結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年09月29日(日曜日)

リーチマイケルと中田久美の”ワンチーム・ワンハート”

リーチマイケル。
ラグビー日本代表主将。
30歳。
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ニュージーランド出身で、
国籍は日本。

父はスコットランド系ニュージーランド人
母はフィジー人。

ポジションはフォワード。
ナンバーエイト、フランカー。
身長189cm、体重105kg。
2リーチ

15歳で日本に留学生として来日。
札幌山の手高校入学、卒業。
東海大学体育学部へ進学。
東海大学体育会ラグビーフットボール部。

2011年に卒業後、
東芝ブレイブルーパスに加入。
同年開催のワールドカップ日本代表。

12年に東海大学同級生の知美さんと結婚。
13年に日本国籍を取得すると、
「Michael Reach」から、
「リーチ マイケル」に表記を変えた。

2014年4月、
エディー・ジョーンズヘッドコーチから、
日本代表キャプテンを指名される。

歴史的な勝利を収めて、
今日、記者会見で発言。
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朝日新聞が報じた。
「ある競技から刺激を受けていた」

それはバレーボール。

同じ時期にワールドカップを日本開催中。

リーチは自身のアイルランド戦前夜に、
女子バレーボールの日本対セルビア戦を見ていた。
セルビアは世界ランキング1位。
日本は同6位。

女子日本代表のキャッチフレーズは、
「火の鳥NIPPON」
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この試合に日本はフルセットの逆転勝ちをした。

リーチは「とても感動した」と語った。

日本代表の中田久美監督は、
このリーチの言葉を選手に伝えた。
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アタッカーの鍋谷友理枝。
「私もラグビーのスローガンの
“ワンチーム・ワンハート”で、
何ができるかと考えてコートに立った」

セッターの佐藤美弥。
「ラグビーの選手たちも
“勝つ気持ちが大事だ”と言っていた。
そういう気持ちで今日の試合に臨んだ。
強い思いが結果につながった」

16リオデジャネイロ五輪4強のオランダに、
セットカウント3対1で快勝。
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中田久美監督はリーチの言葉に返礼した。
「光栄に思う。選手の力になった」
〈1998中田久美写真集より 41FK7AQ6-KL._SY498_BO1,204,203,200_
「競技、種目を越え、
スポーツ界がどんどん変わっていけばいい」

バレーボール女子は、
このワールドカップで6勝5敗の5位。
世界ランキング6位からは、
一つ上の成果だった。
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まあまあの成績だが、
セルビア戦、オランダ戦では、
金星を挙げた。

私が中学・高校のころのバレーボールは、
9人制だった。

もちろんオリンピックでは、
1964年の東京の「東洋の魔女」のころから、
もう6人制となっている。

9人制は前衛・中衛・後衛。
役割やポジショニングが決まっていて、
ローテーションがない。

6人制はバレーボールを、
革命的に変えた。

6人がローテーションで、
ぐるぐる回る。

バックアタックなど、
後衛の選手がアタックする。

これらの新戦術はほとんど、
日本が考案したものだ。

ただし、このローテーションの反動か、
1998年から「リベロ」という、
守備専門のポジショニングが生まれた。

おもしろい組織変更だ。

自由なローテーションが主流となったら、
「リベロ」(自由人)という専門職が登場した。

一方のラグビーは、
15人のポジショニングが、
ほぼ決まっていて、
専門化されている。

リベロもいない。

フォワードは8人で、
その第1列は、
両サイドのプロップ2人と中央のフッカー。
2列目はロック2人。
3列目は両サイドのフランカー2人と、
ナンバーエイト。

リーチマイケルはこの3列目の専門家。

ハーフは2人で、
スクラムハーフとスタンドオフ。

バックスは5人。
当たりに強いセンターが2人、
俊足のウィングが2人、
そして最後にフルバック。

そしてこの中から、
キッカーが1人選ばれる。
五郎丸歩はフルバックでキッカー。
現在の田村優はスタンドオフでキッカー。

ちなみに五郎丸は早稲田大学出身、
田村は明治大学出のラガー。

サッカーのポジションは、
やはりフォワード、
ミドルフィールダー、
ディフェンダー、
そしてゴールキーパーと決まっている。

しかしバレーボール6人制のように、
かなり流動的、臨機応変で、
ほとんど全員がシュートを放つ。

1970代までのサッカーは、
攻撃と守備が完全に分業制だった。

しかし西ドイツに、
フランツ・ベッケンバウアーが登場して、
それをひっくり返してしまった。

皇帝ベッケンバウアー。
ポジションはセンターバックだった。
ラグビーでいえばフルバックだ。
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しかしベッケンバウアーは、
攻撃的センス抜群の選手で、
最後尾からパスを繋ぎ、攻撃に加わり、
シュートまで放つという、
画期的なポディションを確立させた。

ここから「リベロ」が誕生した。

現在はチーム戦略の進化によって、
リベロはすたれてしまったが、
それでも力量があれば、
その役割は消えることはない。

システムとして最も進化したのが、
バレーボールと言えるかもしれない。

世界が「スピード」を求めたからだ。

ラグビーにも「7人制」のセブンスがあって、
ワールドカップも開催されている。

しかしラグビーゲームの主流は、
15人制の専門職集団の激突だ。

そのスペシャルティこそが、
ラグビーの魅力なのだと思う。

難しそうだが、
知れば知るほど面白い。
それがラグビーだ。

サッカーは全員守備の全員攻撃。
バレーボールも全員守備の全員攻撃、
プラス「リベロ」。

ラグビーももちろん、
全員守備の全員攻撃が基本で、
タックルがそれを象徴するものだが、
一方で、専門性の高い技術と知見を求められる。

ベースボールも、
アメリカンフットボールも、
その意味では専門性が高い種目だ。

スペシャリストとオールラウンダー。

ビジネス実務では、
スペシャリストとゼネラリスト。

わが社はバレーボール派なのか、
ラグビー派なのか、
それを明確に戦略化する必要がある。

どちらが優れているとは言えない。

しかしリーチマイケルが、
中田久美らに感動し、
また中田久美らが、
リーチマイケルに元気づけられた。

その本質は、
“ワンチーム・ワンハート”にある。

ゼネラリストとスペシャリストが、
ワンチーム・ワンハートで仕事を進める。
それが戦略や種目を超えて、
何よりも大切なのだ。

〈結城義晴〉

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