結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年11月29日(日曜日)

早め早めの「リスクマネジメント」と「個人的には…」の本音と建前

今日の日曜日。
一日中、一歩も外に出なかった。

いまや神奈川県にも、
外出禁止令が出ているような気分。

どうしてこんなことになってしまったのだろうか。

いま書いている原稿でも、
小売業もサービス業も卸売業や製造業も、
今期に入って、
第1四半期がコロナ第一波だった。
第2四半期がコロナ第二波、
そして第3四半期が終わる11月末、
コロナ第三波が来ている。
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そして年末商戦を迎える。

アメリカでは新規感染者が、
1日で20万人を超えた。

カリフォルニア州ロサンゼルスは、
全米第2の都市圏だが、
終日の外出禁止命令が出た。
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5日間の平均で、
新規感染者は4500人を超えた。
ロックダウンも仕方ない。

そのうえ今週は感謝祭週間。
日本で言えば、
正月かお盆かという国民的大イベント。
感染者はまた爆発するのか。

ヨーロッパでも11月初旬に急増して、
イギリス、フランス、ドイツは、
厳しい措置に踏み切った。

その結果、感染ペースは落ち着いた。

日本は感染者や死者の絶対数は、
欧米に比べてもひどく少ない。

しかし、厳しい措置をとらねば、
感染のペースを下げることはできない。

経営や事業、仕事と同じ。
早め早めの手を打つ。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

それがリスクマネジメントの基本だ。
今年は一年中、それだ。

さて、朝日新聞「天声人語」
大学入試の問題に使われるとして、
読売新聞の「編集手帳」と並んで、
高く評価されている。

その11月22日版。

「個人的には……。」

「わざわざそう断ってから発言する人が
やけに多いように感じる。
気のせいだろうか」

同感だ。

「”私はこう思う”と単に言えばいいのに、
なぜかこの表現がよく使われる」

あるある。

「それなら今までの話は何だったのか」

アメリカではまず、ない。

どこか、
責任逃れや、
無責任に聞こえる。

ここで同志社大学教授の太田肇さん。
組織論がご専門。
「”超”働き方改革」の新著がある。
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太田さんが指摘するのは、
日本の企業などでの「同調圧力の強さ」。

「周囲と異なる意見を言うには
圧力にたえる”逃げ道”が必要で、
それが”個人的には”といった
表現になっているのではないか」

太田さん。
「日本の組織には私より公を優先する
暗黙の前提がありますから」

「最悪なのは本音が語られず、
建前だけの組織です」

これは小売業にも多いし、
サービス業にも多い。

本音と建前。

これがあると、
とくにチェーンストアの組織は、
うまくいかない。

一つの本部と多数の店舗によって、
チェーンストアは成り立っているからだ。

一番いいのはいつも、
「お客さまのために」と考えることだ。
倉本長治はそう教えた。

セブン&アイ前会長の鈴木敏文さんは、
「お客の立場を貫け」と言った。

「個人的には、
これはお客さまのためには、
ならないと思います」

では「公人的には」、
お客さまのためにならないことでも、
やってしまうのか。

そんな組織は腐っている。

コラムは最後に、
政治学者の丸山眞男を引く。

「私の個人的意見は反対でありました」

これは日本が戦争に向かった経緯について、
A級戦犯が東京裁判で語った言葉だという。

「自らの考えを”私情”と排し、
ひたすら周囲に従うのを
モラルとするような指導者の言動」

丸山は「既成事実への屈服」だと喝破した。

丸山眞男は政治学者、東京大学名誉教授。
1914年生まれ、1996年没。
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戦前、東京帝国大学助教授だったが、
陸軍二等兵として召集された。

大学卒業生は志願して幹部候補生になる。
丸山は「軍隊に加わったのは、
自己の意思ではない」と、
二等兵のまま従軍して、
中学も出ていないだろう一等兵に、
何度も殴られた。

勝新太郎と田村高廣の主演で
「兵隊やくざ」という映画があったが、
田村演じる有田上等兵が、
丸山眞男をモデルにしていると思う。
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旧帝国陸軍は、
本音と建前の巣窟だった。

丸山はそれが嫌で嫌で仕方なかった。
だから「既成事実への屈服」は嫌いだった。

コラムニスト。
「豊かで平和な社会は
異論によって形成される」

正しい。

だから組織には、
「コンフリクト(対立)」が必須だ。

そしてコンフリクトのルールには、
「個人的には」の言い方はない。
正々堂々の議論が求められる。

しかしそれはなかなか難しい。

私も若いころから跳ねっ返りで、
生意気な正論ばかり吐いていた。

それでも空気は読んだり、
あとでフォローしたり、
自分の言葉遣いには注意を払った。

言い続けていると、
その正論が少しずつ認められる。
そうなるともう、
こっちのものだ。

本音と建前があっては、
つまらない。

〈結城義晴〉

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