結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年10月09日(土曜日)

米国ローカルチェーン同士のM&A[Raley’s & Bashas’]

何とか心と秋の空。IMG_72571

秋の日は釣瓶落とし。
すぐに夕方がやってくる。IMG_72511

商人舎流通スーパーニュース。
その海外ニュース。

レイリーズnews|
アリゾナの老舗スーパーマーケット「バシャス」を買収

最近はちょっと珍しいニュースだが、
ローカルチェーンによる、
ローカルチェーンのM&A。

カリフォルニア州のレイリーズ(Raley’s」が、
アリゾナ州のバシャス(Bashas’)を買収した。

レイリーズは1935年創業。
ウエストサクラメント市に本部を置く。
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サンフランシスコから北東に向かうと、
レイリーズのドミナントに着く。

有名なナゲットマーケットの商勢圏と重なる。
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ナゲットがファンタスティックな店ならば、
レイリーズは普通の店。

現在は、
カリフォルニア州北部とネバダ州で、
124店舗を展開する。

強いローカルチェーンで、
そのローカルチェーンから、
リージョナルチェーンに変貌中の会社だ。

店舗バナーも数多い。
つまりマルチフォーマット戦略。

Raley’s、Bel Air、Nob Hill Foods、
そしてRaley’s O-N-E Marketなど。
DSCN01800

地元北カリフォルニアの企業を、
少しずつ統合してそのバナーを残した。
さらに自ら新しいフォーマットに挑戦。

結果としてビジネスモデルが増えた。

一方、バシャスは1932年創業。
昭和7年のことだ。

レイリーズと同じころ、
事業を起こしている。

東海岸のウェグマンズは、
1916年にロチェスターに青果店として開業。
第一次世界大戦の直前。

そして第2次大戦後の1949年に、
スーパーマーケットに業態転換。

全米1位のクローガーは1883年、
オハイオ州シンシナティ市に第1号店を出店。
こちらはグロサリーストアだった。
1904年には精肉店を買収して、
初めてグロサリーストアに精肉部門を導入。

そして1916年、セルフ・サービスを導入。
クラレンスサンダースが、
この新システムを開発した年だ。

1929年には、5575店舗に達していた。

一方、西海岸はまだ遅れていて、
こちらの企業は生鮮食品店が多かった。

バシャスは現在、
アリゾナ州を中心に113店舗を展開。
マルチフォーマット戦略。

Bashas’、Bashas’ Diné、Food City、
AJ’s Fine Foods、
Eddie’s Country Storeなど。

レイリーズ、バシャスともに、
ファミリービジネスの非上場企業だ。

レイリーズは北カリフォルニア、
バシャスはアリゾナ州。

それぞれのスーパーマーケットとして、
エリアの2番手に入る。

それ以下は淘汰されてしまった。
だから2番手に残るのは、
大変な事だ。

レイリーズCEOのマイケル・ティールは、
創業者トーマス・レイリーの孫、
バシャスCEOのエドワード・バシャも、
創業者ナジーブ・バシャの孫にあたる。

どちらも三代目。

ローカルチェーンは、
同族経営が多くて、
それが一番強い。

昨2020年半ばのCOVID-19真っ最中に、
レイリーズ側からM&Aが提案された。

一方のバシャスは2009年に、
チャプター11(連邦破産法11章)を申請。
民事再生の方向で再生中だった。
30店舗を閉鎖、2000人を解雇。
資金繰りから財務までを立て直した。

しかしアリゾナ州は、
フライズというトップ企業が強い。

そしてこのフライズは、
ローカルチェーンだったが、
クローガーの傘下に入っている。

私はフライズがクローガーなら、
バシャスはアルバートソン傘下か、
などと言っていた。

全米のスーパーマーケットは、
どちらかのグループに入るしかない。

ローカルチェーンで生き残るのが、
ひどく難しいから、
リージョナルチェーンを目指す。

ウェグマンズがそれに成功しているし、
パブリックスもHEBも、
ハイヴィーもリージョナルチェーンである。

ナショナルチェーンは、
クローガーとアルバートソン。
アルバートソンはセーフウェイと統合して、
何とか蘇生した。

レイリーズとバシャスは、
地元で人気のスーパーマーケットだ。
そこで今回のM&Aの目標は、
互いのノウハウをシェアし、
仕入れスケールを拡大することで、
競争力を上げて成長すること。

買収額など詳細は公表されていない。
バシャスの店舗バナーや経営陣、
さらに8500人ほどの社員は、
そのまま引き継がれる。

エドワード・バシャCEOは、
売却が終了した時点で退任する。
彼の弟マイケル・バシャと、
従兄弟のジョニー・バシャは、
引き続き経営に携わる。

私は「複占の理論」を提唱している。
上位2社によってほとんどが占有される状態。
3番手はマーケットフォロワーとなって、
衰退していく。

アリゾナ州の複占は、
ウォルマートとフライズ。

だからバシャスはしんどい。

2010年3月17日(水曜日)のブログ。
アリゾナ州フェニックスの死闘

このなかで紹介したのが、
「森の中の二人の男と熊の話」

――森の中を二人の男が歩いていた。
そこへ熊が出てきた。
一人の男が、叫んだ。
「早く逃げよう」
もう一人は、言った。
「君より早く逃げさえすればいい」

熊とは、ウォルマート。
ふたりの男は、ローカルチェーン。

ここアリゾナ州では、
このふたりとはバシャスとフライズ――。

バシャスが逃げ遅れて、
フライズはクローガーに逃げ込んだ。

そして今、バシャスは、
レイリーズによって蘇生を図る。

ただしこのM&Aの2社も、
永劫に存続するとは限らない。

2020年1月14日(火曜日)のブログに書いたが、
その兆候は見えている。
ナゲットの革新とレイリーズの停滞
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厳しい現実ではあるけれど。
コロナが経営統合を早めたことは確かだ。

〈結城義晴〉

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