結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年03月22日(水曜日)

トランプ批判と「詩のことば・社会のことば」の「人間だもの」

夜の田打桜、美しい。
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そして、World Baseball Classic。
準決勝はロサンゼルス。
ドジャースタジアム。
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日本代表「侍ジャパン」敗退。

相手はアメリカ代表。
大リーグ・オールスターチームの陣容。

2対1での惜敗だが、
全体によくやったと思う。

そのアメリカの小売業。
今日のDaily商人舎のなかから、
米国eコマースニュース|
ネットスーパーは宅配か
顧客のピックアップか

リフト(Lyft)とウーバー(Uber)は、
配車アプリサービス業者。
シップト(Shipt)、インスタカート(instacart)は、
買物代行・宅配サービス業者。
それからアマゾン・フレッシュ、
グーグル・エクスプレス、
フレッシュダイレクト、
ピーポッドなどの専門業者。

小売業は彼らと提携してサービスを行う。

一方、ピックアップストアは、
アマゾンフレッシュ・ピックアップ、
ウォルマートのピックアップ・トゥデイ、
クローガーのクイックリスト。

詳細はDaily商人舎をご覧いただこう。

さて、日経新聞「大機小機」
コラムニストは隅田川さん。
「トランプ氏を批判する前に」

これがなかなか鋭い。

「トランプ大統領の主張は多くの点で、
経済学的に見て誤りだ。
しかし、大統領だけを批判できない」

多分、経済学者のコラムニストは、
日本でも同じような3つのことが、
言われていると指摘する。

第1は、輸入を抑制して、
国内の雇用を守るという考え。

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では、
農産物の輸入を制限して、
農業を守れという主張があった。

「トランプ氏の保護主義と
似たようなものだ」

第2は、
経常収支や貿易収支の赤字は、

望ましくないという考え。

「これも経済学的には誤りである」

経常収支や貿易収支が
赤字だからといって、
国民福祉は損なわれない。

「これらを政策的に
コントロールする意味は
ほとんどない」

日本は東日本大震災の後に、
貿易収支が黒字から赤字に転じた。
その時に、「日本の多くの人々は
貿易収支の赤字は望ましくない」と見た。

トランプと同次元だ。

第3は、「国境を越える人の
移動に対する閉鎖的な姿勢」

「この点でも、日本は大きな顔はできない」

日本の外国人労働者比率は、
他の先進国よりも断然低い。
「人の流入という点では
閉鎖的な国だからだ」

「トランプ氏を批判するのなら、
日本自らの政策姿勢についても
振り返ってみるべきだろう」

なるほど。

これをトランプと日本や日本人と、
考えるだけではいけない。

石原慎太郎や浜渦武生とわが社のトップ、
あるいは都議会議員とわが社の人々、
森友学園理事長夫妻とあの業界人夫妻、
など見直してみると、ぞっとしたりする。

つまり社会に起こって、
喧伝されるニュースと、
論理的には同一のものが、
自分の周りにあると、
見えなくなってしまう。

トランプの「脅し」のごとき表現が、
なんとセミナーの募集文言に、
使われていたりする。

それを見分けねばいけない。

そして今日の「ほぼ日」
糸井重里は、手放しで評価できる。
すばらしい。

「たとえば、である。
『昨日、とうちゃんが死んだ。
1年前にシロが死んだときのほうが
悲しかった。』
と書いてあったとしたら、
それは『詩のことば』である」

「これが、
『社会のことば』であったとしたら、
とうちゃんが亡くなったことを、
悲しくないように言っては
いけないのである。
しかも、それを、
犬だか猫だかの死とくらべているのは、
ますますいけないことであろう」

分かりやすいたとえだ。
秀逸。

そして糸井は実に鋭いことをいう。
「世の中には、『詩のことば』と
『社会のことば』がある」

詩のことば、
社会のことば。

いい。

「アクション映画で、
悪いやつがタバコを吸っていて、
その吸い殻をそこらへんに
投げ捨てる」

「それは『詩のことば』で
描かれたものである」

「そして、クルマに乗って
走り去るのだけれど、
もちろんシートベルトはしない。
この行為も『詩のことば』で
語られているのだ」

「でも、悪いやつだからといって、
映画だからといって、
シートベルトをしないで
運転するのはいけないからと、
その悪い男がシートベルトをするなら、
それは、『社会のことば』で
語られたものになる」

このたとえも、
恐ろしく的確。

「『詩のことば』は、
自由なのである」

「『ぼくらは自由だ』というのは、
『詩のことば』だ。
『ぼくらは自由だ』という
『社会のことば』もある」

ここが難しい。

「『あいつを傷つけたい』という
『詩のことば』もあるし、
『あいつを傷つけたい』という
『社会のことば』もある」

「泣きながら語られる
『社会のことば』もあったりする」

「冷静に、鬼のように語る
『詩のことば』もある」

このあたりも、
天才コピーライターの面目躍如。

そして糸井の結論。
「世界から、どんどん減っているのは
『詩のことば』だ」

「すべてが『社会のことば』であっても、
世界は成立する」

「だけれど『詩のことば』が
なくなっていくと、
それは、ただ『世界』では
あるのだろうけれど、
『人間の世界』じゃ
なくなるようにも思う」

「それはいやだな、
人間だものな」

今日は、参った。
完全、脱帽。

いや、今日も、か。

商売やビジネスの中にも、
詩のことばと社会のことばが、
混じっている。

コンプライアンスは、
社会のことばだ。
ストアコンセプトや販促コピーは、
詩のことばだろう。

Marketingは詩のことばか、
Managementは社会のことばか。

いや、そう簡単に、
割り切れるものではない。

ピーター・ドラッカーは、
詩のことばと社会のことばを、
実に上手く使った哲人だ。

ドナルド・トランプには、
詩のことばのひとかけらも感じられない。
社会のことばも欠けているが。

小売業は人間産業。
だから小売業から、
詩のことばは減らせない。
断じて。

〈結城義晴〉

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