結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年10月31日(水曜日)

ヨドバシカメラでの買物から㈱ステップの「5つのノー」を連想した

ヨドバシカメラで買い物
ヨドバシカメラ横浜で、買物した。
携帯電話のカメラとパソコンをつなぐ
カードリーダーとSDカードを入手するためだ。
このブログをつくるために必要なツール。

若い店員の的確で丁寧な説明に、感心した。

あの商品のSKU数。
次々に開発される新製品。
その知識を集積しておくだけでも、
相当の教育と勉強が必要だ。

しかし逆に、ヨドバシカメラでも随分、
セルフサービスが進んだことを、強く実感した。
陳列の基礎技術も習得し、進化した。

よく知る顧客には、セルフサービスで対応する。
知らない顧客には、コンサルティングセールスをする。

そこでさらに、かつての「ステップ」という会社を思い出した。
パソコン販売のディスカウンターとして、名を馳せた企業だ。

ステップ社長・寺田由雄の唱えた
「5つのノー」
も有名になった。

5つのノーとは、
説明しない
展示しない、
交換しない、
解約しない、
無料サービスしない。

「ステップ」と寺田由雄は、
超のつくスピード成長を果たし、時代の寵児となった。
そして突然、倒産した。
「5つのノー」は、諸悪の根源のように排撃された。

パソコンが普及し始めたとき、
買いに来るのは、プロかオタクだった。
いや、寺田由雄のカスタマーだった。
寺田由雄の特定顧客だった。
だから、驚くほどの安値を出せば、
それで事足りたし、カスタマーは熱狂した。

「ステップ」は朝、10時に店を開け、
午後2時には売切れで、店を閉めた。

「5つのノー」でも、顧客は満足した。
寺田をヒーローのように信奉した。

しかし今、ヨドバシカメラは、
パソコン売場で、二つの売り方を組み合わせる
セルフサービスとコンサルティングセールス。

パソコンが想像もつかないほどに、大衆化を果たしたからだ。

大衆化の果てに生ずる現象は、
コモディティとノンコモディティの明確化・分化。

前者にはセルフサービスがふさわしい、
後者にはコンサルティングセールスが必要。

「ステップ」の倒産とともに、
「ノーサービスはやはりダメだ」となった。

しかし私は、この寺田由雄の「5つのノー」を完全否定しなかった。
経営の割り切り方のひとつとして、私はむしろ、好きだった。
「ステップ」の成長のなかで、「5つのノー」は確かに機能した。

「交換しない、解約しない」が成立するのは、一瞬である。
独占に近い売り手市場のときだけだ。

しかし、「説明しない」は、
コストコの隆盛を見れば、成立与件は十分にある。
ただし、サンプル陳列は現在のウォルマートのように徹底すべきだ。

「展示しない」は、
インターネット販売においては当たり前である。

「無料サービスしない」は、
実は商売の大原則である。
誤解しないで欲しいのだが、
「サービス」と呼んで、顧客に何らかのことを提供する場合は、
有料でなければならない。

こう考えると、
寺田由雄の「自分の顧客(カスタマー)」への「ノー」は今も、
コモディティ販売の中に、生きていることが分かる。

そして、私たちに、
コモディティが、カスタマーをつくることを教えてくれる。

寺田由雄に対して、私は次の言葉を贈った。

「成功は長期的には失敗の種子を内包している。
それが現実化するのは、
あらゆる原則には例外があることを、
成功が忘れさせるからだ」(高坂正堯)

<結城義晴>


4 件のコメント

  • 「サービス」は有料でなければならない。
    ほんとうに、"商売"の原点です。
    でも、まだまだ「サービス」は無料の文化が、日本にはある。
    特に、小売業には・・・。
    社員派遣・棚卸し応援など・・・・。まだまだ横行している。
    してる方が悪いのか?それに応える方が悪いのか?
    まだまだ、「近代化」は遠いのか・・・・。
    サービスは、有料の文化が根付くのは、いつのことか?!
    を気づかされました。

  •    素早い。
       商人伝道師。
       真骨頂。
       ありがとう。
       
       原始的な商法の中から、
       真理が見えてくることがある。

       サービスは有料です。
       サービスへの適正な売価づけは不可欠だけれど。

  • その当時にステップの「5つのノー」に興味を持って、大阪の日本橋ステップに買い物に行ったことがある。
    会話がないことに、違和感があった。解らない事を質問するのに勇気が必要だった、結局買わなかった。そして寂しい思いをもって外に出た。
    今のヨドバシカメラは、百貨店以上の接客、製品知識の豊富な店員。枝葉の製品、部品でも在庫がある。在庫管理の徹底さ等、先取りした顧客満足の徹底にいつも感心する。だから安心して買い物に行く。しかもポイントがつく。
    「お客に有利な商いを毎日続けよ」と「コミュニケーション」が商売繁盛の原点と思う。

  •    いつもありがとうございます。
       花の27年組は、私も含めて、
       さまざまな経験を積んでいます。
       「ステップ」では、私は買い物しませんでした。
       顧客ばかり見ていました。

       しかし、その「ステップ」が登場して、
       現在のヨドバシカメラもあるのだと思います。

       まさに「ステップ」は、日本のパソコン業界にとって
       普及と販売のワンステップだったのです。
       
       

       

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