結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年10月17日(日曜日)

ジジとロンドン・パリ[2010日曜版vol42]

ジジです。
ヨコハマに、
すんでいます。
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ユウキヨシハルのおとうさん、
もう2週間もいません。

アメリカからヨーロッパへ。

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ボクは、その間、
眠ってます。

そのボクの夢に、
おとうさんの旅がでてきました。

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有名な大英博物館。
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ほんのちょっとだけ、よった。

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フロアにあるライオンの像。

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それから仕事して、
パリに移動した。

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ロンドンのセントパンクラス駅。

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新しい駅。

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そこからユーロスターにのる。。

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ロンドンとパリを結ぶ特急列車。

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席はこんなもの。

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列車のなかは意外にせまい。

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ドーバー海峡を20分くらいで渡ります。

そのあいだも、
ボクは夢、みてる。
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ボクの夢はながい。

フランスに着いたら景色は一変。
田園地帯、ひろがる。
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ボクの夢、ながい。
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パリは、北駅に到着。

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ユーロスター、ご苦労様。

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ボクは眠っています。

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パリに着いたら、エッフェル塔へ。

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ボクの夢、エッフェル塔で、
すこし、さめた。。
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そして、 バトーパリジャン。

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パリの景色も、みてみたい。
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船の上から、パリが走馬灯のように。

セーヌ川と橋。
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そしてシャトー。

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またまた、ブリッジ。

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ZZZ・・・。

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夢はぐるぐるまわって、
もとのエッフェル塔へ。

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まだまだ回る。

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おとうさんの泊まったホテル。
メリディアン・モンパルナス。
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部屋からパリの夜明けがみえる。
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まだまだ、ぐるぐる。
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仕事に出かけた。

新凱旋門。

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新都市、ラ・デファンス。

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そこでみんなで写真。

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写真撮影が終わって、なごむ。

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そんなことをしていたら、
もうパリは夕方。

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おとうさんのことを見たながーい夢も、おわり。

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そろそろお腹、空いてきた。

でもおとうさんは、元気そうです。
ゲンキで帰ってきてください。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2010年10月16日(土曜日)

食べ物を「宝石のように売る」ハロッズに学ぶポジショニング

昨日、ロンドンからユーロスターに乗って、
ドーバー海峡の下をくぐり、
パリに到着。

ロンドンもいいけど、
パリもいい。

「パリを見ずして死ぬなかれ」だったか、
そんな言葉があったような気がする。

死ぬまでに一度はパリを見よ。
それほどにパリは、いい。

しかしブログはまだロンドン。

「誰がウォルマートを殺すのか?」と同様に、
テスコなどの詳細な分析は、
帰国してからとなってしまいそうだが、
気持ちがホットな今のうちに、
ハロッズだけは写真でお届けしておこう。

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イギリス最高峰の百貨店。
いや、世界最高峰の百貨店。

アメリカでも日本でも、
百貨店の統合やM&Aが盛んだが、
私は、それにはあまり意味はないと思う。

もちろん経営管理面や人材面でのメリットは出よう。

しかし店舗数が増えることや、
売上高が拡大することは、
むしろ百貨店にはデメリットとなる。

ハロッズがそれを証明している。

ナイツブリッジにあるハロッズ百貨店。
その食品売場の天井。

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シャンデリアの天井。

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目を落として、床。

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そして、食べさせる。

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ここでも食べさせる。

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もっと食べさせる。

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これでもかと、食べさせる。

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さらに食べさせる。

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そして、大理石の什器で、
宝石のように食品を売る。

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照明をあてて宝石のように売る。

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宝石のように並べて売る。

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大切な宝石のように。

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宝石のように。

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ハロッズは、ロンドン中心部のナイツブリッジのブロンプトン・ロードに面する。
店舗は4.5エーカー(18,000㎡)の敷地に、
100万平方フィート(92,000㎡)以上の売場面積。

モットーはOmnia Omnibus Ubique。
「あらゆる商品を、あらゆる人々へ、あらゆる場所へ」。
とりわけ、クリスマス限定売場や食料品売場は、
その商品の豊富さで知られている。

歴史を簡単に紹介しよう。
1835年、お茶の貿易商チャールズ・ヘンリー・ハロッドが、
自宅向かいに小売店を始めた。

1849年にブロンプトン・ロードに移転。

その後ウェストミンスターに接する町の中心部ナイツブリッジに、
大型店舗として出店。

1861年に、息子のチャールズ・ディグビー・ハロッドが経営トップに。

1883年の店舗火災を機に大規模改装する。
1889年、創業者チャールズの死後、株式を公開。

しかし、1959年に、
イギリス企業ハウス・オブ・フレイザーによって買収され、
次いで1985年にモハメド・アルファイドの兄弟によって、
6億1500万ポンドで買い取られ、
さらに2010年にカタール政府系の投資ファンドによって、
約15億ポンド(推定)で買収された。

現在、ハロッズ名誉会長を務めるモハメド・アルファイドの息子は、
かの有名なドディ・アルファイド。
ダイアナ妃とともにパリで自動車事故で死亡した。

ハロッズは、エリザベス2世の生活用品や食料品など、
長い間、皇室御用達の百貨店としての役割を担ってきた。
しかし、ドディとダイアナ妃の死後、
その関係は冷え込んでいるといわれる。

三越百貨店の創業者の一人・日比翁助(ひび おうすけ)は、
ハロッズをモデルに、
当時としては斬新なルネサンス様式の店舗をつくったといわれる。
いまも、三越各店では紅茶などの食品やハロッズオリジナルグッズを販売する。

野菜も宝石のように売る。

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かご盛りのギフト用の果物。

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じゃがいもなどの根菜類と葉物も立体的に陳列。
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食品を際立たせるように緑で効果的に演出する。

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魚もちろん、生きた宝石のように。
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肉やソーセージも宝石のように。

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お客は宝石箱をのぞいて、楽しんでショッピングをする。

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ジャパンフードのコーナー。
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従業員はネクタイを締めて、お客に対し、紳士のようにふるまう。

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冷凍食品の売場も同じ。
日本の百貨店のように、名店をかき集めて、
他人の力で売場をつくるのではない。

スーパーマーケットと同じ、
人間の食生活を売る。
それも飛び切り上等の食生活。

だから冷凍食品もおろそかにしない。

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缶詰が並ぶ売場。
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照明が輝き、高級感あふれる売場。
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チョコレートはまさに宝石のよう。

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ギフト商材コーナー。
ラッピングを受け付けるサービスカウンターもある。

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お客は好きなギフト資材を選び、ラッピングしてもらう。
もちろん、購入できる。
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ハロッズだけの紅茶売場。

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ドリンクコーナー。
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最後にハロッズの象徴。

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ハロッズは、見事なポジショニングを築いている。
超高級百貨店というだけでなく、
「この世に我のみ」のポジショニング。

ハロッズがあるからテスコも、セインズベリーも、
マークス&スペンサーも、
意味が出てくる。

そしてテスコがあるから、セインズベリーがあるから、
マークス&スペンサーがあるから、
ハロッズの存在意義が出てくる。

テスコだけでは、ハロッズだけでは、
イギリスのお客は豊かな生活はできない。

それがポジショニングなのだ。

<結城義晴>

2010年10月15日(金曜日)

イギリス小売業を1日で訪問し把握することができる理由を実証した。

ロンドン4日目。
弱音を吐く気はないが、
疲労困憊。

しかし仕事となると、
元気が出てくる。

これが不思議。

だとすると、仕事なしでは、
生きられないのかもしれない。

さて昨日は、一日、
ロンドンの市街・郊外を回って、
スーパーマーケット視察。

1日で、ロンドンの周辺と中心部を回るだけで、
ほぼ、イギリスの食品小売業の全貌をつかむことができる。

このこと自体が、
ユナイテッド・キングダムのスーパーマーケットの最大の特徴といえる。

まず、朝一番で、
テスコ・エクストラ。

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テスコ最大のフォーマット。
平均売場面積6625㎡。

非食品強化型のハイパーマーケット業態。

全英に190店舗を配置する巨艦店舗。

隣に、マークス&スペンサーの店がある。
ショッピングセンター出店の郊外型店舗。

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マークス&スペンサーは店舗数654店で、
年商52億ポンド(130円換算で6760億円)。
全英第5位の小売業。
衣料品が特に強いハイパーマーケット(総合スーパー)と大衆百貨店の、
中間と考えたほうがいいフォーマット。

かつて木下安治さんが、
講師をしていた千葉商科大学の学生に質問した。
「君たちの近くにある百貨店で一番好きな店を上げよ」
8割方の学生が答えた店は、なんと、
「イトーヨーカ堂」だった。

イトーヨーカ堂など総合スーパーは、
大衆百貨店という位置付けが良いと思う。
この考え方は、
安土敏さんが『スーパーマーケット原論』の中で明らかにしてくれた。

マークス&スペンサーは、
まさに大衆百貨店だ。

私は、日本のイトーヨーカ堂は、
マークス&スぺンサーを研究すべきだと思っている。
それから二番目は、テスコのスーパーストア
こちらは平均売場面積2786㎡の大型スーパーマーケット。
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この店は、ロンドン中心街に近いケンジントンのテスコ。
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1996年9月にオープンで、私は10月に訪れて取材し、
月刊『食品商業』で記事にした。

ずいぶん改装されて、ミールソリューションのコーナーがなくなっていたが、
地域になじんで、定着した売場となっている。

テスコ第3のフォーマットはテスコ・メトロ
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平均面積1081㎡の都市型小型店。
都市中心部や郊外の大通りに立地する。

日本でいえば普通のスーパーマーケットがこれ。

そしてテスコ第4のフォーマットは、
テスコ・エクスプレス

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私たちが泊っているホテルのすぐわきにあるミニスーパー。
日本でいえばコンビニエンスストアのジャンルに入るが、
テスコの品揃えの最小単位を切り取ったフォーマットというほうが正しい。

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テスコは4つのフォーマットで、2009年、
イギリスの食品マーケットの30.5%を占めている。

断トツの凄いシェア。

シェア2番目は、アズダ・ウォルマート

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アズダは1999年にウォルマートに買収されたが、
現在はそのウォルマートの力を借りて、全英第2位に躍り出た。

総合スーパーとしてのスーパーセンターを30店展開している。
これはそのロンドンにいちばん近い店。

それ以外にスーパーマーケットを320店、
アズダ・リビングという非食品のフォーマットを24店舗。

テスコに対して、ディスカウント性の強い店舗で、
特徴を出している。

第3の存在は、セインズベリー

年商214億2100万ポンド(2兆7847億円)。
ハイパーマーケットを28店。

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これは明らかにテスコ・エクストラに対抗したフォーマット。
非食品が強化されている。

セインズベリーは、通常のスーパーマーケットを509店展開する。

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さらにセインズベリー・ローカルと称したコンビニ型ミニスーパーを335店。

最近の戦略はテスコの後追いの観が免れない。
しかし、最も伝統のあるスーパーマーケットとして、
イギリス人の人気は高い。

この3強に次ぐのがモリソンズ
しかし今回は訪れる時間がない。

その代わりに、ウェイトローズを訪問。
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年商44億1800万ポンド(5743億円)の高級スーパーマーケット。
世界の小売業ランキングでは、
88位に入るイギリス最大の百貨店ジョンルイスの子会社。

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日本でいえばクイーンズ伊勢丹といったところ。

そして最後に、アルディ

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ご存知ドイツのハード・ディスカウンター。
ボックスストアともいう。

イギリスに 、420店を出店し、21億6300万ポンド(2812億円)。
全英の食品市場におけるシェアも2.3%ながら急成長中。

これで、ほとんどの食品関連小売業を網羅できる。
なぜならテスコとアズダとセインズベリーで、
食品マーケットの63.7%を占拠してしまうからだ。

この3強に、モリソンズの12.3%、
ウェイトローズの4.0%、
アルディの3.1%を加えると、
なんと83.1%となってしまう。
だから1日で、ほとんどを訪問できる。

これが日本では、とてもそうはいかない。
アメリカでも難しい。

そのこと自体が、イギリス小売業界の特徴。
すなわち「寡占化」

しかし寡占化しているから、
テスコもセインズベリーもアズダも、
マルチ・フォーマット戦略を採用せざるを得ない。

発展途上のアルディはシングル・フォーマット戦略。
アメリカでも1000店を超え、
ウォルマートを脅かす存在になっているが、
シングル・フォーマットで白アリ軍団のように市場を食いつくすと、
他の国に移動していく。

それがアルディ。

このイギリスでは、完全に「ポジショニング競争」に入っている。
自らのポジショニングをいかに明確にするか。

それも自分のオリジンを守りきったうえで。

伝統の良きところは変えない。
しかし変えるべきところはどんどん変える。

それがイノベーション。

イギリスに来ると、
そのことがよーくわかる。

ホテルに帰って講義。

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万代ドライデイリー会のメーカー・問屋のメンバー40人。

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疲れをものともせず、夜の講義に良くついてきてくれた。
心から感謝したい。

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「井の中の蛙大海を知らず」

21世紀の知識商人は、
このことだけは避けねばならない。

もちろん聞きかじった知識をひけらかすことも、
情けない。

ほんとうの意味での、
「鳥の目」「虫の目」「魚の目」
そして「心の目」が問われている。

イギリスの小売業でつけ加えておかねばならない事実。
ネット・ショッピングに対して、
本腰を入れているということ。

それも利益の出るネット・ショッピング。
その構造がどうなっているか。

この夜の講義の中核テーマの一つ。

もちろん、なぜテスコのエクスプレスが利益を出せるのか。
日本のテスコやアメリカのフレッシュ&イージーが、
なぜ飛躍できないのか。

それも講義した。

なぞ解きは、日本に帰ってから。

まだまだ旅は続く。

<結城義晴>

2010年10月14日(木曜日)

世界4位テスコ&ハーバート・リテイル訪問「遠くへ来たもんだ」

日本を旅立ってから、
何日経つのだろう。

「思えば遠くへ来たもんだ」。

70日ぶりに地上に戻った33番目のチリ鉱山作業員、
現場監督のルイス・ウルスアさんに比べれば、
日本を発ってから、わずかな日数でしかない。

それでも、「思えば遠くへ来たもんだ」。

日本では新生ザック・ジャパンがアルゼンチンを1-0で下し、
好敵手の韓国とは、親善試合とは思えない死闘をみせたらしい。

今日14日からは、プロ野球パリーグでは、
クライマックスシリーズのファイナルステージ。
プロゴルフは、
日本オープンゴルフ選手権が始まった。
初日の結果は今頃出ているだろうし、
今週末にはチャンピオンが決まる。
残念なことに、リアルで見ることができない。

本当に、思えば、遠くへ来たもんだ。さて、昨日は、朝から、
テスコの店舗を視察。
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バックヤードからテスコ・ドットコムの実態まで見せてもらって、

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なおかつ熱心に解説してもらって、満足至極。

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スーパーマーケットのアクションを、
私は「スーパーマーケティング」と呼んでいる。

スーパーなマーケティングと、
スーパーマーケットのマーケティングを引っかけて、
「スーパーマーケティング」

この面で、最も進んだ企業が、
テスコであることに異論をはさむ者はいないだろう。

世界の小売業売上順位でも、
第1位がウォルマート。
2010年度の売上高4082億ドル、純利益143億ドル、8613店。
第2位がフランスのカルフール。
同じく売上高1214億ドル、純利益4.5億ドル、1万5661店。
どちらも国際的にいえば、
ハイパーマーケットという業態を中心にチェーン展開している。

第3位がドイツのメトロ。
売上高911億ドル、純利益5.3億ドル。
メトロの中核フォーマットはキャッシュ&キャリーと呼ばれるが、
これはアメリカでいうメンバーシップホールセールクラブに似たもの。
アメリカの呼び方のほうがむしろ特殊で、
キャッシュ&キャリーの業態名が一般的だろう。

そして第4位がスーパーマーケット企業のテスコ。
売上高902億ドル、純利益37億ドル、世界で4331店を展開する。
これはアメリカ第1位のクローガーの売上高767億ドル、純利益7000万ドルを、
売上規模でも経営の質でも、
進取性においても、
はるかにしのぐ。

だから世界最大、最高のスーパーマーケット企業といってよい。

もちろん、最高となるとその尺度をどうするかという議論が出てくるから、
テスコは世界最大にして、
世界最高のレベルの企業というほうが正しい。

そのテスコの最新戦略、おいおいご報告の予定。

さてその後、テスコのサービス・ベンダー企業を訪問。

ハーバート・リテイル。

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入口にウェルカムボード。

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この会社は250年の歴史を持つ。

会社概要とテスコをはじめとするイギリス小売業のレクチャーを受ける。

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そしてみんなで写真。

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ロンドンで二日ほど空いた時間に、
テスコの取材ができて満足。

疲れが吹っ飛んだ。
遠くへ来るのも悪くはない。

いよいよ今日からツアー第二弾のスタート。

心は燃やせ、頭は冷やせ。

ヨーロッパでも。

<結城義晴>

2010年10月13日(水曜日)

チリ鉱山落盤事故救出劇とオウンス・ハウスでのつかの間の休息

チリ北部コピアポ近郊の
サンホセ鉱山落盤事故救出劇。

救出用カプセル「フェニックス(不死鳥)」が、
地中に下ろされ、
そして地上に姿を見せた。

地下700mから69日ぶりに地上に引き揚げられた作業員たちは、
出迎えた家族やピニェラ大統領と抱き合って喜んだ。

現代の奇跡のように見えるが、
このリーダーはピーター・ドラッカーの信奉者だった。

2カ月余りの地下生活。
その苦境を救ったのはドラッカーの目標管理だった。

日本もそうだろうが、こちらでも、テレビ中継が流れっ放し。
世界中がこの奇跡を見つめた。
人間は、凄い。
ところで私の欧米の旅は中間地点で一服。

昨日から、ロンドンの郊外、
ケンブリッジのそばのバリー・セント・アダムスへ。

午後5時ころ、
ヒースロー空港から、
車で2時間余り。

真っ暗な中に見えてきた民宿。

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オウンス・ハウス「Ounce House」。

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1970年ごろに建てられた立派な商家がホテルとなっている。
広大な庭園とアンティークな調度が売り物の五つ星ホテル。

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3階建ての家から暖かい光が漏れる。

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居間は、瀟洒なつくり。

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もちろん重厚な暖炉もある。

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キッチンも典型的なイギリス中流階級の家庭的なつくり。

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玄関から2階へ。

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2階に宿泊の部屋がある。

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さらに3階に登る。

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そこが私の部屋Yoxford。

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窓辺。
くつろげそうな暖かな色調のいい部屋だ。

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ベッド回り。

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そしてバスルーム。

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バスルームには、明かりとりの窓がある。

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夕食は、近所のレストランへ。

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普通のイギリス人の生活がある。
海外を飛び回っていると、こうした風景にほっとする。

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ビールを2杯と赤ワイン・グラス1杯。
そして前菜はイカのフライ、
メインはポーク・チョップのソテー。
素朴でしっかりした味。
イギリス人は味音痴などというが、
とんでもない。

素朴な民衆の味にこそ、
国民性が出ている。

それがうれしい。

ご一緒している方々。

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真ん中が、㈱マックスバリュ西日本の藤本昭社長。
私の隣が同じくマックスバリュ西日本取締役SSM事業本部長の渡辺哲久さん。
藤本さんの隣は、㈱寺岡精工取締役の片山隆さん。
片山さんは、現在、フードインダストリーシステム事業部長を務めるが、
海外事業のキャリアが長い欧州小売業の専門家。
そして、その隣が寺岡精工神戸営業所長の中川悦明さん。

アメリカ、イギリス、フランス。
そしてポルトガルのスーパーマーケットの話題。
チェーンストアのあり方。
議論百出。

一夜明けて、オウンス・ハウス。
キッチンの窓から庭がみえる。

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この庭が、女ご主人の自慢。
イギリス人はガーデニングを生きがいとする。
それが良く表現されている。

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朝の居間も心地よい。
私はここで、ブログを書いた。

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そして女ご主人のジェーン・ポートさん。

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お手製のイギリス式朝食は絶品だった。
ありがとうございました。

異国の地でのつかの間の休息。

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オウンス・ハウスに、心から感謝。
皆さんありがとうございました。

<結城義晴>(つづきます)

2010年10月12日(火曜日)

本邦初公開「スチュー・レオナード」ヨンカース店の全貌、「まず商品に語らせよ」

Everybody! Good Tuesday!

「体育の日」までの三連休、
日本の消費はどうだったのだろうか。
商売の営業状態はどうだったのだろうか。

ロンドンの中心街ピカデリー・サーカス。
人の波はすごいし、夜になっても途切れない。

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東京やニューヨーク以上の活気が感じられる。
日本やアメリカはまだまだ子供の匂いが残る。
日本が小学生で、アメリカはハイスクールくらいか。
イギリスは大人の世界。

そんな感慨を持ってしまうが、
いかがだろう。

それでも昨夜のレスター・スクウェア近辺。
ミュージカル劇場や映画館が集中するあたり、
イギリスがもっと活力を持っていた時と比べると雲泥の差。
やはり世界的な不況感はぬぐえない。
そのためか高級・低級のカジノが増えた。

東京市場でも円高というかドル安が進み、81円台。
円とユーロは113円。

東京株式市場日経平均株価は200円も下げて、9388円。

アメリカのスーパーマーケットマン達のように、
客数が減っても、売場の水準を維持して、
それでいてロス対策なども怠りなく、
いつでも元気に、お客の来店を待ちたいものだ。

さて今日は一日、ホテルの部屋で溜まった仕事に勤しむ。
ロンドンにいながら、もったいないとも思うが、
大英博物館やナショナルギャラリーくらい覗きたいものだが、
仕事の進み具合次第。

ブログは、昨日につづいて、ロンドン発ニューヨーク報告。
スチュー・レオナードの巻。

マンハッタンから約1時間、フリーウェイを走ると、
ヨンカース地区。
その山の頂にスチュー・レオナードはある。
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あまりにお客が多いので、
この誘導道路を「スチュー・レオナード・ドライブ」と呼ぶ。
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近づいてきました。
胸が高鳴る、ドキドキ、わくわく。
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出身が酪農業なので、店舗はミルク工場を模してつくられている。
頂上に着くと、現れました。
スチュー・レオナード第3号のヨンカース店。

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創業者スチュー・レオナードは、1968年まで、
各家庭に牛乳配達をしていた酪農家。
1969年12月、7人の従業員を雇い小さな酪農場店「クローバー ファーム」を設立。
2台のレジと7アイテムを扱うだけのデイリーストアだった。
ただし新鮮な牛乳を販売する自販機が設置されていた。

この店は1977年には、20レーンの電子レジを導入。
145人の従業員を雇う大繁盛店になっていた。

その後、インストアベーカリー売場を導入し成功。
焼きたてのフレッシュなバター・クロワッサンやチョコチップ・クッキーが人気となった。
さらにバーベキュー、サラダバー、魚など、次々に部門を拡大。

1988年、ニューヨークタイムズから、
“The Disneyland of Dairy Stores.”
「まるでディズニーランドのような店」と称賛される。

1992年には、食料品店として1店舗当りの売上高世界一として、
ギネスブックに認定される。

そして1999年、ここニューヨーク州北部郊外ヨンカーズに、
12.5万平方フィートの3号店をオープン。

いつも店舗前には星条旗が掲げられ、はためいている。
スチュー・レオナードはアメリカの豊かさと楽しさを象徴する店なのだ。
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10月は「ハロウィン」一色のプロモーション。
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所狭しとパンプキンが並ぶ。
その規模、世界最大といっていいほど。
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10月のハロウィン・プロモーションの王者は、
決まってスチュー・レオナードだ。
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パンプキンだけではない。
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ハロウィン人形も。
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そして超有名なポリシー・ロック。
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創業者理念が掲げられた「policy rock」。
この理念に基づいて、顧客満足を使命にしている。
意見箱への投書には24時間以内に対応する。

ポリシー・ロックの後ろにリカーショップ。
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ニューヨーク州の法律で、
食品と酒は同じ売場で売ってはならない。
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店舗の入り口を入ると、右奥で試飲をしている。
笑顔でワインをテースティングさせてくれた。
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店舗前面のテントでは、もう売場が始まっている。
以前は、ここはプロモーション・スペースだったが、
不況期に入って、貪欲に売場拡充を図った。
もちろん、どんどん商品が変わるシーゾナル売場だが。
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まずは、リンゴ売場。
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そしてオレンジなど、果物で季節感を出す。
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オレンジ、プラムなどカラフルな商品を並べて、
市場のイメージをつくる。
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店舗に入る直前には、アイスクリーム・コーナー。
もともと牛乳屋さん、だからアイスクリームはとびきりおいしい。
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さあ、いよいよ店内に入って行こう。

売場は迷路のように曲がりくねり、
完全にワンウェイコントロールされている。

陳列は商品を前面にアピールして見せ、
商品の持つ色彩やデザインを強調。

「商品に語らせる」
これはフェアウェイ・マーケットと同じ。
優れた店の根本思想は同じになる。

店内では至る所で、効果的な販促のための試飲・試食を多用している。

バックヤードをガラス越し、あるいはダイレクトに見せることで、
親近感やエンターテイメント感をアピールしている。

そして視覚、聴覚、五感すべてに訴えるエキサイティングな売場づくり。

まず、プロモーションの果物コーナー。
「今日の果実」というコンセプト。
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その対面にはコーヒー売場。
これでおわかりだろう。
スチュー・レオナードは、朝食メニューから売場が始まるのだ。
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今日の果実の隣に新鮮ジュース、
そして「フルーツ・カップ」が続く。
カットフルーツをカップに入れて売っている。
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そしてオーガニックの簡便サラダコーナー。
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本格サラダ材料コーナーに続く。
便利性商材が先に来て、
そのあとで素材が来る。
購買頻度が高い順にカテゴリーが並んでいる。

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通路上の島陳列は「シーゾナル商品」。
スポット商品と考えればいい。
関連販売だったり、意外性の商品だったリ。
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サラダとコーヒーの次は?

そう、主食、パンの売場。
ユダヤ人のパン「ベーグル」。
そのパンプキン・ベーグル。
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ベーグルだけではもちろんない。
世界中のパンが、品揃えされている。
なにしろアメリカ合衆国は多民族国家。
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バター・クロワッサン。
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この売場の上には、天井から鉄棒をする人形が動いている。
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焼き立てパンから、クッキーへ。
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そしていよいよ、メイン売場のひとつ、青果部門へ。
プロモーション果物があって、
コーヒーがあって、
写真にはないが花売場があって、
サラダがあって、
ベーカリーがあって、
やっと青果部門に入る。

これ、アメリカのスーパーマーケットの部門構成そのもの。
スチュー・レオナードはワンウェイコントロールだが、
オーソドックスなスーパーマーケットの基本を守っている。
それを読み解いてほしい。
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この不況で、土曜日というのに客数は少ない。
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果物はリンゴから。
店頭のテントでリンゴを売っていたが、
強調すべきカテゴリーは何度でも売り込む。
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カゴ盛りの野菜たち。
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レタスとペッパーの売場。
カラフルだ。
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ワンウェイの売場はくねくねと曲がっている。
山登りをするとき、あるいは綴れ折りの坂道のよう。
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曲がるたびに新しいくくり、コンセプトが現れる。
そのコンセプトが連続している。
全体でこの店が提供する生活が浮かび上がってくる。

葉物野菜もカゴ盛り。
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テレビ画面で生産者が語る。
いかにしてつくるか、安全か、美味しいか。
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1ポンド1ドル99セントのプラム売場。
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レモン、オレンジと続く。
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左手には、カゴ盛りの野菜。
ナスやキュウリ。
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メロン、グレープフルーツ、オレンジ。
SKUは多くはない。
1品目当りの陳列量が多い。
スチュー・レオナードは単品大量を原則にしている。
その意味でもスーパーマーケットの基本に忠実な店だ。
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最後に、フルーツとベジタブルの簡便コーナーがふたたび登場。
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そして最後の最後は、バナナ。
有名なバナナ娘が歌う。

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ボタンを押すと、歌ってくれる。
そのボタンも擦り切れるほどにリクエストが多い。

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青果部門の終わりは、根菜類。
このあたりは、異論もあろうが。

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同じワンウェイコントロールのHEBセントラルマーケットでは、
根菜が先に来て、最後の最後にバナナだった。
これはポリシーの違い。

鶏合唱隊が楽しく歌う。
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青果部門から精肉部門へ。
セルフ多段ケースで、品揃えから入る。
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コーナーには上部にぬいぐるみ人形が。
セルフケースに続いて、対面ケースで売れ筋が並ぶ。
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イタリアンソーセージ売場。
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顧客が売場にアクセントがほしいと思ったころに、
試食のコーナーが現れる。
そこでつい、手を伸ばして、試食する。
店を出る頃には、おなかいっぱい。
これを「サンプル・ライフ」という。

しかし、それでも顧客は今夜のメニュー、明日の商材を購入してくれる。
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冷凍食品はリーチインケースで売られる。
売場の中央に衣料品が島陳列。
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シーフード・サラダやロテサリーチキンの売場がみえてきた。
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バナナ娘に続いて、
オーム船長が歌う。
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通路上には冷蔵ケースの島陳列も。
ここは変化させる売場。
時には売り切れ御免のシーゾナルアイテムが売られる。
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そして曲がり角に、鮮魚の対面。
上部のパネルには大きな魚のデコレーションがある。
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鮮魚から、次は乳製品へ。
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スチュー・レオナードが牛乳や出身であることを思い知らせてくれる売場。
左はオーガニック・ミルク。
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牛乳売場の続き。
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ソフトドリンク売場が繋ぎで、奥にバター売場がみえる。
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そのドリンク売場では、
コカコーラ、ペプシコーラが並んでいる。

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バター売場の上部にはまた、楽しいミュージックを奏でるぬいぐるみ。
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曲がりくねって、次のコンセプト、次のカテゴリーに。

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向こうにチーズの売場がみえる。
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間をつなぐのは水の売場。
ポーランドの水。
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コーナーに、ぬいぐるみ人形。
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アペタイザーの売場。
ライス・プディングやピクルス、ロマノチーズなどが、
コーナーづくりされている。
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ミートボール5ドル49セント。
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圧巻のスープ売場。
様々なスープがカップに入れて売られている。
買って帰って温めるだけ。
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「凄い」の一言。
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寿司売場は独立している。
並んでいる商品自体は、ベンダーから供給されるもので、
さして大きな違いはない。
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奥に、最後のコンセプト・サービスデリの売場がみえる。
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「ヘルシー・ステーション」とネーミングされたビュッフェ・スタイルの売場。
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そしてHotデリ。
ミート・ラザニアやミート・バーベキューなど、
好きな品を選ぶことができる。
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「ウィークリー・スぺシャル」と名付けられたコーナー。
HotデリとColdデリが選べる。
1週間ごとにメニューが変わり、
「今週のお薦め」料理が提案されている。
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最後に、「キッズ・ミール」から「ピザ」へ。
キッズ・ミールは子供用の食事。
子供客も多いスチュー・レオナードらしい丁寧な提案。

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右手のリーチインケースはアイスクリーム。
左手はライス・ケーキ。
真ん中に島陳列で、揚げたてのポテトチップスが売られている。
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最後は、なぜかドライフルーツとミックスナッツ。
これは、店を見に来ただけの人々へのお土産売場。
何にも買わなかった人も、
ここでは「買ってね」の意思表示。
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そしてぐるりと回ってレジへ。
レジの向こうは、入り口で、
右手にコーヒー売場がある。

不況のあおりで、やや閑散とした観があるが、
最後のおもてなしのレジが、元気よくて、よろしい。
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さて、スチュー・レオナードの全貌をお届けした。
本邦初公開。

いかがだったろうか。

小手先の楽しさづくりではない。
小手先のプロモーションでもない。
小手先の売場づくりでもない。

メニューの提案が、
「これでもか、これでもか」となされる。
毎週のように商品が変わり、売場が変わる。

スチュー・レオナードは、まず、
こんな生活を送ってほしいという「願い」を持っていて、
それを店と商品に表している。

そこに知識商人たちの努力の粋が集まる。

Rule1  The Customer is Always Right!
原則1 顧客はいつも正しい。

Rule2  If the Customer is Ever Wrong, Reread Rule1.
原則2 たとえ、顧客が間違っていると思っても、原則1を読み返せ。

ポリシーが売場をつくり、店をつくる。

それを私たちに教えてくれる店。
スチュー・レオナードに、心より感謝。

 (つづきます)

<結城義晴>

2010年10月11日(月曜日)

フェアウェイ・マーケットの「商品に語らせる」売場づくり

Everybody! Good Monday!
[vol 41]

しかし今日は「体育の日」。
日本は、いい天気だろうか。

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昨日の10日は朝8時に、
商人舎スペシャルコースの「結(ゆい)まーる」チームを、
ホテル「マリオット・マーキーズ」で見送って、一人になった。

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今回のホテルも、
商人舎ツアー・チーフ・コーディネーター鈴木敏さんの執念で、
ニューヨーク・マンハッタンのタイムズスクェアのまん前がとれた。
「マリオット・マーキース」。

もともと私は、ひとり旅が好きで、
40歳代にヨーロッパを訪れるときは、
たいてい一人だった。

「結まーる」とは、沖縄語。
うれしいこと、つらいこと、かなしいこと。
すべてを分かち合い、お互いを思いやり、
助け合う心といったことか。

倉本長治先生のお墓に刻んである「恕」のようなニュアンスを持ったことば。
最後の晩の部屋での交流会の最後に、
沖縄の㈱リウボウストア社長の茂木正徳さんが言い出して、
即、みんなが賛成。

「結」が私の苗字「結城」の「結」だということもあって、
2010年秋の商人舎USAチームは「結まーる」となった。

その結まーると分かれて、午前中はホテルの部屋で仕事。

昼ごろ、地下鉄で、
マンハッタン4thアベニューとイースト10ストリートへ。
博多ラーメン「一風堂」がある。
福岡ラーメンのナンバー1ブランドが、
3年前にニューヨークに進出して、大盛況。

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壁面には、日本の有名ラーメン店の丼が飾られている。

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日曜日の昼時で、20分の待ち時間。

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待っている間にバーで恵比寿ビール。

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席に着いたら、
赤丸ラーメン・煮卵付きを堪能。

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その後、再び地下鉄で、セントラルパークへ。

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広大な公園の片隅を散策。
替え玉まで食べた腹ごなし。

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もちろん今月は、ラーメンも、
「良く噛んで食べる」

5番街の大通りから、セントラルパークの西の端まで、
連綿とパレードが繰り広げられていた。

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南アメリカ各国のデモンストレーション。
とにかく陽気。
それがいい。

ニューヨークでは年間に、
270回もこういったパレードが行われるとか。

久しぶりにのんびりしてから、
夕方、4時半にはタクシーでジョンFケネディ空港へ。
ロンドンやパリと比べて、ニューヨークは地下鉄や鉄道の便が悪い。
だからどうしてもタクシーとなる。

チェックインは意外なほどスムーズに終わって、
アメリカン航空のラウンジで3時間、仕事。
私はこのアメリカンのゴールド会員。
これだけ海外渡航していれば、それも当り前か。

しかしこの3時間は、なかなかインターネットがつながらず、
あっという間に過ぎてしまった。
夜8時20分発ロンドン行き。
約7時間で、大西洋を飛び越える。

ニューヨーク時間午前3時半、
ロンドン時間午前8時半、
ヒースロー空港に到着。

機内でディナーを採って、
ビールとワインを飲んで、
ラッセル・クロウの「ロビンフッド」の映画を見ながら、
熟睡。

ここでも、あっという間にロンドンに着いた。

ロンドンからは地下鉄。

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ピカデリ―ラインに乗って30分、
グロースター・ロード駅で降りて、
ホテルは「ミレニアム・グロースター」。
地下鉄一本で、ホテルの駅まで来ることができる。

ほんとうに便利だ。

ロンドンはニューヨークと違って、
大人の街。

地下鉄でも、日本のように携帯電話を見ている者はいない。
皆、新聞を読んでいる。

私はパソコンをとりだして、
このブログを書いている。

グロースター・ロード駅に着いて、
目的のミレニアム・グロースターはすぐに分かった。

歩いて、3分。

いよいよ、ヨーロッパでの1週間が始まる。
ロンドンに5日間、
パリに3日間。

何事も、「良く噛んで食べる」。
そして「無茶をせず、無理をする」

さて、まだまだアメリカ報告をしなければならない。
今日のテーマは、
「商品に語らせる」

スーパーマーケットは、
人々の普段の暮らしにお役立ちする商売だ。

だから、売っているもののほとんどは、
「普段の生活に必要な商品ばかり」。

もちろん生活が個性化し、多様化し、高度化してくると、
普段のくらしの幅が広がる。
ちょっと珍しいもの、人々が知らないもの、知らない食べ方などが、
品揃えの中に入ってくる。

その時には、言葉や表現で説明しなければならない。
当然のことだ。

しかし、普段の商品には、くどくどとした説明はいらない。
だから、ほとんどの場合、
「商品に語らせる」ことになる。

その典型的な店を紹介しよう。

フェアウェイマーケット。

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もともとは八百屋。
1940年にNathan Glickbergが、
マンハッタンに小さな青果店をオープン。
1995年には、最大のハーレム店オープン。
ここで自信をつけて、
2001年、ロングアイランドに郊外型プレインビュー店を開店、
そして2006年に、このブルックリンの倉庫街にレッドフック店オープン。

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企業売上高は推定3億ドル(約360億円)

このレッドフック店は、
店舗面積5万2000スクエアフィート(約4830㎡)、
駐車台数300台。
開店費用は2800万ドル(約33億60000万円)、
週販目標は80万ドル(約9600万円)
この4階建の建物の1階部分に、
迷路のようなレイアウトのスーパーマーケットが配置され、
上階は45個の住居とアーティスト向けオフィススペースとして提供。

さて店に入ってゆこう。

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駐車場と店舗の間にテントが張られている。
そのテント内に常温の青果中心にボリューム陳列。
これ、フェアウェイの特徴。

外からでも見えるような売場。
商品が語っている。

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このあたりを歩いていると、もう、
わくわくしてくる。

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陳列台は店内店外ともに、やや高い。

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さて、スウィングドアを押して、店内に入ると、
まず青果部門。

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他を圧するモモの売場。
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この入口の一角を抜けると、
青果部門の圧倒的な品揃えの売場に入る。

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葉物野菜も、商品が語る。
POPは少ない。
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店舗右奥のコーナー。
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レタスなど、茎を見せての陳列。
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葉物は縦陳列が基本。
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多段陳列も活用する。
そのあたりは臨機応変。

全米・世界各地の農地から直接仕入れることで、
高品質低価格の商品を品揃え。

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見てください。
「商品が語る」売場。
「商品に語らせる売場」。
言葉はいらない。
いや、最小限でいい。

名優は、沈黙のときの表情で語る。
しぐさで語る。
だからぽつりとつぶやく言葉が生きる。
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根菜類も、果物のように美しく見える。

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リンゴは、敷物を敷いてボリューム陳列。
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レモン、オレンジも、ボリューム陳列。
ここにも言葉はいらない。
値段だけでいい。
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一つひとつ丁寧に並べられている。
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キノコの売場は青く見える。

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正面から見ると一段と迫力がある。

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オリーブやピクルス売場は、一品ずつボトルに入れてある。

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土曜日、日曜日には、
これを積極的に試食させる。

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チーズの品揃えは、350種類。

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青果から生パスタ売場へ。
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トップボードに商品やカテゴリーの説明があり、
商品周りには無駄な装飾や説明がない。
だから「商品が語る」ことになる。
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青果、日配から、鮮魚売場へ。
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鮮魚売場はRケースで対面販売方式。
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ホールフーズやウェグマンズよりも、
広い売場のシーフード部門。
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精肉は対面売場と多段ケースでのセルフ売場の併用。

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Meat Marketと名付けられている。
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対面は加工肉から入る。

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そして、最後が牛肉。

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その中でも、ポ-タ-ハウスステーキは重要アイテム。dscn3406-3.jpg

ミートから惣菜へ。

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大皿盛りのデリカテッセン。
ちなみに「デリカテッセン」はドイツ語。
英語では「デリ」。
「デリカ」は日本人の造語。
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売れ筋はすぐになくなる。
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菓子や加工食品も、
生鮮と変わらない。

商品自身に語らせる。

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このカテゴリーなど、
「Fairway Market」の名の入ったプライベートブランドばかり。
ナショナルブランドが弱い分野には、積極的にPBを投入する。

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壁のような前進立体陳列。
その中にアクセントを設ける。
それだけで商品が語ってしまう。

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袋菓子もプライベートブランド。
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ユダヤ人向けの商品を集めた売場。
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クッキーの売場。
両サイドから商品が迫ってくる。
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通路中央に島陳列を設ける。
これも基本中の基本。
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ドレッシング売場。
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ワインや酒のコーナー。
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クッキー売場。
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加工食品売場の最後のところ。
陳列棚3本に1カ所くらいの割合で、
通路内関連販促の島陳列を設ける。
顧客の方向に商品の「顔」を向けるのがセオリー。
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通路内にソフトドリンクの関連販売を仕掛けると、
エンドではドリンクの大量陳列。
理にかなったスーパーマーケットの基本が守られている。
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最後にコーヒー売場。

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注文に応じて、コーヒーを挽いてくれるし、
量は顧客の望むままに分けてくれる。

サービスデリのサンドイッチやサラダのコーナーを抜けると、
出口があって、ここから自由の女神を臨む。

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迷路のような売場。
すべての商品が顧客に語りかけてくれる。
その店を抜けると、
眼前には広大な水と川と自由の女神。

多民族国家のアメリカ合衆国では、
文盲の客は多い。
だから余計に、商品で語らせる。
しかし、ショートタイムショッピングを考えると、
日本でも言葉は最小限でいい。

商品が語るのが一番だ。

いかがだろうフェアウェイと商品が語る売場。
(つづきます)

<結城義晴>

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