結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年05月17日(木曜日)

発熱と「無茶をせず・無理をする」&ラスベガスのシルク・ド・ソレイユ

「無茶はアカン、無理はエエけど」
西端春枝先生の私への注意の言葉。

西端先生のご主人は西端行雄さん。
1916年生まれ、1982年没。
総合スーパーのニチイを合併によって誕生させ、
その後、会社の基礎を築いた歴史上の人物。

しかし惜しくも66歳で亡くなられた。
西端行雄さんが存命ならば、
マイカルは倒産することはなかった。
私は固く、そう信じている。

西端先生はご主人を、
66歳という若さで亡くした。
だから「無茶はアカン」というのだろう。
ストイックな経営者の激務をよく見ていたから、
「無理はエエけど」と付け加える。

私にも同じ言葉を、
ご主人に投げかけるように、
言ってくださった。

私はそれを、少し変えて、
2009年度の商人舎標語にした。
「無茶はせず、無理をする」

しかし無茶と無理の境目を見極めるのが、
ことさらに難しい。

結局、結果論にしかならないが、
病気になってしまったら、「無茶」。
会社が倒産してしまったら、「無茶」。
そんなところだろうか。

アメリカから帰ってきて、
今朝、起きたら、37.5℃の熱。
喉はカラカラだし、
体中の節々が痛い。
そしてひっきりなしにトイレに駆け込み、
水のような便が出る。

大量に水を飲んで、
ベッドに横になって、
眠る。

昼ごろ、熱は38.7℃に上がった。

今日、午後、1時30分から予定していた研究会を、
欠席することに決めた。

商業経営問題研究会。
通称、RMLC。
座長の私が欠席でも、
代表世話人の高木和成さんはじめ、
世話人の人々、事務局が研究会を回してくれる。

安心して、静養にあてることにした。

夕方には熱は38.0℃に下がった。
そして今、午後9時には、37.6℃に。
もうすこし、もう少し。

ポカリスウェットやエビアンを大量に飲みながら、
布団をかぶって寝ている。

よく眠ることができる。
アメリカでは毎日、2~3時間の睡眠だったから、
その分、熟睡することができる。

「無茶をせず、無理をする」
今回は無茶だったのだと、
大いに反省。

後は、明日、活動できること。
午前中に上田惇生先生にお会いする。
これは商人舎ミドルマネジメント研修会の打ち合わせ。
上田先生は、ご存知、ドラッカーの分身。
研修会では最終日にご登場くださって、
ドラッカーの真髄を語り、
丁寧に質疑応答してくださる。
<まだまだ最後の募集中です>

それから、午後は、
日本チェーンストア協会の総会。
ライフコーポレーションとヤオコーの業務提携など、
時代の節目のような事件が次々に起こっているが、
懇親会には、ちょっとだけ顔を出して、
そのことを多くの経営者と確認しあわねばならない。

そして夕方、目白の学習院大学。
学習院マネジメントスクール2012年度の、
最初の講義はいつも私が、
「潮目の変わる時代の流通概論」と題して、
2時間半くらい語る。

さて、これから明日まで、
この熱を下げられるか。

熱さえ下がったら、
何とかなる。

こんな発熱は、いつ以来だろう。
そう思った。

そこで、このブログを調べてみた。
昨2011年3月7日に風邪を引いている。
その前は2010年12月13日。

東日本大震災以降、
私は病気になっていなかった。
1年2カ月前も、
アメリカから帰ってきて、
翌週に発熱した。

私の風邪は、扁桃腺から来ることが多い。
しかしその時も、腹具合が悪くて、
今回と同じ状態だったと思う。

原因は疲れ。

ひどく疲れていても、
私は無理をする。

疲れがひどい時の「無理」は、
「無茶」となる。

これが教訓。

さて、余談だが、
このブログのページの右肩に
白抜きの小さなスぺースがある。
「サイト内検索」。
そこに「風邪」と打ち込むと、
いつ、この言葉を使ったか、
サイト全体からそのページのタイトルを抜き出してくれる。
それをクリックすると、
その言葉を使った日のブログに飛ぶことができる。

「風邪」で検索したら、まず1年2カ月前、
それから2010年12月中旬、
2010年9月末と出てきた。

ちなみに、このサイト内検索のところに、
例えば「ウォルマート」「ホールフーズ」「ドラッカー」などと打ち込むと、
私がブログに書いてきたことがわかる。

「風邪」までわかるのだから。

さて、商人舎USA研修会Basicコース。
大きな成果を上げて帰国。
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しかし視察やインタビューや調査や講義ばかりではなかった。
毎朝2~3時間の講義はあったけれど。
ラスベガスという街を、
団員は満喫した。

ホテルフラミンゴ。
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南の島のような中庭。
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フラミンゴが一本足で立っている。
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この庭を散策するのが好きだ。
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朝食はバッフェ形式。
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通常のアメリカのホテルの朝食とは、
全然違う。
毎日食べても飽きないし、
絶対に楽しめる。
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ローストビーフを塊から切ってくれる。
オムレツをその場で焼いてくれる。
24時間カジノが楽しめる。
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スロットマシンやテーブルゲームの真ん中に、
お立ち台があって、
そこで女性が踊っている。

時にはマイケル・ジャクソンの振り真似が、
見事なダンスを見せてくれる。
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フラミンゴの隣は、バリース。
向こうにパリスのエッフェル塔が見える。
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研修が終わった後は、
これらのホテルを巡る。
それだけでも楽しめる。
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もちろん食事も。

ヴェネチアンは、
ラスベガスのストリップの一番はずれにあるホテルだが、
イタリアのベニスを再現しているし、
イタリア料理がすばらしい。
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別の日には、居酒屋にも行った。
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そして日曜日の夜は、
ベラージオへ。
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有名な噴水ショー。
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夕方から15分おきに公開される。
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そのべラージオのショー。
シルク・ド・ソレイユ(Cirque du Soleil)
意味は「太陽のサーカス」。

火喰い芸の大道芸人、
ギー・ラリベルテが設立したエンターテイメント。
サーカスの伝統様式を取り入れるが、
演者としての人間を強調。
大道芸やサーカスに
オペラとロックの要素を盛り込んで、
高い芸術性を表現する。

私たちが訪れたのは「O(オー)」

eau(オー)はフランス語の「水」。
シルク・ドゥ・ソレイユの名声を一気に高めた演目。
ステージが、何度も
一瞬のうちに巨大なプールに変わる。
そのプールで
シンクロナイズド・スイミングが展開され、
聴衆はまったく新しい体験と
世界観を味わうことができる。
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幕は赤を基調とする。
天井はブルーで、
シルク・ド・ソレイユのマーク。
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はじめに二人のピエロが出てきて、
観客を沸かせる。
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このピエロが狂言回しの役目を演じつつ、
物語が展開される。
もちろん最高度のサーカス芸も、
次々に披露される。
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私は毎年、一本ずつ、
シルク・ドゥ・ソレイユを見ることにしている。
昨年は「ズーマニティ」だった。

来年は、絶対にミラージュの「ラブ」
全編、ビートルズ・ナンバーが流されるショー。

ラスベガスは、
流通視察でも最高のエリアである。
そして食事や、ショーも楽しめる。
もちろんカジノでも遊べる。

商人舎USA研修会Basicコースは、
ラスベガスなしには考えられない。
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今回も、素晴らしい研修会だった。
帰国してからの発熱だけは、
ほんとうに余分だったけれど。

「無茶をせず、無理をする」
反省します。

<結城義晴>

2012年05月16日(水曜日)

USA研修会basicコース無事帰国! PF調査発表会で判明したこと

帰国しました。

商人舎第11回USA視察研修会、
basicコース。

昨日、ネバダ州ラスベガスを出発。
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二手に分かれて、
YS11の小型機に乗り込んで、
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砂漠と草原を超えて。
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カリフォルニア州ロサンゼルス空港を経由して、
千葉県成田空国まで。
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早朝の5時に出発したAグループが、
ロサンゼルスのアメリカン航空機体トラブルで3時間遅れ。
6時半ホテル出発のBグループは、
ユナイテッド航空で予定通りの11時間半のフライト。

それでもとにかく全員無事で、
ほんとうに大きな成果が得られた。

毎年毎回、成果は、
大きくなっているように思われます。

最後に残った5人で写真。
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私のとなりから㈱九食の山浦弘晃さんと、
小西酒造㈱の小西陽子さん。
右が㈱トッパントラベルサービスの下条健さん、
左は商人舎エグゼクティブプロデューサーの松井康彦。

視察やインタビューだけでなく、
私や浅野秀二先生の講義もどんどん充実してくるし、
昨日、このブログで報告した実習調査・分析、プレゼンテーションも、
レベルが上がってきています。

まさしく「Knowledge Merchant」が、
次々に誕生していることを実感します。

何よりうれしいことですし、
全ての皆さんに、
心から感謝したいと思います。

その昨日のグループ調査報告会。
朝8時30分からの講義時間の前半が、
このプレゼンテーションに充てられた。

まず、簡単な全体総括。
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調査は合格。
事前に日本国内で予習をしていた人が多かった。
ただし、手書きグラフづくりは、
もしかしたらパソコンでやっていたり、
外注が増えたりしていて、
慣れていないのかもしれない。
全体にレベルが低い。

それからAチームから順に、
プレゼンテーション。

Aチームは青果部門。
Bチームはデリ・惣菜部門。
Cチームは乳製品・でアリー部門。
Dチームは冷凍食品部門。
Eチームはミート部門。
Fチームはベーカリー部門。
Gチームは菓子部門。
Hチームはドリンク部門。
Iチームは加工食品部門。
そしてJチームはHBC部門。

どのチームも、
分析とプレゼンテーションが、
驚くほどに上手い。

それも毎年、レベルアップしている。
ほんとうにうれしくなる。

全チームのプレゼンのあと10分間の休憩。

そのあと結果発表。

昨日、お知らせしたように、
最優秀賞は牛乳を調査したCチーム。
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見事だった。

そして優秀賞は3チーム。
Bのデリ部門の寿司調査。
Fチームのベーカリー部門ベーグル調査。
Hチームのドリンク部門水の調査。

3チーム揃って表彰。
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最優秀賞に引けを取らない結果だった。
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そして特別のチームワーク賞はIチーム。
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加工食品でトマト缶289オンスを調べた。

調査も手際よく分業し、説明も全員が分担した。
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表彰のあとで私の総括。
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コストコがすべてのカテゴリーで、
ユニークな単位設定と価格政策をとっていた。

ウォルマートの強さは安定しているが、
ディスカウント型スーパーマーケットのウィンコ・フーズが、
ウォルマートよりも低価格を現出していることに、
各チームが感動した。
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ウォルマート1万店、ウィンコ76店。
それでも戦略を徹底すれば、
ウォルマートをしのげる。

ホールフーズとトレーダー・ジョーは、
そのポジショニング戦略が際立っていた。

スミスとボンズ、
つまりクローガーとセーフウェイは、
伝統的、平均的なマーチャンダイジング政策で、
中途半端であることが分かった。

アルバートソンは、
さらにイノベーションがないことが判明した。

私の講義、店舗視察に加えて、
PF調査をすることで全員がこれらを実感した。

自分がやったのは限られた調査だったが、
発表を聞いて全体のことが分かった。

この調査グラフは帰国してから、
全員で共有することになっている。

表彰式が終わってから、
結城義晴最後の講義。
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ウォルマートのエブリデーロープライスの誤解の謎解き。
オーガニック・マーチャンダイジングとホールフーズの長期戦略。
小型店問題の総括。
ロイヤルカスタマーとサービス戦略。
そして最後にイノベーション。

訴えたいのは、
「自ら、変われ!」

そこんとこ、よろしく。

私たちが視察し・調査研究したその米国小売業。
15日に米国商務省から発表された4月の売上高は、
4080億3900万ドル(時価為替レートで約32兆6000億円)、
前月比プラス0.1%だった。
前年同月比はプラス6.4%。

アメリカは強い企業同士の競争だ。
そして強い企業は、
それぞれにポジショニングを鮮明にしている。

強い企業の違った政策・戦略。
だから全体で伸びる傾向にある。

そのことが、実に鮮明になった研修会だった。

皆さん、ありがとう。

<結城義晴>

[追伸]
USA視察研修会報告、
今週末まで続きます。
ご期待ください。

2012年05月15日(火曜日)

ライフ&ヤオコー業務提携とラスベガス視察の集大成・商品調査発表

今日、16時から、東京・帝国ホテル扇の間で、
緊急記者会見があった。
㈱ライフコーポレーションと㈱ヤオコー、
業務提携検討に関する覚書を締結。

「お互いの強みを活かし安定した成長を図るため
必要な分野についての業務協力の可能性、
広範な分野での業務提携の可能性に関して
真摯に検討していくことについて合意した」
これは両社の正式コメント。

ラスベガスにいる私は、
その記者会見という歴史の瞬間に立ち会えず。
まことに残念。

私が予測する今年の5つの潮流。
その一つが「M&Aの新たなうねり」

アークス&ジョイスに続いて、
これは業務提携だが大型の優良企業同士の提携。
その業務提携の内容は、
①商品の共同開発・調達
②資材等の共同調達
③プロセスセンターの相互活用

これらはマーチャンダイジングに関すること。

④災害時の相互支援
これも時宜を得た提携だ。

さらに⑤人材の交流・人材の共同教育など。

ライフコーポレーションは食品スーパーマーケットの最大手企業。
首都圏と関西圏で、224店を展開。2012年2月期年商4882億円。
ヤオコーは埼玉県川越市に本部を置く優良企業。
売上高経常利益率4.5%。
埼玉、東京、神奈川、千葉に118店。売上高2273億円。

ライフの清水さんは日本チェーンストア協会会長、
日本スーパーマーケット協会名誉会長。
ヤオコーの川野さんはその日本スーパーマーケット協会会長。

6月29日金曜日
恒例の日本スーパーマーケット協会総会後、
パネルディスカッションがある。
これも恒例となっているが、私がコーディネーター。
そのパネラーはなんと、
清水信次ライフコーポレーション会長、
川野幸夫ヤオコー会長、
そして横山清アークス社長。

横山さんは、
ユニバース、ジョイスと次々に合併したアークス社長にして、
新日本スーパーマーケット協会会長。

3協会の会長が揃って、
しかも三人ともに、
焦点のM&A、業務提携の当事者。

テーマは、
「スーパーマーケットのサバイバル&成長戦略」
私が提案した。

当然ながら、時代の見方、
M&Aや業務提携に関する考え方が、
議論の中心になる。

規模は、何を意味するのか。
これもテーマになるだろう。

そして私の『メッセージ』から、
「正規軍は勝たなければ負けである。
ゲリラは負けなければ勝ちになる」
これが根本の考え方となる。

ご参加を募ります。
今日の日経新聞一面トップには、
「ソニー、パナソニック提携交渉」の記事。
韓国勢に対抗して、有機ELテレビの量産技術開発、
さらに共同生産まで視野に入れている。

ライフ清水信次、ヤオコー川野幸夫両会長をはじめとするトップの判断は、
やがて歴史的に証明される。
「正しかった」と評されるに違いないと私は思う。

今、ラスベガスのフラミンゴホテル。
午前5時半。

先ほど5時きっかりに、
商人舎USA研修会BasicコースのAグループは、
バスに乗り込んで、空国へ向かった。

私はAグループを送り出して、言った。
「自ら、変われ!」

Bグループはこの後、6時45分に出発。

いまから、帰ります。

いつものことだけれど、
アッという間に研修会は終わる。

今回は、毎日、視察の前の午前中、
2時間を超える講義をしたし、
バスのなかでも語り続けた。
それでもまだまだ伝え足りないように思う。

毎回のことだが、
大事な考え方は全員に伝えたという満足感はある。

さてこのブログでは、まだ、
2日目の視察やインタビューまでしか、
ご報告をしていない。

3日目、4日目、5日目と視察研修は続いた。
最終日には飛び切りの取材をした。
この中で、2日目と、3日目には、
参加者全員が10チームに分かれ、
視察店の品ぞろえ調査を行った。

あるカテゴリーのある商品群の価格と、
フェイス数、あるいは陳列量を調べる。
それを、PFグラフに表現し、
企業の戦略を読み解く。
PFグラフのPはプライス、
Fはフェーシング。
それを一昨日、4日目の夕方までに、
提出してもらった。

どのように数値を読み取ったのか。
どんなディスカッションのプロセスがあったのか。
異業種・異業態、異なる企業で編成されたチームの参加者同士が、
どのようなコミュニケーションを図り、どのようなチームプレイを見せ、
そしてどのように発表のプレゼンテーションをするのか。

こんな視点から10チームの発表を聞き、審査し、表彰する。
Basic視察コースでは恒例となっっている。

その発表会が行われたのが、5日目の朝。
つまり昨日のこと。

はじめに私から簡単な全体総括。
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そして10チームごとのプレゼンテーション。
どのチームも素晴らしかった。
10分の休憩をはさんで、結果発表。

最優秀賞に輝いたのは、
デアリー部門を調査したCチーム。
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半ガロンの牛乳を調査商品として、
PFグラフを上手に作り、各社の品ぞろえを分析した。

さらに、オーガニック牛乳の比率を「オーガニック比率」と定義して、
各企業のポジショニングを明らかにした。
思考アプローチと即時の工夫が高得点を得た。

Cチームのメンバーは、
㈱万代加納店店長の西村昌也さん、
エバラ食品工業㈱大阪支店担当課長の秦慶和さん、
㈱ユニバース・店舗運営部日配スーパーバイザーの中野弘達さん、
㈱高山リテールサポート部課長の大津慎一さん、
㈱エレナ・エレナ長与店店長の草野健二さん、
㈱ ダイナムPトレーディング新台企画部部長の徳田秀之さんの6人。

全員が前にでて、両手を掲げて、祝った。
全参加者からも盛大な拍手。

この続きは帰国してから。
< 最後まで書き終わったと思ったら、後半部分が消えてしまいました。
もう出発しなければなりません。すみません>

とにかく、帰ります。

<結城義晴>

2012年05月14日(月曜日)

クローガー/セーフウェイとホールフーズ・トレーダー・ジョーの差異

Everybody! Good Monday!
[2012vol20]

2012年も、第20週。
5月の第3週が始まる。

昨日の母の日。

どんな店も、きっと、
いい成果が上がったと思う。

母の日という大切な記念日を、
自分のこと、自分の母のことのように、
考え、行動しさえすれば。

邪念が入ると、
母の日は成功しない。

私はそう思う。

その母の日が終わると、
つぎのイベントは、
来週月曜日の金環日食。
5月21日午前7時半ごろ。

そしてこの日は、
二十四節気の小満(しょうまん)。
「万物が次第に成長して、
一定の大きさに達して来るころ」
のこと。

いい季節だということ。

しかし5月中旬の今ごろから、実は
梅雨前線が天気図上に現れる。
この前線は華南や南西諸島付近に停滞。

そして沖縄では、早ければ小満のころから梅雨に入る。
さらに5月下旬から6月上旬、
九州、四国が梅雨前線の影響下に入る。

そう考えると、梅雨はもうすぐ。
いまは、その梅雨の前のいい季節ということになる。

いい季節のいい1週間を過ごして、
300年後にしか見られない金環日食を楽しむ。
晴れてくれることを祈りつつ。

私は今、アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガス。
この地は1年で3回しか雨が降らないと言われる。

ここでならば金環日食は絶対に見られるのに、
なんて思ったりする。

今月は月終わりの5月29日・30日・31日に、
商人舎ミドルマネジメント研修会開催。

いまのところ110名の参加状況だが、
あと10名くらいの席を用意した。
今週末まで、まだまだ、募集中。

是非ご参加を。

さて私はラスベガス。
もう4日目が終わった。

ラスベガスの食品小売業の企業業態別市場占拠率は以下。
これは2011年の数値。
1.クローガー系スミス27.7%
2.ウォルマート スーパーセンター16.2%
3.アルバートソン9.2%
4.コストコ9.0%
5.セーフウェイ系ボンズ7.7%
6.ウォルマート・サムズクラブ7.5%
7.ウォルマート・ネイバーフッドマーケット4.1%
8.ホールフーズ・マーケット2.9%
9.ウィンコ・フーズ 2.4%
10.フレッシュ&イージー(テスコ)2.3%
11.トレーダー・ジョー2.2%

このうちスーパーセンター、サムズ、
そしてネイバーフッドマーケットを合わせると、
ウォルマートが27.8%。

ウォルマートとクローガーが、
それぞれ27%台を占める2強であることがわかる。

かつて、このネバダ州のローカルチェーンは、
スミスとボンズだった。

それらはクローガーとセーフウェイの傘下に入ってしまった。
その最大の理由はウォルマートの侵入。
さらにホールフーズ、ウィンコ、フレッシュ&イージー、
そしてトレーダー・ジョーなどの参入。

商人舎ベーシック編は、
当然ながら、これらの店をすべて訪れる。

今日は、スーパーマーケットのナショナルチェーン2社と、
ホールフーズ、トレーダー・ジョーを紹介しよう。

まず、売上げナンバー1のクローガー系スミス。
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クローガーは全米小売業第3位。
スーパーマーケット第1位。
2011年売上高903億7400万ドル。
100円換算で9兆0374億、伸び率9.9%。
純利益が6億0200万ドル(602億円)、こちらはマイナス46.0%。
総店舗数は3574。

「最高の品質」をうたう青果売り場。
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極めてオーソドックスな店づくりだが、
そのオーソドックスさが許されるのは、
トップ・シェアのクローガーだけ。

カラー・コントロールされたプレゼンテーション。
ボリューム陳列も美しい。
「商品に語らせる」とはこのことだ。
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青果に続くデリ売り場は、
サラダの対面コーナーから入る。
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下段にはカップサラダが並ぶ。

精肉も対面売り場から入る。
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最高品質のチョイス、カンザスのプライムビーフを品ぞろえ。
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対面売り場の次に、セルフサービスの多段ケースのミート売り場。
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これもオーソドックスな販売方式。
1930年、マイケル・カレンは、
「80%をセルフサービス、20%を対面売り場」とする方式を生み出した。
それがスーパーマーケットだった。

クローガーはその伝統的な方式を踏襲している。

通常より1ポンドあたい1ドル30セント割引価格のボンレスポーク。
パック当たりいくらお得かをパッケージに表示して訴求。
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チーズ売り場も対面とセルフサービスを組み合わせる。
その対面のチーズ売り場。
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セルフのチーズ売り場。
チーズとワインの充実は必須となってきた。
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対面には人手がかけられる。
だからノンコモディティ商品。
セルフは説明しなくともわかる商品。
すなわちコモディティ商品。

グルテンフリー商品は、
アメリカでは当たり前に品ぞろえされている。
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低価格商品はスポッターで強調する。
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店のいたるところで、
2012年ラスベガスのベスト店舗に選ばれたことを告知している。
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今回で7回目。

クローガーのスミスは、
このエリアナンバー1の地位を占めるだけあって、
オーソドックスな店づくりだが、
まさにマーケット・リーダーの戦いぶりだ。

一方、セーフウェイ系のボンズ。
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セーフウェイの2011年度売上高は、
436億3000万ドル、6.3%。
純利益は5億1700万ドルだが、
前年比マイナス12.4%、
期末店舗数は1678店。

このほとんどの店舗を、
「ニューライフスタイル」ストアに改装して、
セーフウェイは脱皮を図っている。
「オーソドックス」の伝統型が通用するのは、
地域ナンバー1シェアの企業だけのようだ。

入り口を入ると、プロモーションコーナー。
価格訴求の商品が並ぶ。
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母の日を控え、
切り花コーナーは入り口付近で充実。
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「LOWER PRICE」をアピールする青果売り場だが、
オーガニックの取り扱いを強調している。
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壁面は多段ケースでの葉物の展開。
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木製の床と什器でシックな高級感を演出する。
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ドライフルーツの展開。
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高い平台は、お客にとっては商品が見やすい。
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今日のオーガニックフルーツと野菜のコーナー。
鮮度をアピール。
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プライベートブランド「Oオーガニック」のカット野菜のパック。
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りんごなどの青果物にもOオーガニック商品が数多く開発されている。
リンゴ一つ一つに「O」ブランドマークがついている。
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青果部門の次が、
奥に調剤薬局のあるファーマシー売り場。
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現在のスーパーマーケットは、
ほとんどがドラッグストア併設型。
フード&ドラッグと言ったり、フード&ファーマシーと呼んだり。

そしてドラッグストアの大半は、
奥壁面に位置付けられる。

このことによって、
店内をくまなく回遊してもらうことができる。

壁面がR型に湾曲したデアリー・コーナー、
すなわち乳製品の売り場。
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店舗左翼はサービス・デリのゾーン。
レンジ商品の「meals to go」コーナー。
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温めるだけですぐに食べられる調理済みメニューが豊富にそろっている。
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「HOT SPOT」とPOPでアピールされたお買い得商品。
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視察の金曜日は、売り場全体で「5ドル」キャンペーンが行われていた。
ピザ、ロティサリーチキンなど5ドル商品を展開し、よく売っている。
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グロサリーのアイルは陳列線が長い。
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そして店舗左が酒売り場。
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ただしこの店、ちと苦しい。

三番目はタウンスクエア地区にあるホールフーズ。
ライフスタイルセンターと呼ばれるショッピングセンターの核店舗。
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昼時には、周辺のオフィスで働く人たちが訪れる。
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ホールフーズの2011年売上高は、
311店舗で101億0800万ドル、
対前年比12.2%。
100円換算ながら、ついに1兆を超えた。

既存店伸び率は8.5%。
純利益は3億4300万ドルで、
これも39.4%の驚異的な伸び。
店舗数も311となった。

オーガニック&ナチュラル・フーズを中心に、
健康的なライフスタイルを提供する。
ラスベガスでも独自のポジショニングで固定ファンをもつ。

入り口を入ってすぐの壁面には、
「ロウ・フード」のコーナー。
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Raw Food。
つまり加工されていない生の食材を用いた食品。
これを主体に食生活する考え方を「ロウフーディズム」という。
「リビングフード(Living Food)と呼ばれることもある。

一般に、全食事の6割以上であれば、
ロウフーディストと考えられる。

その売り場を入り口右手に大々的にもってきた。
意欲的な試みだ。

青果部門から入るが、どの店もカラーコントロールと陳列の技術が高い。
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そして鮮魚の対面売り場。
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作業台が一段高くなっていて、
顧客を見下ろすような態勢となる。
しかしこれがコミュニケーションをしやすくする。

精肉対面コーナーのひき肉からステーキ売り場。
「マザーズ・デー」のPOPがつけられている。
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惣菜コーナーはホールフーズの売り物の一つだが、
対面方式の大皿盛は、とりわけてうまい。
もちろんオーガニック素材がふんだんに使われている。
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店舗左奥がワイン&チーズのショップ。
オーガニックワインも品揃えされているし、
1ドル99セントワインも開発されている。
それらのワインとチーズを組み合わせて、
ショップ展開するところまで、
ホールフーズは専門性を追求している。
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ベーカリー売り場に最近お目見えした新しい什器。
品質維持が可能で、しかも顧客からすごく見やすい。
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レジの手前には、コーヒー豆売り場。
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そしてレジのうしろのフードコートに、
急きょ登場したエコバッグゴンドラ。
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カスタマーサービス担当のケンドラさんと、
マーケティング担当のジムさんの2人にインタビュー。
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ホールフーズに働く喜びや、やりがい、
そして生きがいまで語ってくれた。

その後、全員で記念写真。
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ケンドラさん、ジムさんというホールフーズのナレッジ・マーチャント。
そして日本からやってきた知識商人たち。
とても良い交流ができた。

つづいてトレーダー・ジョー。
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2011年売上高90億ドル。約9000億円。
伸び率は5.8%と相変わらず。
期末店舗数も375と成長は続く。

ホールフーズもトレーダー・ジョーも、
1兆円の大台に乗るかという企業になってきた。
ずっと両者を認め、応援してきた私としては、
嬉しいかぎり。

両者がチェーンストアでないとは言えないし、
両者がスーパーマーケットでないとも絶対に決めつけられない。

入り口を入ったところに花売り場。
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青果部門の鮮度、品質、品ぞろえのレベルも、
ずいぶん高くなってきた。
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トレーダー・ジョーは、
リミテッドアソートメントのグロサリーストアであった。
しかし客数が多くて商品回転が速いと、
生鮮食品も充実してくる。

このオーガニック・バナナのおいしそうなこと。
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バナナの奥のリンゴなども島陳列。
必需の品が鮮度よく、安全で、安い。
全てがセンター供給。
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Artisan Breadの島陳列。
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最近一番力を入れているのが、チーズ。
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ナチュラルチーズも、安くて、うまい。

そしてワインコーナー。
トレーダー・ジョーのプライベートブランド「リザーブ」が、
9ドル99セントでエンド陳列。
私がお土産に持って帰る、定番ワイン。
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1000円だが3000円から5000円くらいの価値がある。

そして最後におなじみのレナートさんのインタビュー。
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固い握手。
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そしてトレーダー・ジョーでも、
全員で記念写真。
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ラスベガス地区のマーケットシェアは、
クローガーとウォルマートがクリティカル・マスを超えている。

この2強に対抗することができる企業は、
明らかにホールフーズとトレーダー・ジョー。

最近はこれらにウィンコ・フーズが加わる。
こちらはディスカウントタイプのスーパーウェアハウスストア。

ウィンコはウォルマートと、
激しく競争する。

その影響を最も大きく受けるものは、
クローガーだろう。

ホールフーズとトレーダー・ジョーの、
両者のポジショニングを揺るがす者は、
しばらく登場することはない。

クローガーもセーフウェイも、
頭が痛いに違いないし、
ウィンコはウォルマートにとって、
これまた目の上のたんこぶだ。

そこで企業規模もマーケットシェアも
小さな者たちの方が、
優位な競争を進めている。

不思議な現象が起こっている。

これがアメリカの面白いところだし、
知識社会が訪れていることを証明するものでもある。

そしてなぜか元気が出てくる。

皆さんに、その元気を、
おすそ分け。

では、Good Monday!
(明日につづきます)

<結城義晴>

2012年05月13日(日曜日)

ジジ、母の日に思う[日曜版2012vol20]

ジジです。
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きょうは母の日でした。
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ボクにも、
かあさんがいます。
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ミントというなまえ。

ボクがうまれたばかりのころの写真。
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かあさんは、やさしかった。
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ボクの姉妹たち。
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ボクは、みつごでした。
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いちばん左がボクです。

いまはみんなとはなればなれで、
ボクはひとりですが、
妹たちは、元気でしょうか。
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なんにもかんがえずに、
ねてばかりのボクでした。
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かあさん、
うんでくれて、
ありがとう。
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ボクは元気です。
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こんなに、おおきくなりました。

ユウキヨシハルのおとうさんは、
アメリカ。

ラスベガスのフラミンゴというホテル。
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いつも泊まるホテル。
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中庭には木が茂っていて。
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滝があります。
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池もある。
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南の島みたい。
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そして、いっぽん足。
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フラミンゴたち。

くつろげるホテルです。
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ダイニング。
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朝食もおいしい。
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ホテルでくつろいで、
街やお店を元気にめぐる。
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そういえば、
アメリカでも、
「マザーズ・デー」、
やっていました。
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ウォルマート。
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JCペニー。
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これはホールフーズ・マーケットのお肉。
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アメリカでも母の日に、
かあさんのことをおもうと、
みんな元気になるみたいです。
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かあさん、ありがとう。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年05月12日(土曜日)

リーダー・ウォルマート、チャレンジャー・ターゲット、フォロワー・Kマート

5月11日、ネバダ州ラスベガス。
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目がさめると、窓の外に砂漠の中の街。

商人舎USA研修会Basicコース第2日目が始まった。
朝から講義。
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結城義晴たっぷり2時間半の第1回セミナー。
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初日の長い長いフライトと研修を終え、
ぐっすり眠った団員は、元気いっぱい。
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私の時間は、
8時半から11時くらいまで。
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「はじめの一歩」というが、
この最初の講義はとても大切。

173ページのメインテキストと、
204ページの事前テキストを使って、
あっちに飛び、こっちに戻りしながら、
最初の大事な大事なことを語る。

はじめの言葉。
故倉本長治の「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」
アメリカに来るときいつも私は思っている。

ピーター・ドラッカー。
「基本と原則を補助線にせよ」
(「ポストモダンの七つの手法」より)

そして4つの目。
「虫の目」とは、現場を見る力。
細部まで丁寧に「見極める能力」。
これを支えるのが、専門性と現場主義。

「鳥の目」は、大局を見る力。
全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。
これを支えるのが、情報量と知識。

「魚の目」は、流れを見る力。    
時間の経過の中で、現在と未来を「見通す能力」。
これを支えるのは、経験と見識。

そして、「四つ目の目」は、
謙虚で、真摯で、真っ正直な「心の目」である。

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それから、Prologue。
第1部「理念に学ぶ」。

第2部「歴史に学ぶ」と第3部「経営理論に学ぶ」は、
明日明後日に譲って、
第4部「ランキングに学ぶ」。

これが米国小売業を俯瞰する「鳥の目」。

第5部「現場で学ぶ」からは、
二日目に必要な店舗視察のコツに関する項目を拾ってレクチャー。

さらに事前テキストから、
ラスベガス地区の競争の特徴。
昨日の企業の復習、今日の企業の予習など、
最後にPFグラフのつくり方、書き方注意点。

時間はあっという間に過ぎていく。

その後、事務局から、
調査グループの班分けが報告され、
班ごとに、打ち合わせ。
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これは参加者が他の企業の人と共同で、
チームワークをつくる訓練にもなる。
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熱心な議論が続き、
アウトラインが決まったら、
視察・調査に出かける。

今日はディスカウントストアとハイパーマーケット。

まず、ターゲット。
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ターゲットは、2011年全米チェーンストアランキング第3位。
売上高699億ドル(1ドル100円換算で6兆9865億円)、
伸び率3.7%。

純利益は29億2900万ドル(2929億円)、
こちらの伸び率は0.3%。
総店舗数は1763。
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FORTUNEの「2011年世界で称賛される企業ランキング」22位。
ウォルマートに真っ向から挑む企業。
つまりディスカウントストアとハイパーマーケット業態を展開し、
それでいて、ウォルマートとは異なるポジショニングを形成している。

この店はTarget Greatlandというバナーで、
売場面積1万4000㎡。
ターゲットはディスカウントストアという非食品総合低価格業態から、
ウォルマート・スーパーセンターと同じハイパーマーケットへと、
業態の転換を図っている。

その中間に位置付けられて実験しているのがこのタイプ。
だからグロサリーを強化するが、生鮮食品は扱わない。
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食品の部門は「market」と呼ばれる。

しかし衣料品をはじめとして、
ファブリックスなどの商品群は、
ウォルマートよりもグレード感がある。
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それでいて、ウォルマートよりも少し高い価格帯。

だからウォルマートとは完全なすみわけができている。

ウォルマートをマーケット・リーダーとすれば、
ターゲットはマーケット・チャレンジャーである。
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それはそれは見事な経営戦略とマネジメント。

つぎにシアーズ・ホールディングス。
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全米チェーンストアランキング第10位。
米国内年商354億ドル。
これは前年比マイナス2.2%。

世界年商は413億ドルで、
こちらはプラスの85.7%。

総店舗数は3484店と、
ターゲットよりも多い。

なぜならかつてのシアーズとKマートの2強が、
事実上倒産し、その2社を合併させて、
シアーズ・ホールディングスという持株会社に管理させているからだ。

この店は、スーパーKマートというハイパーマーケットとして開店した。
しかし業績はひどく悪くて、
だから食品部門をカットして、
その空いたスペースに「シアーズ・アウトレット」を入れた。
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私にとっては懐かしい店。

かつては渥美俊一先生とご一緒して、
シアーズとKマートを散々、訪れた。

シアーズはゼネラルマーチャンダイズストアの雄。
Kマートはディスカウントストアのトップ。

いま、その両者が一つの店となって、
コンバインされている。

シアーズ得意の白物家電「ケンモア」が、
2割から6割引きで売られる。
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衣料品はKマートのプライベートブランド。
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しかしターゲットにははるかに及ばないし、
ウォルマートにも引き離されてしまった。

つまりかつてディスカウントストア第1位だったKマートは、
ウォルマートとターゲットにサンドイッチされて、落ち込み、
今や何の特徴もない店に成り下がってしまっているのだ。
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シアーズ・アウトレットを結合させたことで、
少しだけ効果が上がって、客数が戻ってきた。

しかしこの会社は典型的なマーケット・フォロワーとなってしまって、
脱落以外に道はなさそうだ。

フィリップ・コトラーは分類する。
1.マーケット・リーダー〈Leader〉
2.マーケット・チャレンジャー〈Challenger〉
3.マーケット・フォロワー〈Follower〉
4.マーケット・ニッチャー〈Nicher〉

このうち1と2と3の競争が、
アメリカのディスカウントストア業態で繰り広げられている。
これを私は「三占から複占へ」と表現している。
「寡占」とは、
少数の供給者がある一定の市場のほとんどを支配し、
互いに競争している状態。

「三占」とは、
三者によって市場のほとんどが支配されてしまう状態。

そして「複占」とは、
二者によって市場のほとんどが支配されてしまう状態。

アメリカのディスカウントストアとハイパーマーケット業態は、
現在、ウォルマート、ターゲット、Kマートの三占状態。

そこから3番手のマーケット・フォロワーが振り落とされ、
場外に消える。

それはどう見てもKマートだ。

恐ろしいことだが、
それしか考えようがないし、
現場をずっと見ていると、
このことを確信せざるを得ない。

今日のブログはここまで。
続きは来週お届けする。

ラスベガスの旅はまだまだ続く。
皆さんよい週末を。
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私は元気です。

おやすみなさい。

<結城義晴>

2012年05月11日(金曜日)

ビックカメラ「コジマ買収劇」とラスベガス巨大チェーン群

“Welcome to LAS VEGAS
この言葉に迎えられて、
ラスベガスに到着。
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アメリカン航空のAグループ27名はロサンゼルス経由、
ユナイテッド航空のBグループ37名はサンフランシスコ経由。

時間差はあったものの、
無事に全員がラスベガスの地に降り立った。
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待っていたのは、浅野秀二先生(写真)と藤森正博さん。
米国在住の現地コーディネーターのお二人。
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全員が真っ先に訪れたのは、
アローヨ地区の広大なショッピングセンター。
全員でウォルマートを背景に記念撮影。
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アローヨ地区には、
パワーセンターが4つ集積されている。

核店は、それぞれウォルマートスーパーセンター、
ホームデポ、ベストバイ、ベッド&バス・ビヨンドなど。

アメリカのショッピングセンターのパワーと、
ウォルマートの最強フォーマット・スーパーセンターを、
最初に実体験してもらう。

ファーストインプレッションはとても大事だから。
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そのウォルマート・スーパーセンター。
世界最大の小売業の2012年1月期の年商は、
4438億5400万ドル。
100円換算すると、44兆3854億円。
前年比はプラス5.9%。
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営業利益は265億5800万円で、
こちらも前年比4%増えた。
100円換算をすると、2兆6558億円。
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ウォルマートは昨年、
南アフリカのマスマートを買収し、
店舗数は一気に増加し、
1月末時点で1万0130店。
とうとう総店舗数1万店舗を超えた。

ウォルマートでは、
アシスタントマネジャーのスティーブンさんにインタビュー。
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コンペティター対策、プライスマッチングの店舗政策、
顧客と従業員にたいするマネジャーの仕事、
そして、参加者からの質問にも丁寧に答えてくれた。
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この店はまだ新しいから、
フード部門とHBCで売上げの75%を占めている。
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感謝をこめてスティーブンさんと握手。
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14年間空軍に従事し、
ウォルマートに来て4年。
握手した手は分厚くて、
力強かった。

そしてアローヨ地区のほかの店々を、
35度の暑い中、視察。
アローヨでは、業態ごとの1位、
もしくは、2位、3位企業を見ることができる。

家電専門チェーンではベストバイ。
全米ナンバー1企業。
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2012年2月期は年商507億ドル。
5兆円を超える。
店舗数は2月末で4308店、
そのうち国内は1447店。

しかし業績はアマゾンなどのネット通販に押され、
マイナス12億ドルの損失を計上するなど、苦戦。
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おりしも日本では、
「ビックカメラ、コジマ買収」のニュース。
家電業界第2位に躍進して、
連結売上高1兆0615億円。

トップは、年商2兆1532億円のヤマダ電機
3位が9010億円のエディオン。

ベストバイは、日本1位の2倍強、
2位、3位の5倍という規模。

その最大の敵は、
ウォルマート。

日本では、ヤマダ電機やビックカメラ、エディオンの敵が、
イオンやイトーヨーカ堂ではない。

1990年代までは、
日本でも家電最大販売企業はダイエーだった。

それが家電専門店チェーンに、
奪い取られていった。

この違いはどこから生まれてきたのか。
誰か修士論文のテーマにしないかしら。
極めて興味深い。

話はアローヨ地区にもどって、
好調業態のOPS(オフ・プライス・ストア)。
1位のT.J.Xが展開するマーシャルズ。
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T.J.Xの2012年1月期売上げは、
231億9100万ドル、伸び率5.7%。
純利益も11.7%増の14億9600万ドル。
総店舗数2905、うち国内2089。

マーシャルズはアパレルとホームグッズを品ぞろえする。
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おなじOPS業態の第2位ロス
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2012年1月期の売上高は86億0800万ドル(8608億円)、
前年比9.4%増。
純利益は6億5700万ドルで18.3%増。
こちらも絶好調で、総店舗数は1125店舗。
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OPS業態は不況の時ほど、やはり強い。

一言でいえば、ブランド品のバッタ商売を、
巨大チェーンにしてしまった業態。
面白い。

私はこのOPSが大好きで、
昨年、この店でスイスギアのキャリーバッグを買った。

一方、ホーム関連はどうか。
ホームセンター業界第1位のホームデポ。
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2012年2月期、売上高703億9500万ドル、3.5%増、
純利益38億8300万ドル、16.3%増。

価格志向に走りつつも、
専門的なサービスの提供は失わない。
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サブプライムローン破綻によるホーム需要激減を、
やっと乗り越えつつある。
その専門性はウォルマートと別の次元をつくっている。

ホームファッション・チェーンのベッドバスビヨンド。
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ニトリがベンチマーキングしていることで知られる。
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2012年2月期は売上高95億ドル(8.5%増)、
純利益9億8900万ドル(25.0%増)。

オフィス・サプライチェーンのオフィス・マックスは、
ステープルズ、オフィス・デポに次ぐ全米第3位。
2011年12月期の年商は71億21004億ドルのマイナス0.4%。
純利益は3300万ドルと昨年より半減。
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業態の3番手はフォロワーにならざるを得ず、
衰退していく。
それがオフィス・マックスに表れている。

ほかにも、ペット専門店のペッツ・マート。
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トイザらスが展開するベビーザらス。
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短い時間に、効率よく視察するには、
このアローヨ地区に限る。
ただし、それでも、駆け足の視察になる。

そして初日の最後は、グレイザーズ。
ラスベガスに1店舗だけ構えるインディペンデント・スーパーマーケット。
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地元新聞の発表する“ラスベガスで最も良いグロサリー・ストア”に
2年連続で選ばれている人気店。
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ここの特徴はアメリカでは珍しく、
惣菜の小容量の個食パックを販売する。

しかしこの店、昨年ほどの元気がない。

競合が激しくなると、
インディペンデントは、
どうしてもグロサリーが弱体化する。
すると、客数が減っていく。

生鮮食品の鮮度が落ち、
惣菜も作り立てを提供できなくなる。

しかし、寿司だけはしっかりと売っていた。
ペットボトルの水もよく売れていた。

サービス&クォリティ型のインディペンデント、
ホールフーズが出てくると、
本当につらい。

はじめに世界最大の1万店企業・ウォルマートを訪れ、
最後に1店舗のグレイザーズを見る。
さらに非食品の業態ベスト3の店舗を訪れる。
そしてそれぞれのギャップを感じとる。

それがベーシックコース、
最初の日のコンセプトだ。

このブログを書いているのは、
こちらの時間で、午前4時。
私はもう、36時間くらい起きている。
長い1日がやっと終わる。

一眠りして、
明日からまた、
疾駆、疾走。

よろしく。

<結城義晴>

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