結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年04月20日(水曜日)

ライフ岩崎高治社長インタビューとYGP(恵比寿店)取材

桜が終わると新緑。
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昨日は午前中、東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会へ。

新小平の駅を出て、
少し歩く。

幼稚園か保育園か。
園児たちの散歩に行き会った。

「おじいちゃ~ん、こんにちは」IMG_23712

あらら、おじいちゃんか。

思わず我を振り返って、
スマホで自撮りした。
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取締役会は、
つつがなく終わった。

今日は同じく、
朝から東京・大門。
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芝大神宮。
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久しぶりに鳥居の前を通った。
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㈱True Dataの取締役会。
オンラインでの参加が続いていたが、
リアル会議もいい。

昨年12月に、マザーズ市場に株式公開。
おかげさまで絶好調です。

それでも米倉裕之社長は、
リスクマネジメントを忘れない。

もちろんリスクも恐れない。
常に前向きだ。

ピーター・ドラッカー。
「経済活動の本質とは、
リスクを冒すことだ」
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玉生弘昌さんにも久しぶりに会った。
㈱プラネット会長。
お元気そうだった。

ちょうど正午に終わって、
すぐに秋葉原へ。

㈱ライフコーポレーション本社。IMG_23792

こちらも久しぶりに、
岩崎高治社長のインタビュー。IMG_25172

1966年生まれだから、
私より14歳年下。

もう50代半ばとなって、
押しも押されもしない、
日本一のスーパーマーケットの経営者。

創業者の清水信次さんが、
名誉会長に退くことになって、
岩崎さんの双肩にすべてがかかる。

1999年に三菱商事㈱から、
ライフコーポレーションへ。

ちょうどそのころ、
韓国視察研修会でご一緒した。

私は商業界の取締役編集統括で、
コーディネーターだった。

カルフールが日本に進出してくる直前で、
韓国にはそのカルフールと、
ウォルマートが進出していて、
激烈な闘いを展開していた。

それを視察して学ぶセミナー。

ライフからは取締役が、
ほぼ全員参加して、
岩崎さんは一番の若手だった。

実にさわやかで賢い青年で、
私は一目で好感をもった。

ライフの先輩たちにも、
他者の参加者にも、
等しく配慮しつつ接していた。

その後、2006年には、
代表取締役に就任して、
30代の社長となった。

23年が経過する。

今日のインタビューでは、
ポストコロナの時代を概観してから、
本論は「スーパーマーケット4.0」。
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セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店。

この店にライフのすべてが込められた。

長いネーミングなので、
「YGP」と略しているそうだ。
YEBISU Garden Placeの頭文字。

このYGP開発の5つのステップを、
丁寧に理論的に説明してもらった。

私も「腹落ち」した。

そのすべては、
月刊商人舎5月号で披露する。

他にないロングインタビューです。
ご期待ください。

皆川剛広報部長もずっと同席して、
いろいろと配慮してくれた。IMG_25192

インタビューが終わると、
いつものようにツーショット。IMG_25162
ありがとうございました。

それが終わると、
すぐに恵比寿へ。

サッポロビールの工場跡が、
新しいショッピングセンターとなった。

それが恵比寿ガーデンプレイス。IMG_23822

オフィスゾーンと住宅ゾーン、
そして商業ゾーン。
その中核として三越がオープンしたが、
結局、撤退。
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そのあとにできたのが、
フーディーズ・ガーデン。IMG_23852

スーパーマーケット2核となった。

明治屋ストアーと、
ライフのYGP。
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商人舎流通スーパーニュース。
ライフnews|
「セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」4/15オープン

そのライフYGPの青果部門。
トマト売場が素晴らしい。
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この店で岩崎さんは、
商圏の拡大と客層の拡大を狙った。

だからライフの集大成となった。

商圏と客層の拡大には、
惣菜部門の強化は必須だ。

それが実現されている。
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さらにビオラルは全面展開。
スーパーマーケットのインショップとして、
一定以上の成果が上がるフォーマットとなってきた。
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この店も月刊商人舎5月号で詳細に報告する。

最後にインタビューに答えてくれた皆さんと、
ブログ用の写真撮影。

私の隣から新井信一郎さん、
松原雅昭店長、
そして皆川さん。
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荒井さんは常務執行役員営業副統括。
荒井さんと皆川さんには、
これからもお世話になります。

ありがとうございました。

ライフコーポレーションも、
岩崎高治も、
リスクに挑戦した。

経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである。

〈結城義晴〉

2022年04月19日(火曜日)

吉野家前常務の「不適切発言」に思う

㈱吉野家前常務取締役の「不適切発言」。

舌禍事件には違いないだろうが、
つい、言い過ぎたという印象ではない。

「生娘をシャブ漬け戦略」

日頃からこんな言い回しをしていたのだろう。
そしてこの言い回しを、
自分で気に入っていたに違いない。

「田舎から出てきた
右も左も分からない若い女の子を
無垢(むく)、生娘なうちに牛丼中毒にする」

それを「戦略」と称した。

早稲田大学の社会人向けマーケティング講座で、
トップバッターとして登場した、
その講師としての発言だった。

受講生のSNS発信で明らかになった。

吉野家も泥を塗られた。
早稲田も汚名を着せられた。

情けないことだけれど、
常務に人事するときの、
講師にキャストするときの、
「人を選ぶ目」が曇っている。
ひどく安易だ。

そして何より、
「マーケティング」という概念が、
傷つけられた。

ちょっとした実績を上げたからといって、
その考え方や方法を、
「マーケティング」と認めてはいけない。

「教養」の意味は、
「学問・知識を
しっかり身につけることによって養われる、
心の豊かさ」とある。

文章を書くとき、
言葉を発するときに、
「アナロジー」が使われる。
「類比」と言われる。

創造性のある発想ができる人間は、
共通してこのアナロジー思考に長けている。

しかし当該の前常務は、
ロイヤルカスタマーになってもらうことを、
「シャブ漬け」と言い換えた。

若い女性をターゲティングする、
その対象を「生娘」と言い、さらに、
「田舎から出てきた右も左も分からない」と、
解説を加えた。

類比が妥当ではない。

「心の豊かさ」や「奥ゆかしさ」は、
微塵も感じられない。

ドナルド・トランプや、
ウラジーミル・プーチンのような存在が、
必要以上に露出してきて、
「フェイク」を連呼する姿が、
社会に影響を及ぼしているのかもしれない。

「嫌な渡世でござんす」

仕事や商売をするうえで、
この手の「マーケティングもどき」は、
断じて退けねばならない。

それを強く思った。

吉野家も早稲田も好きだからこそ、
それを強く思った。

〈結城義晴〉

2022年04月18日(月曜日)

「見える戦争」と「一目で見える賢さ、人柄の持主」

Everybody! Good Monday!
[2022vol⑯]

2022年第16週。
4月第4週。

昨日はイースター。
カトリックの復活祭。

第266代ローマ教皇フランシスコ。
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バチカンのサンピエトロ広場で、
イースターのメッセージを発した。

「この戦時下の復活祭において、
私たちは多くの流血と暴力を見てきた」

「残酷で無意味な戦争」

「人類に終止符を打つか、
それとも人類が戦争を放棄するか――」

「世界の指導者たちが
約70年前の科学者たちの問いかけに
耳を傾けますように」

この科学者たちの問いかけとは、
アインシュタインらの1955年の宣言である。
核戦争による人類絶滅の危機に、
科学者たちが警鐘を鳴らしたものだ。
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ローマ教皇。
「みなさん、戦争に慣れないで、
平和を祈りましょう」

ロシア正教の今年の復活祭は、
4月24日の日曜日だ。

ロシアもウクライナも、
この日は同じ。

休戦協定でも結ばれるか。
それでも戦争が止まることはいい。

先週金曜日の大機小機。
日経新聞の経済コラム。

「見える戦争」の平和的帰結
コラムニストは無垢さん。

「”プーチンの戦争”は、
史上初の”見える戦争”である」
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「新型コロナウイルス禍と
デジタル技術の発達という複合要因のなか、
世界の人々がロシア軍による
ウクライナ侵攻を目撃した」

「子供や老人、学校や病院を含む
無差別攻撃や住民殺りくの戦争犯罪に憤り、
避難民の苦難に心を寄せた」

「見える戦争」

コラムニスト。
「試されるのは人類の知恵である」

「プーチンの戦争を受けて
抑止力という名の軍拡競争に走るか、
戦争の時代を終わらせるため軍縮するか」

「大砲(軍事)よりバター(民生)を
選択するときだ」

同感だ。

「プーチンの戦争は軍事力対経済力の闘いだ」

「資源と外資頼みのロシア経済に対して
日米欧による経済制裁の効果は絶大だが、
制裁効果を高めるには
世界経済への跳ね返りを覚悟するしかない」

「プーチンの戦争のあと
ウクライナ復興には莫大な資金がかかる。
制裁で衰退するロシアにも
再建の手助けがいる」

「第1次大戦後、
ドイツに過大な負担を強いた結果、
何が起きたか」

「ケインズの『平和の経済的帰結』が教える」
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ジョン・メイナード・ケインズは、
1919年、英国大蔵省主席代表として、
ヴェルサイユ会議に出席した。
ケインズは敗戦国のドイツ経済では、
負担しきれない巨額賠償に反対して辞任。

その後、ヴェルサイユ体制は、
ドイツへの莫大な賠償金を課したが、
ケインズは「平和の経済的帰結」を出版して、
反論キャンペーンを行った。

コラムニストは、最後には、
プーチンが必ず負けるであろうと予測しつつ、
対応の仕方を先読みして示唆する。

そして言う。
「いまは外交力を結集して停戦を急ぎ、
平和体制を構築するときだ」

「難民支援、復興支援に加えて
真の冷戦後に見合う国連改革が課題だ」

「米中対立を防ぐためアジア太平洋に
巨大自由貿易圏を創設して
経済融合を促すことだ」

「核大国の大統領が
核兵器使用で威嚇したことで
“核兵器なき世界”は遠い理想ではなく、
核軍縮が緊急課題になった」

「平和構築を担うのは
“核兵器なき世界”を掲げる
岸田文雄政権である」

「唯一の被爆国として
日本の責任はかつてないほど重い」
自覚したい。

大砲よりバターである。
つまり軍縮である。

それはわかっている。
しかしその平和体制を構築するために、
プーチン戦争をいかに終わらせるか。

ローマ教皇ではないが、
私たち庶民には祈るしかないのだろうか。

このブログは商売のこと、
商業のこと、小売業、サービス業のこと、
知識商人のことを日々、記すものだ。

しかし残忍な「見える戦争」は今、起こっている。
商売のことだけを考えてはいられない。

朝日新聞一面「折々のことば」
今日の第2353回。

「喋(しゃべ)って
解決するような物事は

世の中にはひとつもありません。
喋れば喋るほど
紛糾するのが世の中です」

(渡辺京二『なぜいま人類史か』から)
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「人は何でもかんでも
ペチャクチャ喋る必要なんかなく、
人の賢さも人柄やたちも、
たとえ使う言語が違っても
一目で見抜けるものだ」

そう、プーチンも一目で見抜ける。

「意が通じることと、
言葉を巧みに使いこなせることは
同じでない」

編著者の鷲田清一さん。
「たしかに、”口達者”ばかりが
大手を振るような社会は
どこか軽い感じがする」

プーチンと親しそうにしていた首相も、
どこか軽い感じはする。

そして喋れば喋るほど紛糾した。

今、求められるリーダーは、
一目でわかる賢さや人柄の持主だ。

そんなリーダーたちが、
世界を軍縮へと牽引していく。

そんなリーダーたちが、
産業や会社を構造改革していく。

だからそんなリーダーに委ねよう。

しかし、果たして、
それぞれの局面で、それは誰か。

深く考え込んでしまうところに、
現在の問題の根深さがある。

少なくとも自分の周りには、
そんなリーダーを見つけられるだろう。

そしてあなたも、
そんなリーダーになることが出来るだろう。

それを信じるしかない。

では、みなさん、今週も、
一目でわかるリーダーを目指そう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年04月17日(日曜日)

「成長を知らない子供たち」と「国民丸ごと茹でガエル」

日経新聞コラム「大機小機」
コラムニストはいつもの一直さん。

タイトルは、
「成長体験」知らぬ日本

内閣府が公表した国内総生産(GDP)2次速報。
2021年の日本の実質成長率は1.6%。
コロナ禍で成長を果たした。

しかし米国は5.7%。
37年ぶりの高成長を記録。

国際通貨基金(IMF)の推計では、
昨年の先進国の平均成長率は5.0%。

コラムニスト。
「日本経済の回復力は
他国に比べ突出して弱い」

「”失われた30年”といわれるように、
日本経済はこれまでの30年間、
ほとんど成長してこなかった」

小売業、サービス業に関しては、
この30年に進化が見られた。
これは私の意見。

コラムニスト。
「この間、働く者の賃金が全く上がっていない」

「先進国でも特異な国なのだ。
それが今後も続きそうな気配なのである」

「日本経済は、生産力が壊滅した
先の敗戦からわずか10年で
戦前水準に復帰した」

岡田卓也さんや伊藤雅俊さんの時代。
私の父や母の時代。

「それがなぜ30年にもわたって
停滞から抜け出せないのか」

「次の30年を構想するには、
この疑問の解明が不可欠だ」

同感だ。

「バブル崩壊からの回復に
10年以上を要した」

「さらに少子高齢化の進展、
それに伴う財政悪化によって
不況からの脱出手段が
金融政策に限定されたことなど、
原因はさまざまに指摘されている」

「しかしもっとも重要なのは、
個人を含む経済主体全体が萎縮し、
自己防衛、リスク回避に
傾斜したことではないだろうか」

小売業、サービス業にも、
責任の一端があるということになる。

ピーター・ドラッカー。
「経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」
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「家計の金融資産も企業の現預金も
史上最高水準を記録し続けている」

成長していないのに、
貯蓄には熱心な国民。

国民丸ごと茹でガエル。

「企業家は不確実な未来に向けて
リスクをとって投資する。
個人は生活を豊かにするために消費する――」

「これが経済成長の源泉となるが、
そうなっていない」

岸田文雄の「新しい資本主義」はどこへ行った。

「国連機関の世界幸福度ランキングによると、
日本は先進国で最低レベルという」

「”将来が不安だから貯蓄する”というのが
若者の考え方との調査もある」

だから必要なのは、
ちいさな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

「15歳前後になると社会状況が
価値観や行動パターンに影響を与えると想定すると、
長期停滞によって人口の60%が
成長体験がないまま現在に至っている」

コラムニストの言いたいこと。
「日本人の過半が
“成長を知らない人々”になっているのだ」

北山修流に言えば、
「成長を知らない子供たちさ」

「経済を成長させるには
人々の意識改革が不可欠で、
あらゆる政策手段を総動員すべきだ」

あらゆる政策を動員するとなると、
それができるのは唯一、
政治である。

「海外の多様な人的資源の積極導入も、
検討する必要がある」

同感だ。

「米国の主要企業のトップの多くが
途上国からの移住者であることをみれば、
そのことの効用は明らかだ」

一直さんの最後の指摘は、
実に正しい。

COVID-19 ワクチンを開発したのは、
米国のファイザー社で、
そのCEOアルバート・ブーラは、
ギリシャ出身のアメリカ人だ。
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そのワクチンそのものを研究開発したのは、
ドイツのバイオ製薬ビオンテック社だ。
CEOウグル・サヒンはトルコ人。
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妻のオズレム・トゥレシは、
Chief Medical Officerで同じトルコ人。
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このことは、
『コロナは時間を早める』に書いた。

マイクロソフトの三代目CEOは、
サティア・ナデラ。
インド人だ。
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ナデラCEOのことも、
拙著に記した。

イオンもセブン&アイも、
ファーストリテイリングも、
ニトリ・ホールディングスも、
やがて外国人の経営者を登用するかもしれない。

それはそれでいいことだろう。

そのために魅力的な国になる必要がある。
そのために魅力的な消費も用意される必要がある。

小売業、サービス業の役割も大きい。

ウクライナからも、
多くの人々を受け入れるのがいい。

成長を知らない子供たちに、
成長を教えてやらねばならない。

「国民丸ごと茹でガエル」を、
脱しなければならない。

私たちはリスクマネジメントを徹底しつつ、
リスクを冒さねばならない。

リスクマネジメントは、
リスクを冒すためにあるのだ。

〈結城義晴〉

2022年04月16日(土曜日)

「ゲルニカ」と「フィンランディア賛歌」と「ウクライナは滅びず」

朝日新聞、昨日の「天声人語」

パブロ・ピカソの絵画「ゲルニカ」は、
ドイツ軍による無差別爆撃をテーマにした。
???????????????????????????????「1937年、パリで暮らすピカソは、
祖国スペインの都市が爆撃されたことを知る。
すぐにスケッチを始め、
1カ月ほどで完成させた」

「死んだ子を抱く母親。
倒れた兵士。おののく馬――。
叫び声まで聞こえるような作品は
パリ万博のスペイン館で公開された」

「非人道的な行為を
世界に告発する手立てとしては、
どこか”速報”を思わせる」

しかし感動的である。

「いまウクライナからも、
ロシア軍の蛮行が次々と伝わる」
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毎日新聞、昨日の巻頭コラム「余禄」

「おお立ち上がれスオミ
なんじは世に示した
隷属のくびきを断ち切り
抑圧に屈しなかったなんじの姿を」

ジャン・シベリウス作曲、
「フィンランディア賛歌」
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スオミはフィンランドのこと。

そのフィンランドは19世紀、
帝政ロシアの支配下にあった。
ロシア革命を機に独立を果たすが、
第二次大戦中にソ連に侵略され、
この「賛歌」が生まれた。

シベリウスはフィンランドの作曲家。
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「フィンランド化」という言葉がある。
フィンランドとソビエト連邦の関係に、
なぞらえて生まれた言葉で、
「超大国への従属を迫られた、
小国の悲哀を意味する」

フィンランドはソ連に従属を迫られた。
しかし東欧諸国とは異なって、
自由経済や民主主義体制が守られた。

第二次大戦中、ソ連に頑強に抵抗し、
降伏せずに講和に持ち込んだからだ。
ときにはナチスドイツとも組んだ。

サンナ・マリンさん。
いま、フィンランドの首相。
NATOへの加盟を望む意向を表明した。

そしてコメント。
「ウクライナ侵攻ですべてが変わった」

これがロシアを知り尽くした国の判断である。

フィンランドは2年連続で、
幸福度1位となった。
首都ヘルシンキは、
ワークライフバランスで世界1位。

コラム。
「反発したロシアがミサイルを
フィンランド国境に移すという情報もある」

「自らの愚行が、
平和を望む人々の心を変えたのである。
隷属を拒否する周辺国の覚悟を
軽視してはならない」

国も組織も人も、
誰かに隷属してはならない。

仕事をする人も、
商売をする人も、
隷属には、
徹底的に抵抗しなければならない。

隷属した仕事、隷属した商売は、
それを顧客に見透かされて、
認められることはない。

そして、
ウクライナ国歌。

パヴロ・プラトノヴィチ・チュブンシキー 作詞、
ムハイロ・ヴェルビツィキー作曲。
1863年完成。

ウクライナは、
ロシア帝国に支配されていたが、
ロシア革命の1917年に独立を宣言。
この歌はソ連に併合されるまで国歌となり、
1992年、ソ連から独立のあと、
再び国歌に採用された。

「ウクライナは滅びず」

1.
ウクライナはいまだ滅びず
その栄光も 自由も
同胞よ
運命は
我らにふたたび微笑むだろう
我らの敵は
太陽の下の露の如く消え
我らは国を治めよう
我らの地で

魂と身体を捧げよう
我らの自由のために
そして示そう
我らがコサックの子孫であることを!

2.
同胞よ
戦場であろうとも
我らは立とう サン川からドン川まで
我らは認めぬ
他者による支配を
黒海は微笑み
父なるドニプロ川は歓喜に満ちる
ウクライナでの
幸運の再来に

魂と身体を捧げよう
我らの自由のために
そして示そう
我らがコサックの子孫であることを!

3.
我らの忍耐と
誠実なる努力は報われ
自由の歌は
ウクライナの地に響き渡る
その歌はカルパチア山脈に反響し
草原にも鳴り響く
ウクライナの名声と栄光は
すべての国に知られるのだ

魂と身体を捧げよう
我らの自由のために
そして示そう
我らがコサックの子孫であることを!
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併合されたり、
隷属させられたり、
無差別爆撃されたり。
そんな国の歌や絵画は、
なぜか、美しいし、
感動的だ。

そして併合したり、
隷属を強いたり、
無差別爆撃したりした、
国や政治家よりも、
長くながく残る。

これも不思議なことだ。
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仕事も商売も、
店も会社も、
長くながく残るために、
もっとも必要なことは、
自立と美しさである。

〈結城義晴〉

2022年04月15日(金曜日)

キリン堂協栄会の講演と「ビオラルエキマルシェ大阪店」訪問

昨夜、関西に入って、
帝国ホテル大阪に宿泊。

目覚めると眼下に大阪の市街が広がる。
流れるのは淀川の支流の大川。IMG_23042

今、このホテルの朝食は、
ルームサービスのみ。

それでも仕事をしながら、
いただきました。
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9時半ごろ、3階千鳥。
私の控室。
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今日は第33回キリン堂協栄会総会。
講演に呼ばれた。
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ご挨拶は杉本雅史さん。
ロート製薬㈱社長。
キリン堂協栄会会長。
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武田薬品工業㈱から、
2019年、ロート製薬社長に転身。
改革を進める。

それから寺西豊彦さん。
㈱キリン堂ホールディングス社長。 IMG_23122
昨年度の実績を報告しつつ、
3カ年の中期計画を発表。

キリン堂は関西圏を基盤にする、
ドラッグストアチェーンだ。

寺西社長は「変わる」ことをテーマに、
3つの観点からよく整理された方針を、
丁寧に語った。

そのあと、創業者の寺西忠幸さんが、
車椅子で登場し、あいさつした。

寺西さんは93歳。
運動のやりすぎで腰を痛めて、
現時点では車椅子生活だが、
その元気さには驚かされた。

私は商業界時代から交流があって、
ドラッグストア業界で、
最も尊敬する経営者の一人だ。

寺西忠幸さんは、
キリン堂の基本方針をしっかり語った。
取引先のトップのみなさんも、
しきりにうなづいていた。

最後に私の講演は80分。
テーマは、
「コロナは時間を早める」結城先生①2
ドラッグストアに向けて、
さらにキリン堂に向けて、
時計の針が早く動く現象を説明し、
それへの対策や考え方を語った。

ご清聴を感謝したい。

上野裕士執行役員総務部長には、
このブログの写真提供など、
お世話になった。
感謝したい。

講演が終わると、
車で梅田に出た。

そしてぶらっと、
エキマルシェ大阪へ。IMG_23152

「駅ナカ」と報道されているが、
厳密に言えば駅の改札口隣接商業施設だ。IMG_23172

写真の手前が改札の内側、
すなわち駅ナカ。
その改札を出るとすぐに、
エキマルシェ大阪のコンコースにつながる。IMG_23602

ライフnews|
初の駅隣接店舗「ビオラルエキマルシェ大阪店」10/26開店

大阪ではビオラルの2号店。
ビオラルエキマルシェ大阪店。
「ナチュラルスーパーマーケット」。IMG_23182

月刊商人舎では、
2017年1月号で特集した。
“Declaration of Organics”in Japan
日本オーガニック元年を宣言する!!
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そのケーススタディ記事。
ライフ「ビオラル靭店」の挑戦
「ホールフーズの衝撃」が新フーマットを生んだ!

今、読み返しても、
いい特集だった。

私は「巻頭提言」を書いた。
「日本オーガニック元年宣言」私的起草文
マス・カスタマイゼーションのすすめ

そんな観点からこのビオラルを見た。IMG_23202

商品面の成長が著しい。
感心した。

岩崎高治社長が発言している。
「短期黒字化を果たした」

それも納得できる。

化粧品の品揃えも充実してきた。IMG_23212

エキマルシェ大阪のコンコースに面して、
青果部門がある。
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まだ値下げ商品も多いけれど、
商品回転率をどう上げるか。

直感したことがあるが、
ここには書かない。

今月中に岩崎さんに会うから、
その時に議論しよう。

今日、東京では、
ライフの期待の新店がオープンした。

ライフnews|
「セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」4/15オープン
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長々とした名前は何とかならないかと思うが、
日本のスーパーマーケットに、
一石を投じる店であることは間違いない。

コロナは時間を早めた。
キリン堂にもライフコーポレーションにも、
その現象化が見られる。

コロナパンデミックも決して、
悪いことばかりではない。

100年前のスペイン風邪は、
セルフサービスの普及を早めた。
小売業の進化に一役買った。

ウクライナ戦争は、
悪いことだらけで、
それを思うだけで腹が立ち、
無念さばかりが残るけれど。
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ディートリヒ・ボンヘッファー。
「愚かさは悪よりもはるかに危険な
善の敵である」

私たちはこれも乗り越えねばならない。

〈結城義晴〉

2022年04月14日(木曜日)

イオン環境財団設立30周年感謝の会の「岡田卓也の木を植えよう」

イオン環境財団設立30周年感謝の会が開催された。
ところは東京パレスホテル。
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1990年に 設立され、
1991年、財団設立が認可された。
そして1992年、特定公益法人として認められた。

それから30年。

岡田卓也イオン㈱名誉会長相談役の、
一生をかけた仕事。
「木を植えよう」

私もタイのバンコクに行って、
イオン環境財団の植樹活動に参加したことがある。
㈱商業界社長の時代だ。

感謝の会では冒頭で、
財団理事長の岡田卓也さんが、
壇上に上がって、
6分を超えるスピーチをした。
御年96歳。
〈イオン環境財団ホームページから〉
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岡田さんは岡田屋の頃から、
「風樹会」という奨学金の活動を始めた。

チェーン展開の最初の岡崎店では、
桜を植えた。

それはもう立派な桜並木に育った。

さらにベルリンの壁が崩壊したころ、
岡田さんは21世紀を展望して、
「東西問題」が問題視されていたけれど、
「南北問題」こそ真の課題だと予見した。
そしてキーワードは「環境」だととらえた。

SDGsもESGもなかったころ、
環境財団をつくって、活動を始めた。

スピーチの中で、
とくに力がこもったところがある。
「戦争により一瞬で環境は破壊される」

自ら戦争を体験したからこそ、
平和の尊さを知る。
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イオンという小売業の社会貢献とともに、
環境財団の活動の意義は、
歴史に大きく刻まれるに違いない。

そのあとの祝辞には、
岸田文雄総理大臣が登壇。

昨年6月のG7サミットでは、
「ネイチャー・ポジティブ経済」が強調された。
イオン環境財団の活動を高く評価しつつ、
官と民の力で環境問題に取り組むことを宣言した。

さらに元マレーシア首相マハティールさんも、
ビデオでスピーチ。
岡田さんに心から感謝の意を表した。

基調講演は、
竹内和彦東京大学特任教授。
地球環境戦略研究機関理事長。

テーマは「里山の展望~人と自然の共生」
イオンの「里山」の意義を、
アカデミズムの観点から評価した。

そして座談会。

宮崎県綾町の河野耕三さん、
北海道厚真町の宮久史さんと、
竹内先生。

テーマは「イオンの森の物語」
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木を植える活動は、
「イオンの森」づくりや、
「里山」づくりにつながっている。
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次に、ミニコンサートは、
由紀さおりさんと安田祥子さん。
〈オフィシャルホームページから〉
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そして読売交響楽団クインテット。

三曲目の「木を植えて」は、
谷川俊太郎作詞・伴剛一作曲。
イオン環境財団のテーマ曲になっている。

さらにクインテットの伴奏で、
「ジャスコ社歌」が演奏され、
OBカルテットが合唱した。
石原慎太郎作詞・神津善行作曲。

さらにサプライズで、
早稲田大学応援部のエール。
「コンバットマーチ」。
もちろんビデオでの応援。

最後の最後は理事長交代の儀式。

岡田卓也さんは6月をもって引退し、
次の理事長は岡田元也イオン会長に引き継がれる。

植樹のときに卓也さんが使っていたクワが、
元也さんに渡された。

岡田卓也さんには、
商業界時代からご指導いただき、
応援もしていただいた。

かつては「販売革新を読め」、
今は「商人舎を読め」と、
イオン幹部にお勧めしてくださる。

商人舎発足の会にも、参加していただいた。

お元気でいて欲しい。
それだけが私の願いだ。

ワンガリ・マータイさん。
ケニア出身の2004年ノーベル平和賞受賞者。
「MOTTAINAI伝道師」としても有名だ。
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彼女のライフワークも植林活動である。
植林を通じて、民主化を進め、
持続可能な開発で平和世界を残す。

「地球には、百万という
生命体の種類が存在しているのに、
我々人間はそのたったひとつ」

「しかも我々の存在は、
他の生命体を食料などとして
必要としているのに、
他の生命体は、
我々のことは特に必要としていない」

「日本人は、
モッタイナイとアリガトウという
気持ちがわかっている。
技術がこれほど発展している社会なのに、
文化を忘れていない」

そのマータイさんのお母さんは、
彼女が小さい子供のころから言っていた。
「雨が降ったら、何かを植えなさい」

雨が降ったら、
何かを植える。

岡田卓也のコンセプトは、
平和産業、地域産業、人間産業。
その中心に顧客がいる。

日本のトップ企業をつくった商人が、
「木を植えよう」を推進した。
先駆けて「環境問題」に取り組んだ。

そのことを私は、誇りにしたいと思う。

〈結城義晴〉

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