結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年09月23日(月曜日)

秋分の日の半沢直樹とファヨールのプロレス的マンガ劇画論

Everybody! Good Monday!
[2013vol38]

2013年第38週、
9月第4週の始り。

今日は秋分の日。
2週続いて三連休。

先週が台風のために、
コンビニなど一部を除いて、
ほとんどの小売業サービス業が、
計画通りの客数に至らなかった。

しかし今週も、
土日の連休はよかったが、
今日はちょいと連休疲れか。

忙しい仕事をぬってやって来た感じの秋よ
いらっしゃいませ

〈日経歌壇より 横浜・三木紀子〉

ずいぶんと秋らしくなってきて、
空と雲がそれを表現する。
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それでもまだまだ夏の顔を見せることも。
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ちょうどそんな時期の秋分の日。
それは秋の彼岸の中日。
この夏に亡くなった人、
この1年に見送った人、
合掌して弔いたい。

そしてこの秋に、
花などいじる人。
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踏みし実の匂ひに気づくこの庭の
ぶだう樹のこと秋であること

〈同 札幌・原彩子〉

心豊かに暮らしたい。
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上流でとても知的な生活をするひとが
汲む水が飲みたい

〈同 摂津・砂山ふらり〉

ちょっと変わった歌。
変わっているところに魅力がある。

俳句や和歌にも、
そんな空気が充満している。

今週のプロモーションは、
商人舎magazine。
Weekly商人舎の、
日替り連載〈月曜日〉は、
「月曜朝一 今週の販促企画はこれだ」

ご覧ください。

私の今週のスケジュール。

まず今日は、祭日にもかかわらず、
立教サービスマーケティグ講義。
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キャンパスの銀杏も秋めいてきた。
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研究室フロアから望むキャンパス。
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今日は講義前に、研究室に来客。
やがては1兆円規模となる事業の相談。
私は、力強く肩をたたいて、
後押しした。
頑張れ。

講義はサービス・マーケティグ。
そのガイダンス。

持論を展開して、
半年間の講義のアウトラインを語った。

週の初めから、
今日は何とか終ったという感じだが、
明日から3日間は、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
もう第4回を迎え、
おかげさまで好評をいただいている。

今回は湯河原での缶詰方式。
2泊3日。

2日目、3日目の朝、
理解度テストがある。

みなさん、
覚悟して参加してください。

金曜日は朝から、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱役員会。
午後は、新潟県の長岡に出張。

そして土曜日は、
立教大学で結城ゼミ。
午後は月刊『商人舎』の座談会。

充実した1週間になりそうだ。

さてドラマ『半沢直樹』。
昨夜の最終回、
視聴率は40%を超えたのだろうか。

銀行を舞台にしたドラマ。
「倍返し」が「10倍返し」に。

虐げられ、追い詰められ、
最後の最後の逆転劇。

あれは力道山時代のプロレス。
そして描き方はマンガというか劇画だ。

プロレスやマンガや劇画を、
否定するつもりはまったくない。

私自身、心底面白くて、
毎回楽しみにして見ていた。
アメリカに出張した時には、
ビデオに撮ってもらって、
帰国してからすぐに見た。

しかし、半沢直樹は、
プロレスであり、マンガ劇画だ。

一つだけ指摘しておかねばならいのは、
デフォルメされたドラマの舞台、
つまり銀行のマネジメントの根底に流れる思想。

それは完璧な古典的規範論。
「経営管理論」と呼ばれる
アンリ・ファヨールのロジックだ。

三面等価の原則、
権限の委譲、
統制の限界。

管理とは、
「計画し、組織し、指揮命令し、
調整し、統制するプロセスである」

香川照之演じる大和田暁常務の名言(?)。
「部下の手柄は上司のもの、
上司の失敗は部下の責任」

この考え方に基づいた組織が、
半沢直樹の属する世界。

半沢自身は、
金融機関の社会的機能論に寄って立って、
古典的規範論と対決する。

現代組織では、
このファヨール的な規範論の限界と弊害は、
明快に指摘されている。

しかし現実的には、
それは厳然と、残滓となっていて、
人々は日々、
それを実感させられている。

だから半沢の痛快さがウケる。

同じように、
こんな組織風土のなかにいる人たちからは、
とりわけ拍手喝采される。

大企業病の大企業、
硬直的組織となった製造業、チェーンストア、
行政府や地方自治体組織、
ついでに大学の組織?

それは「踊る大捜査線」の構図と全く同じ。

しかし描き方は、
プロレスだし、劇画だ。

躍る大捜査線の青島は、
コミカルな漫画だったし、
それが救いとなった。

しかしそれでも「半沢直樹」。
脚本もストーリーも演出も、
そしてキャストも役者たちも豪華絢爛で、
近来にないエンターテインメントを創造した。

しかし「半沢直樹」が喜劇と見られるような社会こそ、
21世紀の経済人が望むイメージに違いない。
実際、これを喜劇と見た人は多いに違いない。
半沢を心から応援してしまうのはわかるが、
それだけでは悲し過ぎるし、寂し過ぎる。

大和田常務の香川照之と、
国税局黒崎の片岡愛之助は、
ともに怪演。

プロレス的劇画を盛り上げた。

ヒール役が憎たらしいほど、
ベビーフェイス役が活きる。

彼らは二人とも、
芸のしっかりした歌舞伎役者でもある。

何ごとも基礎がしっかりした技術が、
成果を保証してくれる。

みなさんも、
しっかりした技術、
獲得してほしいものだ。

では、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年09月22日(日曜日)

ジジと氷とビターメロン[日曜版2013vol38]

ジジです。
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ねむい。
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おととい、
マンゲツ。
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きのうは、すこし、
かけた月。
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ボクも、おとうさんも、
月見、すきです。
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秋を、しみじみ、
かんじます。
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ぐっすり、ねむって。
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夜があけると、
青い空。
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うちのなかも、
ずいぶんすずしくなりまじた。
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秋のひかりが、
あふれている。
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そとも、
あきのひかりに
みちている。
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ベランダ。
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おとうさんは、
ひさしぶりの
おやすみ。
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オルゴールをきいた。
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Amazing grace♪
how sweet the sound
That saved a wretch like me
I once was lost but now am found
Was blind but now I see

画集もみていた。
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一角獣のタペストリー。
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ゆっくり、ゆっくり、
すごしています。
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ボクは、氷。
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不思議なものです。
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においは、ない。
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つめたい。
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おとうさんは氷を、
お酒にいれて、のむ。

でもアメリカからかえってきて、
これをのんでます。
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ビター・メロン。
ホールフーズで、
かってきた。

まいにちのむと、
とても、ぐあいがいいようです。

おとうさん、ゆっくりしたし、
元気をとりもどした。
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よかった、よかった。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2013年09月21日(土曜日)

消費増税後、「外税のスーパー」と「内税の百貨店」、併記の2強

久しぶりに立教大学。
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今日から、後期授業が始まった。

立教名物煉瓦校舎と蔦。
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今年の夏の暑さが表れて、
蔦が赤茶けている。
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銀杏の葉も、
少し茶色い。
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立教学院諸聖徒礼拝堂(チャペル)。
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夕方からミサ。
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コーラス隊が練習していた。
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ビジネスデザイン研究科結城ゼミ。

先週の土日曜が合宿で、
今日はゼミ。
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ランチはセントポールズ会館。

後期は今日から、
来年の1月23日まで。

ゼミ生の修士論文提出は、
最終締め切りが1月11日。

もう、4カ月を切った。
みんな、真剣そのもの。

一世一代の論文。
一世一代の出来栄えを。

ともに頑張ろう。

さて今日の日経新聞記事。
スーパー「税抜き」 百貨店は「税込み」
消費増税時、表示分かれる 混乱の恐れ

来年4月1日からの消費増税。
上昇率は3%、税率8%。
ほぼ本決まり。

しかし、価格表示について、
大手小売業の対応が分かれる見通し。

まず日本チェーンストア協会。
税抜きの外税表示を基本とする方針を決定。

会長の清水信次さんは、
月刊『商人舎』4月号対談で、
私とまったく同意見だったが、
きっぱりと外税方式を表明。

売上税反対運動の急先鋒だった清水さん、
自ら動いて、自民党・公明党の幹部に掛け合い、
今回は外税方式の特別措置を引き出した。
一応、期限は2017年3月まで。

しかしこの時限措置は、
ずっと続けられると思う。

日本スーパーマーケット協会と、
新日本スーパーマーケット協会は、
来年4月に統合して、
日本スーパーマーケット協会となるが、
税抜き表示方式の採用を表明している。

一方、日本百貨店協会。
税込み総額表示の内税優先方針を出した。
「顧客の視点に立てば税込みが望ましい」

正百貨店協会も、
税込み・税抜きの表示は、
どちらも可とはしている。

企業別には、
まずセブン&アイ・ホールディングス。
日経の記事では、
「税込み表示を優先する方針」

総合スーパーのイトーヨーカ堂、
スーパーマーケットのヨークベニマル、
ヨークマート、
さらにコンビニのセブン-イレブン、
百貨店のそごう西武を傘下に持つ。

だから鈴木敏文会長は、強調する。
「消費者に分かりやすい方法にする」。
ここで「分かりやすい」とは、
従来通りで変えないという意味。

実際には、
「消費者が慣れ親しんだ総額を大きく表示 し、
本体価格はそれより小さく併記する案」

一方、イオンの方針も、
本体価格と総額の併記。
どちらを大きく表示するかについては
他社の動向も踏まえ、
10月初旬までに判断する。

ファーストリテイリングは、
税込み表示継続派だったが、
当初の方針を白紙撤回。
「消費者に最も低価格を訴えられる表示」を模索。

各社ともに迷っている。

私の意見は正論。

商人舎magazine
Weekly商人舎
ヤオコー会長の川野幸夫さん
「消費税は私どもがお客様から
税金をお預かりして、国に納めている。
私どもは納税の代行をしているのであり、
税金を納めているのはお客様なのです」

「ですからお客様に
自分たちが納めた税金のことを
わかっていただくことが、
私どもの役割
でもあると思っています」

これが正論。

そこで、第一に本体価格表示。

川野さんは、
「本体価格一本でいくということが
消費者の皆さんにとってもわかりやすい」

「納税者が
自分の納めた税金がわかるということが、
まず基本」

「総額表示で税金がわからないような状況は
不自然だと思います」

私は月刊『商人舎』で、
川野さんと全く同じ論旨を展開した。
清水さんも賛同してくれた。

「顧客にわかりやすい」とは、
顧客自身が物を買う時に、
払う総額がわかりやすいのがいいのか。
あるいは消費するときに、
税金をいくら払っているかがわかりやすいのか。

私はポリティカル・マーチャントは、
21世紀の知識商人の条件であると考えている。

つまり政治的な商人。
政治に関心を持ち、
政治に関与する商人。

これは商人が、
政治家になるということではない。

ポリティカル・マーチャントでなかったから、
士農工商の序列は続いた。

その意味では、
顧客がいくら税を払うかを、
意識してもらうわかりやすさは、
21世紀の商人と商店の条件だと思う。

〈結城義晴〉

2013年09月20日(金曜日)

「ヒラメとヘッドアップ」、そして「年上の人からの贈り物」

久しぶりに見あげた横浜の空。
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いい気分。

原稿は溜まっているし、
テキストもレジュメも、
いつも私を追いかけてくるし、
立教のゼミ生の研究論文も待っているし、
楽なことは一つもないけれど、
空は青く晴れている。
雲は白く漂っている。

銀杏の緑が深くなる。
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横浜市立宮谷小学校の壁。
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未来の学校は生き生きとしている。

毎日新聞の巻頭コラム『余録』。
「今の永田町はヒラメばかりだ、
と自民党長老の一人が嘆く」

海底にへばりつきながら、
目だけは上をうかがう魚。
それがヒラメ。

「ポストほしさに人事権者の意向を
上目遣いに気にする連中が多い」

安倍政権の長期化が視野に入り、
「党内総ヒラメ化」の傾向が見える。

荒井伸也さん。
オール日本スーパーマーケット協会会長。
「利益を追いすぎることを、
ヘッドアップという」

経営をゴルフにたとえる。

ヒラメとヘッドアップ。

前向き、上向き、外向き。
ポジティブな上昇志向と、
ヒラメやヘッドアップは、
全然、違う。

『ほぼ日』の巻頭言「今日のダーリン」。
糸井重里さんが書く。

「年上の人に会うというのは、
なにかしら運のいることだと思うのです」

「同い年だとか、
年下の人たちと会うのは、
じぶんの意思がおおいに働きます。
しかし、年上の人に会うには、
その相手の『いいよ』という許しが
いるように思います」

そして、述懐。
「年上の人からは、
贈り物をもらってばかりです」

「年上の人にいただいた贈り物は、
減ってなくなるものではないので、
また年下の人に贈る」

「そういうことなんだろうなぁと、
しみじみ思います」
同感。

倉本長治、渥美俊一、
上野光平、杉山昭次郎。

年上の人たちからいただいた贈り物。
年下の人たちにしっかり贈りたい。

さて昨日の東京・丸の内。
パレスホテルで毎年恒例の
プラネット トップセミナー
が開催された。

開会挨拶は玉生弘昌さん。
ご存知、(株)プラネット会長。
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プラネットのEDI事業は、
業界インフラとして確固たる地位を確立した。
その特長を会社の歩みとともに紹介。

続いて田上正勝さんが挨拶。
田上さんは昨年、
(株)プラネット社長に就任。
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プラネットの現状と今後の取組みについて語った。

今日のセミナー、
講師は数学者で作家、
藤原正彦さん。
お茶の水女子大学名誉教授。
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270万部を超えるベストセラーとなった
『国家の品格』の著者
演題は「日本のこれから」。
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「日本には美しい自然と四季がある」

そこから育まれる日本人の情緒が、
世界に誇る日本の国柄をつくっていると
藤原さんは考える。

「日本人は秋の虫の音を
音楽のように聴くことができる」

ちょうど今の季節、夜、
窓を開けると鈴虫が奏でる音色が聞こえてくる。
確かにそれを耳障りとは感じない。

藤原さんは、
そうした情緒を大切にする教育をすべきだと、
力強く語った。

講演が終わると、懇親会。

(株)プラネット専務の石橋光男さんが、
開会の挨拶。
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乾杯の発声は、
ライオン(株)社長の濱逸夫さん。
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会場はご覧のとおり盛況。
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そして、中締めは、
ピップ(株)の藤本久士さん。
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藤本さんは、
プラネット社長の田上さんと同郷で、
兵庫県のご出身。
「次回のトップセミナーはぜひ兵庫で」と、
締めくくった。

それにしても、ヒラメとヘッドアップ。
対して、年上の人からの贈り物。
年下の人への贈り物。

目線の大切さを思い知る。

〈結城義晴〉

<追伸>
商人舎magazine」もますます充実しています。
Daily商人舎
昨日は「新旗艦店イオンモール幕張新都心 12月開業」、
そして今日は「サークルKサンクス3年間1800店出店で反攻」。
どちらもぜひ読んでください。
よろしく。

2013年09月19日(木曜日)

商業界九州沖縄ゼミナール佐賀で「21世紀の商業界精神」を講義!

今朝は、博多のホテルから始まった。

博多駅から特急かもめ15号に乗車。
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この列車、いい。
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個室もある。
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ほぼ1時間の旅程で、
肥前鹿島へ。

ここで、商業界九州沖縄ゼミナール。
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会場は佐賀県鹿島市の市民会館。

左が運営委員長の冨田久好さん、
ファッションバッグ大阪屋社長。
右は事務局長の有森敏明さん、
鹿島SC共同組合。
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ご苦労様でした。
立派なゼミでした。

九州沖縄、さらに関西、関東から、
500人ほどの受講者が集まった。
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ゼミ全体のテーマは、
「人の心の美しさを
商いの道に生かして
グローカル時代を勝ち抜こう!」

商業界ゼミナールは、
「本ゼミ」と通称される年に一度の大集会が、
2月に開催される。
2月ゼミナールとも呼ばれる。

それ以外に、
全国各地の商業界同友会主催の、
地方ゼミが開かれる。

今回は九州沖縄ゼミナール。
だから主催は九州沖縄連合同友会、
主管が佐賀同友会。
㈱商業界は後援。

昨日から4つの講座が行われ、
今日も4つの講座。

私は第7講座で、
テーマは「21世紀の商業界精神」
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まあ、ズバリ、
このゼミナールの根本問題。
それを終りの方で総活的に語る。

商業界精神の基本は、
どんな時にも変わらない。

しかし21世紀には、
その中から変容してくるものがある。
いや、変えなければならないことがある。
とりわけ強調すべきテーマは、
変わってこなければならない。
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商業界精神を説く方が、
マンネリズムに陥ってはならない。

参加者は熱心に聴いてくれた。
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ご清聴を感謝したい。

はじめに、「店は客のためにある」。
そして『商売十訓』。

これらが驚くほど、
ピーター・ドラッカーの思想と合致している。
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しかし「店は客のためにある」と言いつつも、
それだけでは店は客のために、
存在し続けることができない。

「正きによりて滅ぶる店あらば、
滅びてもよし。
断じて滅びず」
〈新保民八〉

新保はまず、
正しくあれ、と諭す。

そして正しくあるならば、
滅びてもよし、と言い切る。

現実を顧みると、
正しくないものは
即座に、滅びる。

しかし、正しさを唱えるものが
滅びてしまうことも、ままある。

なぜか。

なぜ、正しくあることを目指しているのに
滅びるのか。

それは、
イノベーションがないからである。

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語り口は、いつになく、
終始、ゆっくりとしていたが、
中身は辛辣だった。

20世紀と21世紀の違い、
マーケティングの差異を明らかにしつつ、
イノベーションが不可欠であることを語った。

商業界精神にこそ、
イノベーションが求められている。

そのために、
「自ら、変われ!」
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変われるか、変われないか。
そこにかかっている。

㈱商業界社長を辞した結城義晴の、
本籍地はやはり商業界にある。

だれよりも商業界精神を、
極める決意もある。

語り終わって、
私は満足していた。

私の後の最終第8講座は、
ご存知、櫻井よしこさん。
国家基本問題研究所代表理事。
いかめしい肩書を持つ辛口のジャーナリスト。
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失礼を承知で、
舞台袖からシャッターを切った。

背筋がシャキッと伸びていた。

櫻井さんのテーマは、
「新しい日本の未来を拓くために」

舞台裏の講師控室で、
途中まで聞いてから、
私は会場を後にした。

最後の最後に、
山口健次郎さんと固い握手。
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商業界佐賀同友会会長。
㈱サロンモード社長。

ニチイ出身の硬骨漢。

山口さんが佐賀同友会を発足させるとき、
㈱商業界社長だった私は、
この地を訪れて、
側面から支援した。

今回も素晴らしいゼミナールだった。

ほんとうにおめでとう、
ほんとうにご苦労様。

そして再び、特急かもめ。
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今度は白い車体。
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佐賀の田圃は美しかった。
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語り終えて、
私は心から、
満足だった。

〈結城義晴〉

2013年09月18日(水曜日)

今日は博多、商人舎特別顧問・萩原政利さんとウォルマートを語る

米誌Forbesの長者番付。

16日に、2013年版の、
アメリカ個人保有資産ランキングを発表。

第1位がビル・ゲイツ。
マイクロソフト創業者。
720億ドル。
1ドル100円換算で、
7兆2000億円。

20年連続。

この20年はマイクロソフトの時代だった。

第2位は、ウォーレン・バフェット。
カリスマ投資家。
585億ドル。

第3位はラリー・エリソン。
こちらもオラクル創業者。
410億ドル。

しかし第6位から9位までは、
クリスティ・ウォルトン、
ジム・ウォルトン、
アリス・ウォルトン、
ロブソン・ウォルトン。
そうウォルマート・ファミリー。
354億ドル、338億ドル、335億ドル、333億ドル。
足し算すると、1360億ドル。
13兆6000億円。

ビル・ゲイツの約2倍。
第2位のバフェットもウォルマートの大株主。

この20年間は、
ウォルマートの時代でもあったのだ。

毎日新聞の巻頭コラム『余禄』。
JR東海のリニア中央新幹線を語る。
2027年開業の計画が発表され、
来年度に着工。

東京・品川と名古屋を、
最高時速500キロで結ぶ。
所要時間40分。

私が通う立教大学までの所要時間。
横浜と池袋。
JR湘南ライナーでも、
東急東横線&新副都心線でも、
38分。

同じくらいの時間で、
名古屋まで行ってしまう。

日本の技術革新、
「凄いもんだ」
率直に感動する。

ウォルマート・ファリーの保有資産も、
まったく凄いもんだが。

2020年東京五輪招致に絡めて、
「繰り上げ開通を望む声」が飛び出した。

1964年の東京五輪の年、
「夢の超特急こだま」は、
着工後5年で完成され、開通した。

余禄は注意を促す。
「まず先代に学ぶべきは
車内の乗客の安全を守る至芸である」

1962年3月、
当時の米国大統領ジョン・F・ケネディは、
「コンシューマー・ドクトリン」を発表した。
第一に、安全である権利。
第二に、知らされる権利。
第三に、選択できる権利。
第四に、意見を聞き遂げられる権利。

これがアメリカの小売りサービス業の、
背骨を支える考え方となった。

同じことは、
旅客鉄道業のリニア新幹線にも、
不可欠の条件。

しかしリニア新幹線だから、
ことさら強調される問題ではない。

日々の店舗における「安全である権利」。
私たちはそれを死守し続けたい。

さて、今日は、横浜ベイブリッジ。
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快晴だが、
横浜港とみなとみらいは、
ぼやっと見える。
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羽田空港第2ターミナルから、
ANAに乗って、福岡空港へ。
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1時間45分。

リニア新幹線でも、
この時間までは短縮できまい。

私の生まれ故郷が、
温かく迎えてくれた。
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福岡は発展している街。
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嬉しくなる。

今日は、その生まれ故郷を訪れた。
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福岡市早良区大字小笠木。

昔は脇山村といった。

現在の居住人口は、100人足らず。
この脇山村全部が結城一族の棲むところ。
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村のなかを、
悠々と猫が歩く。
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私の父母は横浜在住。

叔父一家が残って村を守る。
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叔父、叔母、従弟らに会って、
久しぶりの交流。

その後、博多南駅へ。
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新幹線の博多総合車両所は壮観。
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一駅だけ九州新幹線に乗る。
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博多南から博多まで、10分間。
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運賃190円、特急料金100円。
なんと290円。
車両は九州新幹線だが、
営業上は在来線扱い。

この発想、素晴らしい。

博多駅に着いて、
すぐに萩原政利さんと合流。
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サニー常務から、
西友物流本部長・商品本部長へ、
そしてサニー代表取締役社長のあと、
退任。現在、商人舎特別顧問。

西友時代に、
ウォルマートの経営を最も理解した人。
私はそう確信している。

だからウォルマートの本質から、
チェーンストアやスーパーマーケットの経営に、
話題は飛ぶ。

博多の美味い魚と酒。
楽しい、前向きの会話。
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したたか飲んだ。

萩原さんには、
これから商人舎のセミナーに、
どんどんご登場いただく。
ご期待、ください。

最後に商人舎magazine。

Weekly商人舎は、
川野幸夫・横山清、
統合と価格表示について語る。

Daily商人舎は、
Kroger、
2013年第2四半期は
増収増益。

こちらもお忘れなく。

〈結城義晴〉

2013年09月17日(火曜日)

台風一過、豪雨の後の平和堂アメリカ研修報告会・事前勉強会

大型台風18号。
昨日の午前8時前に、
愛知県の豊橋市あたりに上陸。

長野県から埼玉県を抜けて、
日本列島を縦断。

滋賀県、京都府、福井県には、
大雨特別警報。
滋賀県大津市、京都市、福井県小浜市、
いずれも300ミリ前後の豪雨。

死者3人、行方不明5人。

わが日本国は、
地震列島でもあり、
台風列島でもある。

それを思い知らされた。

私は北海道札幌からJAL、
今度は東海道新幹線で、
米原を経て、滋賀県彦根へ。

途中、台風一過の富士の山。
頂きはまだ雪をかぶってはいないが、
空に映えて、美しい。
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今日は終日、
南彦根の㈱平和堂本社。
本社横のショピングセンター・ビバシティ。
平和堂アルプラザには、
朝からお客がやってくる。
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平和堂本社の入り口で、
銅像「風の舞」が迎えてくれた。
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10月にアメリカツアーを実施する。
その事前研修会。
毎年、夏と秋に開催し、
3年目のこの秋は6回目。

午前中は秋の参加者40名が参集。
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世界小売業のイノベーションの歴史、
それは近江商人から始まった。

それが日本では三井高利に繋がる。

ロッヂデール、ボン・マルシェ、
A&P、マイケル・カレン、
そして1980年代の第二次革命。
この歴史が、
業態とフォーマットを生み出してきた。

Innovationの本質をアメリカに学び、
日本でInnovationを起こす。

研修の意味と視察の仕方を、
午前中いっぱいガイダンス。
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そして昼食休憩を挟んで午後は、
7月にアメリカ研修をした40名の報告会。
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6チームの各代表6名が、
研修会後の現場での取り組みを発表。
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会場には、夏原平和社長をはじめ
経営幹部、地区長のみなさんまでそろって、
メモを取りながら真剣に報告を聞く。
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そして後部座席の地区長席から、
鋭い質問や指摘が飛ぶ。
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それに対して発表者が答える。

そのやり取りを、
これからアメリカに行く人たちが聞いている。
もちろん、経営幹部も。
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このスタイルが、実にいい。
平和堂をどのようにしたいのかを、
それぞれが考える場になる。

もちろん私も、
発表者、質問者へのコメントを述べる。
そして発表内容について講評。
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ポジショニング戦略を進めるうえでの、
要諦をレクチャー。
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夏原社長はだれよりも熱心に、
どんどんメモをしたためてくれる。
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その夏原さんの総評。
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平和堂をどうしていきたいか、
その想いを教える大切さ。
共通の想いを持った人たちが、
何をどう実践するのか。
お客様が平和堂の、
ファンになってくださる仕事とは何か。
「具体的な目標を立てて、
取り組んでほしい」。
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夏原さんの語り口は穏やかだが、
いつも幹部やミドルに、
本質的な問いかけをする。

報告会を終えて、
夏原さん、常務の平松正嗣さんと、
談笑。
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夏原さんは、
教育人事部の事務局の労をねぎらう。
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取締役店舗営業本部長の夏原行平さんと、
3人で写真。
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今年のスローガンの前で。

行平さんは夏のアメリカ視察の団長だった。
コーネル・ジャパン第1期生。

今年のスローガン「トンガロウ!」は、
英語にすれば、ズバリ「Outstanding」。

そして10月視察の団長・夏原陽平さんが、
視察に向けての意図と決意とをコメント。
取締役営業推進室長。
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陽平さんはコーネル第2期生。

今日は、夏原社長のはからいで、
前回参加組が社員食堂を借り切って、
交流懇親会。
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私も少しだけ、
お相伴させていただいた。
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その間、今秋の参加者は、
グループ・ディスカッション。
グループで学ぶこと、
個人として学ぶことをまとめる。

そして班長が発表。
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第3班は女性班長の川﨑美幸さん。
一般食品事業部加工食品バイヤー。
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全6班ごとの目標を最後に、
私がまとめ、指導アドバイス。
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平和堂では、
この研修の成果が、
顕著に出ている。

私はあくまでサポート役。

やり遂げるのは、
平和堂マン、平和堂ウーマン。

昨日、豪雨に見舞われたこのエリア。
幸いなことに事故もなく、
店もほぼ通常通り営業できた。

こうした日々の努力のなかから、
Innovationは生まれてくる。

〈結城義晴〉

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