結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年03月26日(金曜日)

高島屋と阪急阪神百貨店の統合中止を評価しつつ立教大学大学院学位授与式へ

高島屋とH2Oリテイリングの経営統合破談。  

昨日の夕方、発表された。

私は、まず、「困った」と思った。
もう印刷が終わって、配本中の新刊本で、
4大メガデパートのことを論述しているからだ。
本のタイトルは『小売業界大研究』

しかしこの本の中でも、私は、百貨店の統合や規模拡大は、
それほど大きな意味がないことを指摘している。

だから、高島屋と阪急阪神百貨店の交渉決裂は、
両社首脳の冷静な判断と受け止めたい。

などと考えていると、夕方、
『日刊ゲンダイ』の記者から緊急の連絡が、
横浜の商人舎オフィスに入った。

今回の件に対するコメントがほしいという。
最近は、なんだか百貨店評論家になってきた。

ちょうど立教大学大学院の学位授与式に出ていたのだが、
ちょっと抜け出して、研究室で電話インタビューに答えた。

「百貨店には大きく二つの系譜がある。
老舗呉服屋から発達した会社と電鉄系のターミナルデパート。
三越と高島屋は前者の代表で、阪急阪神は後者。
三越と伊勢丹は前者同士、大丸と松坂屋も同じ。
そごうと西武はたすき掛けで、
高島屋と阪急阪神もそれ。
基本的な組織風土や企業体質が異なる」

「高島屋&阪急阪神は、言ってみれば、
三越伊勢丹に対抗する関西連合のような趣があって、
こんな動機で統合しても、問題は起こりやすい」

「さらに百貨店は、
規模の経済が、当てはまらない業態。  

家電やドラッグストアのコモディティ重点型の企業ならば、
統合やM&Aにもメリットが生まれるが、
ノンコモディティ重点型の業態では、
デメリットしか生まれない」
「したがって、両者の首脳の判断は、
冷静なものだったと思う」

おおむねこんなことをコメントした。

三越伊勢丹の時から私は、持論を展開していた。
管理コストの削減、
情報システムの共有化によるメリット、
人的資源の有効活用。
こういった項目以外に、
商品の面、売上金額の面で大きくなっても、
それは役に立たない。

お客様の気分になればよくわかる。
従業員の気持ちになればすぐわかる。  

高島屋と阪急阪神がひとつになると、
お客様からは選択の幅が狭まる。

阪急と阪神の統合ですら、それはもう既成の事実だが、
顧客無視の所業といえる。

従業員も、合併にはストレスが伴う。
いいことはない。

だから十分議論して、統合を思いとどまったことは、
むしろ評価されるべきだ。

どこかの新聞に「統合の失敗の責任をどうとるか」といった質問が出ていたが、
統合を回避したことこそ、責任をもった判断というべきだ。

私が主張してきたことが理解されつつあって、
それは嬉しい。

さて昨日は、朝から全日食チェーン協同組合の講演会。

齋藤充弘全日本食品社長の講演の後、10時過ぎから90分。

テーマは「ボランタリー・ナレッジ・マーチャントのすすめ」

アメリカから帰ったばかりで、ちょっと、
疲れ気味だったが、
話始めて30分も経過すると、
いつもの調子になって、
話は脱線気味。

それでも、その脱線もご好評いただいて、
何とか、予定通り、最後まで語りとおした。

ご清聴を感謝したい。

講演が終わって、田中彰会長と齋藤社長。
お二人ともに商人舎発足の会の発起人。
ありがとうございます。

夕方、6時半から、今度は池袋の立教大学で、
「大学院学位授与式」  

結城ゼミのゼミ生諸君。

会場のタッカーホールでは、式典が始まっていた。

理事長先生のご挨拶。

合唱団の讃美歌。

そして学位を授与されたゼミ生諸君と写真。

左から田村直純さん、
柿沼将人さん、
名古屋章さん、
そして星山朋子さん。

心より、おめでとう。

教会に移動して、また写真。

みんなの笑顔がうれしい。

高橋修一郎さんと写真。

写真の後、日刊ゲンダイのインタビューを受けた。

それから、第一食堂で懇親会。

また全員で写真。
一生の付き合いになります。

ほんとうに、おめでとう。

ゼミ生諸君から花束をプレゼントされて、
ほんとうにうれしかった。

いい人生を歩んでください。
いい友を大切にしてください。

<結城義晴>  

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