結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年10月05日(火曜日)

真鍋淑郎ノーベル物理学賞受賞と「閉じた個人」にならないこと

今朝といっても昨夜だが、
午前1時くらいから、
Facebookがつながらなくなった。

家のネット環境の不具合かと思ったら、
世界的なシステム障害だった。

米国ウェストコースト時間で午前9時、
日本時間で午前1時からおかしくなり、
私の場合は午前4時過ぎても、
Facebookにつながらなかった。

まるでコロナ・パンデミックのようだと思った。
あっという間に世界に広がる。

一方、すごいニュースも伝わった。
ノーベル物理学賞受賞。
真鍋淑郎プリンストン大学上席研究員。
日本の愛媛県出身で米国籍の90歳。
〈ノーベル財団Twitterより〉
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地球全体の気候を、
コンピューター上で再現、
予測数値モデルを開発。

それによって大気中の二酸化炭素濃度が
気候に与える影響を明らかにした。

もちろん初めてのことだった。

授賞理由。
「地球温暖化を確実に予測する
気候モデルの開発」

この理由が物理学賞であるところに、
むしろ意義がある。

ドイツのクラウス・ハッセルマン氏、
イタリアのジョルジオ・パリシ氏も、
共同で受賞。
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大気中のCO2の量が2倍になると、
地上の気温が2.3度上がるという試算。

CO2は長期的な気候変動に対して、
極めて重要な役割を果たしている。

今や小学生でも知っていることだが、
それをコンピューターを駆使して証明、
世界中の温暖化研究に拍車がかかった。

そういった、
時代を動かしたという意義もある。

「大気・海洋結合モデル」の開発は、
大気の研究に、
海洋研究を結合させて、
モデル化された。

すごい先生だ。

日本人として誇りに思う。

東京大学の木本昌秀教授も、
真鍋先生の恩恵にあずかっている。

私もこのブログでもよく使う概念だが、
[極端気象]も真鍋先生のおかげである。

日本のノーベル賞は、
湯川秀樹博士から始まって、
朝永振一郎博士、江崎玲於奈博士までは、
割合、すらすらと出てくるが、
その後は続々と受賞者が出て、
自然科学分野では真鍋先生で25名。

誇らしいことだ。

この面では中国や韓国を、
大きく引き離している。

ノーベル賞受賞者を、
国別に人数で比較するのは、
あまり意味がないかもしれないが、
アメリカ合衆国が圧倒的に多くて333人。
イギリスは133人、
ドイツが109人、
フランスが70人。
ノーベル賞の本国スウェーデンが32人、
ロシアが31人で、
そして日本は28人。

自然科学以外には、
文学賞が川端康成と大江健三郎、
平和賞が佐藤栄作元総理。

ただし経済学賞はまだ、
一人も出ていない。

故宇沢弘文東京大学名誉教授が、
惜しくも受賞を逃がしたが、
その後は候補らしき学者も登場しない。

残念なことだ。

真鍋先生の功績に関連して、
昨年までドナルド・トランプが、
「地球温暖化などフェイクだ」
などと言ってのけていたが、
恐ろしく時代錯誤の大統領だった。

それを支持した国民が半分ほどいるのも、
アメリカ合衆国だ。

世界最大の消費大国、
世界最大の経済大国、
世界最多のCOVID-19感染国。

ただし米国チェーンストアは、
世界最高・最速を誇る。

月刊商人舎9月号でそれを証明した。
月刊商人舎9月号表紙
しかし世界の時代観を、
物理学賞が映し出した。

そこに90歳の日本人科学者がいる。

やっぱり世の中は、
いい方向に向かっている。

今日は1日、
横浜商人舎オフィス。

月刊商人舎10月号の最終責了日。
夜食はいつものように、
店屋物の鍋焼きうどん。
IMG_71461

そして責了しました。

連載の「結城義晴の定義集」は、
これです。
IMG_E71491
ぜひ、読んでください。

最後に日経新聞「経営者ブログ」
鈴木幸一IIJ会長。
鈴木幸一

「在宅勤務になったら、どこの出版社も
面白い企画が少なくなってしまったようです」

わかる、わかる。

「新型コロナウイルス禍が収まっても、
勤務形態がリモートになったら
出版社の企画力がなくなってしまう」

大手出版社の経営者の言。

鈴木幸一さん。
「オフィスという空間は
同僚ばかりか、外部の人と接触し、
会話というキャッチボールを重ねることで、
人を新たな次元に育ててくれる空間でもある」

私が商業界で仕事をしていたとき、
あの会社はまさにそれだった。

もともと創業者の倉本長治師が、
会話というキャッチボールを重ね、
人を新たな次元に育てる人だった。

そこから岡田卓也が登場した。
渥美俊一も才能を伸ばしてきた。

商業界3階のクラブ室には、
いつも業界の実務家やコンサルタント、
ジャーナリスト、学者などが集っていた。

大学の研究室も本来、
そんな場である。
ただし正反対の研究室もあるから、
それが困る。

「企業が新たな事業をつくり、
発展していくためには、
何よりも働く人々から
新たな能力を発見していける
機会をつくっていくことが重要である」

同感だ。

「その機会は同僚との会話や
外部の人との接触など、
さまざまなのだが、何よりも
“閉じた個人”にしないことである」

その通りだ。

「閉じた個人」にならないために、
多分、真鍋淑郎は、
アメリカ国籍を得たのだと思う。

アメリカ合衆国は、
やはりそのインキュベーター機能を、
強く有するし、ことさら重視する。

中国との決定的な差は、
ここにあると思うが、
私たちもそれを忘れてはならない。

〈結城義晴〉

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