結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年08月26日(金曜日)

滋賀県彦根の「平和堂ビバシティ」でアメリカ視察研修会事前ガイダンス講義

菅直人首相が正式に退陣を表明し、
各紙で菅政権の総括が行われている。
すべてが皮肉たっぷり。

一方、それを受けて、
27日(土曜日)に公示し、
29日(月曜日)に投開票される、
拙速な民主党代表選。

前原誠司氏の出馬表明で、
やっと対立軸が見えてきた。
ただしそれでも、この軸は、
「小沢一郎」という人間に近いか遠いか。

今週末のテレビ・新聞は、
これまたお祭り騒ぎ。

候補者全員そろった討論会など、各局が企画して、
視聴率争いを展開するに違いない。

自民党・谷垣禎一総裁が何とわめこうとも、
こちらは蚊帳の外。

あれだけ、こぞって「菅降ろし」をしたのだから、
ここは実のある日本国首相を選んでもらいたい。

さて、福島原発事故によるセシウム汚染で出荷停止されていた牛肉。
岩手、福島、栃木産が政府によって解除され、
出荷停止は全面的になくなった。

それでも風評被害で、
牛肉は、売れない。

毎日新聞では関西スーパーマーケットを取り上げた。
同社は、「宮崎など自社グループ牧場で飼育した牛肉だけを売っている」

「にもかかわらず、今夏の国産和牛の売上げは、
昨年比で数%落ちた」

出荷停止が解除されても、
風評被害から解放されるのは、
時間がかかる。

小売業も独自に検査して、
この風評被害に立ち向かう。

静岡県知事の川勝平太さんの言葉を引こう。
静岡文化芸術大学学長から転身した学究知事。

「無知は恐怖の源です」

そして風評被害には、
知識と情報で対抗する。

これ以外にない。

昨日の25日、滋賀県南彦根の平和堂ビバシティへ。
平和堂本社に隣接する大型ショッピングセンター。
その2階のビバホールで、
アメリカツアーのガイダンス講義。
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この6月に第一斑の総勢50名とともに
アメリカのダラス、サンフランシスコの流通視察を行った。

この9月には、第二班の視察を実施する。
だからこの日は、一斑・二班の計103名が集まり、
一斑の視察報告会と、二班に向けた視察ガイダンス。

夏原平和社長、古川幸一専務も同席して、
朝9時からスタート。
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はじめに、第一斑団長の村上茂人さんが、
二つの目標を示した。
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一斑には、持続的なイノベーションと、
自分自身の行動を要請、
二班には、見て、聞いて、感じて、体験してほしいということ。

第一班の団長として、
平和堂取締役教育人事部長として、
村上さんの開講の挨拶は、
とてもよかった。

その後、6月の参加者が8グループに分かれて
15分ずつ視察報告を行った。
各チームとも、視察店を分析し、
そこから学んだこと、
自らの業務に取り入れ実行していること、
さらに会社への提案などを発表。
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ともに参加したほかのチームも、
この秋に参加するメンバーも、
真剣に耳を傾けた。
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私は、この連続的・継続的な研修が、
必ず成果をもたらすと考えている。
各チームの報告を聞き、
それぞれに講評するのが私の役目。
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各チームの報告に、
私は想像以上の満足を感じた。

8チームが発表を終え、全体講評を行う。

チェーンストアは分業のシステムだ。
だから本部・商品部と店舗が一体となって、
学んだこと、提案したことを、
実行しなければならない。

その結果、イノベーションが起こる。

私の主張は変わらない。
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午前の部の最後は、夏原社長の総評。
夏原さんご自身が、
アメリカに学ぶ姿勢を強く持つ。
アメリカに学んだ経験も豊富だ。

したがって、きわめて実践的で、役立つ総評となった。
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かつて、呉服のやまとや鈴乃屋もアメリカに学んだ。
アメリカでは呉服を着る習慣はもちろんないし、
呉服のチェーンストアも存在しない。

しかし彼らはアメリカに真摯に学んで、
見事なチェーンストアをつくった。

そんな学び方をしてほしい。
それが夏原さんの言わんとすること。

夏原さんも故渥美俊一先生に師事した。
その意味では私も同窓の後輩。

私たち二人の考えは、
その意味で一致している。

昼食をはさんで、午後は、
第二班秋の参加者に向けたガイダンス講義。
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平和堂は理念の企業である。
近江商人の三方よし。
「売り手よし、買い手よし、世間よし」
この考え方に基づいた経営を貫いてきた。

さらに故成瀬義一先生の教えを大切にする。
「商人よ、正人たれ」

成瀬先生は倉本長治商業界主幹の愛弟子。
「損得より先に善悪を考えよう」

そして写真の白板に書いてある言葉。
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」

アメリカのウォルマートやウェグマンズのミッションは、
倉本長治や成瀬義一と一致している。

アメリカ視察研修のガイダンス講義は、
そこから始まる。
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最後は、「企業の目的」。
ご存知ピーター・ドラッカー先生の『マネジメント』より。
「企業の目的として有効な定義はひとつしかない。
すなわち顧客の創造である」

「従って企業は二つの、そして二つだけの基本的機能を持つ。
それがマーケティングとイノベーションである。
マーケティングとイノベーションだけが、
企業に成果をもたらす」

もう一つ、「Integrity」。
これもドラッカー先生。
「マネージャーとして、はじめから、
身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」

この考え方を徹底しつつ、
アメリカから多くのことを学び、
イノベーションを起こしたい。

最後に第一斑と第二班の団長、副団長のみなさんと写真。
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左から村上さん、
私の隣が第二班団長の常務取締役経営企画本部長の平松正嗣さん、
第二班副団長の販売促進部部長の杉崎邦彦さん。

朝日新聞の「経済気象台」で、
「購買力平価」(こうばいりょくへいか)が取り上げられた。
PPPと略されるが、Purchasing Power Parity Theory。

外国為替レートの決定要因を、
実勢価格で説明する概念。

自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって試算した為替レート。

1921年にスウェーデンの経済学者グスタフ・カッセルが発表。

テキストやこのブログでも、
私は米国での為替レートを1ドル100円にしているが、
いつも講義で言う。
「120円くらいが妥当だと思う」。

それはこの購買力平価に沿っている。

経済気象台では、トヨタ自動車のカムリを例に出した。
現在米国内での最低小売希望価格は、2100ドル。
日本では250万円。
これを割り算すると、1ドル119円となる。

私の実勢為替レート。
トヨタ・カムリでちょうど良い。

事前ガイダンスが終わって、
いよいよ始まった。

秋への始動。

暑い暑い日だったが、
私の気分は爽快だった。

皆さんも、爽快な週末を。

<結城義晴>


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