2.オピニオンリーダー=初期少数顧客
3.アーリー・マジョリティ=初期多数顧客
4.レイト・マジョリティ=後期多数顧客
5.ラガード=伝統主義顧客

例えばラガードは、どんなマーケットにも存在する。
いまだに携帯電話を持たない人がいるし、
仕事でもパソコンを使わない人もいる。

さすがに据え置き電話は必要だろうし、
武者小路や志賀の白樺派や、
安吾、団などの無頼派の時代ように、
ハガキや電報で待ち合わせの連絡をするという輩はないだろう。

余談だが、昭和52年、
私が社会人になりたての頃、
慶応大学教授の村田昭治先生の担当になった。
村田先生はハガキ派だった。
電話すら受けなかった。

だからタブレットのipadが増えようと、
スマホパソコンを抜こうと、
それだけになるものではない。

小売業の業態では百貨店が一番古いものだし、
「業態の盛衰」という概念でとらえると、
衰退気味の業態でイノベーションが要求されてもいるのだろうが、
世界中でデパートメントストアはなくなりはしない。

タブレットとスマートフォン、
そしてパソコン。

いずれも現代ビジネスマンは、
使いこなさねばならないことにはなるが、
それだけになってしまうものでもない。

「ひとつの手段に頼ろうとする誘惑は、
これを退けなければならない」

だから手書きの文章や手紙もいいし、
ペーパーの活字もいいし、
デジタルのワープロ文字もいい。
ネットで伝播する絵文字もいいだろう。

きのうの夜は、
川崎のユースキン製薬㈱を訪れた。
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その新社屋落成披露パーティーにお招きいただいたからだが、
代表取締役社長の野渡和義さんが、
私の中学高校の器械体操部の先輩にあたるからでもある。

「ユースキン」クリームは、
昭和32年に発売された古い商品だ。
しかしその商品の機能的・品質的な強みが、
今日まで引き継がれていて、
その心意気が新社屋に表れていた。

1階は吹き抜けのギャラリー。
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ユースキン製薬のコンセプトが、
その歴史によって語られている。

2階は全フロアが研究室。
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そして3階がオフィス。
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私も㈱商業界の社長のころ、
古い古い社屋の全面改装をしたことがある。

その時の心弾む気分を思い出して、
野渡先輩や社員のみなさんの心情を察した。

4階の会議室では、
西村真児常務取締役が、
新社屋の構造やコンセプトをレクチャーしてくれた。
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環境に適応し、働きやすい空間をつくり、
なおかつ製薬会社のコンセプトを貫く。

いい会社のいい本社。

懇親会では、
野渡社長のご挨拶。
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淡々としていて、
しかもユーモアがあって、
社員を大事にしている様子が、
スピーチに込められていた。

パーティーにはトマス・トランブレ聖光学院学院長、
工藤誠一校長も列席。

トマス先生には英語を教わった。
懐かしかった。
「8期生は特徴的な生徒たちでした。
結城君も頑張って」
そう、声をかけていただいた。

工藤校長は11期生で、私の3年後輩。
「母校を守ってくれてありがとう」
私はそう、お礼を言った。

ずいぶん長い年月を経たのだなあ、と感慨深かった。
最後に野渡先輩と握手。
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私たちは横浜にある私立聖光学院に通った。
中学・高校一貫教育のカトリック系の学校。

野渡さんは5期生、私は8期生。
3期生にはあのオフコースの小田和正さんがいた。

私が中学1年で器械体操部に入った時、
野渡さんは高校1年のカッコいい先輩だった。

今は、誰も、
私たちがバク転をやったり山下跳びにチャレンジしたり、
鉄棒で車輪をやったりしたとは信じないが、
野渡さんは3年上のあこがれの人だった。

体育会的には弱小高校の弱小クラブ。
指導教員は全日本学生選手権者だった酒井志郎先生と超一流だったが、
選手は少なく、練習時間も限られていて、
高校生と中学生が一緒に練習した。
酒井先生が横浜国大の監督を務めておられたので、
1回だけ国大に行って合同練習もしたことがある。

その聖光学院器械体操部先輩の野渡和義さんと、
私は44年ぶりに札幌で再会した。

感動した。

その野渡さんがユースキン製薬社長として、
日本の薬事業界やドラッグストア産業に貢献する。

本当に不思議なご縁を感じた。

スマホやタブレットの時代になろうとも、
私はいつも自分の著書には筆でサインし、落款を押す。

長い原稿は400字詰めの「結城義晴原稿用紙」にペリカンの万年筆で、
1時間6~7枚を一気に書き上げる。

もちろん毎日のブログは、
パソコンに向かって打ち込む。

「ひとつの手段に頼ろうとする誘惑は、
これを退けなければならない」

中学生の昔を思い出しながら、
そんなことを強く感じた夜だった。

<結城義晴>

2012年03月08日(木曜日)

ベニマル大高社長「国より厳しい基準」とイオンワーカーズユニオン講演

昨日の日経MJで、
ヨークベニマル社長の大高善興さんが、
インタビューを受けている。

「価格を重視する人と、
安全性や品質を重視する人
で、
消費の二極化が進んでいる」

福島、宮城、茨城と被災地で店舗展開しているだけに、
同じ二極化の話をしても、
善興さんの口から出ると、重い。

「安全性を求める声に応えるため、
放射性物質に関して出荷元で検査を実施する体制にしている。
牛肉は国の基準より厳しい1キログラム50ベクレル以下、
基本的には5~15ベクレル程度か検出限界値以下の商品を販売」

「国より厳しい基準」
これがヨークベニマルの判断。

「全品目ではないが、福島県産と他県産を併売し、
消費者が選べるようにしている」
これも、最後は顧客に判断を委ねるが、
そのための材料は店側が、
ぬかりなく提供する姿勢。

「ただ地元企業として農産物や畜産物などは
できるだけ地場商品も販売するよう努めている」

「福島県産牛肉は仕入れ価格が下がっているため、
震災前の4割引きで販売しているが、
前年比2倍と好調だ」

そして続ける。
「現在休業している店舗は原発から20キロ圏内の5店舗、
津波の被害を受けた2店舗の計7店舗。
津波で休業している2店舗のうち湊鹿妻店(石巻市)は7月に再開するが、
中浦店(同市)はまだメドがたっていない」

物江信弘店長の港鹿妻店は、
7月に再開する。

嬉しい話。

エールを贈りたい。

さて、日経新聞に「食料大競争」の連載記事。
今回は総合商社が
「供給網構築に全力」を挙げていることの報告。

「世界の総人口は70億を超え、
経済成長する新興国の需要は増大する一方」

だから「この10年で穀物需給は逼迫、
価格は3倍に上昇
」。

まだまだ人口は増える。
日本の少子高齢化は、
地球規模でみると一部の現象となる。
「国連人口基金(UNFPA)によれば
世界人口は2050年には93億人に増える」
地球の適正人口は20億人とも25億人ともいわれる。

しかしこの世界人口の増加は、
食糧に関して、価格高騰することを意味していて、
少子高齢化の日本にも影響を与える。

「経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)は
小麦やトウモロコシなど穀物生産量も増えるとみるが、
需要の増大も続く可能性が高い」

そこで記事は、丸紅、三菱商事、双日、三井物産の動きを追う。

丸紅はブラジルの港湾運営会社テルログ・ターミナルを買収。
「集荷から港湾、需要地まで押さえる穀物サプライチェーンの構築」がその狙い。

三菱商事は1月、ペルーでリン鉱石の権益を獲得。

一方、三井物産はブラジル資源大手のヴァーレと組み、
400億円で鉱山を拡張。

これは「収穫量を高める肥料資源の争奪」。

双日は昨年、アルゼンチンの農業法人と提携、
三井物産もブラジルで12万ヘクタールの農地を保有。

中国やドイツなど有力経済大国との競争が激化する。
「日本勢が商機をつかむには
技術や運営ノウハウなど強みを育てていく」ことが必須。

世界の人口問題や食糧問題が、
日本の少子高齢社会を直撃することを、
忘れてはならない。

昨日は、東京・田町で講演。
イオンワーカーズユニオン主催
「流通の未来を自分たちでつくる会」

「自分たちでつくる」というところが、とてもいい。

東北、北関東、南関東、北陸信越の東日本エリアの勉強会で、
事務局をあわせ、55名ほどの参加者となった。
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テーマは、
「チェーンストアのグローカル戦略」。
日米欧巨大小売業の5つのTide of Timeを解明するをサブに、
日本流通業の動静、米欧のチェーンストアに見られる現象、
2012年以降の潮流と課題と対応の考え方を、
90分にわたって語った。
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伝えたいことが山ほどある。
あっという間の90分だった。
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そして、質疑応答。
「グッド・クエッション」ばかりだった。
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だから、回答も思わず長くなり、力が入る。
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私の次に講義したのは、
イオントップバリュ㈱常務取締役の落合克彦さん
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落合さんは、㈱光洋の前社長。
いまや超異色のイオン幹部。

テーマは、
「2012年計画とトップバリュブランディングの方向性」
マーケティング本部長として、
適切な資料をもとに、
ザックバランの語り口。

内容は極秘事項。

自社のプライベートブランドだけに、
参加者からの質問や厳しい意見も投げかけられたが、
落合さんは真摯に答えて、とてもよかった。

その落合さんと控室で。
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その後、JALシティ田町ホテルに会場を移して、懇親会。
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乾杯のあいさつは主催者を代表し、
西近畿グループ議長の中村敏之さん。
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講演の後のビールはうまかった。
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懇親会で私は「脱グライダー人間」の話をした。
「自分たちでつくる会」という趣旨そのものが、
「脱グライダー」になっていて、あたしはそこに賛意を示した。

今日は商人舎を山口毅さんが訪れてくれた。
立教大学大学院結城ゼミ3期生のボス。
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日本ロレアル㈱で、
カテゴリー・マネジメント室長を務める。

フリークエント・ショッパーズ・プログラムや、
カスタマー・リレーション・マネジメント、
およびカテゴリーマネジメントの専門家。

山口さんも「脱グライダー人間」を目指して、
このたび、重大な意思決定をした。

応援したい。

<結城義晴>

2012年03月07日(水曜日)

ハイパーマーケット1位家楽福カルフールを圧倒! 2位大潤發RTマート

「私は、津波のあと、しばらくして、
遺体安置所にいきました。
そこには、お父さんと、
そのほか3人がいました。
そこには、お母さんが先にいって、
お父さんの顔を、泣きながら見てました。
私は、お父さんの顔を見たら、
血だらけで、泣きました」

< あしなが育英会の震災遺児作文集より>

今朝の朝刊で、
朝日新聞の『天声人語』と日経新聞の『春秋』が、
この福島県の小学5年生の作文を取り上げた。

読売新聞『編集手帳』と毎日新聞の『余禄」は、
三重県のストーカー事件の「たらい回し」に文句をつけた。

昨日は中国地方で「春一番」が吹いた。
春はもうやってきている。
そして3月11日が近づく。

一昨日のことになるが、
横浜の商人舎オフィスに、
拓殖大学商学部教授の根本重之さんを迎えた。
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根本さんは横浜のご出身。
私は博多生まれの、横浜育ち。
以前から農林水産省の委員会でご一緒したり、
協会、団体で同席したり。

今回は、根本さんがつくったDVDを届けに来てくださった。
「消費と流通の先を読む2012」
商人舎ホームページの右段にバナーを載せた。
メーカーも卸売業も、関連産業も、
最低1社1本は購入して、勉強してほしいものだ。

根本教授は流通問題の専門家。
学者のなかでは本当に珍しく現場のわかる人。
理念や理論の背景があって、
そのうえで現場が理解できることで、
問題解決を成し遂げることができる。

それがサム・ウォルトンの“Retail is Detail”
「小売りの神は細部に宿る」。

ピーター・ドラッカー先生の「実践第一」。
“Practice comes first”

ヘンリー・ミンツバーグ。
「有能な研究者とは、たいてい、
現場で少しずつデータを掘り起こしていくものだ。
ただし、現場に密着した後は、
一歩後ろに下がって考える必要がある」

「一歩後ろに下がって」
ここが大事なんですね、人間として。

根本先生のDVD。
大いに学んでほしい。

さて台湾小売サービス業の報告。
今日で最終回。

台湾商業の特徴の一つは「上位寡占」である。
業態別に2社による「複占」、
3社による「三占」、
数社による「寡占」が進む。

複占は、ハイパーマーケット、スーパーマーケット、
ドラッグストアなど。
三占は百貨店、
寡占はコンビニ。

しかし業態別の上位寡占とともに、
大規模企業のほとんどが、
様々な業態において外国企業と提携している。
その代表が「統一企業グループ」。

統一企業股份有限公司は、
台湾最大の食品製造・加工会社だが、
この統一が小売りサービス業最大のコングロマリットを形成している。
コンビニの統一超商は、セブン-イレブン。
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統一のハイパーマーケットは、家楽福(カルフール)。
百貨店は、統一百華(阪急百貨店)、
ドラッグストアはCOSMED。

無印良品とも提携して店舗展開しているし、
コーヒーショップは、統一星巴克(スターバックス)、
ドーナツチェーンは統一多拿滋(ミスタードーナツ)、
さらにインターネットモールは台湾楽天市場(楽天)。

業態開発のコストはかけず、
アメリカやフランス、日本の先進企業と提携し、
あるいは合弁事業を起こして、
スピード優先でマーケットを占拠していく。

セブン-イレブンは業界1位で4753店、
カルフールも第1位で60店、
COSMEDは第2位で346店、
統一阪急は業界第4位、こちらは2店舗。

カルフールを訪れた。
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この店はハイパーマーケットRTマート2店舗に挟み撃ちされ、苦しい。

青果部門もフランスや中国本土のハイパーマーケットそのまま。
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精肉は平ケースで大展開。
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広い主通路の両サイドに単品量販の売場が続く。
通路のなかには島陳列。
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しかし客数が少ない。

特売コーナーを設けて、
ディスカウントのアピールをする。
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POPやサインを大々的に掲げるが、
それもむなしい感じ。
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大型カートが移動できる動くスロープを昇る。
スロープの手すりわきには、これも独特の売り場がつくられる。
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上階に上がるとまずは特売コーナー。
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そしてこのフロアは非食品で構成されている。
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ハイパーマーケットは、
ウォルマートのスーパーセンター、
イトーヨーカ堂やイオンリテールと同じ部門構成。
現在も中国や台湾ではハイパーマーケットの時代が続いている。

高度成長が進み、生活のレベルが急速に向上している時代には、
総合品揃え型の大型店が繁盛する。
総合品揃えだからテレビをはじめとして、
家電売り場もある。
イトーヨーカ堂やイオンリテールが放棄してきた部門である。
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しかしこの台湾のカルフールを見ていると、
ハイパーマーケットの時代が徐々に、
成長のピークを終え、成熟から衰退に向かっているように見える。

業態の成熟期が来ると、
立地によって繁盛ぶりに大きな格差が生まれる。

カルフールに入っている日本のニトリもベスト電器も、
見たことがないような閑散ぶり。

唯一繁盛しているのはフードサービス。
この回転ずし屋はその代表。
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一方、ハイパーマーケット第2位の大潤發RTマート。
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台湾資本で国産企業。

200メートルくらいしか離れていない立地に2店舗出店。
カルフールを挟み撃ちにしている。
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大潤發RTマートは23店舗。
上海でもウォルマート、カルフール、テスコなどを押しのけて、
最も強い店をつくっている。

スロープ式エスカレーターを昇って2階へ。
多層階ハイパーマーケットの常とう手段。
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スロープを上がると競合店との価格比較。
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同じ品目を購入して、そのトータル買い上げ金額を示している。
左がRTマート、右が「其他量販店」、もちろんカルフール。

上がると非食品売り場が広々としている。
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ジーンズ売り場。
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衣料品もカジュアル・ファッションを中心に買いやすい商品構成。
明らかにカルフールをしのいでいる。

通路は広く、美しい大量陳列。
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カルフールが始めた販売方式を完全にマスターし、
ここ台湾ではカルフールを寄せ付けない。
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青果部門の平台による品ぞろえ、鮮度ともに、
カルフールを凌駕している。
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食品の導入は惣菜売り場。
対面とセルフを組み合わせて、ニーズ対応している。
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惣菜コーナーの奥、壁面沿いが精肉売り場。
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鮮魚売場は氷を敷き詰めて、
その上に一尾ずつ、商品を丁寧に陳列。
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これもカルフールに学んで、カルフールの上を行く。

鮮魚はパック商品も品揃えする。
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近代的な小売業として、
これならば「伝統市場」にも勝てる。

台湾ではスーパーマーケットの本格化は、
これからだ。

しかしハイパーマーケットは今、
絶頂期を迎えるほどに充実している。

コメ売り場もこのボリューム感。
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日配品売り場は多段ケースが延々と続く。
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菓子や加工食品売り場の品ぞろえも豊富。
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ただしハイパマーケットの弱点は、
平日の客数が極端に減少すること。

これは日本の総合スーパーでも同じ。

レジは土曜、日曜を基準に設けられている。
平日は過剰なレジ台数となる。
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RTマートのドライブ・ドットコム・システム。
20120307190203.jpg
このRTマートは、上海で、
ナンバー1の売場づくりを実現している。
ここ台湾でもナンバー1。

台湾経営恐るべし。

考えてみると、
蒋介石総統とともに台湾に逃れてきた人々は、
毛沢東の共産党とは袂を分かった実業家たちだった。

商売のDNAを持つ人々。
だから今ピークを迎えるハイパーマーケット業態でも、
これから伸びるスーパーマーケット業態でも、
台湾資本の企業が店舗力ナンバー1の地位を得る。

もちろんそうではない企業もある。
アメリカのコストコだ。

現在、6店舗ながら、
この店は韓国ソウルの店舗に次いで、
世界のコストコのなかで第2位の売上高を稼ぐ。
20120307190217.jpg
コストコはどの国に行っても、
ブルーオーシャン戦略を悠々と展開。

メンバーシップ・ホールセールクラブ業態の優秀性。

この難しい業態を成功させ、
他の模倣を許さないところが、
コストコの強みである。

ハイパーマーケットやスーパーマーケット、
さらにコンビニ、ドラッグストア・・・。
普遍的業態ではないところに、
コストコ繁盛の普遍性がある。

実に面白い現象だ。

台湾小売業と台湾の商人たち。
先進業態を提携して導入する。
この面では迷いなし。
リアリティにあふれている。

提携せずとも、ハイパーマーケットは、
RTマートがカルフールを学びつつ、
完全に追い抜いてしまった。

台湾小売業の模倣力は、
群を抜いている。

これでいいのかもしれない。

「私たちは、別に、
新幹線を開発する必要はない。
私鉄でいいのです」

これはかつて荒井伸也さんが口にした言葉。

その荒井サミットは、
関西スーパーマーケットから学んで、
ユニークな店づくりやオペレーションを創造した。

台湾全体に、このリアリティと学びの姿勢を読み取ることができる。

台湾商人、恐るべし。

<結城義晴>

2012年03月06日(火曜日)

セブン&アイ「女性だけの店」と台湾食品スーパー「後進の先進性」

なでしこジャパンが快挙。
私、深夜のテレビを見ていた。

女子サッカー国際大会アルガルベ・カップ。
ポルトガルで開催されているが、
日本女子代表チームは、
世界ランキング第1位のアメリカを1対0で破った。
アメリカに勝利したのは、実は初めてだという。

昨年のワールドカップでの優勝は、
決勝でアメリカと引き分け、
ペナルティキック合戦で辛くも勝利。
これは公式記録では、引き分けとなる。

だから初の米国戦勝利。

男子で言えば、
ブラジルに勝つようなもの。
すごいことだ。

明日7日の決勝戦で、
なでしこはドイツと闘う。

古い話で恐縮だが、
日本のバーレーボールも、
初めは女子が世界第一となった。
東京オリンピックの「東洋の魔女」。
そのあと男子が松平康隆監督のもと、
ジャパン・テクノロジーを開発し、
世界トップに立った。

サッカーは奥が深いから、
男子がすぐにトップにはなりはしないが、
それでも女子に引っ張られて男子が躍動する。

今日の日経新聞一面の記事に見出しが躍る。
「スーパーや百貨店、
運営の正社員は女性のみ」

セブン&アイ・ホールディングスの試み。
拍手を送りたいし、成功を祈りたい。

セブン&アイは4月から、
「正社員をすべて女性にした店舗の運営」を始める。
業態ごとに1店ずつ、あるいは1エリアを選び、
女性だけの運営を実験する。

総合スーパーのイトーヨーカドー高砂店(東京・葛飾)、
食品スーパーマーケットのヨークベニマル片平店(福島県郡山市)、
レストランのデニーズ相模大野南口店(相模原市)、
さらに百貨店の西武所沢店(埼玉県所沢市)は、
約100人の女性正社員を配置。

コンビニエンスストアのセブン-イレブンは、
東京西部の一部地域のスーパーバイザーを全員女性にする。

西武所沢店の場合、
現在、100人の正社員のうち女性は40人弱。
60人強の男性を他店などに転勤させ、
ほぼ同数の女性を異動させる。

イトーヨーカドー高砂店は、現在、
8人の女性正社員が働くが、
34人全員を女性にする。

セブン&アイ・グループ主要企業の正社員数は、
約2万8000人。
そのうち女性は約3割。

しかし近年の採用は、
男女比をほぼ同じにしている。

従って、男性中心のオペレーションは、
やがて、行き詰る。
記事には、「子供を持つ女性の働き方など課題を洗い出して改善策を検討」とある。
このあと「活用につなげる」とするが、
「女性活用」と考えているとしたら、間違い。

セブン&アイの人事部がそんな表現を使うわけはないだろうから、
記者の言葉だろうか。

「ダイバーシティ・マネジメント」という考え方がある。
英語でDiversity Management。
Diversityとは「多様性」のこと。
企業組織の中にある人間の「多様性」や「差異性・違い」を、
競争力の源とするような組織文化、組織制度をつくること。

この時、マイノリティ(少数派)を重視する。

小売業・サービス業の女性社員や女性パートタイマーは、
現実的にはマイノリティではないが、
マイノリティのように処遇されてきた。

セブン&アイの試みは、
考えてみると至極当たり前のことだが、
小売業・サービス業にとって、
ダイバーシティ・マネジメントでもあるし、
死活問題でもある。

成功を祈りたい。

さて台湾小売業の続きだが、
スーパーマーケット第1位の全聯福利中心は、
現時点で608店舗のネットワークを敷く。
その全店長が女性だという。

特別助理の初貴民さんは言う。
「台湾では女性の方がよく働く」

日本でも沖縄の女性は働き者。
だから沖縄の企業には女性幹部や女性ミドルマネジメントが多い。
南の島国は、女性優位?

その台湾の経済成長率。
2001年度は前年比-1.65だったが、
2002年度からプラスに転じ、5.26%増、
2003年度3.67%、2004年度6.19%、
2005年度4.70%、2006年度5.44%、
2007年度5.98%、2008年度0.73%。
ここまで伸び続けた。
しかし2009年度-1.93%。
世界的な金融破たんの影響。

それでも2010年度はプラス9.98%、
2011年度は約5%増。

日本よりも成長率は高い。

2010年度の業態別の年商。
百貨店 2511億台湾元、 前年比8.26%プラス。
以下、 ハイパーマーケット 1568億元、5.89%、
スーパーマーケット 1334億元、5.31%、
コンビニ 2304億元、8.66%、

その他  1451億元、5.67%、
そして合計9168億元、7.1%。
<ジェトロ調査>

1台湾元は3円と考えて、
合計は約3兆円。

この中で食品スーパーマーケットの企業別売上高。
こちらは2009年度。
(単位:億台湾元、%)
全聯福利中心が500億元、前年比19.05%、
惠康百貨が175億元、9.38%、
松青商業51億元、マイナス7.86%、
台灣楓康超市(店名Taiwan Fresh)37億元、1.69%。
美廉社(Smart)26億元、4.00%。

これは台湾連鎖暨加盟協會調査。

全聯がマーケットリーダー、
惠康百貨がマーケット・チャレンジャー。
あとはマーケット・フォロワー。
つまり「複占」状態。

店数は2011年度で、
全聯福利中心572店、
惠康百貨286店、
松青商業(MATSUSEI)81店、
台灣楓康超市41店、
そして美廉社212店。

売上げと比較すると、
美廉社はスーパーレットだと推測できる。

マーケット・リーダーの全聯の店を見よう。
こちらは初さんにご案内いただいた。
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608店のうち生鮮食品を持つのは約350店。
グロサリーストアを急ピッチにスーパーマーケットに改装中。

その入り口の青果部門。
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品目数は少ないが、
鮮度レベル、管理状態は、
台湾で第一。

主通路にパイナップルとマンゴーの島陳列。
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青果部門にはバックヤードがあって、
作業中。
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生鮮部門はワンウェイコントロール。
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精肉部門も管理状態が極めて高い。
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品目数は超売れ筋に絞り込まれているが、
すべてセンターパック。
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精肉・鮮魚はセントラル化している。

台湾は「伝統市場」が強い。
日本の公設市場と全く同じ。

生鮮食品はいまだ、伝統市場で売られ、買われている。

だから現時点では、
スーパーマーケットといっても、
生鮮はサブ的な核部門。
全聯でも売り上げ構成比は10%ほど。

だからセンター方式が効率的。

日配品は日本と変わらない多段什器。
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右手の冷凍食品はリーチインケース。
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菓子売り場も陳列状態、管理状態が良い。
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全聯はグロサリーストアなのだ。

非食品の売り場。
伝統市場などと比較すると各段に
そして台湾の他の小売業と比べても、
オペレーションと管理状態は一頭地を抜いている。
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その全聯のグロサリーや日配品、冷凍食品もすべて、
「売上げ仕入れ方式」である。

つまりリスクがない。
これが全聯の成長の原動力でもある。

日本人顧問・石橋敬三さんの指導で、
2階のバックヤードに惣菜部門の実験場が設けられている。
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来週にも全聯に惣菜売り場が登場する。

さて、スーパーマーケットの二番手の惠康百貨。
二つのフォーマットを持つ。
第1がWellcome。
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この企業はシンガポール資本の牛乳国際社。
1987年12月に台湾に恵康百貨股份有限公司を設立。
頂好Wellcomeは小型グロサリーストア。
これが286店舗で主力。

もうひとつがJasons Market Place。
こちらは2003年から始めたアップグレードなスーパーマーケット。
台湾では北部を中心に、中部と南部で合計7店舗。

私たちが訪れたのは台北101。
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高さ509.2m、地上101階、地下5階の超高層ビル。
2004年12月31日オープンで、当時は世界最高層ビルだった。

その地下1階にスーパーマーケットがある。
Jasons Market Place。
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横浜みなとみらいのランドマークタワーに、
スーパーマーケットがあるようなもの。
あるいは新丸ビルの明治屋ストアか。

青果部門も高級感があふれている。
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全聯と比べると品目も多い。
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しかし残念ながら鮮度は悪いし、高い。
つまり売れていない。

精肉はヨーロッパ式の対面売り場。
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床も什器も照明も、
高級感があふれていて、
百貨店の売り場のよう。
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冷蔵ケースの日配品。
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惣菜も対面方式。
しかし作業場から異臭が漂う。
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ワイン売り場はショップ化されていて、
品揃えも充実。
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グロサリー売り場。
奥にヘルス&ビューティのコーナーがある。
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オーガニックの品ぞろえも先進的で、
プライベートブランドも開発されている。
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ただし店づくりはワンウェイコントロールで、
最後にグロサリー売り場を通らないとレジにたどり着かない。
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高級スーパーマーケットの顧客はどの国にも存在する。
外国人、富裕層、一部の若いセレブ、観光客。

しかしマーケットは本当に限られている。
だからこの店、売れていない。

もうひとつ高級スーパーマーケットを紹介しよう。
太平洋そごう百貨店。
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その地下食品フロアの半分を占める。
シティ・スーパー。
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香港資本のスーパーマーケットを誘致してきた。

チーズ売場もあって、
対面ケースで売られている。
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床はウッディ・タイプで洗練されている。
ワインが充実。
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シティ・スーパーの反対側には
ディン・タイ・フォンのショップ。
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台湾の中華料理店で、小龍包が有名。
その中華まんや肉まんを小売りするショップ。

百貨店の地下食品売り場や高級ショッピングセンターに、
超高級スーパーマーケットがある。

これはどんな国でも同じこと。

しかし一般大衆は伝統市場で「内食材料」を買う。

これも昭和30年代、40年代、50年代の日本と同じ。
しかし日本では公設市場を、
スーパーマーケットが駆逐していった。

全聯はこの日本の歴史を学んでいる。
だから生鮮食品を積極導入する。
それも大衆的な商品。

渥美俊一先生の口癖。
エブリデー・グッズとエブリボディ・グッズ。

全聯にはその視野がある。

しかも女性店長が600人もいる。

昭和の時代と平成の今を、
混在としているのが現在の台湾である。

「後発の優位性」と「後進の先進性」
台湾は、中国と比べると、
後発や後進とは言えないが、
日本に対してはそう評価してもいいだろう。

しかしそこの優位性があり、先進性がある。
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初貴民さんと話していて、
そんなことを強く感じたものだ。

<結城義晴>

2012年03月05日(月曜日)

台湾小売業態別複占・寡占と「全聯福利中心」二人の日本人知識商人

Everybody! Good Monday!
[vol10]

2012年第10週。
3月第2週。

もう10週間も経ったのか。
そう感じる。

光陰矢のごとし。

今週末の日曜日は3月11日。
「もう10週間か」と感じると同時に、
「もう1年か」とも思う。

あれから1年、
何ができたのだろう。

だから今月の商人舎標語は、
「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」

「何ができたのだろう」よりも、
「いっぽずつ進んできた」。

その方が気分がいい。
その方が明日に向かっている。
その方が絶対に成果が上がる。

急がば回れ。

さて今週は、
日曜日に向けて、
スピードを上げる。

11日には慰霊祭や追悼式が、
各地で行われる。

私たちも、
心から哀悼の意を表し、
ご冥福を祈ろう。

そしてそのために行動しよう。

ひな祭りが終わったら、
この3月11日を目指し、
さらに商売上は、
3月20日の春分の日に山が来る。

春分の日は彼岸の中日。
3日前の17日(土曜日)が彼岸の入り、
3日後の23日(金曜日)が彼岸の明け。
この1週間は、
まことに日本的だが、
ご先祖様の霊を供養する仏事が行われる。

東日本大震災後1年の今年は、
特にそれが強調される。

今週はその直前の準備期間。
世間がそのトレンドとなる。
これは十分に認識しておかねばならない。

今日は北海道・東北を除いて雨模様だが、
雨がなければ花粉が飛ぶ。

花粉症真っただ中。

「春は大好き。
花粉症さえなければ」
商人舎編集スタッフの鈴木綾子さんも、
そんなことをつぶやいている。

さてこのホームページの巻頭に二つのバナー。
①「商人舎ミドルマネジメント研修会」
②「商人舎USA視察研修会ベーシック・コース」

どちらも5月の開催。
まずアメリカ研修が、
5月10日から16日の5泊7日間。
ラスベガスに居座って、原理原則、基礎基本を学ぶ。

昨年は90名の参加があったが、
さらに内容充実、イノベーションを図って、
これ以上ない「自ら変われ!」を実現させる。

ミドルマネジメント研修会は、
5月29日から31日の2泊3日間。

こちらは東京での濃密な短期集中合宿。
会社の根幹を形成するミドルマネジメントを、
「自ら考えて動く知識商人」。
それを志向する人財の養成が目的。

先週、商人舎ファミリーの企業トップの皆さんを中心に、
ダイレクトメールをお送りした。

お申し込みはお早めに。

それから、3月1日に、
『月刊商人舎』を発送した。
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毎月1回、1日に発行している。
この「結城義晴のブログ[毎日更新宣言]のレビュー版」だが、
たいへんご好評を博している。

さて、台湾旅行のご報告のつづき。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科は、
社会人大学院、いわゆるMBA。
Master of Business Administration。
経営学修士課程。

その結城ゼミには、
小売流通・サービス業の人間が入ってくる。

3年前の第1期生には、
イオン、マルエツ、日本マクドナルド、
さらに単独ドラッグストア。
その社員、幹部が名を連ねた。

第2期生は、IT関連ビジネス、メーカー、大学教育関係など。
しかし百貨店出身者が二人、サービス業経験者もいた。

第3期生は、小売業が3人(うちネット小売業1人)、
サービス業が3人、メーカーが1人。
その経営者、経営幹部、社員。

みな、激しく仕事をこなし、
そのうえでプライベートな時間を費やして、
2年間学び続ける。

その卒業旅行。
場所は台湾を選んだ。

したがってこの旅では、
観光もするし、交流もするし、
飛び切りうまいレストランで食事もするし、
足裏マッサージもするが、
視察や研修もする。

日勝生加賀屋は、
サービス業とホスピタリティの勉強。
もう一つは小売業の勉強。

私は急遽、
「台湾の小売業とフードサービス業」
〈立教大学大学院・結城ゼミ修了研修視察資料〉をつくった。
28ページとなった。

百貨店は新光三越と太平洋そごう、
それに遠東百貨の「三占」。
三越18店、そごう8店、遠東が9店。
もちろん三越とそごうは日本の企業との合弁。

ハイパーマーケットは、
カルフールとRTマート。
こちらは「複占」。
カルフールは60店、RTマートは23店。

それにコストコの6店。
メンバーシップホールセールクラブは「独占」。

スーパーマーケットは、
全聯福利中心とWellcome。

こちらも「複占」。
全聯は2011年2月期段階で572店、現在608店。
Wellcomeは286店。

コンビニはセブン-イレブン(4750店)、
ファミリーマート
(2401店)、
それにハイライフ(1245店)と、
OK便利商店
(サークルK、837店)。
いまのところ「寡占」。

ドラッグストアはワトソンズ(422店)とCOSMED(346店)。
チェーンストアは「複占」。
しかし単独店など多数乱立。
<以上の店数はいずれもジェトロの2011年2月の調査>

これらを全員で訪れ、あるいは自由に視察した。
詳細は明日、報告の予定。

ただし、最初に語っておかねばならないことがある。
全聯福利中心というスーパーマーケット企業のこと。
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現在、台湾で断トツ一番のスーパーマーケット。

ここでは、特別助理の初貴民さんに会って、
ずっと視察をご案内いただいた。
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初さんは、早稲田大学大学院に席を置いて、
3年間、日本で勉強した。

その後、台湾の百貨店に就職し、
その百貨店が合弁で台湾サミットをつくった時に出向。
その後、ずっと台湾で、
スーパーマーケット経営の段階的革新を経験してきた。

台湾サミット8店が全聯福利中心の傘下に入って、
特別助理の役目を果たす。

総事長が社長とすれば、
その補佐官的な副社長といったところか。

初さんが日本、台湾はもちろん、
中国や韓国の流通業のことをよく知っていて、
私たちはすぐに意気投合した。

「台湾ほど日本のことが好きな国はありません。
私たちは日本から学んでここまで来ました」

初さんはそう言いながら、付け加える。

「今、台湾の単体企業で一番はセブン‐イレブンです。
全聯福利中心はやがて
セブン‐イレブンを抜きます」

現在608店のスーパーマーケットを持つ。
年間の伸び率は15%。
大半が200坪ほどのグロサリーストアだったが、
今は、350店に生鮮食品売り場を導入して、
大改革中。

そしてこの生鮮のイノベーションに、
二人の日本人顧問が一役買っている。
元サミットの浅見三夫さん(私の右)と、
元ライフコーポレーションの石橋敬三さん(私の左)。
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浅見さんはサミット精肉部門一筋の専門家。
もちろん店長の経験もある。
私はサミット時代にも何度もお会いしていて、
本当に懐かしかった。

石橋さんは、ライフコーポレーションで活躍し、
1987年、ファミリーレストランの華屋与兵衛を、
故山本次郎専務とともに立ち上げた。

山本さんの名前が出てきて、
私は本当に懐かしかった。

石橋さんは、全聯福利中心の惣菜部門を、
立ち上げようと懸命だ。

お二人のイノベーションにかける熱意を聞いて、
私はとてもうれしかった。

「日本のことを一番好きな国」。
その台湾の小売業を日本の「知識商人」が助っ人する。
浅見さんや石橋さんの経験やキャリアこそ、
「知識商人」のナレッジそのものだ。
私も心からの支援を誓った。
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昨年の12月の中国上海流通報告の中で、
私は台湾系の小売業のマネジメントに注目した。

その代表がハイパーマーケットのRTマート。
ウォルマートよりもテスコよりも、
もちろんカルフールよりもはるかに高い売り場レベル。

その理由は何かを考え続けた。

そして台湾にやってきて、
初さんに会い、浅見さん、石橋さんに会った。
日勝生加賀屋の徳光重人さんにも会った。

理由がはっきりしてきた。
元気も出てきた。

台湾の人々が中国で成功する。
日本の企業が世界で活躍するヒントがある。

それがちょっと、わかり始めたからだ。<この話、明日に続く>

では、皆さん。
Good Monday!

<結城義晴>

2012年03月04日(日曜日)

ジジと台北マッサージ[日曜版2012vol10]

ジジです。
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ユウキヨシハルのおとうさん、
タイワンのタイペイにいってます。

rikkyoのユウキ・ゼミ卒業旅行。

きのうは、ひなまつりだというのに。
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でも、ゼミ生のみなさんと、
たのしい旅。

いそいそと、でかけていきました。
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そして、おいしいものをたべて、
きれいなところをみて、
ベンキョーもして、
夜は、ぜんぶ、マッサージ。
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はじめの晩は、下町のマッサージ。
まんなかのモヒカンのひとが、
オーナー。

ならんで足をあらう。
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これが、いがいに、
あついお湯。
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それから、足うらマッサージ。
全身マッサージ。

キモチよかった。
となりでマッサージしてもらっていたヤマグチさんは、
いびきをかいていた。

よかったですね、
おとうさん。
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きのうの晩は、
こんどはちょっとグレードをあげた。
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ガラス窓から、
なかがみえる。
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でも、この店で、
たいへんなことになったのです。
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こちらは、4人でいきました。
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まず足をあらいながら、
カタやアタマをもんでもらう。

さいしょは、にこやかに。
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すこしずつ、
いたくなってくる。
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足をあらったら、
場所をうつして、
足うらマッサージ。
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ならんで、足のうらを、
もんでもらう。
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もう、昨日より、いたい。
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それでも、きもちいい。
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ムラセ・ユカさんは、
あんまりいたくなさそう。
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ニコニコわらってる。
女性はがまんづよいのかなぁ。

でもヤマグチ・タケシさんも、
すごくいたそう。
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おとうさんは、いちばん、
いたがった。
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おとうさんのたんとうのひと、
ぶきみなほほえみ。
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それからが、すごかった。
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「イタタッ!」
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「イタタタッ!」
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「ウウウッ」
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「イタタタタッ!!」
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「ン~ン、イタッ!!!」
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このあと、足うらがおわったら、
上半身マッサージが、
まっていた。

おとうさん、
いったい、
どうなったのでしょう?

<『ジジの気分』(未刊)より>

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チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

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