おとうさんも、あっちで、
おいしいもの、たくさん、
たべてるでしょう。

でも、5日間、
すぐにおわった。
そしてもう、みんなは、
帰る日です。
そして、おとうさんは、
ひとりのこって、ダラスに、
むかいました。

まだまだ、つづきます。
ごくろうさま。
〈『ジジの気分』(未刊)より〉
結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。


日本のニュース。
日本小売業協会会長に、
清水信次さんが就任。
ライフコーポレーション代表取締役会長。
日本チェーンストア協会会長も兼ねるし、
国民生活産業・消費者団体連合会会長でもある。
日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会では、
名誉会長。
まさに日本商業の代表だし、
消費産業の代表。
89歳。
ご苦労様です。
一昨日、ラスベガスで亡くなった、
B.B.キングと同じ年。
ますますお元気。
いくら感謝しても、
感謝し足りない。
これまで会長を務めてくださった土方清さんも、
本当にご苦労様でした。
日本小売業協会は1978年設立。
初代会長には永野重雄氏が就任。
日本商工会議所会頭という大物だった。
1984年に就任した第2代会長は、
五島昇氏で、これまた、
日本・東京商工会議所会頭。
第3代は三越会長だった市原晃氏、
第4代会長はジャスコ会長の岡田卓也氏、
第5代は伊勢丹社長の小柴和正氏、
第6代は再び三越会長の中村胤夫氏、
そして第7代がサークルKサンクスの土方清氏。
清水さんは第8代目の小売業協会会長。
よろしくお願いします。
その清水会長の日本チェーンストア協会。
消費増税の際の「軽減税率」導入反対を表明した。
川野幸夫会長の日本スーパーマーケット協会も、
「軽減税率反対」。
小売業全体で取り組む課題である。
さて、2015商人舎USAベーシック研修会も、
折り返し点を過ぎた。
昨夜の大試食会は、
これまでにない成果をもたらした。
食べて、飲んで、語らい、交流し、
満足した末、部屋に戻ってダウン。
爆睡。
ラスベガスは思ったより過ごしやすい。
風もあり、朝晩はひんやりするほど。
そんなラスベガス滞在も今日で4日目。
いよいよ佳境に入ってきた。
3日間の講義で学んだことを
自分自身がどれだけ理解しているか。
そのことを確認することが目的。

そうすることでさらに、
自分の理解度を、
自分自身が知覚することができる。
ただ漫然とアメリカを視察するだけでは、
帰国してから実務に生かすことはできない。
テストを受けることで、
アメリカ小売業の原則や本質を、
自分なりに熟考することができる。
それが帰ってからの糧になる。
私はそう考える。
だからあえて、
アメリカ視察中に理解度テストを決行する。
今夜は事務局総出で採点し、
明日、優秀者を発表する。
脱コモディティ戦略、
経験価値マーケティングなど、
これからの小売業にとって、
極めて重要な課題を整理した。

その後、チームごとに、
2日間にわたって商品調査をしてきた内容を、
PFグラフにまとめる作業。

プライスとフェースを調べ、
PFグラフとして見える化し、
各社の商品政策、価格対策を読み取る。

他企業同士の混成チーム。
だからコミュニケーション能力が必要となる。

2日間、行動を共にすると、
強い仲間意識が生まれる。
それが視察をさらに充実させる。

「大試食会」も「理解度テスト」も、
もちろん「商品調査」も、
商人舎研修会のポジショニングになってきた。
それが派遣企業からも高く評価されている。
ありがたい。
そして午後は、全員で行動する最後の視察。
パワーセンターの核店舗で、
オフプライスストアのロス、
オフィスサプライのオフィス・デポなども入る。

店舗入口はいつも
季節の飾りつけがなされ、
お客を引きつける。
この店はディスカウントストア。
ウォルマートとターゲットは、
良きライバルでマーケットで対極をなす。
かつてのエクセレントカンパニー。
セーフウェイとの合併が成し遂げられて、
全米スーパーマーケット第2位の、
企業グループの一員となった。

この店舗は古い。
20年以上も前に流行った、
この入口へのゲートがいまだに残る。

販促もこのとおり。
1個買ったら1個が無料。
アメリカで流行っている販促だが、
お客は果たして2個欲しがるのだろうか。

流行遅れの非フード&ドラッグではない。
そしてダラーゼネラルの食品強化フォーマット、
ダラーゼネラル・マーケット。
」
グロサリーの低価格業態が、
生鮮品までを強化すると、
コンベンショナルなスーパーマーケットにとっては、
おおいに脅威となる。
ただし独自のポジショニングを築く企業にとっては、
ダラーゼネラル・マーケットは、
恐るに足らず。
ラスベガスでたった1店舗を経営する。
東海岸でスーパーマーケットを経営していた
グレイザーさんが、引退後、
ラスベガスで隠遁生活。
しかし、どうしても再び
こんなスーパーマーケットを作りたいと思い、
出来上がったのがこの店舗。
デリは、ショップの対面形式で、
さまざまなメニューを扱う。
寿司、和食もある。
さらに、アメリカでは珍しいが、
個食対応の小容量サイズを揃える。
店内を視察していると、
高齢で白髪の女性が、
スタッフと話している。
カレンダーを見ながら、
プロモーションチェックする。
売場を訪れ、スタッフに指示し、
商品を確かめ、売上げをチェックする。
それがミセスGの日課。
グレイザーズはラスベガス競争において、
マーケットニッチャーそのもの。
それがよく出ていて、
団員はおおいに満足。
ポジショニングの本質を確認した。
そして最後の視察地は、
プレミアムアウトレット。

150店舗の専門店が入るが、
昨日サックスフィフス・オブ・フィフスが、
新規オープン。
百貨店サックスのオフプライスストア。
これでプレミアムアウトレットは、
ますます人気のスポットになってきた。
こうして4日間の視察全工程が終了。
明日は10チームの調査発表と、
私の最終講義を残すのみ。
夜は日穀製粉の4人の皆さんと、
シーフードのジョーズへ。
フォーラムショップの1階にある超人気店。
クラムチャウダーは絶品。
朝に希望、昼に努力、夕に感謝。
(つづきます)
〈結城義晴〉

昨日、ここネバダ州ラスベガスで、
B.B.キングが亡くなった。
私の父と同じ89歳。
「キング・オブ・ブルース」。
ブルースの王様、巨匠。
どんな世界の人でも、
巨匠と呼ばれると、
人種を超えて尊敬され、
大きな影響を与え、
時には崇拝される。
ミシシッピ州生まれの黒人。
1949年、デビュー。
51年、「スリー・オクロック・ブルース」が、
大ヒット。
「ロック・ミー・ベイビー」
「スリル・イズ・ゴーン」、
数々の名曲。
ローリングストーンズ、
エリック・クラプトンなどと共演。
多くの崇拝者が、
追悼のメッセージを贈っている。
ご冥福を祈りたい。
さて、アメリカ小売業の4月の業績。
あまり良くはなかった。
イースターはイエス・キリストの復活祭だが、
春分の日の後の最初の満月の次の日曜日で、
今年は4月5日、昨年は4月20日だった。
アメリカ小売業の今年の4月営業は、
イースターが3月の週に組み込まれたために、
昨年比が全体に悪かった。
ウォルマートは、
月別の数値を発表しなくなったから、
わからない。
伸びているのは、コストコで、
前年同月比、総売上高2.0%。
ただし既存店は7.0%の伸びで、好調。
カジュアル衣料のギャップは、
4月の売上高がマイナス9.0%、
既存店もマイナス12%。
第1四半期も売上高マイナス3%、
既存店売上高マイナス4%。
百貨店のメイシーズは、
4月に終わった第1四半期も、
売上高マイナス0.7%、
既存店はマイナス0.1%、
営業利益はマイナス7.7%。
一方、日本の4月実績も、
続々と発表されている。
日本の昨年4月は、
消費増税の反動で落ち込んだ。
今年4月はその分の盛り返しもあって、
各社とも好調。
セブン&アイホールディングスの主要事業会社。
セブン-イレブンは109.4%、既存店は105.7%。
イトーヨーカ堂の全店売上高は105.5%、
既存店も106.2%。
ヨークベニマルは108.1%、既存店105.0%。
そごう・西武は全店、既存店ともに112.2%増。
百貨店もいいし、いつも同グループでは、
一番悪い総合スーパーも5%を超える成績。
ただし通販企業は悪い。
ニッセンの4月売上高は、85.2%、
シャディはかろうじて100.3%。
他の業態は揃って好業績。
ヤマダ電機の4月売上高は110.5%。
三越伊勢丹HDは116.6%、
J.フロントリテイリングは116.6%、
高島屋は117.6%。
ドラッグストアでも、
ウエルシアホールディングスが、
137.3%、既存店は117.3%。
3月の既存店がマイナス10.6%だったから、
「地獄から天国へ」という感じ。
しかし浮かれてばかりもいられない。
さてラスベガス3日め。
充実の1日。
午前8時半から11時半まで3時間、
結城義晴の第2回セミナー。

寡占から三占、複占が進むアメリカ小売市場、
背景にあるコモディティ化とノンコモディティ、
業態からフォーマットへの転換の意味、
これからの流通業に必須の課題、
アウトスタンディングなポジショニング戦略。

この店は青果・デリの天井を、
スケルトンにした新しいスタイル。

レジも3人以上待たせない。
素晴らしいオペレーション。
次に向かったのは郊外にできた、
サマリンショッピングセンター。
事務局から視察の説明。

サマリンショッピングセンターは
最新のライフスタイルセンター。
噴水や公園を設けて、
小売・外食産業、
そしてアメニティの融合した街づくりを志向している。

案内板は最新式。
ディスプレイはタッチパネル式。
指でタッチし、スクロールして、
目的の店の位置を調べる。

好調な専門店も並ぶ。
フォーエバー21。
ファストファッションの雄。

オールドネイビー。
ギャップのディスカウント・フォーマット。

サマリンの次はトータルワイン。
酒のスーパーストア、
100店チェーン。

ワインの品揃えは秀逸で、
ど真ん中にテースティング・コーナー。
カウンセリングスタッフのアドバイスを受け、
上司へのお土産を購入したメンバー。

今日の視察店では、
夕方からの「大試食会」のために、
商品購入をする。
それも目的の一つ。
ホールフーズのミート売場は大人気。

ほぼ全チームが、
ここでとびきりの肉を購入。
ただ視察するだけでは足りない。
購買の意思を持って売場や商品を見る。
写真を撮って、持って帰るだけでは、
十分ではない。
だから買って、食べる。
私は鮮魚コーナーで、
ホワイトフィッシュ1匹分の燻製と、
サーモンの燻製を購入。

最後の視察店は、
スプラウツ・ファーマーズマーケット。
昨年株式上場して絶好調の、
スペシャルティ・スーパーマーケット。

そしてこの日のメインイベント。
「大試食会」
レストランを借り切り、
購入した食材を調理・試食する。
協力してくれたのは「MR.MAMAS」

早速、厨房に入る。
レストランのスタッフが、
器具の使い方を教えてくれる。

衛生上の理由から厨房に入るのは6名まで。
次々に入れ替わって調理する。
レストランオーナーのニック・パリスさんから
各テーブルにオムレツのサービス。
2時間半、大いに語らい、大いに食べた。
パリスさんにもレストランのスタッフにも
そして企画を実現してくれたJTB現地スタッフの皆さんにも、
心から感謝。
パリスさんと大試食会の成功を祝って、
グー。

来年もよろしく。
この新企画、大成功。
店を見ることは必須だ。
話を聞くことも重要。
写真を撮ることも、
補完機能として必要だろう。
しかし買物して、
調理して、食べる。
この経験価値を共有する。
それが何よりも勉強になる。
食品を扱うビジネスは、
それ抜きには研修とは言えない。
やっと私が念願していた形が出来つつある。
まだまだ進化させたい。
それが実践躬行というものだ。
すべての人々に感謝。
B.B.キングに哀悼の意を表しつつ、
研修の成功に感謝したい。
(つづきます)
〈結城義晴〉

アメリカ合衆国ネバダ州。
ラスベガスに到着して2日目。
昨夜というか、今朝というか、
午前4時半まで仕事していた。
そして7時には起き出して、
活動開始。
体が辛いということは全くないけれど、
ひどく眠たい。
日本とは時差が16時間。
その上、睡眠不足。
なんとかやりくりして、
元気を出す。
『ほぼ日刊イトイ新聞』
糸井重里が書く巻頭コラム。
昨日は「頑張れ」に関して。
「がんばれって言われるのは、つらい」
こんな考えがあちこちで
聞かれることがあった。
「がんばれって言われたって、
がんばれない人だっているんだって、
わかってください」
「がんばれって言われるけど、
もうがんばってるよ!」
武田鉄也あたりからだろうか。
「そう言われたら、返すことばもなく、
気をつけなきゃいけないな、
と思うようになった」
しかしへそ曲がりの糸井。
「ただ、ぼく自身のことについて言うと、
『がんばってください』と言われるのは、
あんまりいやではなかった」
ん~、同感。
「なんか、手でぽんぽんっと
肩を叩かれるような感じ」
「『頑張れ』ということばの意味など、
もう関係なく、
符丁みたいなものかもしれない。
それでも、『がんばれ』のかわりに
もっといい符丁を探そうとしても
見つからなかった」
「しかし、先日、ふと、
思いついてやってることがある」
「メールなどで、
励ましたいなと思う相手に、
『がんばってください』と
書くのをやめたのだ」
糸井重里の発見。
「がんばれ、でもなく、
がんばる、でもなく、
それぞれに、がんばりましょう」
「そう書いたのだった。
それぞれ、あなたも、わたしも、
それぞれの道で、
がんばろうねという感じだ」
「どっちも当事者として
一所懸命にやっていこうね、と。
これは、書いていて
とても気持ちがよかった」
これにも、おおいに同感。
私にも経験がある。
昔々、20代の終わりのころから、
30代の初めころ。
労働組合活動で、
労働争議の場や集会などに、
「支援」に行くことがある。
そこで代表者として、挨拶をさせられる。
いくつかのコメントを表明して、
最後に「頑張ってください」というと・・・・・。
大ブーイング。
先輩に教えられた。
そういう時は、
「ともに頑張りましょう」
で、締めるんだ!
ん~、なるほど。
私はそれ以来、
「ともに頑張ろう!!」
糸井の解説。
「『おまえはどうするんだ?』
というじぶんへの問いかけ、
そして、相手を認めていて励ましたい気持ち。
その両方を並べることが、
いちばん正直な気がしたのだ」
糸井さん、
それぞれに、がんばりましょう。
みなさん、
ともに頑張ろう。
さてラスベガス2日目。
朝8時から夕方6時まで、
フル活動で視察に頑張った。
まずホールフーズ・マーケット。
タウンスクエアのライフスタイルセンターの核店舗。
ホールフーズでは、
2チームに分かれて、
店内ツアーをしてもらう。

レクチャーしてくれたのは
マーケティングチーム・リーダー、
レシーナさん。

2チーム、それぞれ約40分。
レシーナさんの丁寧な話を聞いた。
アメリカを初めて体験する者、
ホールフーズを始めて見る者。
昨日のウォルマートのスケール、
今日のホールフーズのエクセレント性、
それに解説付きの視察。
全員が、大満足。

レシーナさんには1時間半、
付き合っていただき、
心から感謝。

収納用品に関するスペシャルティストア。
現在、旅行用品のプロモーションを展開中。

3時間ほど、ライフスタイルセンターを視察後、
続いて向かったのがトレーダー・ジョー。
ここでもブラッドさんに、
店内ツアーをしてもらう。

ブラッドさんは、
トレーダージョーに来て3年半。
フードサービス業からの転身だが、
「家族的な組織のトレーダージョーは、
働いていて楽しい」
そのブラッドさんを囲んで全員で
記念撮影。
ここで仕切るのは結城義晴。

コンベンショナル型の店舗だが、
やはりクローガーらしく、
青果部門は新鮮さと安さを両立させて、
素晴らしい。

今日と明日の2日間は、
10チームに班分けされた全員で、
商品と売場の調査を行う。

別々の企業同士でチームを組み、
協力して調査に当たる。

これが商人舎BASIC研修会の特徴の一つ。
ハンバーガーセットと、
プロテインバーガーセットを、
それぞれにオーダー。

さらにウォルマートのスーパーマーケット、
ネイバーフッド・マーケット。

このころになると、
調査の仕方にも習熟してくる。
あっという間に調査を終え、
それぞれの視点で視察。

エンプロイー・オウンド・カンパニー。

従業員が所有する会社。
はためく星条旗が眩しい。
ウェアハウス型ディスカウント・スーパーマーケット。
その入口はウォール・オブ・バリュー。

何度も言うが、
アメリカのディスカウントは今、
安くてきれい。
安くてフレンドリー。
安くて良い。

そうでないと生き残れない。
ニューライフスタイルストアを標榜するも、
サーベラスに買収され、
アルバートソンと合併させられ、
元気は今一つ。
ボンズの皆さん、
「頑張ってください」
この店を見ると、どうしても、
他人事のようにしか言えない。
長い長い1日だった。
ずいぶん歩き回った。
しかし、それぞれに、
頑張った。
天井には空が描かれ、
両サイドにベネチアの街並みを復元し、
レストランや専門店が入る。
運河も再現され、
訪れた人々を、
ベネチアに来たかと錯覚させる。

イミテーション文化のアメリカ。
その象徴の如き施設。
その中でも人気のイタリアンレストラン
「レッフェリーノ」。
ヨシヅヤの皆さんと食事。
私の隣は、村井清人さん。
中堅幹部を引き連れて参加してくれた。

アペリティフのシーフード盛り合わせ。
カキ、ロブスター、カニのこのボリューム。
さらにサラダとパスタを、
イタリアのビールとワインで堪能した。
エンターテイメントの都市、
ラスベガスの夜景は美しい。
今回はバリーズホテルに滞在。
隣はエッフェル塔のあるパリス。

2日目はハードな1日だった。
結城義晴も団員も、全員が、
それぞれに頑張った。
ともに頑張った。
充実のラスベガス2日目。
あしたも、あさっても、
それぞれに頑張ろう。
ともに頑張ろう。
ずっとずっと、
それぞれに頑張ろう、
ともに頑張ろう。
<結城義晴>

商人舎magazineのDaily商人舎。
ワールドニュースは、
またまた巨大小売業の経営統合の話。
オランダのアホールドと、
ベルギーのデレーズ。
どちらもスーパーマーケット企業で、
アメリカに基盤を置く。
セーフウェイとアルバートソンに続いて、
アホールドとデレーズ。
何処まで行くのだろう。
私は今、ラスベガス。
昨日の夕方の16時、
成田空港を発った。

私だけユナイテッド航空。
団員はデルタ航空。
だからラスベガスまで、
今回は、一人旅。
その出発の直前に、
私のアドレスにメールが入った。
発信人は、池田信太朗さん、
日経ビジネスオンライン編集長。
タイトルは、
「月刊 日経ビジネスオンラインメール」
いわゆる宣伝。
「一般に、小売業では、
『大きくなればなるほど、
購買力(バイイング・パワー)が
増して強くなれる』と言われます」
これは小売業に限らない。
製造業も卸売業も、
『規模の経済』のメリットは確かにある。
このあとのたとえ話が、
悪いけれど稚拙。
「リンゴを10個しか仕入れられない商店と、
5000個仕入れるスーパーとでは、
後者の方が発言力が増すのは道理です」
「発言力」という言葉を使って慎重だが、
規模の優位性を盾にして、
原価を引き下げれば、
優越的地位の乱用となる。
アメリカのロビンソンパットマン法では、
それを厳しく禁じているし、
日本の独占禁止法も、
それを取り締まっている。
「前者が80円で仕入れて
100円で売るとすれば、
後者は75円で仕入れて
95円で売れるかもしれません」
量を扱うことの過程で、
様々なコストダウンが可能になる。
それが規模のメリットだ。
これは産業の歴史が教えてくれている。
しかし故田島義博先生は言い切った。
「成長と膨張は異なる」
規模のデメリットもあるということだ。
池田さんも自分で書いている。
「現実はそれほど単純ではありません。
地方スーパーを取材していると、
売上高営業利益率が5%近くある
優良な会社に出会います。
その大半が、売上高が
500億円未満の会社です」
沖縄のサンエーは、
営業収益1646億円で営業利益率8.3%。
500億円未満ではない。
沖縄で圧倒的なシェアを誇る。
沖縄の範囲の経済の中で、
「規模の論理」のメリットを享受している。
「規模はいつか果実をもたらす――」
池田さんが指摘するイオンのことです。
「今はまだ『規模の経済』が利かなくても、
もっと巨大になれば、
いつか直接取引などを拡大して
NBの売価をさらに
引き下げることができるようになる。
いつかPBのシェアが拡大して、
さらに利益を出すことができるようになる」
これがイオンの考えだと断じる。
そして言う。
「巨大化が進んだにも関わらず、
その『いつか』が訪れないことが、
イオンの苦境の本質だと思います」
もし、イオンがその「いつか」を、
心待ちにするだけの企業ならば、
「いつか」は訪れない。
「売上高500億円の会社が
10社それぞれ動くよりも、
売上高5000億円の1社になった方が強い。
それがイオンの信条だったはずです」
アメリカではクローガーもセーフウェイも、
合併と統合で成長してきた。
このトップ2社の趨勢を見ると、
「いい統合」と「悪い統合」があることがわかる。
そしていま、アホールドとデレーズも、
統合に向かった。
ホールフーズマーケットも、
スプラウツファーマーズマーケットも、
吸収合併で規模を獲得し、
絶好調の好循環企業となっている。
イオンが「信条」を翻すとは思えない。
池田さんの見方。
「そこから脱して、むしろ
『500億円の10社に戻った方が強い』」
そんな「意思を感じる動き」を
イオンが見せつつあるという。
そうだろうか。
私はこの見方に反対だ。
アメリカに出発する直前のメールだっただけに、
様々なことを考えながら、
8時間のフライト。

半分ほどは熟睡して、
あっという間に、西海岸。
翼よあれがアメリカだ。

シアトル経由でやってきた団員と合流して、
すぐにウォルマートスーパーセンターへ。

一丁目一番地は、
「メモリアルデー」。
5月最終月曜日の戦没将兵追悼記念日。

店中に星条旗。
サービスデリとベーカリーのあたりの、
売場の匂いが随分変わってきた。
「感じの良い匂い」。

ホットドック&ドリンクは、
やっと1ドル50セントになった。

これまでは1ドル70セント。
コストコの同商品の1ドル50セントに、
価格合わせすらできなかった。
それができるようになった。
ウォルマートのトップたちは言っている。
「我々は最大の企業になろうとは考えていない。
地域の1店1店を最良の店にしようとしている」
「大きな企業のように振舞わなかったから、
大きな企業になってきたのだと思う」
このアローヨ地区には、
ホームデポ、ベストバイ、
TJXのマーシャルズ、ロス、
ベッド&バス・ビヨンドなど、
名だたるチェーンストアが軒を連ねる。
フライト中に眠っていない団員も多いけれど、
講義中、誰も眠ったりしないし、
私も絶対に眠らせない。

それでも肝心なCEとESをしっかり語って、
初日の講義は終わり。

他の企業の社員と協力して、
調査し、協議し、分析し、まとめる。

乾杯の音頭は、
㈱ヨシヅヤの村井清人さん。
一般事業本部本部長。

選択と集中を繰り返しながら、
企業規模を大きくしていく。
もちろん顧客満足と従業員満足を、
どちらも充足させながら。
規模が大きくなっても、
それができない場合に、
「膨張」となる。
アメリカを学ぶときにも、
それを忘れてはならない。
(つづきます)
〈結城義晴〉

昨日、月刊『商人舎』5月号発刊。
特集は、
「阪急オアシスと成城石井」
私が特集の前書きで書いたのは、
“Classic”High-Quality Supermarketの条件
「クラシック」というのは、極端に長い流行。
反対に短命に終わる流行を「ファド」という。
今回の巻頭論文は、
4ページ6010字と、短い。
しかしスーパーマーケットだけでなく、
すべてのチェーンストア、小売業、
そして卸売業や製造業の「質」に関する要件と、
クラシックであるための条件を、
田村弘一さん時代のクイーンズ伊勢丹、
そして阪食と成城石井を題材に考察した。
故田村弘一さんには、
心からお礼を述べるとともに、
この月刊商人舎一冊を捧げつつ、
あらためてご冥福を祈りたい。
阪食の千野和利さんをはじめとする皆さん、
成城石井の原昭彦さんら若い実務家たちにも、
感謝したい。
ありがとうございました。
日経新聞『私の履歴書』は、
今月、日立製作所元社長の川村隆さん。
昨日は自分のことではなく、
日立製作所という会社の歴史を書いて、秀逸。
日立の創業は1910年。
日露戦争に勝利した日本で、
重工業が勃興しようとしていた時期。
創業者は若いエンジニア小平浪平。
36歳。
「おだいら」と読む。
当時、今の日立市近郊に銅鉱山があった。
久原鉱山が採掘していた。
現JXホールディングス。
しかしその鉱山で使われている機械類は、
輸入品ばかりだった。
技術者の小平は、
それを国産に切り替えようと発案した。
「最初は日立鉱山の一部門として出発し、
10年後に今でいうスピンオフの形で
日立製作所として独立した」
トヨタ自動車は、
豊田自動織機の自動車部としてスタートした。
全く同じ。
小平の第1号製品は5馬力モーターだが、
この時、小平は、
鉱山で使うための水力発電所を自作し、
銅鉱石を地上に上げるエレベーターを自作し、
港に運ぶための電気機関車を自作した。
「自らの手で技術を生み出す
小平の独立自尊の志は、
日立の企業文化の骨格を成した」
小平は派手なパフォーマンスを嫌った。
人柄は「空気の如く、水の如く」といわれた。
政財界とは多少の距離を置いた。
日立の社長を36年務めたが、
「自分の息子に後を継がせず、
適材適所を貫いた」
この小平浪平のDNAが、
「日立の企業風土にしっかり引き継がれた」
1886年、小菅丹治によって創業された伊勢丹。
故田村弘一さんはそのDNAを引いていた。
1907年、小林一三によって始められた阪急。
千野和利さんも、その志を受け継ぐ。
1927年創業の成城石井は、
原さんらが胸を張る。
「会社は売られても成城石井魂は売らない」
この日立製作所の小平浪平のDNA堅持と、
みな、酷似している。
独立自尊の志。
これがすなわちイノベーションの源となる。
そして「空気のごとく、水のごとく」。
これが社会的使命を意味している。
小平浪平の生き方、
なんとスーパーマーケットや小売業の、
あり方に似ているのだろう。
それは社会のインフラを構築するという
高い志に根ざしているからだ。
さて私は今朝、
横浜シティエアーターミナルから、
みなとみらいを見渡すベイブリッジへ。

商人舎USA研修会ベーシックコース。

今回は52名の参加。
満員御礼。
商人舎のアメリカ視察研修の第19回目。
ありがたいことだ。
添乗員のJTB小阪裕介さんが、
まずスケジュールや通関に関する事務的な説明。

そしてJTBカリスマ添乗員の佐藤公彦さんが、
丁寧にわかりやすく注意点などを解説。

商人舎USA研修は、
こういった面でも、
常に最高の人材で最高のレベルを目指す。
最後に結城義晴のレクチャー。
事前テキスト230ページ、
メインテキスト180ページ。
合わせて410ページ。

アメリカはどんなところか。
ラスベガスでは、
なぜ、何を学ぶのか。
そして何を獲得し、何を実行するのか。

言いたいことはまだまだ、
山ほどある。
それでも30分ちょっと、
駆け足で語った。

今回、いつにも増して、
理解度が高い。
楽しみな研修会となる予感。
独立自尊の志を持って、
「空気のごとく、水のごとく」
この社会的使命を果たし、
イノベーションを起こすべく。
〈結城義晴〉

Everybody! Good Monday!
[2015vol19]
2015年も第20週。
5月第2週で、
ゴールデンウィーク明け。
台風6号が北上しているけれど、
一年で一番いい季節。
天動き山なみ越えて春はゆく
〈朝日俳壇より 春日市・渡瀬一男〉
トンネルといふ春陰の通り抜け
〈同 養父市・足立威宏〉
チューリップたんぽぽたがひの顔見えず
〈同 東京都・井原三郎〉
朝日俳壇には、
のどかな、いい句が並ぶ。
日経俳壇には、
見るべきもの、なし。
昨日の「母の日」が終わってしまうと、
6月は祝祭日がない。
その代わりに、
6月10日の時の記念日と、
6月第3日曜日の「父の日」。
weekly商人舎日替わり連載
「2週間販促企画」
そんなことが提案されています。
月刊『商人舎』5月号、本日発刊。
monthly商人舎5月号も、
もちろん、公開されている。
特集阪急オアシスと成城石井
何が「高級スーパー」を殺すのか?!
[cover message]
日本スーパーマーケット第一号の紀ノ国屋はJR東日本の傘下に組み込まれた。クイーンズ伊勢丹は三越伊勢丹フードサービスの事業会社となって、かつての輝きを失った。ピーコックストアは最後にはPマートというディスカウント・スーパーマーケットにまで手を出して、その挙句、イオンに売却された。アメリカでも、ドレーガーズ、アンドロニコス、ドロシーレーンなどなど「高級スーパーマーケット」は衰退の一途。
その一方で、日本では西の阪急オアシス、東の成城石井が絶好調。アメリカではホールフーズ、ウェグマンズがこれまた衰えを知らず。この現象、いったい、どう捉えたらいいのか。
日米ともに好循環を謳歌する小売業は、いずれも「高級・低級」「高価格・低価格」の、従来の軸の外にある。あるいは次元を異にする。高級スーパーマーケットが衰退するのではない。消費の軸やライフスタイルのベクトルの変質、つまりマーケットの変容が、高級・低級の価値観を置いてきぼりにしてしまったのだ。
[Message of May]
経営品質を現場から高めよう!
〈特集のまえがき〉
“Classic”High-Quality Supermarketの条件
結城義晴
阪食の高質専門コンテンツ主義
[第1部 ストラテジー編]
代表取締役会長
千野和利の「企業高質化論」
[第2部 マーチャンダイジング編]
専務取締役
松元努が説く「おかず比率」イズム
[第3部店舗運営・人材育成編]
取締役執行役員
志水孝行が明かす
「新入社員・パート従業員研修の要諦」
最新阪急オアシス千里山店の全貌
高密度MDと空間導線の272 坪「高質食品専門館」はさらに進化した!!
日本のTRADER JOE’S
成城石井のDNAと近未来
[ロング・ロングインタビュー]
㈱成城石井代表取締役社長
原和彦&服部吉宏執行役員商品本部長
第1章 出店戦略
第2章 商品開発
第3章 価格政策
第4章 ソーシング
第5章 人材教育
最終章 近未来
「会社は売られても成城石井魂は売らない!」
成城石井「最大店舗と最高店長」
東京ドームラクーア店を訪れ高橋琢磨店長に聞く
町田ニューセントラルキッチン
・・・・・・・・・・・・
商人舎magazine【Monthly連載 2015年5月】
[新連載スタート]
関智美のマーケティング・アイ
「二十四節気と現代人の生活行動」
[リニューアル]
常盤勝美の「この先のウェザーMDチェックポイント」
白部和孝の「売場の計数の使い方Q&A」
嶋内仁の〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論
朝川康誠「経済心理学の世界へようこそ」
當仲寛哲のリテイル・インフォメーション・システム論
相楽・長咲の「労務&人事」最新講座
武藤麻代の「医食同源の現場訪問」
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いかがでしょう。
阪急オアシスと成城石井を、
商人舎流に徹底的にスタディしました。
月刊誌も3年目に入り、
調子が出てきました。
年間購読申込は《こちら》
さて日経新聞『春秋』
「月もデパートの屋根に出る」
わが西條八十の「東京行進曲」の歌詞。
4番まである歌だが、
その4番の最後の句。
作曲は中山晋平で、
1929年(昭和4年)5月に発売。
このデパートは、
三越、ほてい屋、松屋、伊勢丹。
新宿に4百貨店がひとつ通り沿いにオープン。
しかし撤退や吸収合併で3店が消えた。
残ったのが伊勢丹本店。
その伊勢丹は日本最大百貨店として、
世界中から注目されている。
衰退業態の百貨店でも、
残存者利益を享受する店は、
世界最高レベルに至る。
「海外のファッション愛好家も
注目する店に変身した。
流行を先取りする姿勢が強みだと
業界の目は一致する」
その伊勢丹新宿店が、
連休明けの今日から
キャンペーン。
「自然や文化の保護、社会貢献、
生産者の労働環境などに
配慮した商品を集め、紹介」
キャンペーンのキーワード、
その一つが「エシカル消費」。
エシカル(ethical)。
「倫理的・道徳的な」、
あるいは「道徳上の」という意味。
その「消費」だから、
環境保全や社会的課題に、
取り組むことを意識した消費活動。
このブログの読者ならば、
良くご存知の「フェア・トレード」商品が、
その代表。
プライベートブランドの分類では、
ライフスタイルブランドと呼ぶ。
高級・高質商品は、
クォリティブランド。
エシカル・ブランドなどは、
ライフスタイルブランド。
イオンの「グリーンアイ」が、
日本の事例の一つ。
現在、あまり売れてはいないけれど。
例えば、「い・ろ・は・す」、
日本コカ・コーラのI LOHAS。
例えば、ボルヴィックの「1ℓ for 10ℓ」。
ただしフェア・トレードもエシカル消費も、
考えてみれば人間として当たり前のこと。
これを殊更に強調したり、
売り込みの道具とするのは、
一言で言えば「下品」、
人間としては「下劣」。
CSRのポイントは、実はここにある。
Corporate Social Responsibility、
企業の社会的責任。
伊勢丹本店は、
この考え方をさりげなくキャンペーンした。
ネーミングは、
「グローバル・クリーン」
その中にHappy Ethical Lifeの提案がある。
ゴールデンウィーク終了と同時に、
5月24日まで。
祝祭日のない6月までの計画の中の、
第一弾が5月第4週まで。
実に絶好のタイミングだ。
それを自分で煽るのではなく、
大日経の巻頭コラムが、
取り上げてくれた。
コラム『春秋』のまとめは、
ご丁寧に小売業への提案。
「新しい消費の掘り起こしに
常に苦心している小売業界だが、
隠れた鉱脈はまだ多い
のではないかと感じる」
最後の「のではないかと感じる」の表現は、
コラムニストの自信のなさを表しているが、
自信を持って言い切ってください。
「隠れた鉱脈はまだ多い」
そしてその一端は、
海外にある。
今週からの私のスケジュール。
今日は第一屋製パンの取締役会。
東京・品川の豊田通商本社で開催された。
そして明日から2週間。
アメリカを訪問。
まず、ラスベガス。
商人舎ベーシックコースは、
52名の満員御礼。
そのあと、ダラスから、
サンフランシスまで。
2週間ほど日本を空けます。
では、みなさん、
今週も、Good Monday!
〈結城義晴〉
