結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年11月09日(月曜日)

食べ物も紅葉も人間も会社も「旬を見極め、旬に売り込め」

Everybody! Good Monday!  

2009年11月9日、11月第二週の始まり。

良い季節です。

今週、来週は、日本中つつましい生活となる。
12月の「ものいり月」の前の月。

「節約、倹約。もったいない」の気分が充満。

ピーター・ドラッカー教授。
「量の成長が見込めない時には、
質の充実を図れ」  

今週、来週はそれ。

来週末三連休は、
21日土曜日、22日日曜日、23日勤労感謝の日。
その時、「失敗を恐れない」で、
「感謝される人々」に「感謝」のプロモーション。

しかし、暦のうえではいま、特別なことはない。
だだし食べ物は、おいしいものがたくさん出ている。

先日、ロックフィールドの岩田弘三社長から送っていただいた柿は、
本当においしかった。

まさに、秋の旬のとき。  

旬は、「しゅん」と読み、
「出盛り期」などともいう。
季節性の強い食材ごとに、
他の時期よりも新鮮で美味しく食べられる時期がある。
それを「旬」という

「走り」⇒旬[最盛期]⇒「端境期」。  
そういえば、30年も前に、池田壽太郎先生から、
何度も何度も教わった生鮮食品の原則。
壽太郎先生は、青果物の最高のコンサルタントで、
何でもよくご存じだった。

その利益理論の一つに、
1品1品の「選別値入れ」があった。

1品種ごとに、旬があり、
その旬の時期は毎年、
産地ごとに変わってくる。

だから小売業にも専門家の存在が必須となる。
もちろん産地や卸売業には、必ず専門家がいる。
その知恵を活かして、1品1品、
品質を見極めつつ、値入れを変える。
1ケース単位ではない。
そのプロフィット・ミックスが、
利益を生む。

旬の商品は、最も大量に生産され、
大量に市場に出回るため、
供給が需要を上回り、
値段も安くなりやすい。

だから、いま、旬を売り込む。

しかし、「旬を売り込む」商品は、
生鮮に限らない。

日配品や惣菜・デリ、
加工食品や菓子。
酒、薬などでも、
「旬」の時期はある。

季節イベントはなくとも、
すべての商品に「旬」がある。

衣料品にも、生活用品にも、
サービスにも、「旬の時期」がある。

商品ごとに、
一番安くて、一番良くて、
一番喜ばれる時期。  

それを見定めて、
その時期に、一斉に、最大限、
アピールする。  

実は、人間にも、会社にも、
「旬」はあると思う。  

ずっと「旬」の人間などいない。

ファーストリテイリングの柳井正さんにも、
「旬」がある。

いま、柳井さんは、何度目かの「旬」の真っ最中。
だから、どんどん、思い切った手を打つ。
どんどん、自分が露出する。

しかしその旬の時が、一番恐ろしいことを、
柳井さんは、知っている。

だから、いま、本を出した。
「成功は一日で捨て去れ」  
あれは、柳井正が、柳井正自身に、戒めの言葉をかけてるのだ。

さて話を「旬」に戻すと、
実は「旬」には、厳密にみると、
三通りの異なる使い方がある。
それだけ、注意点として指摘しておこう。

第一、収穫量が最盛期に当たる時期と、
第二、素材がもっともおいしい時期。  

生産の最盛期とおいしい時期は、一致することも多いが、
それが異なることもある。

例えば、産卵時に沿岸に近寄ってくる魚は漁獲しやすいので、
水揚げの量が増えるが、魚自体の味は良くない。

青果では、一定期間貯蔵して熟成が進んだ時期のほうが、
おいしくなるものがある。
精肉のエージングも、同様のこと。

すなわち収穫、生産と、食味の時期の違い。

一概に「旬」とは呼べない。

そして第三に、季節を先取りする「走り」を旬と呼ぶことがある。   
「初物は75日寿命を伸ばす」  
これは、世界的に珍重される。
ボージョレヌーボーがその代表。
初かつおや筍、エトセトラエトセトラ。

しかしボージョレヌーボーにも言われるが、
生産の最盛期や熟成のタイミングの時期の味には、
はるかに及ばない。

こんな注意点を熟知したうえで、
旬をとらえて、旬を売り込む。

それが、今週。

旬といえば、
「紅葉」も今、旬に当たる。  

1日の最低気温が10℃以下の日が続くと色付き始める。
5℃以下になると一気に進む。

紅葉の美しい土地の条件。
第一、昼夜の気温の差が大きい。
第二、夏が暑く日照時間が長い。
第三、夏に充分な雨が降る。
第四、湿気が少なく乾燥している。  

厳密には落葉樹が、
赤色に変わるのを「紅葉(こうよう)」、
黄色に変わるのを「黄葉(こうよう、おうよう)」、
褐色に変わるのを「褐葉(かつよう)」という。

北海道の大雪山は9月から始まり、
これが日本の最初の紅葉。
そして徐々に南下。

だからその推移が「紅葉前線」と呼ばれる。
紅葉が始まってから完了するまでは約1か月かかる。
北海道が10月、東北地方が11月、
その他の地域は11月から12月初め。
それぞれの地域の紅葉の旬の期間は、20日から25日。
1カ月に満たない。

北海道や沖縄を除くすべての地域が、これから、
紅葉・黄葉・褐葉の「旬」に入る。

食べ物も、自然も、
人間も組織も、
それぞれに、
「旬」をとらえ、
「旬」に売り込む。  

「それぞれに」が大切。

そして旬以外のときには、
「質の充実」図る。  

Everybody! Good Monday!  

2009年11月08日(日曜日)

ジジとカエルくんの白日夢[日曜版]

最近のボクのともだち。
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きみどり色の足。

カエルくんです。
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中二階のベッドのランカンに、
カエルくんはいつも、
ぶらさがっている。

ボクも、中二階にいって、
そこで、おひるね。

でも、下でなにかあると、
すぐに目がさめる。

下にだれかくると、
すぐにわかる。

カエルくんには、
わからないみたい。
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ボクには、すぐにわかる。
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たいていは、
ユウキヨシハルのおとうさん。

でも、おとうさんは今日、
朝日がさすころには、
車ででかけた。
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「朝に希望、昼に努力」
なんて、言ってた。

空気と景色のいいところ。
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あれです。

ゴルフ。
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おとうさん、ずっと、
休みなしでシゴトしていた。

だから、いいでしょう。
カラダをうごかすこと。

ボクのほうは、
ねることにしました。
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おとうさんが芝刈りならば、
ボクは、夢狩り。
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カエルくんと一緒に、
夢をみる。
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それが、ボクの「昼の努力」。

夕方には、おとうさんも、
帰ってくるでしょう。

「夕に感謝」って、言いながら。

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「青空に指で字をかく秋の暮」 
<小林一茶>  

そのころは、ボクはねています。
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もちろん、感謝は、
寝ながらだってできるのです。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年11月07日(土曜日)

スーパーマーケットNISHIYAMA三田店訪問と三井物産食品流通セミナー

昨日から兵庫県三田市。
こちらも快晴。

昼前に、スーパーマーケットNISHIYAMAへ。
三田フラワータウン店。
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三田市は、大阪・神戸地域の生活都市として成長中。
NISHIYAMA三田店は、2002年10月にオープンして、
この地で『エンターテイメントストア』を志向する。

この店がすごい。
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スーパーマーケットNISHIYAMAは、
京都府福知山市に本部をおく5店舗の企業。
福知山市に2店舗、
さらに篠山市、神戸市、
そしてこの三田市に1店舗ずつ。

しかし5店舗の企業ながら、
全国から視察者、見学者が押し寄せる。
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NHK大阪「ルソンの壷」という番組で紹介された。
独自の商品開発をし、売り方の工夫をする。
そして安くておいしい食材を提供。

「田舎のスーパーだが日本一の技術をたくさんもっている」
社長の西山進さんはこう語る。
NISHIYAMAは実演販売を、強化している。
店頭で鮭や豚肉の切り身をカットして販売する。
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鮮魚売り場で調理をするお二人。

こだわりの鮭で、シチューを試食販売するコック姿の店員さん。
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とろっとろ煮豚の売り場。
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ここでも実演販売。

煮魚・焼魚の俊ちゃん亭。
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そして、圧巻の寿司売り場。
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280種類の寿司メニュー。
サンドイッチ寿司やてまり寿司が大ヒット。

全国のスーパーマーケットから、
寿司メニューを学ぶために繰り返し、研修生がやってくる。

その寿司づくりのポイントは、
シャリと酢。  

店内は、生き生きとしていて、
顧客が途切れることがない。
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店を丁寧にご案内いただいて、
フードコートで昼食をとりながら、インタビュー。
西山寛商事㈱代表取締役社長の西山進さんと、
専務取締役の古山勇起さん。
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古山さんは商品開発の専門家。
百貨店の大丸出身。
いわばスーパーマーケットNISHIYAMAの知恵袋。

西山進さんと古山さんのコンビで、
300品目の「こだわりの逸品」が誕生してきた。

この商品と、現場の人間力によって、
NISHIYAMAは競争力のあるスーパーマーケットとなった。

西山さんは言う。
「独自商品開発は、
中小スーパーマーケットが生き残るために、
身につけたノウハウです」

「大手はメーカーや問屋に丸投げして、商品をつくらせる。
私たちは、原材料から細かく積み上げて、つくる。
そうすれば中小でも利益が出る商品をつくることができる。
ただし、専門家がいなければだめ」

古山さんは言う。
「いつもお客様を見ていなければだめです」  
これが、いわば、商品開発の極意。

現在、NISHIYAMAは、
19社に「こだわりの逸品」を供給している。

さて、スーパーマーケットNISHIYAMAから、
神戸三田阪急ホテルへ移動。

2009三井物産西日本地区食品流通セミナー。  
15時から100分、私の基調講演。
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そのあと、パネルディスカッション。
ゲストパネリストは㈱阪食代表取締役社長の千野和利さんと、
先ほどの西山進さん。
私がコーディネーター。

これも、約100分の濃密な討論とまとめ。

千野さんは、エイチ・ツー・オーリテイリングの戦略構想から、
阪食の店舗戦略、商品戦略、人材対策まで、
全面展開してくれた。
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千野さんが強調した「構想力と実現力」、
そして「専門性、ライブ感、情報発信」の話は、
低価格とディスカウント一辺倒の観のある現在、
とても貴重な見解であった。
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西山さんは、商品力と人間力を主張した。
そして西山さんも、独特の経営論を展開してくれた。
例えば、「現在は競争から戦争に入った。
だから、スーパーマーケットは縄張り争い業だ」
こんな具合。

私は、リーダーシップとイノベーション、
そして人間力経営でまとめた。

とても良いパネルディスカッションだったと思う。

千野さんと西山さんに、
心から感謝したい。

流通セミナーのあとは、情報交換会。

これも楽しい会合となった。

さらに二次会。
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右から、三井物産㈱常務執行役の岡村眞彦さん、
同食品・リテール本部西日本食料部長の松本裕之さん、
阪食社長の千野さんと私、
そして㈱サンプラザ専務取締役の山口力さん。

基調講演とパネルディスカッション、
そして情報交換会。

長い一日だったが、私は充実していた。

今月の商人舎標語。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」  

深夜に、感謝して、一日を閉じた。

<結城義晴>  

2009年11月06日(金曜日)

「行き過ぎ悲観論は百害あって一利なし」

「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」  
今月の標語。

いま、朝の東海道新幹線の車中。
富士が見えてきた。
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今年8月7日未明、あの頂に登った。

現在は、雪をかぶっている。

その富士の姿が大きく見えてきた。
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「朝に希望」そのもの。  

この商人舎ホームページは、
私の[毎日更新宣言]を看板にしているが、
面白いブログがたくさんある。

昨日から、第4巻が始まった『知識商人登場』
サトカメ専務にして、
「一点突破全面展開」を掲げる真摯なコンサルタント。
佐藤勝人さんの登場。
実に面白い。
ご覧いただきたい。

杉山昭次郎の「ときどきエッセイ・仙人日記」も勉強になる。
スーパーマーケットの競争力強化の視点。
第27回にまで展開されているが、
現在は「グローバリゼーション」を考察中。

一昨日のこのブログに登場した片山豊さんは100歳
元米国日産社長。
人生経験を積んだ人の「一言ひとこと」は、
真摯に受け止めると、本当に勉強になる。

さらに浅野秀二先生のアメリカ報告
日本男児の大和魂とアメリカン・スピリッツが、
見事に融合していて、
それが浅野秀二という人間の深みを形作っていることを、
読者に教えてくれる。

今日、金曜日には、林廣美先生の「今週のお惣菜」
新商品が登場します。

それから、「エコバッグ研究会」は、
現在、ピンクリボン・エコバッグ。
アメリカで大注目の乳癌基金協力のエコバッグ特集。

最後に、「スタッフ日記」は、
商人舎第4回USA視察研修会顛末記。
商人舎海外視察ディレクター鈴木敏さんの観察記。

どうぞ、お楽しみください。

さて、日経新聞のコラム『大機小機』。  
「政策効果はこれから」という題。
タイトルが悪いから、引きが良くないに違いないが、
内容は、いい。
「行き過ぎ悲観論は百害あって一利なし」  
こんなタイトルがいい。

世界経済は改善傾向にある。
日本もその方向に向かっている。
しかし、悲観論が幅を利かせている。
それは主要国で展開されている景気対策が、
そろそろ息切れするというもの。

これに対して、このコラムニスト氏が反論を呈している。

第一に、財政支出の増加は、
相乗効果を伴って総需要を増加させること。

第二に、その相乗効果は時間をかけて、現象化される。
だから現在は第一段階で、これから波及が始まること。

第三に鳩山新内閣の直接給付は、継続的なものだから、
限界消費性向はかなり高いこと。

これへの反論として、
「クラウディング・アウト効果」が挙げられている。

クラウディング・アウト(crowding out)とは、
「押し出す」という意味。  

ウィキペディアでは、
「行政府が資金需要をまかなうために大量の国債を発行すると、
それによって市中の金利が上昇するため、
民間の資金需要が抑制されること」とある。

クラウディング・アウトの考え方は、
アダム・スミスの時代からあった。
それが古典派経済学となり、彼らは完全雇用を前提としたため、
政府支出の増大は、それが租税で調達されようと、国債で調達されようと、
民間支出はクラウド・アウトされると考えた。

しかし、ケインズは、
「失業と遊休資本が存在しているかぎりは、
財政支出の増大は、その乗数倍の有効需要を創出し、
民間需要を圧迫するようなクラウディング・アウトは発生しない」と断じた。

ケインズ以降、経済・財政政策の無効性を主張する議論は無くなった。

ウィキペディアの解説を要約したが、
「大機小機」コラムは、明言している。
「政策効果は息切れするのではなく、
むしろこれから本格化する」  

「巷に横行する行き過ぎた悲観論は、
百害あって一利なし」  

私も、行き過ぎた悲観論には、
反対だ。

とりわけて、小売業・サービス業は、
日々のキャッシュが入ってくる商売。

政策効果が、そのキャッシュに、
ダイレクトに反映されることを信じて、
日々の仕事に邁進することだ。

「昼に努力」には、悲観論は似合わない。

<結城義晴>  

2009年11月05日(木曜日)

柳井正本『成功は一日で捨て去れ』と「セブンプレミアム・ワイン」

ファーストリテイリングの柳井正さんから、
二冊の本が送られてきた。
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『成功は一日で捨て去れ』
『ユニクロ思考術』  

どちらも新潮社刊の話題の本。

同封されていた私への手紙には、
それぞれの解説が書かれてある。

前者は、「2003年に書いた『一勝九敗』以降の、
ユニクロをはじめとするファーストリテイリンググループが、
グローバルブランドになるための悪戦苦闘の日々を描いたもの」

後者は、「ユニクロを取り巻く人々が何を考え、
どのように行動してきたかをわかりやすくまとめたもの」

前者の第5章は「次世代の経営者へ」。
そのなかに「世界最高水準の経営者育成機関をつくる」という節がある。
ファーストリテイリング・マネジメント・イノベーション・センターがそれ。
5年間に200人の経営幹部を育成しようという構想。

この経営幹部とは、
「教えることができる人=経営することができる人」
「200人は、生徒であり、先生にもなりうる人」  

柳井さんの考えの根本がここにある。

私のコーネル・ジャパンへの思いと同じだ。

教えることが一番、学ぶことにつながる。
これは、教えてみて、初めて分かる。

さらに教えたことを、実践する。
これで教える内容に、実践が伴ってくる。

本の最後は、ドラッカーで締められる。
「企業の目的として有効な定義はひとつしかない。
すなわち顧客の創造である」  

柳井さんの好きな言葉。

倉本長治の「店は客のためにある」を、
ドラッカーは「顧客の創造」と表現する。

ドラッカーは続ける。
「企業の目的は、それぞれの企業の外にある」  
これも柳井さんは、重要な言葉だという。

企業の中に目的を見出す状態の蔓延を、
「大企業病」という。

ドラッカーは、したがって企業に必要なことは、
ふたつしかないという。
「マーケティングとイノベーション」である。

柳井さんの、最新本、是非読んでみてください。

この件に関して、編集者として一言。
タイトルは、前著『一勝九敗』が素晴らしかったので、
これに引っ掛けてほしかった。

最近、柳井さんが使っている『一強百弱』などいかが?
(サブタイトル「ユニクロは一人勝ちではない」かな?)。
これは、ご本人があまり気に入らないだろうが、
何か数字の入った四文字熟語が、良かったと思う。
蛇足ながら。

さて、今日の新聞は各紙とも、
セブンプレミアムのワインの話で盛り上がった。
昨11月4日発売。
「ヨセミテ・ロード」というブランド名。  
カリフォルニアのヨセミテでつくられた赤と白。
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赤は、カベルネ・ソーヴィニヨン、白はシャルドネ。
私は、9月26日のこのブログで、
このワイン、大ヒット間違いなしと予言した。

ただし、ラベルは「イマイチ」だと思う。
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トップにある「セブンプレミアム」のマークが、
ここにあってはよろしくない。

せいぜい、いちばん下だろう。

もしくは、逆にでかでかと、
「セブンプレミアム・ワイン」だろう。

しかしこのワイン、1本598円。
コルクキャップではなく、
スクリューキャップのコンビニ仕様。

ワイン専門家の内藤邦夫さんの見立てでは、
白はかなり、いける。
赤もまあまあ、いける。

私は「辛口・ミディアムボディ」のカベルネ・ソーヴィニヨン派。

これらを日米1万5000店で販売する。

ちなみにアメリカでは3.99ドル。
アメリカでは「セブンプレミアム」のマークはつけない。
これが正解だと思う。

超有名なトレーダージョーズのチャールズ・ショーが、
カリフォルニアで1.99ドル、
ほかの地域で2.99ドル。
それよりも、1ドル高い。

日米合計で年間300万本の販売予定。
この量は、十分、こなすだろう。

セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランドは、
今年度3200億円になる。
2012年度は、1.5倍の5000億円の予定。

通常の場合、PBは、
発売当初にいきなりピークを迎える。  

その後は、売上げが落ちるばかり。

だからセブンプレミアムは、
毎年、毎年、リモデルを繰り返すという。

これは、重要な政策だが、
しかし、考えてみると、当たり前のこと。

自社・自グループでしか売らないのだから、
必ず全店で、徹底して売る。
だから最初にピークとなる。

対してメーカーのナショナルブランドは、
少しずつ認知されて行く。
小売店頭に並ぶのに時間がかかる。
だから、ピークがくるのはPBに比べて遅い。

それでも、リモデルを繰り返す。

小売業のPBは、
早熟な子供のようなもの。  

早熟な子供の育て方も、
難しくて厄介なものだ。

ただし、全店で、
ブランドを育てる意気込みで、
徹底して、売り込むこと。
まず、売っている人々が購入し、消費すること。

それがあれば、早熟な子供たちは、
年寄りばかりの現在のマーケットの寵児となる。

「企業の目的は、それぞれの企業の外にある」 

<結城義晴>  

2009年11月04日(水曜日)

「奢れる者は久しからず」と「鳥の目・虫の目・魚の目」

朝日新聞の社説「貧困が映す日本の危機」。
2007年の相対的貧困率15.7%。
2004年の14.9%は、
経済協力開発機構(OFCD)加盟30カ国中4番目に高い。
すなわち4番目に貧困層が多い。

ただしこれは、相対的な割合の問題。
国民の一人あたりの所得に比べ、
真ん中以下の人がどれだけの比率で存在するかという率の問題。

朝日新聞には書かれていないが、
2007年の一世帯あたりの平均所得額556万。
前年対比で1.9%マイナス。
過去を振り返って最高だったのは1994年の664万円。

この水準で国際比較すると、
4番目に貧困率が高いことは、
あまり問題とはならない。

ただし労働者1人あたり所得は313万で、過去最低。

日本は、非正規労働者が3割以上を占めていて、
この層が平均所得を押し下げている。

結果として、
「ひょうたん型」の所得社会になっている。  
中流層がやせ細り、
高所得者と低所得者に分かれる。

朝日新聞らしい主張で、
公平と平等の社会のために、
正規労働者と不正規労働者の間に、
同一労働同一賃金の原則やワークシェアリングの考え方を、
取り入れるべきだというもの。

私も、この面では賛成。

大多数の低所得者、
少数の高所得者。
これらによる「ひょうたん型」の消費社会。  

マーチャンダイジングとプライシング。
その基本的な考え方は、ここにある。

ドン・キホーテが好調を維持し続けたのは、
このひょうたん型社会をいち早く察知し、
対応しているからだ。

一方、日経新聞の今日の「交遊抄」がいい。
「おごれる者は」のタイトル。  
元米国日産社長の片山豊さんが、
デビッド・ハルバースタムとの交流を描いている。  

ハルバースタムは、
ピューリッツァー賞受賞のジャーナリスト。
名著『覇者の奢り』を書いた。

100歳の片山さんの見解の面白さは、次の言葉にある。
「エコカーは便利だし企業の利益には貢献するが、
人間の五感で運転する楽しさは乏しい」  

これを「自動車業界の憂うべき事態」と断じている。

この「エコ」全盛のときに、
「五感の楽しさ」を忘れるな、と教える。
これが、いい。
とても、いい。

こんな100歳に、私はなりたい。  

さらに片山さんは言う。
「経営陣も投資家も足元の損得に目を奪われがちだ。
堅実な自動車づくりと経営とは何か」

ハルバースタムとの会話を思い出しながら、
平家物語の教訓を静かに訴える。
「奢れる者は久しからず」  

さて、「鳥の目、虫の目、魚の目」。  

私がアメリカに降り立った時の第一声にしているのが、
この言葉。

たった1週間、10日間、アメリカを訪れて、
30店ほどの店を見る。
10数人のアメリカ人に会う。

それで、何を学ぶことができるのか。
「鳥の目」と「魚の目」がなければ、
役には立たない。

「虫の目」だけで、
アメリカ小売業を見てはいけない。
これが私の第一声。

「虫の目」とは、現場を見る力。  
細部まで丁寧に「見極める能力」。  
「Retail is detail」だからこれは大事。
musi
しかし、不慣れなアメリカ流通業を「虫の目」だけで見ると、
大きな間違いを起こす。

「鳥の目」は、大局を見る力。  
全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。  
torinome
従って、例えばスーパーマーケットならば、
それだけ見ても意味がない。
勉強にならない。
とりわけ、アッパーグレードの店だけ見ても、
何の意味もない。
ディスカウントの店だけ見ても、
間違いを起こす。

従って私は、全体像を描き出す膨大な資料を用意し、
この解説に力を入れる。

ウォルマートの本質が分からなければ、
クローガーやセーフウェイの好調さを軽視しては、
ウェグマンズやホールフーズは理解できない。

そして「魚の目」は、流れを見る力。  
時間の流れの中で、現在と未来を「見通す能力」。  

アメリカ小売業は、日本よりも過激に、急激に動いている。
その時代の流れを見通さねば、「現在」は分からない。

私は、1978年9月に初めてカリフォルニアを訪れた。
ペガサスセミナーの一員として、
当時の米国チェーンストアを、
渥美俊一先生から直々に叩き込まれつつ、
猛勉強した。

1カ月後、今度は高山邦輔先生と、
2週間かけて、全米を回った。
ロサンゼルス、サンフランシスコの西海岸から、
カンザスシティ、シカゴといった中部アメリカ、
そして東海岸のニューヨーク、ニュージャージー。
これもアメリカの広さ、地域ごとの違いを、
私に学習させた。

1年半後に、今度は食肉の世界をバーティカルに学んだ。
フィードロットと呼ばれる牧場。
屠場と解体場。
プロセスセンターと小売業外食業、
さらに家庭のキッチンから食卓の上、
冷蔵庫の中まで。

このとき、私はアメリカンカッティング方式で、
枝肉のカッティングを実際に体験した。

渥美俊一先生にはとてもかなわないが、
そんなことを32年間続けてきて、
現在の私がある。

これは、私の「魚の目」になっている。
アメリカ小売業、アメリカ消費産業、アメリカ社会を、
観察し、考察し、分析するときに必須の「魚の目」。

そして商人舎のUSA視察研修会は、
この私の「鳥の目」「魚の目」をもとに、
全員で「虫の目」を働かせることに終始する。

全員に「鳥の目」「虫の目」「魚の目」を、
まっさらなところから学びとってもらうことを、
目標とする。

そのことで、「人」が「変わる」。
「自ら、変わる」。  
「イノベーション」と「モティベーション」が生まれる。  

ここで特に重要なのは、
「鳥の目」と「魚の目」なのだと考えている。

日本社会が「ひょうたん型」になってきた。
しかし、ここで成功を収めていても、
「鳥の目」「魚の目」がなければ、
「奢れる者は久しからず」になる。

もう一度、言おう。
「虫の目」とは、現場を見る力。  
細部まで丁寧に「見極める能力」。
これを支えるのが、専門性と現場主義。

「鳥の目」は、大局を見る力。  
全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。
これを支えるのが、情報量と知識。

「魚の目」は、流れを見る力。  
時間の経過の中で、現在と未来を「見通す能力」。
これを支えるのは、経験と見識。

知識商人に、三つの目が必須であることは、
論をまたない。

そして、あえて「四つ目の目」をあげるとするならば、
謙虚で、真摯で、真っ正直な「心の目」である。  

<結城義晴>  

[追伸]
商人舎第6回USA視察研修会は、
来年3月開催の予定です。
(㈱商人舎スタッフ一同)

2009年11月03日(火曜日)

文化の日の結城ゼミ合宿と「ドラッカーの時間管理」

文化の日です。  

今日は、晴天になる確率が極めて高い。
だから「晴れの特異日」でもある。

例によって、「祝日法」によると、
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」のが、
「文化の日」の趣旨。

わが日本国憲法は、
1946年11月3日に、公布され、
1947年5月3日に、施行された。  

そこで、11月3日を「文化の日」、
5月3日を「憲法記念日」とした。

その意味で、文化の日と、
ちょうど半年後の憲法記念日は、
対になっている。

ただし、11月3日は、明治天皇の誕生日。
明治時代には「天長節」、その後は「明治節」といって、
現在の12月23日の天皇誕生日の祝日のようなものだった。

明治節に日本国憲法公布を合わせて、
それを「文化の日」の祝日としたというのが、真相。

日本帝国憲法と真反対の日本国憲法を公布する日を、
帝国憲法をつくった明治天皇の誕生日「明治節」にした。

このあたり、マッカーサーの思惑だったのか、
日本特有の折衷主義だったのか。

とかく、曰く因縁の文化の日。
しかし今日も、快晴です。  

快晴といっても、昨日は、
近畿地方に木枯し1号が吹いて、
いよいよ、冬の到来。
例年より16日も早かった。

さて、昨日から埼玉県新座市。
立教大学新座キャンパス。
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その敷地内にある研修施設「太刀川記念交流会館」で、
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科・結城ゼミの合宿。
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太刀川記念交流会館は、
現在のソニー創業メンバーの故太刀川正三郎氏の篤志で設立された。
建物の外観、館内のデザイン、使い勝手が素晴らしい。
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私たちは、その会議室Aを二日間借りて、合宿。
n4
成果は、計り知れない。

立教大学院生には、11月14日までに、
修士論文、調査研究、ビジネスプランといった卒業課題の仮提出が求められる。

そのための最終合宿。

結城ゼミは、今年から始まった。
だから学生も指導教授の私も、真剣。
それが今年度、3回目の合宿となった。
n5

ピーター・ドラッカー教授の「ポストモダンの七つの作法」。
その最後の七つ目は「モダンの手法を使う」。
その代表的な手法の一つが、
「ドラッカーの時間管理」。  

まず第一に、「時間を記録する」。  
継続して時間を記録し、毎月それを見る。
忙しい人は、年に2回、4週間ほど時間の記録をとる。
自分で几帳面に記録してもいいし、
秘書やパートナーに記録してもらってもいい。
その自分の時間記録を、見る。

第二に、「時間を管理する」。  
1.まず、する必要の全くない仕事を捨てる
2.他の人でもやれる仕事はなにかを見つけ、それを他の人に任せる
3.自らがコントロールし排除できる浪費時間の原因を排除する

ここで気づくことの一つ。
意外にも、自分が他の人の時間を浪費しているケースが多いこと。

第三に、「時間をまとめる」。  
すなわち、自分で自由に使える時間を、
大きくまとめてつくること。

まる1日。あるいはまるまる2日、まるまる3日。
欲を言えば、1週間。さらに2週間。
1カ月もまとめて時間をつくることができれば、何でもできる。

単行本の2、3冊もかけるだろうし、
英語のマスターもずいぶん進むだろうし、
ゴルフのシングルにもなれるかもしれない。

ドラッカーは最後に言う。
「時間を管理できなければ、何もできない」  

この「時間をまとめる」のがゼミ合宿。
合宿は、その上に切磋琢磨という「おまけ」が付いてくる。

今回も、大きな成果が得られた。

夕食は、近くの「江戸沢」。
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ちゃんこ料理のチェーンレストラン。
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満腹と満足。
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しかし、まだまだ、
研究と執筆は深夜まで続いた。

私たちの文化の日は、
まさしく文化的な一日となる。

多謝。

<結城義晴>  

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