結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年03月06日(土曜日)

コーネル二日目、ロヂャース自動発注システムを学ぶ

昨日は初夏の天気。
今日は三寒四温の春先の天候。

くれぐれも、お体には気をつけて。

今週は、月曜日に商人舎オフィスに出たきり、
4日間連続で出張。
だから土曜日の今日、オフィスに出て、
一日仕事。

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の結城ゼミ長・名古屋文彦さんが、
事務所を訪れてくれて、いくつかのサジェッションとディスカッション。

商人舎は、知識商人の集う舎人(とねり)。
いつでも、誰でも、大歓迎。
ただし、結城義晴不在多し。

さて、昨日の続き。
ということは、一昨日のコーネル大学RMPジャパン3月第二日目の後半。

コ―ネル・ジャパンは、10月開講。
毎月1回、2日間にわたって講義が展開される。
だから3月は、6回目。
すなわち後半の最初。

ここから現場実習などが、
次々に繰り広げられる。

「現場第一・実践躬行」が私のポリシー。

その3月は、情報と物流を学ぶ。
インフォメーションとロジスティックスに関して、
机上の勉強では、それこそ机上でしか役立たないことになってしまう。

初日が、ヤオコー狭山物流センターで、常温物流を学習。
二日目の朝4時から、今度は低温物流を学習。
ご存知、ヤオコーは「ライフスタイルアソートメント」を標榜する。
だからヤオコーのロジスティックスは、
ライフスタイルアソートメント型物流である。

しかし、世の中には、それとは違う哲学の小売業がある。
その物流はどんな思想とどんな仕組みをもつのか。

対極的な仕組みの勉強が必要となる。

そこで出番は、北辰商事㈱、ロヂャースとなる。

ヤオコーの南古谷店からロヂャース岩槻共配センターまで、バスで45分。
到着したらもう、副社長の太田順康さんが待ち受けていて、
バスに乗り込んできた。
マイクをつかむと、レクチャーが始まる。
「このセンターは、1.8%の経費でできている」
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ディスカウントの雄ロヂャース。
だから徹底した低コストオペレーションの思想が、
物流にもセンター運営にも貫かれている。
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ロヂャース岩槻共配センターは、
㈱日本アクセスが、
「特定得意先向け常温物流センター」として誕生させた施設。
敷地5427坪、延床6730坪、鉄骨造り3層。

この常温センターは、通過型のトランスファーセンター(TC)機能と、
在庫型のディストリビューションセンター(DC)の機能を持つ。
TCは、主力9社以外全量スキャンを施す。
DCは全品買い取り在庫で、発注はセンター側が行う。

まず、通過型の商品入荷。
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すぐにベルトコンベアに載せられ、
ケースソーターラインにつながる。

ケースごとに、全品スキャンされ、店別仕分けされる。

一方、在庫機能には3種類の最新設備が入っている。
第一が、自動倉庫。
三層の立体自動倉庫で、
高い保管効率を実現させている。
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2階部分にピッキングステーションがある。
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ここでは、コンピュータ画面を見ながら、
人力での店別積み込みがなされる。
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そして1階のソーターレーンに流れる。

第二は、ピックトゥー自動倉庫。

こちらもケース単位だが。
両サイドの在庫スペースから、
店別にピックアップする機能がある。

ラックの上部にランプと数字が出てきて、
その数量をベルトコンベアに載せると、
これまたソーターラインに繋がっていて、
店別仕分けされる。

第三が、在庫ゾーンでパレットラックエリア、中置ラックエリアと呼ばれる。

ここにもソーターラインにつながるベルトコンベアが敷かれている。

すべてのラインが中二階のセンサーを通り、
1箱ごとに数字が印字される。

すごい勢いで、ケースが流れ、
ソーター仕分けされていく。

最後は、人間の手でカートラックに積まれ、
11トントラックへ。

センター内はフォークリフトで商品が動かされる。

ロヂャースの特徴は、単品量の多さ。
当然ながら、フォークリフトが大活躍する。

現場でも、太田さんのレクチャーがつづく。
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以上の機能は、実は普遍的なもので、
どのセンターでも行われている。

このセンターの最大の特徴は、「ピースソーター機能」にある。
ロチャ―スは非食品が強いディスカウンターでもある。
その非食品に関して、全商品の単品別検品を行っている。
カテゴリーが示されている。
ps

写真のように、全商品をケースを開封して取り出し、
1品ずつスキャンしている。

その1品ずつが、ソーターで店別仕分けされる。

大型商品は、こちらのゾーンで単品検品される。

これらの商品群は、実は数量間違い、品目間違いが多い。
だからロヂャースでは、センター内で、
これらのカテゴリー全品のスキャンと検品を集中して行う。

ここでの入荷データとPOSデータを付け合わせることで、
店舗への誤配が減る。

以前は、部屋いっぱいの誤配商品が出た。すなわちロスである。
しかし現在、年間2万円分しか出なくなった。
そのポイントがこの全品検品にある。

太田さんは言う。
「例外を認めない。
それがローコストオペレーションの鍵だ」 

返品、値引き、償却等の手書き伝票を廃止している。

結果として、ロヂャース共配センターでの破損率は下がり続ける。

センター見学が終わると、
3階の会議室で、太田さんの講義。

「ロヂャースの自動発注システムについて」。  

ロヂャースは、このセンターを活用しながら、
総発注数に対して80.7%を自動発注によって、店頭に並べている。
このセンター通過商品が自動発注の対象となる。

自動発注は、店舗での作業において、
定型の発注業務が不要になるという仕組み。

太田さんの持論。
店でやるべき作業とやってはいけない作業を区別し、
それを徹底すること。
棚単位納品や通路単位納品は、ロヂャースではやってはいけない。
センターへの逆流も、ロチャ―スではやってはいけない。

結果として、低経費のロジスティックスが完成する。

太田さんは言う。
「物流部門の長はナンバー2の仕事。
商品部長よりも店舗運営部長よりも上位者であるべきだ」
そしてセンター長はトップ直轄である。

いかにセンターの機能を重視しているか。
そしてそれがロヂャースの5.5%の売上高経常利益率を支えている。

太田さんの講義を聞き終えて、昼食を済ませると、
ロヂャース大宮店へ。

ここで、自動発注の現場実態を体験する。

そのカギを握るハンディターミナル。

このハンディターミナルですべてのシステムが使える。

最大の機能は、在庫管理と自動発注。
商品や棚のバーコードをスキャンすると、
平日用最大陳列量、土日用最大陳列量、発注点、
そして現在の在庫数が出てくる。

最大陳列量と発注点はあらかじめ決められていて、
発注点を割ると、自動的に発注がなされる。

このハンディターミナルは、在庫管理、
および、イレギュラーなことが起こった時の、
修正の道具である。

定型の商品、私の言葉でいえば、コモディティアイテムは、
平日と土曜日曜の最大陳列量を決めておいて、
過剰在庫にならないようにする。

発注点陳列量は、欠品に陥らない数量。
その発注点を割ったら、自動的に発注される。
もちろん品目ごとに発注単位数量が決まっていて、
最大陳列量を超えないように設計されている。

これによって、コモディティグッズの定型での発注作業はなくなる。
現場では、異常値が発生したり、イレギュラーなアクションを行うときのみ、
業務が発生する。

そして特売以外のイレギュラーを発生させない方向で、
マーチャンダイジングを組み立てるのがロヂャース流である。

3階会議室で、質疑応答。
太田さんは、どんな質問にも答えてくれた。

心から感謝しつつ、固い握手。

太田さんはコーネル大学RMPジャパン第1期生級長。
コーネル卒業生は「コ―ネリアン」と呼ばれるが、
そのリーダーである。

長い長い1日が終わり、
バスの中。
みんなホッとした顔つき。

今回もとてもいい研修だった。

ヤオコー、ロヂャース。
多くの企業の皆さんにご協力いただいてコーネル・ジャパンは成り立っている。

近い将来の業界のリーダーを育てる。
この目的は、私たちが、必ず果たさねばならない。

そのリーダーに求められるのは、
「知識商人」としての知恵と意思決定能力である。

ヤオコーのロジスティックス、
ロヂャースの物流。

両者を学んだうえで、自分で考え、判断する。
リーダーには孤独な意思決定が待っている。

そのための能力開発が、コーネルの目的である。

<結城義晴>  

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