上海のウォルマート、カルフール、メトロ、Ole、citysuper駆け巡り
ここ上海は、日本より、
1時間遅い。
だから今、午後10時52分。
日本は11時52分。
日本時間にすれば、
もう、ブログアップの時間が迫っている。
朝、自宅からタクシーを飛ばして、
成田空港へ。
そしてエアー・チャイナに乗り込む。
成田は雨だった。
3時間近く飛ぶと、
泥色の川。
ああ、上海に近づいた。
機内ではひたすら読書。
到着すると、
シンさんが笑顔で出迎えてくれた。
大阪の関空からは㈱万代のミドルマネジメント30名。
西水啓介常務が団長。
バスに乗り込んで、すぐに出発。
まずはメトロへ。
世界第5位のドイツ第1の小売企業。
FORTUNEのグローバル500では第65位。
ここ中国では38位で、年商130億元(1732億円)、54店舗。
キャッシュ&キャリーというメトロ独特の業態。
会員制倉庫型の広大な売り場に、
フルラインの品ぞろえ。
メトロはユニークで質実剛健の社風で、
中国でもしっかりしたポジショニングを築いている。
つぎは、カルフール。
世界小売業第2位のフランス企業。
世界企業ランキングでは32位。
年商1203億ドル、100円で換算すると12兆円の企業。
中国では、第7位で、
年商452億元、5672億円。
店舗は203店ある。
この店はワンフロア構成の理想的なハイパーマーケットで、
上海のモデル店であり、大繁盛店。
昨年から始めた「カルフール・プラネット」のフォーマットを導入して、
上出来の売場づくり。
本国以外のカルフールで、
こんなにいい店は久しぶりに見た。
実際の訪問順序は異なるが、
つぎは世界のウォルマート。
言わずと知れた世界第1位の企業。
年商4218億ドル、42兆円。
中国では、第9位のチェーンストアで、
年商430億元、5397億円。
店舗数は271店。
エブリデーロープライスを、
この中国でも貫徹しているから、
カルフールよりも店数は多いが、
年商は少ない。
しかし精肉のばら売り平台には、
顧客が群がっていた。
中国の外資3社のハイパーマーケットを、
プートン地区で視察し、比較した。
どの店も、どの企業も、
自社のポジショニングをしっかりと構築している。
それはさすがに国際級の競争と言える。
まだまだ、明日、明後日と、
激しいハイパーマーケットの競争を実感する。
今日は高級スーパーマーケットも2店訪問。
ひとつはOle。
中国第4位の華潤万家有限公司の高級スーパー。
チャイナ・リソース・エンタープライズという会社で、
年商827億元、1兆0379億円。
店数は3977。
凄いスーパーマーケット企業で、
この店自体は、まだまだオープンしたばかりで、
売れてはいないが、
店づくりは国際級。
私は「後進の先進性」や「後発の優位性」という概念を、
信じているが、
このOleにはそれがくっきりと出ている。
今年の3月に訪れた台湾のジェイソンズに似た雰囲気を醸し出している。
次に同じく高級スーパーマーケット。
こちらはもう定評がある。
シティ・スーパー。
これも香港系資本。
これもハイクラスのifcモールに出店している。
日本で言えば、そごう西武のシェルガーデンのような店。
あるいはクイーンズ伊勢丹か。
しかしちょうど2年目を迎えてプロモーションを展開しているが、
こちらはしっかりとなじんで、固定客もついている。
もちろんそれは高所得者やニューリッチと言われる人々。
そして日本や韓国、アメリカやヨーロッパ企業の駐在員など。
昭和28年にオープンした紀ノ国屋や、
兵庫県のいかりスーパーのような店。
これも広域商圏店舗だが、
それだけにしっかりとポジショニングを確立しなければ、
成立はしない。
スーパーマーケットに顧客を引っ張り込むための、
フードサービス、ファストフードが気が利いている。
店舗だけでなく、テナントぞろえもよい。
視察が終わるともう5時を過ぎている。
それでも伊藤忠商事の上海オフィスへ向かって、
その会議室をお借りして講義。
中国小売業の近代化の歴史の勘所を押さえて、
それから業態のレクチャー。
そして2012年中国チェーンストアランキング、
その上位企業の動向をガイダンスしながら、
中国小売業の特徴を語った。
食事はプートンの「廊亦坊正大店」。
もちろん上海料理。
窓の外にバンドの夜景が浮かぶ。
西水さん、シンさんと並んで写真。
帰りのバスの窓に、
上海タワーがくっきり。
高さ467.9m。
東京スカイツリー完成前は、
アジア第1位だった。
心なしか元気がないように見受けられた。
(明日に続きます)
<結城義晴>