結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年08月09日(土曜日)

大学・大学院と学士・修士・博士と知識商人のこと

強い台風11号
西日本に接近して、
夏の高校野球甲子園大会は、
初日から早々と中止を決定。

珍しいことだが。

今年は台風の当たり年になりそうな予感。

さて、日本私立学校振興・共済事業団の調査。
一昨日の日経新聞がとり上げた。

全国に国公私立合計782大学がある。
そのうち私立大学は587校。
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そのうちの578校が回答。
高い回答率。

定員割れが265校、
昨年から33校も増えた。

定員を上回る学生が入学した大学は、
313校で、これは31校減。

入学定員充足率104%、
これは2ポイントのダウン。

この充足率は、
定員全体に占める入学者の割合。

ダウンしたとはいえ、
100%を超えているから、
全員が私立大学に入学できることになる。

入学定員の規模別にみると、
800人未満の大学419校の充足率が100%を切った。
800人以上の159校は100%を超えた。

規模の大きな大学には学生が集まり、
小規模の大学ほど学生の確保に苦しむ。

充足率が高い地域は東京110%、
神奈川・京都、大阪が105%。
充足率が低い地域は、
宮城県を除く東北が82%で最も低い。

四国が90%、
滋賀、奈良、和歌山と広島が92%。

都市部の大学に学生が集まっている。

小売りサービス業も、
人口の都市集中化によって、
世界的にエクスプレスストアの開発が進む。

アメリカのコーネル大学など、
ニューヨーク州とはいえ、
イサカという僻地にある。
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素晴らしい環境の中で、
学生たちが学んでいる。
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大学や大学院で学ぶ期間だけでも、
地方の豊かな環境の中で生活できないか。

そんなことも感じるけれど、
今後の少子化潮流の中で、
地方大学の経営は厳しくなる。

同じ一昨日の日経新聞。
編集委員の小玉祥司さんが、
力を込めて書く。
「増える博士、問われる質」。

「末は博士か大臣か」
明治の昔の言葉。

その博士号について論じる。

大学や大学院が学生に与える学位は3種類。
学士、修士、博士。

その博士に関して、
東京大学の大学院学則には、こうある。
「専攻分野について
自立して独創的研究を行うに必要な高度の研究能力
およびその基礎となる豊かな学識を養うこと」

①専攻分野を持つこと。
②研究能力と基礎学識を養うこと。
③自立して独創的研究ができること。

2010年度には、
1万6760人の博士が誕生。

凄い数だ。

このうち大学院博士課程から誕生した博士が、
1万4002 人で8割超。

立教大学大学院で、
私は修士課程を指導し、
結城ゼミで30人の修士が誕生した。
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その中で今、
博士課程に進んでいるのは、
ひとり。

もちろん社会人大学院だから、
全員が仕事をもっている。
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修士を取った後、
博士に挑むのは、
時間的にも金銭的にも制約がある。

博士課程の大学院生は、
自分の研究で成果を出し、
学術誌への論文掲載や
学会での発表が求められる。

どの大学でも博士論文をまとめる段階では、
学内の審査委員会の予備審査を受ける。

予備審査を通過した後で、博士論文を執筆。

この論文は審査委員による公聴会を経なければならない。
その審査に合格してやっと博士号が授与される。

国内国公私立大学782校のうち、
435大学が博士課程をもつ。

2010年度の博士号取得者を出した大学は、
東大が2150人で圧倒的に多い。
東大の大学生は1学年に約3000人だから、
7割以上が博士号をとることになる。

旧帝国大学7校合計は5347人。
私立では早稲田の259人が最多。

しかし日本では供給過剰状態。

特に理科系人材強化を目的に、
大学院重点化が政策になったからだ。

例えば、1996年度から、
5年計画で「ポスドク1万人計画」が実施。

「ポスドク」は、「ポストドクター」の略。
博士課程を修了して博士号を取得し、
常勤研究職になる前の研究者。

全国に1万人以上。

理工系大学院卒の博士号取得者は、
1995年度に3435人、
2000年度に4953人、
2005年度に5820人。
大幅増。

大学教員や研究者の採用の際、
博士号が条件づけられることが多い。

しかし、大学教員などのポストは増えない。

従って、理工系では博士号取得者は減少傾向。
同時に博士の質の低下が懸念されている。

私は大学を卒業して、
すぐに㈱商業界に入社した。

ずっと編集部門で、
最初は編集記者。
12年して編集長となり、
それから8年で取締役編集担当、
その後、代表取締役社長となったが、
その間も編集統括を続けた。

この間、毎月毎月、
小売流通サービス業を、
取材し、インタビューし、考察し、研究して、
レポートや論文を書き続けた。

結局、商業界で30年を経験し、
その後、コーネル大学RMPジャパンの副学長となり、
立教大学大学院の特任教授となった。
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学校教育法や文部科学省の大学設置基準では、
「教授」を次のように定めている。
「専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の
特に優れた知識、能力及び実績を有する者であって、
学生を教授し、その研究を指導し、
又は研究に従事する」

その教授の資格は、
「博士の学位を有する者や
これに準ずる研究上の業績などが認められること」

私の場合は後者で、
同期の沖本美幸さんらと一緒に、
ビジネススクールの「特任教授」となった。

つまりは商業界30年間の研究と文筆活動が、
博士に準ずる研究上の業績と、
認められたことになる。

そして今、私は、
小売りサービス業のフィールドで働く人々を、
「知識商人」と呼んで、
修士や博士、それらに準ずる存在に、
育て上げようと試みている。

その際も、3つの条件は変わらない。
①専攻分野を持つこと。
②研究能力と基礎学識を養うこと。
③自立して独創的研究ができること

実際に、彼ら知識商人は、
専攻分野に関して、
実務上の特に優れた知識、能力及び実績がある。
その上で、部下や後輩を教授し、
その実務を指導し、自らも研究に従事する。

もちろん立教で私が教授した修士たちも、
知識商人の代表であることは変わりない。

博士号取得者は減少傾向にあるらしいが、
知識商人はどんどん増やしていきたい。

台風11号が接近してくる中、
そんなことを考えた。

〈結城義晴〉

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