アルトゥール・ショーペンハウエル。
Arthur Schopenhauer。
英語読みでは、
アーサー・ショーペンハウアー。
ドイツの哲学者。
1788年2月22日生まれ、
1860年9月21日没。
永久の眠りを｢借金」、
日々の睡眠を｢当座の返済」。
このようにみたてた。
ぐっすり眠る。
これは利息を多めに支払うこと。
そうすれば、
元金返済期間が長くなる。
長生きできる。
簡単に言えば、
睡眠は長生きの秘訣。
その意味では、
私自身はこれまでずっと、
当座の返済が足りなかった。
だから元金返済期間が短い。
関西スーパー会長の故井上保さんも、
もしかしたら私同様、それが、
足りなかったのかもしれない。
11月2日の日曜日の早朝に、
逝去された。
再び心より、
ご冥福を祈りたい。
その翌々日の11月4日、
朝8時42分、
私の父が亡くなった。
結城義登。
〈写真は今年5月6日のもの。半年前は、元気に一人で歩いて、
碁会所に通っていた。毎日更新宣言ブログ5月6日編に掲載〉
私はテキサス州ダラスにいた。
今回は20日間のアメリカ滞在。
帰国はかなわない。
こちらで合掌し、
黙祷した。
そして会葬のお礼の文を書いて、
送った。
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父、結城義登は、
平成二十六年十一月四日、
午前八時四十二分に、
他界いたしました。
享年八十八でした。
おかげさまで米寿の年まで
生かしていただきました。
微笑むような、満足したような、
優しい最後の顔でした。
大正一五年十二月二十日、
大連の旅順で生まれた父は、
彼の地で成人し、關東軍に徴兵されました。
終戦後は、郷里の福岡に引き上げ、
縁あって古河電気工業株式会社に入社、
そのまま実務家としての会社員人生を
全ういたしました。
多くの人々に支えられ、
多くの人々に信じられ、
多くの人々に慕われ、
納得のいく仕事ぶりのように
見受けられました。
定年後は、縁を得て、
東京通建株式会社の取締役に就任し、
六十八歳までその職を全うすると、
晩年は毎日のように碁会所に通って、
まさに碁三昧の日々でした。
今年、横浜市民病院に入院して、
大腸癌が見つかり、
手術をするかどうかの判断を迫られた時にも、
即座に自分自身で決断しました。
｢十分に生きた。
もうやり残したことはない。
この世に未練はない」
一応の退院後、
福岡から伯父御夫妻に来浜いただき、
小さな宴が設けられました。
その席上で、
戦時中、戦場に送り出した友人に捧げた歌を、
父は思い出しながら、
ゆっくりと、静かに歌いました。
｢イタリーの庭｣。
父の思いは、最後には、
決して明るくはなかっただろう戦前の、
青春の日々に戻っていったのだと感じました。
父がお世話になった皆様、
ご縁のあった皆様へ、
生前に賜りましたご厚誼を、
深く感謝申し上げます。
残された家族一同、
｢やり残したことはない」と言い切れる人生を、
それぞれに歩んで行きたいと思います。
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今日の夕方から、通夜。
明日、告別式。
父の遺言もあって、
葬儀はできるだけ静かに、
簡素に行うことにした。
通夜にご弔問くださったみなさま、
献花、弔電などご配慮くださったみなさま、
葬儀、告別式にご会葬いただくみなさま、
心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
〈結城義晴〉
