結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年02月20日(木曜日)

「消費税の呪縛」とセブン&アイの「スピードウェイ買収」

ダイヤモンド・プリンセス号。
乗客の2人が亡くなった。
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80代の男性と女性。

神奈川県の80代男性は、
気管支ぜんそくの持病があったし、
狭心症の治療歴があった。

2月10日に発熱。
翌日には呼吸が苦しくなって、
病院に運ばれたが、
肺炎が悪化して、
今日20日に亡くなった。

新型コロナウイルスに感染しても、
発症しない人が多い。
発症しても8割が軽症だ。

しかし心臓や血管、肺に持病を持つ人、
それから高齢者。

しかしほとんどの高齢者は持病をもつ。

重症化しやすい。

今回のクルーズ船の2人を含めて、
国内で死亡した3人の方々は、
いずれも80代だった。

中国疾病対策センターの報告。
新型肺炎の患者約4万7000人を分析。
重症は18.5%、死亡率は2.3%。
年代別の死亡率は、
10~30代が0.2%、
70代が8%、80代以上は15%。

ダイヤモンド・プリンセス号の乗客は、
当初2666人だったが、
46%が70歳以上だった。

今となっては後付けになってしまうが、
80代の人たちから完全介護するとか、
何とかしようがなかったか。

日本国全体で見れば、
広く深い知見を持った人もいただろう。
そういった人の見識を活かせなかったか。

残念ながら人災だ。

日経新聞「ニュース一言」
味の素㈱西井孝明社長登場。

今日、中期経営計画説明会を開催。
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その席上で発言。
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「新型コロナウイルスによる
肺炎の影響が長引けば
輸入原料の代替調達が必要で
コストは上がる。一方で、
原油安などで減少するコストもあり、
影響は冷静に見る必要がある」

味の素は中国事業における、
新型肺炎によるコスト変動の試算を公表。
上海工場の停止や原料の代替調達が、
今後3カ月続けば最大9億円の減益となる。

コスト増減のほかに、
需要の変動も見通しにくい。

味の素に限らない。
中国事業の直接投資事業の影響は大きい。
さらにインバウンド消費の影響は、
国内ビジネスにおいて広範で甚大だ。

日経新聞コラム「大機小機」
「消費税の呪縛」は続くのか
コラムニストは琴線さん。

「想定外の新型肺炎の感染拡大で
景気の先行きに暗雲が垂れこめてきた」。

「中国の工場閉鎖の長期化に伴う
サプライチェーンの途絶、
中国からのインバウンド観光の急減、
国際イベントの中止など
今起きていることだけをみても、
日本経済への衝撃は大きい」

同感だ。

昨年10・11・12月期のGDPは、
年率で前期比6.3%減。

消費増税と大型台風や暖冬。
個人消費が低落した。

「問題は20年1~3月期以降だ」
まさに今こそ大事な時期だ。

当初は好転を見込む声も出ていた。
しかしそんな声もしぼんでいく。

コラムニストが問題にするのは、
「人々の記憶である」

「数年後に消費増税がどう評価されるかだ」

1989年に税率3%の消費税が導入された。
さらに1997年、2014年に増税され、
2019年が3回目だった。

97年、14年ともに、
消費増税後に景気が悪化した。

その記憶が強く残っている。

しかし97年は4月の増税後、
7月にアジア通貨危機が発生、
11月には山一証券や北海道拓殖銀行など、
大型金融破綻が相次いだ。

つまり、景気悪化の原因は、
消費増税だけではなかった。
「世界経済や国内金融危機など、
複合的なものだったのだ」

ところが人々の記憶には、
「97年4月の消費税率引き上げ」が、
深く刻まれた。

「今は新型肺炎で大騒ぎになっているが、
数年たつと”景気悪化の起点が消費増税”
ということだけが、
残ってしまうのではないか」

「そうなると”消費税の呪縛”は続き、
次の税率引き上げのハードルは
さらに高くなる」

コラムニストは増税論者だ。

賢者は歴史に学ぶ。
歴史は子細な断片も含めて、
正確に分析し、詳細に記録に残し、
しかと記憶にとどめておかねばならない。

印象をもとにした記憶ではいけない。

仕事も同じだ。

しかしこの時必要なのは、
リスクを負った投資である。

商人舎流通スーパーニュース。
セブン&アイnews|
米国コンビニ「スピードウェイ」(4000店)買収独占交渉

㈱セブン&アイホールディングスが、
米国のマラソン・ペトロリアムから、
ガソリンスタンド併設コンビニを買収する。
その単独交渉に入った。

ブランドは主に、
「マラソン」と「スピードウェイ」で、
約4000店のネットワークをもつ。
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買収提示額は約220億ドル。
現在の為替レートで約2兆4500億円。

日経新聞を初めNHKなども報じた。

米国のセブン-イレブンは、
昨19年11月時点で約9000店。
セブン&アイの完全子会社で、
米国ナンバー1のコンビニチェーンだ。

マラソンの店舗群を合わせると、
1万3000店を超えて、
圧倒的なトップになる。

これはリスクを背負って、
買うべきだ。

この会社を買収して、
活かすことができるのは、
セブン&アイしかない。

もちろん周到な調査と準備は必須である。

昨日19日に発表された1月実績。
セブン&アイの子会社の成長率順位は、
1 米国セブン-イレブン
2 国内セブン-イレブン
3 ヨークベニマル
4 そごう・西武
5 イトーヨーカ堂
6 デニーズ

もちろん収益性では、
セブン-イレブン・ジャパンが断トツだが、
米国セブン-イレブンには、
アジアの直接投資もあって、
国内飽和を間近にした日本より、
将来性は高い。

昨年10月にダラスの実験店を見てきた。
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ファストフードとのコンバイン型。
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斬新な店づくりとアソートメントの店舗で、
米国セブンの実力が垣間見えた。IMG_14419-448x336
消費増税の翌年、
東京オリンピックの年に、
米国で2兆円を超える投資をした。
その勇気は記憶に留められるだろう。

ピーター・ドラッカー。
「経済活動とは、
現在の資源を
未来に、
すなわち不確実な期待に

賭けることである」

「経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」

至言。

それが人々の記憶に刻み込まれる。
顧客をはじめとして社員・従業員、取引先、
そして株主や世間にも。

〈結城義晴〉

2020年02月19日(水曜日)

Wegmansの「働きがいのある企業100」とWal-Martの本決算

二十四節気の「雨水」(うすい)。
冷たい雪から暖かい雨に変わるころ。

雨水かな捨て去るものと残すもの
〈『春燈』より 高埜良子〉

暖冬で、雨水の気分は薄い。

今日は朝から東京・御成門。
東京タワーが美しい。
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増上寺三解脱門。
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その屋根瓦の向こうにタワー。
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東京タワーがくっきりと見える。
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㈱True Dataの取締役会。
この会社のプレゼンス(存在感)は、
飛躍的に高まった。
ありがたいことです。

それに応えねばならない。

その考え方を議論した。
いい会社になります。

必ず。

横浜商人舎オフィスに戻って、
夕方、㈱JTBのお二人が登場。
大阪第三事業部営業四課。
小阪裕介さん(中)と森川泰弘さん(右)。DSCN15360
小阪さんはご存知、
別称「レジェンド・コサカ」。
これまでの商人舎の海外研修担当で、
このたび課長に昇格。
おめでとう。
森川さんはグループリーダーで、
今後、商人舎の研修を直接担当する。

今年1年の海外視察研修の打ち合わせ。
日程は全部決まっているが、
その詳細を詰めに来た。

今年も大忙しです。
よろしくお願いします。

その海外の話題が、
商人舎流通スーパーニュースに。

ランキングnews|
FORTUNE「働きがいのある企業100」Wegmans3位
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米国経済誌『FORTUNE』恒例。
「100 Best Companies to Work For」の2020年版。
私は「働きがいのある企業100」と呼んでいる。

1998年から始まって、
今回で23年目の調査。

今年のランキングは、
410万人以上の働く人に調査した。

Wegmansが今年も第3位。
素晴らしい。

過去23回の調査ですべて、
100社にランクイン。

2005年には堂々の1位に輝いた。
そしてこの10数年、ベスト3の常連。

アメリカ東部7州に101店舗となった。
今年も私は今のところ、
4回ほどウェグマンズを訪れる。
ご一緒しましょう。

商人舎スペシャルコースは、
今年は11月です。

Wegmans’ Peopleのコメント。
「経営陣が”気にかけている”と言うときは
実際に行動に移していることが
私たちにもわかるんです」
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2年連続で1位となったのは、
Hilton(ヒルトン)。
言わずと知れたホテルチェーン。
現在、世界119カ国に6100カ所以上、
約97万1000室。

2位はUltimate Software。
アルティメット・ソフトウェア。
従業員支持率は驚異の97%というIT企業。
アルティメット
ロゴマークに「People first」と入っている。
「People first」の会社になってほしいな。
True Dataも、
Knowledge Merchant Worksも。

今回、トップ100に入った小売企業は7社。
昨2019年が8社、2018年が9社、2017年が12社、
そして2016年には13社がランクイン。

少しずつ減っている。

スーパーマーケットでは、
39位にはPublix Super Markets。
全米第3位のリージョナルチェーンながら、
このランキングにいつも入る。
感服。
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79位にNugget Market。 202002_forklift01

月刊商人舎の今月号(2月号)で取り上げた。
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ナゲットにも今年、
指折り数えて7回訪れる。

それ以外に60位にアウトドア用品専門店REI。
80位にコンビニのSheetz(シーツ)。
92位にCustom Ink(カスタム・インク)。
カスタムメイドのTシャツや雑貨を、
オンラインで販売する。

私は言い続けている。

働きがいのある企業になろう。
それを目標にしよう。
そしてその目標に向かって、
一歩ずつでいいから進んで行こう。

もう一つの海外ニュースは、
ウォルマートnews|
’20年1月期総収入5240億ドル・1.9%増/ECは37%増

2020年1月末決算。
通期の総収入は5239億6400万ドル、
いつも1ドル100円換算で52兆3964億円。
前年比プラス1.9%。
鈍化したとはいえ9955億円の成長。
純利益が148億8100万ドル、
1兆4881億円。
これは123.1%の増益。

そしてウォルマート・コムは、
前年比37%と絶好調。

アマゾン・コムの前年比21%を、
伸び率では大きく上回る。

空中戦は37%の伸びで、
地上戦はアメリカ国内に、
スーパーセンター3570店、
ネイバーフッドマーケット688店、
ディスカウントストア378店、
小型店など123店、
そしてサムズクラブ599店。
合計5358店。

日本を含めた海外で6080店。
トータルで1万1438店を展開している。

ウォルマートに関しても、
月刊商人舎2月号で書いた。
米国Discount小売業の進化と変容
「安くて美しい・安くてフレンドリー」へ202002_usa1

私はUS部門のウォルマートも、
1年間に延べ30店ほど訪れる。

すべての店舗がきちんと管理され、
「繁盛」と呼べる水準の顧客を集めている。
例外は1店もない。

そしてそのディスカウントが、
大きく変容してきている。

ウォルマートが毎年、毎月、毎週、
変化させるものと、
変化させないものを、
明確に仕分けしつつ、
革新しているからだ。

ウォルマートにもご一緒しましょう。
ベーシックコースは5月のラスベガスです。

雨水かな捨て去るものと残すもの

〈結城義晴〉

2020年02月18日(火曜日)

やぎさんゆうびんの「アベヤジさん」と「厳に慎むべき言動」

今日は午後から東京駅。
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真上を見上げてスマホで撮影。
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丸の内北口の天井ドーム。
復元された駅舎の八角形の天井の四隅に、
干支のレリーフがある。
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丸の内にも人影は多くはない。
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私は恒例の、月に一度の検査と診察。

1月の数字はちょっと悪かったけれど、
それでも「理想的よ!」と、
田嶼(たじま)尚子先生。

ありがとうございます。

さて、
やぎさんゆうびん。
まど・みちお作詞。
團伊久磨作曲。
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1番
白やぎさんからお手紙着いた
黒やぎさんたら読まずに食べた
仕方がないのでお手紙書いた
さっきの手紙のご用事なあに

2番
黒やぎさんからお手紙着いた
白やぎさんたら読まずに食べた
仕方がないのでお手紙書いた
さっきの手紙のご用事なあに

以下無限に続く
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牧歌的な白やぎさんと黒やぎさん。
だからおもしろい。

しかし、アベヤジさんとツジモトさん。
そのやりとりはつまらない。

ツジモトさんからお手紙着いた
アベヤジさんたら読まずに食べた

アベヤジさんは、
ツジモトさんからついたお手紙を、
いつも食べてばかり。

桜を見る会の当事者だけに、
早く決着をつけなさい、
と言っておきたい。

「無限に続く」のではかなわない。

無限に続くと言えば、
新型コロナウィルス。

横浜港のダイヤモンド・プリンセス号では、
今朝の段階で新たに99人に陽性反応が出て、
感染者は454人に増えた。

さらに夕方には、
88人が感染していることがわかって、
548人。

私はずっと言ってきた。
「人災だけは避けたい」

その人災に、小売流通業が、
加担することになってはならない。

できる限りの社会貢献をする。
そして人事を尽くして天命を待つ。

ましてこんな時に、
商売優先の言動をしてはならない。
それは断じて慎まねばならない。

しかし人災の回避はできなかった。

もともとは、
中華人民共和国の人災から始まった。
習近平政権最大の危機となっている。
それが日本国でも人災となりつつある。

政府の専門家会議が昨日、
医療機関の受診の目安をまとめた。

加藤勝信厚生労働相が記者会見で示した。

各地の保健所に設置されているのが、
「帰国者・接触者相談センター」。

発熱など風邪の症状が4日以上続く場合は、
このセンターに相談して、
指定する医療機関で受診する。

通常の発熱など風邪の症状があれば、
学校や会社を休み、外出を控える。

そのうえで、風邪の症状がある場合、
37.5度以上の発熱が4日以上続く時は、
保健所のセンターに相談する。

強いだるさや息苦しさがある時は、
すぐに相談する。

特に高齢者。

それから糖尿病、心不全、
慢性閉塞性肺疾患などの持病を持つ人、
人工透析を受けている人は、
重症化しやすい。

こういった人は、
2日程度症状が続く場合に、
センターに相談する。

妊婦も同様に早めの相談をする。

一応の相談と受診の目安は示されたが、
わかったようでわからない。
とくに人間心理の面から見れば、
もっともっと提供すべき情報もある。

運悪く新型肺炎にかかった人たちの、
回復のプロセスやその方法も知りたい。

国民が心配しないように情宣すべきだ。

私たち自身は、
よく食べ、よく眠る。
よく働き、良く学ぶ。
手洗い、うがいを励行する。

今日の日経新聞巻頭コラム。
「春秋」

「物事はどう転ぶか分からない。
幸福と不幸は表裏一体だ」

中国の史記。
「禍福は糾(あざな)える縄の如(ごと)し」

シェークスピアの戯曲のセリフ。
「人間の一生は善悪ないまぜの糸で編んだ網」

そして指摘する。
「今そこにある危機はどれほどのものか。
読めないから不安が増幅する」

同感だ。

しかし面白いことに、
「国内の1月のインフルエンザ患者数は
過去10年で2番目に低い水準だった」

「未知の感染症を警戒し、
手洗いの励行など
衛生意識が高まったことが一因らしい」

こういった話は、
ちょっと勇気が出る。

そう、「禍福は糾える縄の如し」

コラムニストは最後に再び史記を引く。
「災い転じて福」

しかし小売流通業として
この時に商売優先の、
この事件を利するような言動は、

厳に慎まねばならない。

もちろん商売もちょっと変わる。
それで動きも変わる。
しかしそれを喧伝してはならない。
下品になってはいけない。

最後にもう一つ気になること。

これも内閣府の昨日の発表。
昨年10・11・12月期のGDP速報値。

物価変動の影響を除いた「実質」は、
季節調整値で前期比1.6%減、
年率換算するとなんと6.3%減。

言わずと知れた10月の消費増税、
そして大型台風の影響。

そのため、
GDPの半分以上を占める個人消費が、
前期比2.9%減。
5四半期ぶりのマイナス。

ただしこの3カ月のGDPは、
市場価格通りの「名目」では前期比1.2%減、
年率換算で4.9%減。

増税の影響もあって物価が伸びた。
それが「名目」の成長率を、
「実質」ほど落ち込ませなかった。

同時に発表された2019年通年GDP。
実質で前年比0.7%増、名目で1.3%増。
どちらも増加し、
暦年では8年連続のプラス成長だった。

3カ月の個人消費は、
前回の消費増税後の2014年4・5・6月期は、
4.8%減だったから、
なんとか小幅にとどまった。

あまりに大きな数字でもあるから、
わがことと実感できないかもしれないが、
GDPの個人消費は小売りサービス業にも、
その責任の一端はある。

そう受け止め、
それを励みとして、
よく働き、良く学ぶ。
よく食べ、よく眠る。

手洗いとうがいを、
他産業に率先して励行したい。

〈結城義晴〉

2020年02月17日(月曜日)

新型コロナウィルスに「今日もお仕事・おまんまうまいよ」

Everybody! Good Monday!
[2020vol⑦]

2020年第8週にして、
2月第4週。

今日の横浜は最高気温16℃。

あっという間に、
「光の春」の季節は過ぎた。

気象学者で理学博士の故
倉嶋厚さん。
その著『お天気歳時記』に書いている。
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二月の光は
誰の目から見ても
もう確実に強まっており、
風は冷たくても
晴れた日には
キラキラと光る。

厳寒のシベリアでも
軒の氷柱から
最初の水滴の
一雫(ひとしずく)が
輝きながら落ちる。

ロシア語でいう
「光の春」である。

新型コロナウィルス騒動で、
「光の春」も忘れていた。

そのうえ地球は、
[極端気象]に見舞われている。
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日経新聞「ニュース一言」
㈱ユナイテッドアローズ。
社長の竹田光広さん。
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「暖冬はもはや異常気象でない。
来年以降も冬の気温が高く推移すると
考えて行動すべきだ。
コートやダウンジャケットに偏重した
商品構成からの脱却を目指していく」

日経記事。
「今冬の販売で苦戦した反省から、
ユナイテッドアローズは2021年3月期に、
秋冬に展開する衣料品の見直しを始める」

同社は1989年に、
重松理(しげまつさとし)さんが創業した。
バブル経済の最後の絶頂期だった。

重松さんは、
有名なセレクトショップ「ビームス」の、
1号店店長だったが、
ビームスを出て、
ユナイテッドアローズをつくった。

㈱商業界では、
月刊「ファッション販売」の全盛期。
「チャネラー」誌と競い合っていた。

私は月刊「食品商業」編集長に就任した。

それから30年。
「チャネラー」は廃刊し、
「ファッション販売」は売却された。
時代は変わった。

しかしユナイテッドアローズは、
2019年3月期決算で、
連結売上高1589億円、2.9%増、
経常利益113億円、5.0%増。
店舗総数は237店舗。

結局はオーソドックスな、
チェーンオペレーションがなければ、
セレクトショップもDCブランドも、
存続できないし、成長もできない。

竹田さんは2012年に社長就任。
「冬場でも薄手の洋服を多く用意するなど、
シーズンにこだわらず
顧客の実需に対応する」

アパレルでも、
[極端気象MD]が必須となる。
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月刊商人舎Webコンテンツ。
「月曜朝一2週間販促企画」
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「新型コロナウイルスをものともせず、
横浜の高島屋のスイーツ売場には、
若い女性から年配の女性まで押し寄せ、
大混雑だった」

人気のある店には長い行列ができる。

「ただし週末はその横浜駅周辺の商業も、
閑散としていた」

横浜港には依然、
ダイヤモンド・プリンセス号が停泊中。
新型コロナウイルスの風評被害もある。
横浜中華街も閑散としている。

一方で東京・渋谷は、
いつも通りに賑わっていた。

新型コロナウイルスが、
経済や商業に与える影響は大きい。

中国経済はどこまで落ち込むか。
それに影響を受けて、
日本をはじめアジアも、
アメリカも先行き不透明。

2月、3月に決算を控える小売業。
百貨店の決算は悲惨だろう。

「2019年の消費増税に始まり、
暖冬、そして新型コロナウイルスと、
下半期は三重苦に近い。
しかしこの状況はしばらく続く」

中国と韓国のインバウンド需要は、
大きく後退する。

観光業もインバウンド小売業も、
打撃を受けることは間違いない。

いつごろ収束するか。
東京オリンピックに影響は出ないか。

歴史的に見ると中世ヨーロッパで、
ペストが大流行した。

もともとはネズミ⇒ノミ⇒ネズミだった感染が、
ネズミ⇒ノミ⇒ヒトとなった。
11世紀と14世紀がひどくて、
欧州全域で2000万から3000万人が、
ペストによって死亡したと推定される。
これは当時の全人口に対して、
3分の1から3分の2に当たる。

今回の新型コロナウィルスが、
この時代のペストのようにはなりえない。
心配はいらない。

しかし当時の閉塞感の中で、
人間たちに3つの心理的傾向が出た。

第1が刹那的な欲望の追求や浪費に走る。
第2に懺悔して神仏に頼る。
第3に犯人を仕立て上げて迫害する。

人間とその人間集団の心理は、
同じような傾向を示すから、
刹那的な浪費現象は出るかもしれない。
新興宗教の勃興や事件も、
起こるかもしれない。
誰かが、あるいはいずれかの人種が、
スケープゴートにされるかもしれない。

21世紀の現代人として、
それらのことには誇りをもって、
「否」という姿勢を示したい。
シンプルな生活態度を貫きたい。

手洗い、うがいの励行。
場合によってはマスクもしっかりして、
何よりよく食べ、よく働き、よく眠る。

2012年9月。
商人舎の「今月の標語」は、
平櫛田中の言葉。

「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」

平櫛はこの後に続けて言う。
「びんぼうごくらく、
ながいきするよ」

平櫛田中は、
「ひらぐし・でんちゅう」と読む。
明治5年(1872年)生まれ、
昭和54年(1979年)没。
なんと107歳まで生きた彫刻家。
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100歳を超えても、
現役として作品を創り続けた。

そして豪語した。
「60、70は鼻たれ小僧」

私もまだまだ鼻たれ小僧。
今週も頑張ります。

では、みなさん、
「今日もお仕事、おまんまうまいよ」
Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年02月16日(日曜日)

[架空対談]糸井重里×結城義晴「ぼくの対談はおもしろい」

「ほぼ日刊イトイ新聞」
その巻頭エッセイは、
「今日のダーリン」

糸井重里さんが、
毎日更新で書いている。

私もほぼ毎日、読んでいる。
愛読者です。

2月16日の今日の「今日のダーリン」。
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[糸井]ぼくの対談はおもしろいはずだ。

自慢かよ、と思われるだろうが、
しょうがない。

ぼくがやる対談は、
まちがいなくおもしろい。
そして、これにはタネもしかけもある。

もともとおもしろい人としか
対談をしないからだ。

〈株式会社ほぼ日公式ホームページより。以下同じ〉
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[結城]そうだと思った。

[糸井]口数の少ない人だとか、
同じことを何度も言う人や、
強面で売っている人も、
ときには混じるかもしれないが、
そういうことは、
あんまりたいしたことじゃない。

[結城]私も対談、やります。
柳井正さんは最初、口数が少なかった。
渥美俊一さんは強面だった。
でも、面白かった。

[糸井]ぼくは、なんとか、
その人のおもしろさを見たいから、
それが表れるまで、なんとかがんばる。

[結城]私も面白さが出るまで、頑張ります。
そこまで頑張る、ってのが大事。

[糸井]ぼくだって、根性のない人間なりに
一所懸命にやるのだ。

放送されたり、
文字になったりしたぼくの対談で、
つまらなかったというものは、
おそらくないと思う。

[結城]私は対談したものは、
ほとんど全部、表に出す。

[糸井]発表されてない
おもしろくなかったものは、ある。

[結城]私は自分で最後に、
「結城義晴の述懐」というのを書いて、
言葉に出なかった面白いことを加えます。

[糸井]あんがい危ないのが
「先生」と呼ばれる人かもしれない。

[結城]いろんな「先生」がいるけれど、
ほぼ同感。

[糸井]一方的に「下の者たち」に向けて
喋っている人は、
どこに行ってもそれをやってしまうから、
その時々の、新鮮な考えや思いを
聞けないことがある。

[結城]「政治屋」みたいな「先生」ですね。
それからいつも同じことを言ってる、
学校の先生。

だけど東大の木本秀昌先生は、
すごくおもしろかった。
「極端気象」は渾身の警告です。
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石原靖曠先生も実に面白かった。
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でも、たいていの「先生」は面白くない。
たいていのコンサルタントの「先生」も、
面白くない。

[糸井]そういう人とは、
わざわざ対談をしないようにする。
だからみんなは、
そのおもしろくなさを知らないで済む。

[結城]それは贅沢な対談方針ですね。

[糸井]これは、本気で言っているのだけれど、
おもしろくない人なんて、
そうそういるもんじゃない。
「おもしろくないところを、
わざわざ話す」から、
おもしろくなくなってしまうのだろうと思う。
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[結城]面白くないところを、
面白くなくしながら、
わざわざ載せるメディアもある。
最近、私は後輩たちを怒っている。

ちょっと「先生」的かな?
反省、反省。

[糸井]よく聞いてみたら、
だいたいの人はおもしろい。

[結城]おおいに同感。

[糸井]じゃ、だれと対談しても
おもしろいんじゃないか?

そうだけどね、そうなんだけど、
そうはいかない。

[結城]そのとおり。

[糸井]やっぱり、
普段着っぽい対談でも、ほれ、
インスタグラムなんかで言うところの
「映え(ばえ)」?

[結城]私の言葉で言えば、
「ポジショニング」でしょうか。

[糸井]そういうものがあったほうが、
もっといいわけだ。

[結城]自分で考えて、
自分で実行してきた人じゃなきゃ、
面白くはない。

それから、
人の真似ばっかりしている人、
嘘が入ってくる人、
一方的に大げさにアジる人。
全然、面白くない。

[糸井]多少なりとも
めずらしい経験をしてきた人だとか、
めずらしいことを考えてきた人だとかだと
「へーえ、なるほどなぁ」
ということがあるからね。

[結城]平凡なことを貫徹して、
非凡なところに行った人は、
一番面白いと思う。

[糸井]自慢かよとか思われるのを覚悟で、
言っておこうと思った。

[結城]私の対談も、結構、面白いです。
自慢の真似かと思われるのを覚悟で、
言っておきます。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

【追伸】
「今日のダーリン」を使わせていただいて、
勝手に創作しました。すみません。

2020年02月15日(土曜日)

夢に出てきた鈴木敏文さんの「厳しさと真面目さ」

夢を見た。

何時のことかはわからない。
鈴木敏文さんに、
単独インタビューをした。
セブン&アイ・ホールディングス前会長。

一対一のインタビュー。

ずいぶん緊張もしていたが、
長いながい話だった。

込み入った内容の質問にも、
率直に淡々と答えてくださった。
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しかし終わってから、
鈴木さんと別れて、
テープの録音も、
カメラの写真撮影も、
全然していないことに気づいた。

パソコンも開かず、
ノートにメモだけしていた。

夢でよかった。

2016年4月7日。
鈴木さんは自ら辞任を表明した。
「不徳の致すところだった」

最後の言葉だ。

鈴木さんの動向を見直すには、
このブログの[検索]欄に、
「鈴木敏文」と打ち込むといい。

この画面が出てくる。
159件、書いている。
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そのなかの2016年4月14日のブログ。
翌15日に新体制を固めるために、
指名・報酬委員会が開催され、
19日の取締役会で、
鈴木さんは退任した。
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あれからもう、
4年が経過しようとしている。

私はこの鈴木敏文退任事件を受けて、
2016年の月刊商人舎6月号で、
記事を書いた。
伊藤雅俊と鈴木敏文の
「店は客のためにある」

「お客様のお蔭」vs「お客の立場」を分析する

伊藤雅俊さんの「お客様のお陰」を、
私は「顧客満足」であると規定した。
そして鈴木さんの「お客の立場」を、
「顧客創造」であると考えた。

この記事の一番最後のフレーズ――。
セブン&アイ・ホールディングスにはイトーヨーカ堂以来続く社是がある。
「基本の徹底と変化への対応」

伊藤雅俊も鈴木敏文も、これには異論がない。

この社是と「店は客のためにある」の産業DNAとしての哲学がセブン&アイという巨大企業を覆い尽くしている。

〈中略〉

問題は二つの巨星の「お客様のお蔭」の顧客満足と「お客の立場」の顧客創造に象徴されたコンセプトの融合であると、私は考える。

鈴木敏文が伊藤雅俊の了解と庇護のもとで敏腕をふるう体制は、
その意味で最高のバランスを保持していた。

それが崩れた。

しかしこのグループには「お客様のお蔭」と「お客の立場」のバランスが不可欠である。いや、それこそがこの大組織のDNAとなっている。
鈴木敏文が去った後、このバランスはそう簡単に戻っては来ない――。

しかし鈴木さんが退任した翌年のブログ。
2017年06月15日(木曜日)。
大高善興「交遊抄」の「伊藤雅俊&鈴木敏文」と苦歴・艱難・練達

日経新聞最終面「交遊抄」に、
大高善興さんが登場。
もちろんヨークベニマル会長。

タイトルは「2人の師匠」
2人の師匠とは、
伊藤雅俊さんと鈴木敏文さん。

「伊藤雅俊さんと鈴木敏文さんに
出会っていなければ、
今日の私はない」

この直前に私は、
大高さんにインタビューした。
これは夢ではない。
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大高さんが二人に学んだもの。
「伊藤さんからは感謝と信用の大切さ、
鈴木さんからは本質を追究する姿勢」

1973年に、イトーヨーカ堂と資本提携。
この際、創業者の大高善雄さんは、
息子たち大高4兄弟に語った。
「伊藤さんにかけてみなさい。
30年後に結論が出る」

東日本大震災のときには、
伊藤さんは翌日から、
「毎夕欠かさず電話をくれた」

伊藤さんは、実は電話魔である。

「お客さまへの感謝の気持ちで
一生懸命やれば、必ず道は開ける。
困っていることは言ってくれ」

伊藤さんは本当に情に熱く、
感謝を信用を旨(むね)とする。
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一方の鈴木敏文さん。

大高さんは言う。
「私の経営観を大きく変えた」

その鈴木さんの口癖は、
「改善ではなく改革」

「未来を想像し潜在的なニーズをつかむ」

セブン-イレブンもセブン銀行も、
鈴木さんが生み出した。
「周囲が不可能と思うことをやり抜いたのは
天才としか言いようがない」

その鈴木さんは、
「あまり感謝を口にしない」

大高さん自身、
「褒められたのは
グループのPB商品が成功したときの
一度だけ」

「逆に、挑んだ結果の失敗は責めない。
根底には相手を成長させるための愛がある」

鈴木さんに対して、
「愛」という言葉を使えるのは、
大高さんだけだと思う。

お二人の共通点は、
「厳しさと真面目さ」

結城義晴。
「これこそセブン&アイの本質だし、
ヨークベニマルにも貫かれるものだ」

このブログで言いたかったのは、
この「厳しさと真面目さ」。

夢の中に出てきた鈴木さんにも、
それが貫かれていた。

しかし録音と写真を忘れた。
夢でよかった。

〈結城義晴〉

2020年02月14日(金曜日)

Valentinedayのウォルマート・アマゾン・CVSヘルスの1兆ドル

聖バレンタインデー。

雪が積もれば
Christmas♪
想いが募れば
Valentine♬

赤いリボンで結ばれた
贈り物が待ってる

さよならだけがよく似合う
僕のValentineday
寂しくなんかないぞとつぶやくと
誰かがすみのほうで
くすっと笑った♬
〈詞・曲 山﨑眞幹〉

いい曲です。

大学時代の1年先輩がつくった歌。
毎年、2月14日が近づいてくると、
いつも、必ず、自然に、口ずさむ。

雪が積もれば
Christmas♪
想いが募れば
Valentine♬

口ずさみつつ、
東横線、南武線、武蔵野線を乗り継いで、
新小平へ。

第一屋製パン㈱本社・小平工場。IMG_53120

冬なのに春みたいに 
あたたかい日には
ゆくさき不明の汽車にのり
荷物のようにがたごとと
はこばれてゆきたいと思うのです
〈詩・鈴木順子〉

こちらも1年先輩の天才詩人。

もうすぐ春です。
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東証一部上場企業。
第一屋製パンの取締役会。
私は独立社外取締役。

「おいしさに
まごころこめて」

ひたすら仕事しましょう。

会議が終わると、
横浜商人舎オフィスに戻る。

夕方、来客。

片山隆さん
㈱寺岡精工前社長。
現在、RTK Design代表。
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片山さんとは30年来の付き合い。
ヨーロッパでは、
様々な情報を提供していただきつつ、
何度もご一緒した。

アメリカや中国の最新情報も、
適宜、供給していただいた。

今日はその欧米や中国のITの変貌、
日本のチェーンストアが抱える課題、
そして将来展望などなど、
2時間半ほど熱談。

素晴らしい。

互いに同年配なので、
まだまだ業界のお役に立てる。
片山さんの知見を埋もれさせるのは、
本当にもったいない。
一緒に仕事しましょう。

「世のため、人のため。」に。

さて今日の商人舎流通スーパーニュース。
海外編も凄く充実している。

CVSヘルスnews|
’19年通期は総収入32%増の2568億ドル

全米第1位のドラッグストア。
12月31日締めの2019年度決算。
総収入2567億7600万ドル。
1ドル100円換算で25兆6776億円。
なんと売上高は前年比プラス32.3%。

営業利益は153億3900万ドルで36.2%増、
1兆5339億円。
純利益は66億3100万ドルの6631億円。
前年度は純損失5億9600万ドル(596億円)。
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飛躍的な改善だが、
とうとうウォルマートの半分くらいまで、
スケールを増やしてきた。

そのウォルマートはまだ、
1月末日の決算が発表されていない。
昨年は5144億500万ドルで2.9%増、
円換算すると51兆4405億円だった。

CVSヘルスの3割を超える成長の理由は、
医療保険会社3番手「エトナ」の買収にある。

一方、先週の月曜日、
2月3日の商人舎流通スーパーニュースは、
アマゾンnews|
売上高2805億ドル・21%増/純利益15%増も成長率鈍化

こちらも12月末締め。
2019年通年売上高は20.5%増で、
2805億2200万ドル(28兆522億円)。

営業利益は17.1%増で、
145億4100万ドル(1兆4541億円)。
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北米部門が20.8%増の1707億7300万ドル、
国際事業が13.4%増の747億2300万ドル、
AWSが36.5%増の350億2600万ドル。
AWSはアマゾンウェブサービスの略で、
クラウドによる出展者へのサービス事業だ。

アマゾンもウォルマートの半分を超えて、
しかもM&Aを展開するわけではない。
だからこのまま2割ずつ伸びていくと、
4年でウォルマートに追いついてしまう。

凄いことになってきた。

第1位のウォルマート52兆円、
第2位のアマゾン28兆円、
第3位のCVSヘルス25兆円。

トップ3のスケールを足し算すると、
1兆ドルの100兆円を超えて、
日本の国家予算に並ぶ。

そのウォルマートも、
1年に3%足らずの伸び率だが、
その金額は実に1兆5000億円。

そして規模の拡大だけではない。
ウォルマートnews|
1/29「ウォルマート・ヘルス」2号店を開店

1月29日に新フォーマットの2号店を始めた。
「ウォルマート・ヘルス(Walmart Health)」。
プライマリー・ケア・クリニック実験である。
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スーパーセンターに併設されて、
手頃な価格でヘルスケアを提供する。

プライマリケアから、
ラボ、X線、診断、カウンセリング、
歯科、眼科、聴覚サービスまでを提供する。

これまでもターゲットなどが、
ミニッツクリニックサービスを展開した。
それらをはるかに超えた、
総合的なヘルスセンターだ。

しかも患者の健康保険の有無だとか、
ステータス(序列)に関係なく、手頃な価格。
その価格表も明示されていて、
明朗会計の診療が受けられる。

便利な医療サービスセンターである。

小売業は規模だけではない。
つまりレース型競争だけではない。
新たにコンテスト型競争が生まれた。

元学習院大学院長の故田島義博先生。
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最後の講義で述懐。
「私は製造業の規模の経済を、
流通業に持ち込んだ。
これは間違いだった」

ウォルマートもCVSヘルスも、
もちろんアマゾンも、
レース型競争の規模の経済と、
コンテスト型競争の範囲の経済を、
併せ持ったサービス業になろうとしている。

そしてそれを果たさなければ、
今後の成長はない。

一方の日本のチェーンストア。
昨日の日本経済新聞[Deep Insight]
「荒野生む 流通0強時代」
イオンとセブン&アイ・ホールディングス。
筆者は両者を、そして小売業全体を、
停滞する敗北者のごとく描く。

この記事の「流通」の見方、考え方、
そして基本的なスタンスに対して、
私は、全面的に「否」を唱えるものだ。

「流通は『0強』の時代に突入した」

否。

両者ともに、
組織の制度疲労は起こしているだろうが、
「0強」ではない。

規模の経済の原理はなくならないからだ。

「恐らくこの先、
イオンとセブンを中心とした再編劇は
見られなくなる」

これは完全な間違いだ。
事実が証明してくれるだろう。

「撤退した小売りや店舗の買い手はつかず、
各地に荒涼とした風景が広がりそうだ」

これも的外れだ。

「居ぬき出店こそ、
これからの店舗展開に必須の要件だ」

異論・反論は月刊商人舎で、
十分にスペースを取って、
展開しなければならない。

現場をよく見よう。
よく聞こう。
モニタリングしよう。

日本もアメリカもヨーロッパも、
そしてアジアも。

そこには躍動する現場がある。
見る、聞く、考えるが足りない者には、
その躍動感はわからない。

〈結城義晴〉

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