結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年11月29日(土曜日)

ディズニー「おもてなしの極意」はウェグマンズ・WFM・TJに通ずる

どんな顧客にも、
精一杯、対応したい。

日本を訪れる外国人旅客、
過去最速のペースで増加中。
今年1~10月は1101万人。
前年同期比27%プラス。

観光庁の「訪日外国人消費動向調査」。
1~9月の消費累計は1兆4677億円。

昨2013年が1兆4167億円だから、
4分の3の期間でそれを超え、
2兆円台が見えてきた。

そこで免税の対象商品は、
10月から消耗品にも拡大された。

日経新聞の『きょうのことば』は、
「免税店」。

非居住者が購入した商品は、
それにかかる消費税が免除される。
事業者には所轄する税務署長の認可が必要。
それも店舗ごとに認可を与えるのが税務署方式。

百貨店、総合スーパー、ドラッグストアが積極的。

そこで今日のニュースは、
セブン-イレブン・ジャパンが、
2015年中に全国1000店で、
免税店認可を受けるというもの。

まず12月1日に、
東京の浅草雷門前店と、
京都の西院駅南店で、
免税対応をスタート。

レジカウンターの一部が、
免税専用窓口に切り替わる。
店員がパスポートを確認し、
8%の消費税の支払いを免除。
百貨店が先行している。
三越銀座店は10月の免税品売上構成比が15%。
4~9月は8%だった。

三越伊勢丹ホールディングスは、
2014年度の免税売上高を約250億円と計画。
これは2013年度の2.5倍。

大丸松坂屋百貨店の14年度は、
100億円規模。
13年度実績の倍増。

ドラッグストアでも、
マツモトキヨシホールディングスは
免税対応店舗の新設を計画中。

業種を超えた訪日客の奪い合いは激しくなっている。

ちなみに、
10月1日時点の免税店は、
全国に9361店。

どんどん増えていくに違いない。

そうなると、消費税表記も、
「本体のみ」の方がわかりやすい。

日本国内の商売が、
どんどん国際化していく。

これはこれで、とてもいいことだ。

さて、アメリカに行っている間に、
いろいろなイベントが開催された。

商人舎編集スタッフが、
取材してくれたので、
それを掲載しよう。

私がサンフランシスコにいた11月17日。
東京国際フォーラムでは、
プラネット30周年記念ユーザー会開催。
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参加者は287社、550名。
過去最多となった。
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開会のあいさつは、玉生弘昌さん。
㈱プラネット代表取締役会長。
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現在、プラネットは流通業界で、
2つのインフラストラクチャーを構築。

第1が、事務的手続きを標準化するEDI。
第2が、情報系の業界インフラ「バイヤーズネット」。

玉生さんが強調したのは、
プラネットの社会的役割。
「『安全』であり、『中立的』であり、
『標準化』されていること」。

「さらに『継続』と『安価』が必須であること」。

プラネットは業界のスタンダードになっている。
それは安全・中立・標準化があり、
継続と安価が実現されているからだ。

まったく不思議な機能が、
でき上がっている。

このユニークさが、
プラネットのポジショニングである。

基調講演は、
キャリア教育センター代表の竹内昭さん。
『ディズニーに学ぶ“おもてなしの極意”』。
㈱オリエンタルランド元理事。

東京ディズニーランドのおもてなしが、
ユーモアたっぷりに講演された。
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カリフォルニア・ディズニーランドは、
1955年にオープン。

その後、1971年に、
フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド、
1983年に、初の海外進出、
東京ディズニーランド(TDL)。

さらに1992年には、
フランスのディズニーランド・パリ、
2005年に香港ディズニーランド。

現在は、2015年オープンに向け、
上海に新たなパークを建設中。

この中でTDLの運営が、
一番うまくいっている。

理由は、
ウォルト・ディズニーのフィロソフィーと、
オリエンタルランド創業者のフィロソフィーが、
合致したため。

TDLは1983年の開園から順調に推移。
1800億あった借金は、
開業3年で完済。

TDLの最寄り駅「舞浜」は、
フロリダ州“マイ”アミ“ビーチ”からとって、
名付けられた。

TDL売上高は年間4700億円、
経常利益1120億、純利益700億円。

ショービジネスで成功したディズニーは、
エンターテインメント企業ではなく、
もともとは著作権の会社。

だから原価250円のペンは、
ディズニーのキャラクターやロゴが入ると、
販売価格が1000円に跳ね上がる。

ディズニーは委託商品を置かない。
販売商品はすべて買い上げ。

そしてディズニーは徹底して値下げをしない。
売れ残ったものはすべて廃棄する。
ちなみにディズニーは、
通信販売もやらない。
インターネット販売もやらない。

結果的に、この戦略が大成功。

通信販売をすれば、確実に商品は売れる。
しかしその反面、
TDLに来なくなるというリスクが発生する。
さらにディズニーでは、
同じ商品を1回の清算で
30個以上販売することを禁止している。

これは二次商売を防ぐため。

TDLには年間3200万人の来客がある。

オリエンタルランドはディズニーに、
年間250億ものロイヤルティを払っている。

ディズニーは投資を惜しまない。

向こう10年で、拡張のために、
5000億の投資を予定している。

TDLは1983年のオープン時、
敷地の約7割しか施設を作らなかった。

その後、毎年毎年、
新アトラクションをオープンしていった。
そして敷地全部にアトラクションができたら、
一番人気のないものを刷新する。

すると、毎年新しいアトラクションができる。

これが、TDLがうまくいった秘訣である。

ディズニーは従業員満足と顧客満足が高い会社。
『ゲストにハピネスを提供します』
これは従業員10人中9人が言えるセリフ。

パークの中で働く人も、
外で働く人もモチベーションは高い。
そして意外なようだが、一番人気は、
パーク内の清掃の仕事「カストーディアル」。

なぜならお客さんと接する機会が一番多いから。

会社が伸びるか否かは、
顧客満足度にかかっている。
そして顧客満足を得るには、
まず従業員満足が必要不可欠。

運営の基準は「SCSE」。

一番重要なのが「Safety」。
安全性。
ディズニーでは、雨の日だろうと、
定期的にベンチふきをする。

意味がないと思われるかもしれないが、
ベンチを留めているビスが外れていないか、
安全確認のために行われている。

さらに毎晩深夜、パーク内の路面に水を流し、
何度も拭くという大掃除を実施する。

小さな子供が地面に寝転んでも、
極端に言えば地面を舐めても大丈夫なくらい、
清掃・安全面に気を遣う。

防災訓練も2日に1回は必ず実施する。
日常的にやっていなければ、
実際の災害発生時には、
対応することができないからだ。

次に「Courtesy」。
礼儀正しさ、身だしなみ、正しい行動。

そして「Show」。
非日常を演出し、テーマ性を徹底する。

最後に「Efficiency」。
効率性がくる。

儲けは一番最後なのだ。

SCSをきちんとやれば、
おのずと儲かるという算段。

予算達成や売上目標などの締め付けは一切ない。
だから従業員はみんな伸び伸びと仕事ができる。

「ゲストがパークに入ったら、
1日に100回くらい話しかけられるように、
語り掛け、歩み寄りなさい。
ゲストと従業員が接する瞬間は、
一期一会なのだ」。
そんな教育をしている。

ディズニーで過ごす1日が、
特別な1日になるように、
「感動」を提供するサービスをする。

ちなみに期待度に対し、
満足度が100%に近ければ「納得」。
100%ならば「満足」。
そして100%をはるかに超越したとき、
それを「感動」と呼ぶ。

この「感動」はゲストに対してだけではない。
キャストにも感動のシャワーを浴びせ続ける。

優秀社員を表彰する。
彼らはバッヂなどを胸につけていれば、
同僚からも顧客からも評価される。

「評価と表彰」がいかに従業員を、
やる気にさせるか。

もちろんディズニーといえど、
クレームは発生する。
その中でも3%はハードクレーマー。

激しい抗議をされることがあるが、
こうした人は、
ともすれば熱心な客になってくれる。

しかし問題なのは、文句はあれど、
おとなしい97%の人たち。

これらをサイレントマジョリティ、
静かなる大多数と呼ぶ。

このような人々は黙って去っていく。
運営側としてはこちらの方が怖い。

サイレントマジョリティの声をきくため、
キャストに無料チケットを配布し、
園内で遊んでもらいつつ、声をきく。

最後にまとめ。
ディズニーは「感動」を売って成り立っている。
スーツを買えば、1~2年はもつだろうが、
感動は長持ちしない。

その感動を再び味わってもらうため、
ディズニーは8つのキーワードを掲げる。

①「毎日が初演」という気持ちでいること
②素晴らしいショーを提供すること
③未知の体験を提供すること
④特別な1日を提供すること
⑤ハピネスを提供すること
⑥「感動」を提供すること
⑦魔法をかけ続けること
⑧パークは永遠に完成しないようにすること

従業員満足と顧客満足の両立が、
この特異な企業の柱となっている。

ウェグマンズ、
ホールフーズ、
トレーダー・ジョー、
コンテナストア。
そしてメルカドーナ。

全ての小売業に共通すること、
それが従業員満足と顧客満足。

記念講演のあとは、
パネルディスカッション。
テーマは、
『これまでの30年、これからの30年』。
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ユーザー会の閉会の辞は、
田上正勝さん。
プラネット代表取締役社長。
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「人間が仕事をする上で、
いかにパソコンを使うかを
考えていく必要がある。
ワクワクするような未来を、
ITで形にしていきたい」

私がサンフランシスコで、
レクチャーし、講義していたことと同じ内容を、
東京で竹内昭さんが講演していた。
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今週末も、
12月商戦も、
ディズニーの「感動」の提供を、
忘れてはならない。

〈結城義晴〉

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