結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
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2017年05月07日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その40】ツツジ

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目は季節を読み取る。
梅、桃、桜、そして新緑。
その新緑の中のツツジ。

ツツジは漢字で「躑躅」
英語で、Azalea
フランス語ではazalée

世界に600種以上、
日本には40数種がある。

キク類asterids、
ツツジ目Ericales、
ツツジ科Ericaceae、
ツツジ属Rhododendron。
その植物の総称。http://www.shoninsha.co.jp/wp-content/uploads/2015/05/DSCN2541-5.jpg「総称」という時の博物、
やたらに種類が多い。

混同しやすい仲間、つまり種も多い。

ツツジ属の植物は、
低木が一般的だが、
高木もある。

葉は常緑、ただし落葉性のものもある。

低木、高木、
常緑、落葉性。
種類が多くて、
新しい品種を開発するから、
反対の性格を持ってくる。

ただし葉は「互生」

葉のつきかたには4種類ある。
第1が「互生」(ごせい)
第2が「対生」(たいせい)
第3が「輪生」(りんせい)
そして第4に「コクサギ型」

互生は、茎の節に、
1枚ずつ互い違いにつくこと。

ツツシ゛はこれだ。

対生は、茎の節に、
2枚の葉が向かい合ってつくこと。
同じ面に、2列に並ぶと、
「二列対生」という。

そして輪生は、茎の節に、
3枚以上の葉がつくこと。

コクサギ型は珍しいが、
左右に2枚ずつの葉がつくこと。

花は、特徴的だ。
漏斗(ろうと、じょうご)型で、
先端が5つに割れて、五裂している。

ツツジは花弁(花びら)が、
合着して1枚となる合弁花(ごうべんか)。

そのじょうご型の花を数個、
枝の先につける。
20120506183225.jpg
花の中心にあって、
一番長く伸びているのが雌蕊(めしべ)。
その周りの短いのが雄蕊(おしべ)。
雄蕊は5~10本つく。

ツツジは虫媒花。

だからツツジの花の内側には、
上方の花びらにだけ斑点がある。

この斑点を「蜜標」(ガイドマーク)と呼ぶ。
昆虫に蜜の在り処を教えて、
思惑どおりに花粉を運んでもらう。
つまり昆虫をガイドするためのもの。

ツツジは4月、5月の春先に花を咲かせる。20140428130950.jpg
ツツジ属(Rhododendron)は、
大きく5つに分類される。
⑴ツツジ亜属
⑵ヒカゲツツジ亜属
⑶無鱗片シャクナゲ亜属
⑷セイシカ亜属
⑸エゾツツジ亜属

シャクナゲは、
この⑶無鱗片シャクナゲ亜属。

サツキは、
⑴ツツジ亜属のヤマツツジ節の花。

それ以外をほとんどすべて、
ツツジと呼ぶ、と考えていいだろう。

日本で一般的なのが、クルメツツジ。
サタツツジとヤマツツジ、
それにミヤマキリシマなどが、
かけ合わされて生まれた。
満開のときは圧巻。

ヒラドツツジは大型のツツジで、
街路樹としても植栽されている。

これはケラマツツジやモチツツジ、
キシツツジなどを親としている。

ツツジとサツキ、シャクナゲ。
見分け方。

開花時期はツツジが3月から5月。
サツキは4月から7月。
そこで江戸時代から、
「春咲きを躑躅、初夏咲きを皐月」といわれた。
サツキは皐月からきた。

シャクナゲは4月から6月に開花する。

ツツジは一般的に落葉樹。
サツキとシャクナゲは常緑樹。

ツツジは花や幹に照りがない。
それに毛が密集している。
一つの蕾に3輪の花が基本。

サツキは葉の表面に照りがあり、
花はツツジよりも肉厚。
一つの蕾に1輪から3輪咲く。
R-indicum_satsuki_blossom

シャクナゲの花は、
5から10輪以上が車状に咲く。
葉は、表面に光沢があり、
丸みを帯びて細長い。
syakun99

全国にツツジの名所は多い。
その中でも、
「一目百万本」の奈良県御所市葛城山。
圧巻のヤマツツジ(御所市フォトギャラリーより)。src_19193844

5月上旬の今頃から蕾が膨らみ始める。
2分咲き、3分咲き、5分咲きと、
日毎に少しずつ開いていく。
5月中旬頃が「見頃」。
その後、満開を迎え、
5月下旬にシーズンを終える。
src_10463427

最後に松尾芭蕉。

躑躅生けてその陰に干鱈割く女

「干鱈」は「ひだら」、干した鱈。

ちょっと立ち寄った茶店。
ツツジが生けてある。
そのツツジの陰で、一人の女が、
安い干し鱈を割いている。

見たまんまの句だが、
ツツジと干し鱈。
庶民の生活が描かれて、
良い句だ。

桜の次のツツジ。
季節は移っていきます。
DSCN8963-2016-4-10-66666
そのツツジは「春咲き」
次がサツキの「初夏咲き」

生きていたら一度、
葛城山に行ってみたかったなあ。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

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