結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年08月12日(水曜日)

周庭の「香港の民主化」とスズキヤ中村洋子の「楽しくなきゃ」

香港のアグネス・チョウ(周庭)さん。
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8月の5日に香港の西九龍裁判所から、
有罪判決を受けた。
警察本部を包囲するデモに参加し、
デモ参加者を扇動した罪。

さらに一昨日の10日、
香港国家安全法違反の容疑で、
自宅で逮捕された。

しかし香港では、
逮捕から48時間以内に保釈される。
チョウさんも昨日の夜、保釈されたが、
再び起訴される可能性はある。

「引き続き、
香港の民主化と民主主義、
そして自由のため、
闘っていきます」

チョウさんは23歳の大学生。
民主活動家で、流暢な日本語を話す。
もちろん親日家でもあるが、
日本のポップスやアニメを愛好して、
独学で日本語を学んだ。
それも中国当局は気に入らないらしい。

メディアが好みそうなキャラでもあって、
逮捕中はずっと、
日本のアイドルグループ欅坂46の
『不協和音』を口ずさんでいたとか。61mnXtXM6RL._AC_
僕はyesと言わない
首を縦に振らない
まわりの誰もが
頷いたとしても

僕はyesと言わない
絶対 沈黙しない
最後の最後まで
抵抗し続ける

香港問題、台湾問題は、
日本と中国、ひいては日本と世界の、
関係性を示す問題だと思う。

COVID-19パンデミックは、
資本主義や共産主義などよりも、
民主主義をこそ優位に立たせる。
私はそう考える。

COVID-19にとっては、
資本主義も共産主義もない。
しかし新型コロナウイルスは、
人間一人ひとりをターゲットにして、
その細胞にヤドカリのように寄生し、
生命力を維持・拡大する。

つまりターゲットは一人ひとり。

ウイルスにとって、
その人間の貧富の差は関係ない。
地位も権力もイデオロギーも関係ない。
ややフィジカルな差異を別にすれば、
男女の差、年齢の差も関係ない。

つまりウイルスの前では、
人間は平等で、公平な立場である。

だからあくまでもデモクラティックに、
対峙せざるを得ない。

そんなCOVID-19パンデミックの中で、
香港や台湾のデモクラシーが、
理不尽にも侵害されている。
国境や民族を超えて、
反意を表さねばならない。

21世紀はデモクラシーの時代だ。

その民主的な社会でこそ、
私たちの商業は花開く。
社会貢献できる。

岡田卓也さんがつくった、
イオン㈱の三つの経営理念。
平和産業、
地域産業、
人間産業。

これは商業の本質を言い当てている。

そしてこの三つの産業であるためには、
「デモクラティック産業」
でなければならない。

今日、商人舎は夏季休暇。
東横線に乗って、多摩川を渡る。
平和な日本だ。
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自由が丘。
いつもの花屋”MONCEAU FLEURS”。
モンソー・フルール。
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花屋はいつだって平和。
デモクラティック。

その隣の壁にペインティング。IMG_82960

美しい母と娘。
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平和なデモクラティックな日本だ。

さて朝日新聞の第二神奈川版。
「元気のひけつ」に、
㈱スズキヤが登場。
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朝日新聞の社会面や地方版に、
地域のスーパーマーケットが載る。
とてもいい。
中村洋子社長がコメントする。
「スーパーは楽しくなきゃ」

これがまた、
いかにも洋子社長らしくて、いい。

「抜群の味のもの、面白いものは、
店に出したい」

「電話でダメなら手紙を書く。
直接会いに行く。
そうするうちに、
自分も欲しくなっちゃうのよね」

そうそう、その通り。

結果として、
「ここだけで買える味」が生まれる。

「価格競争では大手にかなわない。
勝負は独自開発だ。
旬のときしか買えない限定品など、
毎月100店ほどが入れ替わるから、
目が離せない」

「おいしい!」を共有するスズキヤの試食会。
従業員休憩室などのほか、
社長宅でも頻繁に開催される。
これもとてもいい。

集まるのは店長やバイヤーら約40人。

スズキヤは1920年創業。
1957年にセルフサービス方式を導入して、
いち早くスーパーマーケットを開業。

県内にスーパーマーケット12店を展開。
神奈川の名門老舗企業だ。

スターバックスコーヒージャパン㈱、
㈱サザビーリーグなども、
親戚筋に当たる。

長兄の鈴木安之さんが、
スズキヤの先代社長、
逗子市議会議長などを務めた。
次兄の角田雄二さんは、
スターバックスコーヒージャパン創業者。
三兄の鈴木陸三さんが、
サザビーリーグの設立者。

洋子社長はその妹で、
男勝りのところもあるが、
きわめて女性らしい細やかさがある。

それがスズキヤの店によく表れている。

スズキヤは逗子、葉山、鎌倉といった、
神奈川のセレブが住まうエリアで、
欠かせない地域の店だ。

まさに地域密着の地域産業であり、
同時に人間産業である。

そしてもちろん、
デモクラティック産業でもある。

「スーパーは楽しくなきゃ」
これ以外には何もない。

〈結城義晴〉

2020年08月11日(火曜日)

商人舎8月号「業態地殻変動」と高島宏平の「コロナ後の食の変化」

月刊商人舎8月号、発刊しました。
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特集は、
業態地殻変動
COVID-19は小売店舗に新しい地位を与えた。

[Cover Message]
新型コロナウイルス感染症の拡大は、第二波と言われる時期を迎えて、衰える気配もない。「コロナは時間を早める」。COVID-19は時間軸を短縮させる。マイクロソフトのサティア・ナデラCEO。「コロナ禍で社会のデジタル化が進展し、2年分の変化が2カ月で起きた」。
しかしこれはデジタル化やITに限らない。さまざまな領域でイノベーションはスピードアップする。それがコロナ禍のメリットといえばメリットである。その結果、わが小売商業の世界では、「業態地殻変動」が起こる。
コングロマーチャント、総合スーパーと百貨店、スーパーマーケットとコンビニ、そしてドラッグストアとホームセンター。従来の「業態」概念がさまざまな変容を見せつつ、一つのベクトルで変質を始めた。コロナ禍第一波最中の第1四半期決算を俯瞰しつつ、「神は現場にあり」の鉄則に則って、その業態地殻変動の真実を探る。

[Contents]

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全篇、商人舎の書下ろし。
もちろん毎号、結城義晴編著。

[Message of August]は、
そんな勇気がありますか?

[特集のまえがき]は、
業態地殻変動とは何か?

[特集のあとがき]は、
「ティファニーで朝食を?!」

業態別の分析は、
コングロマーチャント
総合スーパーと百貨店
スーパーマーケット
コンビニエンスストア
ドラッグストア
ホームセンター

それぞれに業態変革の分析結果を書いた。
「コロナは時間を早める」の
コンセプトに則って、
かなり大胆に、
どう変革が起こるかを書いた。

これ以外の業態も資料を準備していたが、
ページが足りなくなって割愛。
恐縮。

後半は[クリニックとディスカッション]
千葉市稲毛区・美浜区/市原市の
コロナ禍変革ダイナミズム

この地区のクリニックは、
一度ロケハンをして、
そのあとで本番を実行した。
だから重要な店舗は、
二度、視察した。

そしてその結論。
「業態地殻変動」は、
「業態内の大きな変容」とともに、
「業態間の地崩れ」も起こす。

その結果、ポストコロナの競争は、
激変する。

愛車の前で、ご愛読をお願いする。
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出来上がった雑誌を手に取る。
実に実にうれしいことです。
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朝、出来上がったばかりの売場だとか、
新店のオープン直前の店だとか。
そんな商人の「作品」と同じです。

さて今日は、出社する前に、
各自、自宅でZOOM会議。

1週間の確認と、
今月のスケジュール。

今週は商人舎はお盆の休業。
商人舎流通SuperNewsは、
配信を休みます。

それでもコロナ感染newsなどは、
休業中も、その都度、発信します。

よろしくお願いします。

さて、日経新聞「経済観測」に、
オイシックス・ラ・大地の高島宏平社長登場。
「コロナ後の食の変化」
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紹介文は、
「マッキンゼー日本支社勤務を経て、
2000年に創業した」

2000年6月に、
高島宏平さんがオイシックス㈱を創業。
2016年、とくし丸と統合、
2017年、「大地を守る会」と経営統合。
2018年、「らでぃっしゅぼーや」を吸収。

2013年3月、東京証券取引所マザーズ上場。
2020年4月、東京証券取引所第一部へ市場変更。

高島さん、実に説得がうまい。
とくし丸の住友達也さんほどの人も、
高島さんと意気投合している。
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だから次々に経営統合をして、
社名も「オイシックス」から、
大地を守る会と統合すると、
「オイシックス大地」へ、
らでぃっしゅぼーやを傘下に入れると、
「オイシックス・ラ・大地」と変えてきた。

高島さんの場合は、
M&Aではなくて、大同団結だ。

いまや安全で健康な「食」に関して、
通信販売と宅配・移動販売で、
全面展開するに至った。

そのインタビュー。

コロナ禍の需要の変化。
「ミールキットが売れている」
野菜などの食材と調味料がセットになった商品だ。

欧米のスーパーマーケットでも、
必須の商品だが、
日本ではなかなか売れない。

「ミールキット」は、
「一手間加えたいとの需要に応えて、
もともと販売は伸びていた」

「そこにコロナが重なった」

「家で食事をする機会が増え、
需要が一段と高まった」

「健康志向が強まったことも背景にある」

「家族が健康でいて、できるだけ
体を壊さないような食事にしたい。
病気を予防するために
野菜をたっぷり使った食事にしたい
というニーズにも合ったようだ」

出荷数の伸び。
「2020年4~6月は、
前年同期比で約3割増えた。
1人当たりの購入額も増加傾向にある」

「旅行には行けないが、
旅行気分を味わえるような
食品の企画を組むと、かなり売れる」
北海道の土産物の食品など。

「困っている生産者の食材を買いたい
という消費者の思いが
びっくりするほど強いことがわかった」

これを高島さんは、
「応援購買」と名づける。

顧客はそれを、
「気持ちのいい消費」と感じる。
同時に、
「ちょっとぜいたくな消費をするための
理由づけにもなっている」

欧米で盛んなのが、
「フェアトレード」だが、
この考え方と同じだ。

「インターネットによって
食べるものを作る農家を
イメージしやすくなった」

このコロナ禍で、
給食がなくなって余った牛乳を販売した。
「買ってもらえた酪農家の
お礼の動画を流すと、
たくさん見られた」

動画で流すことは、
既存の食品小売業でも大事だ。

「ネットによる“つながり購買”
一般化してきた」

コロナ禍で外食も厳しい。
「そこで居酒屋や
ちょっと高級なレストランの料理を
扱い始めた」

販売は総じて好調。

高島さんのサービスは「出前」とは違う。

「注文してから届くまでに数日がかかる。
待っている間のわくわく感が違う分、
普通にある料理では通用しない」

「これはコロナの後にも残る
サービスの価値になると思う」

高島さんには会ったことはないが、
実は私の高校の後輩。

おそらく日本の食品産業を、
さらに切り拓いていく人だろう。

「業態地殻変動」の底流に、
オイシックス・ラ・大地の動きもある。

〈結城義晴〉

2020年08月10日(月曜日)

甲子園高校野球交流戦の「一戦主義」と「痴呆百貨店」閉鎖に物申す

Everybody! Good Monday!
[2020vol㉜]

2020年第33週。
8月第3週。

今日は祝日、山の日。
7月23日が海の日だった。

コロナ禍でテレワークなどやっていると、
休む方は祝日のありがたみが薄くなる。

本来ならば、
海の日の翌日が東京五輪開会式で、
山の日の前日がその閉会式。

祝日がうまくオリンピックに絡まっていた。
楽しかっただろうな。
うれしかっただろうな。

アスリートの活躍を話題にして、
歓談し、食事し、酒を飲んだりする。
消費も盛り上がる。

しかしどちらも開催されず、
来年に持ち越された。

そして本来ならば、
夏の甲子園高校野球の1回戦が、
華々しく繰り広げられていた。

残念なことにCOVID-19パンデミックで、
世界中の歯車が狂ってしまった。

かわりに今日から、
高校野球交流戦が開催される。
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コロナ禍で春の選抜大会は中止された。
そのセンバツに出場予定だった32校が、
一試合ずつ戦う。

優勝はないし、準優勝もない。
ただ一戦のみ。

全校応援もない。

それでも甲子園球場でプレーする。
その喜びや感動は残る。

商売では祝日はありがたい。
顧客に時間があって、
その時間を買物に使ってくれたら、
売上げは上がる。

今週木曜日の13日が盆の入り、
14日金曜日が中日。
そして16日の日曜日が盆の明け。

15日は終戦記念日。

日本人にとっては、
スケジュールが目白押し。

しかし先週土曜日から始まった3連休に、
今週のお盆を重ねてずっと休暇にすれば、
最大9連休となる。

何度も言うけれど、
緊急事態宣言など受けているから、
9連休もありがたみは薄い。

遠出はできない。
外出も制限される。

そこでこのお盆商戦には、
交流戦の高校球児の心持ちで臨みたい。

一戦に全力を投入する気概だ。
「一戦主義」である。

昨日のMessageに書いた。

いつもいつも凡事徹底、
ほんの一瞬の有事活躍。
そして日々新た。

あなたはそれが好きですか?
C

さて今日の日経新聞の記事。
「地方百貨店 相次ぐ閉鎖」 

「地方での百貨店閉鎖が止まらない」

「百貨店の撤退は都市中心部に
巨大な空き家・空き地を生み、
街のにぎわいを損なう」

「跡地利用が決まらなければ
都市の衰退が加速するだけに、
地域の悩みは深い」

日経の記事は都市の空洞化を問題とする。

JR福島駅前の中合。
福島店は8月31日、
146年の歴史に幕を下ろす。
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福島店の2019年度の売上高は約60億円。
ピーク時の3分の1に満たない。

20年度も新型コロナウイルスの影響で、
4~5月に21日間の休業。

コロナは時間を早める。
その典型的な事例だ。

神奈川県を地盤とするさいか屋。
横須賀店を来年2月に閉鎖する。
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横須賀は同社が1872年に創業した街。
しかし今後は藤沢店に経営資源を集中する。

これもコロナが時間軸を短縮する事例。

21年9月に閉鎖する松坂屋豊田店。
愛知県豊田市。

名古屋鉄道豊田市駅前の再開発ビルの核店舗。
具体策は未定。

すでに閉鎖した百貨店。
昨2019年1月末に閉鎖した棒二森屋。
北海道函館市。
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26年3月をめどに、
高さ約85メートルの高層ビル2棟を建てて、
ホテルなどの複合施設を開業する。

事業費190億円。
市と国の支援分は各25億円程度と想定。

19年9月に閉鎖した山交百貨店。
甲府市。

ヨドバシカメラがJR甲府駅前の建物を、
そのまま利用して来年21年春ごろ開業予定。

伊勢丹府中店は昨19年9月に閉鎖。
こちらは賃貸借契約を巡って、
地元のビル運営会社が百貨店を提訴、
すでに和解したが問題は山積。

私は福岡の生まれで、
天神の岩田屋は、
子どものころのあこがれだった。

地方百貨店の魅力を何とか、
取り戻せないかと思う。

しかし客観的に見て、
それは極めて困難だ。

椎名誠さんは、
「ストアーズレポート」誌の編集長時代に、
「痴呆百貨店」と切って捨てた。
もちろんこのネーミングには、
椎名さんの愛とユーモアが込められている。
もう40年も前のことだ。

その時代から地方百貨店は、
残念ながら巨大な資産の上に胡坐をかいて、
経営理論や組織体質、財務体質も、
崩壊に向かっていたに違いない。

アメリカでは、
全米のほとんどの百貨店が、
メイシーズに買収されてしまった。

残ったのが、
ノードストロームとディラード。
ニーマンマーカスも、
このコロナ禍で倒産した。

メイシーズ自体も経営は危うい。

しかしこれだけは、
強調しておかねばならない。
地方の県や中心都市で、
百貨店が果たしてきた機能と役割は、
「永久に不滅です」

もちろんその機能や役割は、
時代とともに大きく変化する。
期待も膨らむ。

その新しい機能や新しい文化を取り込んで、
この県、この街にしかない超大型施設を、
1店だけつくる。

テーマパークでもいい。
イータリーの誘致でもいい。

つまり百貨店の新フォーマット化である。

既存の百貨店企業ができなければ、
コングロマーチャントやサードパーティが、
この難問に取り組む。

面白くは、ないかい?

でもブランドはどこかに残してほしいな。

と、今日は勝手なことを書いた。

では、みなさん、今週も、
お盆商戦は高校球児の「一戦主義」で。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年08月09日(日曜日)

長崎忌の「一人黙祷」と8月の標語「そんな勇気がありますか?」

8月9日、長崎忌。

75年前、昭和20年の今日、
長崎に原子爆弾が落とされた。
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6日には広島に落とされていた。

かの広島長崎蝉の穴無数
〈柴田いさを 「船団」より〉

暑い暑い夏の日だった。
蝉が激しく鳴いていた。

長崎忌調子外れの法師蝉
〈吉村摂護 「空」より〉

教会の鐘の音は響いたのだろうか。

炎天に長崎の鐘のみ響く
〈山田智子 「苑」より〉

長崎の鐘静かに歌ふ長崎忌
〈小木曽文明 「雨月」より〉

「長崎の鐘」は、
サトウハチロー作詞、
古関裕而作曲。
歌は藤山一郎。
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こよなく晴れた青空を
悲しと思うせつなさよ
うねりの波の人の世に
はかなく生きる野の花よ
なぐさめ はげまし
長崎の ああ 長崎の鐘が鳴る

最後の部分、
「ああ~ ながさき~の♪
かね~が なる~♪」

オーソドックスなテノールの歌声が、
耳に残る。

いいなあ。
もう、高齢者にしか、
わからないだろうけれど。

そんな今日、私も。

日曜日一人黙祷長崎忌
〈須賀敏子 「あを」より〉

長崎忌から75年経過して、
COVID-19感染ショック。

今日も東京は新規感染者331人。
大阪府は195人、沖縄県が159人。

長崎県は7人、広島県は5人だが、
島根県は一挙に91人。
私立高校を中心にクラスターができた。

愛知県129人、福岡県109人、
そして神奈川県81人。

全国で1443人。
ああ。

[商人舎流通SuperNews]にも、
新規感染者情報続々。

[百貨店]
三越伊勢丹news|伊勢丹新宿本店・三越銀座店・岩田屋本店
H2Onews|博多阪急・阪急うめだ本店・モザイクモール港北
小田急百貨店news|町田店

[スーパーマーケット]
阪急オアシスnews|神戸旭通店
西鉄ストアnews|七隈店(福岡市城南区)
オギノnews|上野原店
オオゼキnews|戸越公園店・つつじヶ丘店の2店舗
万代news|巽西店と万代河合町店
オーケーnews|川越店
バローnews|瀬戸西店と品野店
マミーマートnews|飯山満駅前店

そして、
トライアルnews|宇土店(熊本県)
ダイソーnews|豊橋岩田店と川越新宿町店

[ドラッグストア]
ウエルシアnews|ハックドラッグ港南台店
ツルハnews|西小山店(東京都)
キリン堂news|大阪市・東大阪市・神戸市の3店舗
富士薬品news|ドラッグユタカ伏見深草店・北野白梅店

[コンビニ]
セブン&アイnews|セブン-イレブン5店舗など8名
ファミマnews|神保町さくら通り店
ローソンnews|大阪・兵庫・岐阜・東京の4店舗
ミニストップnews|八潮伊勢野店

[専門店]
ヤマダ電機news|千葉・埼玉・大阪・福岡・沖縄6店6名
ユニクロnews|横浜伊勢佐木モール店
島忠news|ホームズ川越店
オリジン東秀news|中野南台店

新型コロナウイルス感染拡大で、
萎縮してしまうのが一番いけない。

やるべきことをやる。
やれないことはやらない。
そのうえで
前向き、上向き、外向き。

一昨日のブログで書いた。
柳井正ファーストリテイリング会長・社長。
「コロナと経済活動が
対立しているかのようになっている」

「両方ともやらないと生活は破綻するし、
ステイホームだけじゃ、
人間、生きていけない」

結城義晴。
「コロナ禍を発明の母だとすると、
コロナ対策と経済活動は、
両方やらねば絶対に、
発明の母とはならない」

8月の商人舎標語。
月刊商人舎8月号の「Message of August」
C
そんな勇気がありますか?

初めての体験をする。
慣れないことをする。
異質なものを取り入れる。

あなたはそれが好きですか?
それができますか?

いつもと違う道を歩く。
知らない人と知り合う。
行ったことのないところを旅する。

新しい仕事につく。
新しい職場に配属される。
新しい生活を始める。

そんな勇気がありますか?
年をとってもできますか?

コロナ禍の毎日は、
むしろ単調な仕事の繰り返しだ。
劇的な変化は少ない。

店に出る。
売場をつくる。
客を迎える。

しかしCOVID-19は、
単調な日々の中に、
新しいことへの挑戦を求めている。

業態地殻変動は、
ビジネスモデルの歴史的転換である。
しかしそれを成し遂げるのは単調な毎日だ。

いつもいつも凡事徹底、
ほんの一瞬の有事活躍。
そして日々新た。

あなたはそれが好きですか?
そんな勇気がありますか?
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こんな単調な毎日だが、
いつもいつも新しいことに挑戦する。
そんな勇気が必要だ。

こんな時だからこそ、
新しいことを望む。
新しいことに挑む。

その心持ちはなくしたくない。

〈結城義晴〉

2020年08月08日(土曜日)

外山滋比古さん、ご逝去/「セレンディピティ」は遺言だ。

外山滋比古さんご逝去。
96歳だった。

ご冥福を祈りたい。

私もよく引用させてもらう『思考の整理学』
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1983年に上梓され、86年に文庫化された。
124刷で累計253万部。

その前の1977年刊『知的創造のヒント』もいい。
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最後の著書は、
2017年の『日本の英語、英文学』だった
93歳の著作である。

凄い。

大正12年、愛知県生まれ。
雑誌編集者、編集長、雑誌創刊者から、
アカデミズムの世界へ。
東京教育大学助教授を経て、
1968年からお茶の水女子大教授、
そして1989年から昭和女子大教授。
お茶の水大学名誉教授。

中日新聞巻頭コラム「中日春秋」は、
「博学、博識にして、
色あせない言葉を紡ぎ続けた
外山滋比古さんである」

イオンから依頼されて、
「セルフスタディガイドブック」で、
若い人たちに本をお奨めする。

私が毎回、推薦するのが、
外山さんの『思考の整理学』だ。

ものの考え方がきれいに整理される。
仕事にも人生にも有益だ。

マザー・テレサ、
「思考に気をつけなさい」である。

「結城義晴の文章法」の講義でも、
必ず外山さんを引用する。

文章法に関しては、
「とにかく書いてみる」「しゃべる」と、
指導してくれる。
ピーター・ドラッカーと一致する。

さらに考え方に関する「発酵」や、
「アナロジー」(類比)。

とくに、
「セレンディピティ」

セレンディピティ」とは、
「何かを探しているときに
偶然
探しているものとは別の、
価値があるものを見つけること」

だから「これしかない」と思ってはいけない。
かといって「あっちもこっちも」も、
よくはない。

外山さん。
「考えごとをしていて、
テーマができても、
いちずに考えつめるのは賢明でない」

「しばらく寝させ、
あたためる必要がある」

これが外山さんの言う「発酵」だ。

「視野の中心にありながら、
見えないことがあるのに、
それほどよく見えるとは限らない
周辺部のものの方が、
かえって目をひく」

「そこで、中心部にあるテーマの
解決が得られないのに、
周辺部に横たわっている、
予期しなかった問題が
向こうから飛び込んでくる」

これを「ひらめき」と言ったりするが、
実は「セレンディピティ」である。

「人間は意志の力だけで
すべてをなしとげるのは難しい。
無意識の作用に負う部分が
ときにはきわめて重要である」

「セレンディピティはわれわれに
それを教えてくれる」
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セレンディピティは、
外山さんの遺言でもあると思う。

90歳を超えても執筆した。
見習いたい。

合掌。

外山さんと同じように、
物事の考え方を整理してくれるのが、
鷲田清一さんだ。
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朝日新聞「折々のことば」第1899回
能ある鷹は爪を隠す
(ことわざ)

編著者でもある鷲田誠一さん。
「ほんとうに実力のある者は、
いざという時のために
密(ひそ)かに技を磨いており、
それを無闇(むやみ)に
ひけらかしたりはしないものだ」

「だからその地力をあなどってはならない」

これがことわざの一般的な意味だ。
しかし鷲田さんは、その逆を考える。
「もしこのことが真であれば、
逆に、能無しは、
爪をこれ見よがしに立てるか、
あるいは攻撃を怖(おそ)れ、
物陰に潜む」

爪をこれ見よがしに立てる。
自分を大きく見せようとする。

どこかの大統領などもこれだ。
どこかの首相の「やってる感」も同じだ。
私たちの周辺にも、よくいる。

それでいてときには、
ひどく臆病になって、黙り込むし、
後ろに下がって、物陰に潜む。

「しかもそれを同時にやる人もいる」

鷲田さん、実に鋭い。

「魂胆は見え透いても、
それが通ることがあるから、
世間は不気味」

これも、
どこかの大統領の国の話でもある。
どこかの首相の国でも、
そして私たちの周辺でも、
日常的に、いつもあること。

以って自戒とすべし。

〈結城義晴〉

2020年08月07日(金曜日)

グーテンベルクと柳井正の「10年間が1年間で来たって感じ」

早くも立秋。

今日は昼まで寝ていた。
12時間も眠り続けた。

このところ原稿執筆で、
疲労困憊。

それでも、
眠り続けることができるのは、
体力があるからだ。

なんて言われるから、
それを信じて眠り続ける。

目覚めたらいい気分。

そして今日は東京・大手町へ。
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COVID-19は、
今日も新規感染者は462人だが、
人通りは多い。

大手町プレイスウエストタワー。
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その地下1階。
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ここに大手町プレイス内科がある。
大手町プレイス内科
田嶼尚子院長が私の主治医。

キャリアがすごい。
東京慈恵会医科大学卒業・医学博士、
ピッツバーグ大学大学院修士課程修了、
東京慈恵会医科大学 第3内科講座担当教授、
同大学 糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授、
同大学理事・医学科長・教学委員長、
同大学名誉教授。

コロナ禍で4月以来の訪院。
尿検査と血液検査。
それから田嶼先生の診察。
薬を処方してもらう。

完璧に信頼しているので、
言われたことは必ず守る。

しかししばらくすると、
忙しさに紛れて、それを忘れる。

だからまた検査と診察を受ける。

私はラッキーなことに、
名医に遭遇する。

眼は東邦大学富田剛司教授。
緑内障の権威。
そして糖尿病は田嶼尚子教授。

ありがたい。

日経新聞巻頭コラム「春秋」
グーテンベルクの活版印刷技術。

「教会による知識や情報の独占を崩し、
ヨーロッパを近代へ導いた」

ヨハネス・グーテンベルクは、
ドイツ人の金属加工業者だった。
1398年頃の生まれで1468年に没した。

ジョン・ケリー著『黒死病』
米国人の科学・医学ジャーナリスト。
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「技術革新の背景には、
ペストの流行があった」

黒死病のペストによって、
グーテンベルクが生まれる前から、
死ぬまでの100年間。
欧州は30~40%の人口を失った。
そして労働力は大打撃となった。
もちろン労働者の賃金は高騰した。

「人口減少が”発明の母”となった」

それまでは印刷技術がなかった。
だから本をは、
数人がかりで筆写して作られた。
日本の経文なども同じだ。

しかしペストで多くの人が死んで、
筆写など非生産的なやり方は続けられない。

そこで少人数で、
本を製作しなければならなくなった。
今で言う省力化のニーズだ。

このニーズに応えたのが、
活字を使う印刷方法だった。

このときの人口減少から生まれた発明は多い。
鉱山開発では新式の水力ポンプが生まれた。
少人数で深くまで掘れるようになった。

船は大型化が進んだ。
少ない乗組員で輸送効率が上がった。

「逆境をバネに新たな工夫が出てくる」
「発明の母は、無数に転がっている」

私はこれを、
「コロナは時間を早める」と表現する。
駄目なものはどんどん駄目になる。
良いものはどんどん改革される。

朝日新聞「新型コロナ 揺れる経済」に、
柳井正さんが登場。
ファーストリテイリング会長兼社長。
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「10年間が1年間で来たって感じ」

その通り。

「時代に合わせて
変化していかなければならなかったものが、
なかなか変化できなかった結果だと思う」

「我々は、商品の企画から生産、物流、
お客さまへの販売まで手掛けている」

これがマーチャンダイジングの本来の意味だ。

「工場からお客さままでの間にある利幅は
どんどん減っていたが、
コロナ禍で一気にクシャッときた」

流通の多段階性によって、
生産から販売までの間に、
多くの無駄やだぶりがあった。
それを柳井さんは一気に解消して、
大きな利幅をつくった。

しかしこのところ、
その利幅がどんどん減っていた。

コロナ禍でその利幅は、
一気に「クシャッ」とくる感じで、
激減した。

さらにアパレルの領域の変化。
「一気にカジュアル化の流れになった。
ある意味、我々は運がよかった」

ユニクロはカジュアルファッションだ。
つまり普段着の世界を開発した。

「生活様式が変わり、
ドレスやスーツは
ほとんどの人の生活に関係しなくなった」

「紳士服売場は、極論すると、
ほとんどなくなるかもしれない。
オンワードホールディングスは、
ZOZOと連携するようだが、
そういうふうに変わっていく」

同感。

紳士服チェーンはどうするか。
プレタポルテはどう変わるか。
総合スーパーの衣料売場はどうするか。

「衣・食・住と言うように、
服はもともと生存に必要なものなのに、
あこがれのような特別な商品になっていった」

「当社は生活に必要で
生活を豊かにする服を
つくって売っていく」

これは変わらない。

総合スーパーが続けるとしたら、
この分野だろうが、
私は違った方向も指摘している。

ユニクロも、
「セオリー」ブランドを展開している。

eコマースは。
「着心地や全体のシルエットなどは
着てみないと分からない。
だから店頭で確かめたいって
思うんじゃないですか。
それにECの便利さを加えていく」

最後に決意表明。
「ZARAを展開するインディテックスとか、
H&Mを抜いて、
世界一になる」

ファーストリテイリングは、
19年8月期売上高2兆2905億円。
インディテックスは2020年1月期で、
282億8600万ユーロ、
(約3兆3943億円)。

H&Mの19年11月期は、
2327億5500万スウェーデンクローナで、
約2兆5604億円。

H&Mには、もう一歩で追いつく。

よくないと思っていること。
「コロナと経済活動が
対立しているかのようになっていることだ」

「両方ともやらないと生活は破綻するし、
ステイホームだけじゃ、
人間、生きていけない」

コロナ禍を、
発明の母だとすると、

コロナ対策と経済活動は、
両方やらねば絶対に、
発明の母とはならない。

〈結城義晴〉

2020年08月06日(木曜日)

伊藤園陳列コンテストのビデオ撮影と「丈夫な頭と賢い体」

広島に原子爆弾が落とされて、
75年が経過する。

私の母はちょうど二十歳だったが、
広島県にいた。

西条という郡部だったので、
被ばくはしていないが、
強い衝撃を受けたに違いない。

そのことは死ぬまで、
一言も語らなかった。

中国新聞の巻頭コラム「天風録」
広島に在住した詩人・峠三吉を引く。

白骨を地ならした
此(こ)の都市の上に

おれたちも
生きた 
墓標

私たちも生きた墓標だ。

今日は東京・清水橋へ。
伊藤園本社。

ビデオ撮影。

伊藤園の陳列コンテストは、
業界随一のイベントだ。
私はずっと審査員をやっていて、
今年1月末から3月のコンテストは、
もう審査も終わっている。

けれど発表する媒体の「食品商業」が、
残念なことに廃刊された。

そこで伊藤園のホームページで、
その審査結果を発表し、
優秀作品を表彰する。

そのホームページに、
動画を流して、
私が出演することになった。

審査総評は6分。
それからコロナ禍へのコメントが4分。
コロナ禍の会社経営と店舗運営に関して、
私の考えを短く語った。

「テイク5くらい、お願いします」

こう言って始めたが、
ほとんど一発OKで撮り終えた。

ありがとうございます。

そのあと、販売促進部の皆さんと写真。IMG_82149
左から関口直均さんと久保田彩子さん、
小林哲也さんと中山翔太さん。
小林さんが地域販売促進部部長、
関口さんが販売促進部第5課課長、
久保田さんと中山さんが第5課スタッフ。

伊藤園のホームページに公開されたら、
ぜひご覧ください。

その後、横浜商人舎オフィスに戻って、
商人舎8月号の最後の責了。IMG_82180
本当に疲れ切った。

全ページ書き下ろし。

アメリカの若林哲さんに、
原稿を依頼して書いてもらった。
こちらは誌面が出来上がっていたが、
それは次号に回させていただいて、
全部、書いた。

どうだろう、
4万字から5万字くらいだろうか。
1週間くらいで書き切った。

校正も終わって、
にっこり。
IMG_82210
もう、空っぽというくらいに、
書き切った。

朝日新聞一面の「折々のことば」
第1897回。

心っていう漢字って、
パラパラしてて
いいと思わない?
(絵本作家の五味太郎)
〈朝日新聞DIGITALより〉五味太郎
私も「心の字のパラパラ」、
いいと思う。

とくに筆で書くと、
そのパラパラが妙な味を出す。
その人らしさを出す。

五味。
「心は乱れて当たり前」

編著の鷲田清一さん。
「存在がまとまらないから人は考える。
そしてよく考えるには、
“じょうぶな頭とかしこい体”が必要だ」

世間と逆のことを五味は言う。
〈丈夫な体と賢い頭〉
これがごくごく当たり前の考え方。

しかし五味。
「丈夫な体はつい”働かされちゃう”し、
賢い頭は”世の中と付き合いすぎちゃう”」

そのとおりだ。

「だからまずは”きちんとサボれる”賢さと、
“自分で考える”丈夫さを備えよ」

いいなあ。

私も原稿書きで空っぽになった頭で、
これはいいと思った。

じょうぶな頭と、
かしこい体。

これは商人のあり方でもある。
ありがとう。

〈結城義晴〉

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