ジジです。

ゴールデンウィークは、
ヨシハルおとうさんといっしょ。
ちょっと、うれしい。
とても、うれしいけれど、
とても、かなしい。

でも、ありがとう。
〈『ジジの気分』(未刊)より〉
結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。


朝日新聞の『天声人語』に、
今枝貞代さんの一句。
富士晴れて裾野茶摘みの一斉に
昨日、伊藤園副会長の江島祥仁さんから、
お送りいただいた新茶。

いい季節です。
さて日経新聞一面トップに、
「配偶者控除、17年に新制度」
日経のスクープか?
やっと動き出してくれた。
偶然にも月刊『プレジデント』は、
「金持ち夫婦 ビンボー夫婦」の特集。
このタイトルは露骨で、
まったく、いただけない。
安倍内閣が、所得税改革の一環として、
2017年をめどに、
「配偶者控除」の見直しをする。
検討段階だけれど。
「103万円の壁」が、
働く妻の就労に制限を与えている。
妻の年収が103万円以下なら、
夫の課税所得から、
38万円の控除が受けられる制度。
なんと約1400万人に適用されている。
妻がフルタイムで働く世帯にも、
一律に適用される。
現在は、控除枠を超えないようにするために、
就労時間を抑えている。
こんなつまらない制度、
改正は、もっと早くしておくべきだった。
適用対象者は、
現在よりも大幅に増える見込みだ。
この6月に政府は、
経済財政運営と「骨太の方針」に、
方向性を明記する。
それをもとに、
政府税調が具体案を詰める。
さらに来年1月召集の通常国会で、
関連法案を成立させ、
再来年の2017年1月から新制度導入。
こんな段取りと見通し。
今の絶対多数の与党なら、
この見通し通りになるだろう。
パートタイマーの人たちの、
就労環境が変わる。
小売サービス業の現場は、
ますます働く女性たちを中心に、
運営されることになる。
今から、準備に入るのがいい。
「働くこと」
「働くこと」への
深い理解が求められている。
働くことの中身。
働くことの実態。
働くことの動機。
働くことの目的。
そして働くことの喜び。
どんな環境の中で働くか。
どんな時間帯に働くか。
どんな制度の中で働くか。
どんな会社で働くか。
そこからどんな働き甲斐が生まれてくるのか。
私たちは誰もが、このことに対して、
自分なりの回答を
用意しておかねばならない。
それなくしては、
企業活動も、
組織運営も、
日常生活もまっとうできない。
経営者は従業員に、
上司は部下に、
会社はパートタイマーに、
明快な「働くこと」の
意味を示さねばならない。
そして従業員は経営者に、
部下は上司に、
パートタイマーは会社に、
同じように明快な「働くこと」の
意思を伝えねばならない。
「働くこと」を通じた意思疎通は、
「労働」への
深く、謙虚な理解から
生み出されるのである。
〈結城義晴著『message』より〉
さて、ローソンの上に月。
月を見ながら、
土曜日の『パンセ』。
グレーズ・パスカルの言葉。
1923年に生まれ、1962年に没した。
フランスの科学者・哲学者。
『パンセ抄』は、
鹿島茂編訳、飛鳥新社刊。
2012年7月14日第一刷発刊。
7月14日はパリ祭の日。
1789年のこの日、
バスチーユ監獄が襲撃され、
フランス革命が始まった。
フランスはパリ祭を、
建国の日としている。
この本の発刊日、
洒落ている。
このところ、土曜日には、
『パンセ』の言葉を紹介している。
「わたしたちの本性は
運動のうちにある。
完全な静止は死でしかない」
〈断章一二九〉
仕事は運動だ。
それを止めると死が待っている。
ゴールデンウィーク、
目いっぱい生を楽しみたい。
「取るにたりないことが
わたしたちを塞ぎ込ませるのと同じ理由で、
取るにたりないことが
わたしたちの慰めとなる」
〈断章一三六〉
「どんなものも、
わたしたちに役立つものでさえ、
わたしたちにとって
命取りになりかねない。
自然の中において、
壁がわたしたちを殺すことがある。
また、階段も、
わたしたちがそれを踏み外せば、
わたしたちを殺す」
「どれほどわずかな運動も
自然全体に影響を及ぼす。
大海原も石ころ一つで変化する」
『パスカルの定理』は、
16歳のときにパスカルが発見した、
円錐曲線に関する定理。
圧力の単位「ヘクトパスカル」に名を残す。
「恩恵の世界においても、
ごくささいな行為が、
あらゆるものに影響を与え、
大きな結果を引き起こす。
だから、どんなものも重要なのだ」
サム・ウォルトン。
「Retail is Detail」
小売りの神は細部に宿る。
「どんな行為においても、
行為そのもののほかにも、
わたしたちの現在と
過去と未来の状態をしっかり見極め、
それが影響を及ぼすであろう他の状態も調べ、
これらすべてのものの
関係を見なければならない。
そうなると、人は非常に
慎重にならざるをえない」
〈断章五〇五〉
これはパスカルの、
科学者としての態度であると同時に、
哲学者の態度だ。
だから「パスカルの定理」が生まれ、
ヘクトパスカルとして、
現在も使われている。
これは、
ピーター・ドラッカーに通じる態度である。
そしてこれは、
現代の研究者の態度であるし、
「働くこと」を見極めるときの態度でもある。
トップマネジメントもマネジャーも、
学者もジャーナリストもコンサルタントも、
基本的にこの態度でなければならない。
つまり「思いつき」ではいけない。
「思いつき」を次々に指示しては、
なおさらいけない。
「非常に慎重」でなければいけない。
「配偶者控除の改正」にも、
この態度で臨んでほしいものだ。
〈結城義晴〉

5月に入って、1日です。
それにしてもいい季節。
そのいい季節に、
朝、届き物。
伊藤園の江島祥仁副会長から、
今年の新茶。

伊藤園の決算は4月末日で、
今日から新年度。
その日に、看板商品の新茶が、
届けられる。

これ以上ない気分。
ありがたい。
さてゴールデンウィーク期間真っ只中。
今日は、メーデーの日。
労働者の日。
そして明日から5連休。
先々週が準備期間のホップ、
先週がステップ、
そして来週にかけての5連休がジャンプ。
最後のジャンプの瞬間という、
緊張したタイミングの時か。
その緊張感がたまらない。
5月に入ったので、
商人舎標語。
月刊『商人舎』5月号の巻頭メッセージと、
連動している。
経営品質を現場から高めよう!
長い目で見れば必ず、
消費は高度化していく。
高度化とは、まず高級化、そして個性化、
多様化、無形財化などなど。
最近のアベノミクスによる経済復活。
その恩恵に浴するからだけでなく、
人間の営みの法則として、
消費は高度化、高級化していく。
しかし消費は高度化するにも関わらず、
「高級スーパー」と呼ばれる企業群は、
その経営数値を見ても店頭を訪れても、
旗色がよろしくない。
ただしどんな世界にも例外はある。
首都圏と関西圏の2社。
西の阪急オアシス、
東の成城石井。
なぜ、彼らは好調なのか。
なぜ、ここにイノベーションが起こっているのか。
そして、なぜ、他の高級スーパーは、
芳しい成果を上げることができないのか。
ひとつには信用とブランド。
ひとつには商品。
ひとつには出店と店づくり。
そしてひとつには人材と教育。
しかしこれは、考えてみると、
小売業経営の本質そのものだ。
スーパーマーケットのマネジメント原則であり、
チェーンストアのシステム原理である。
阪食会長・千野和利は確信を述べる。
「企業を高質化していく」
成城石井社長・原昭彦は熱い。
「お客さまを信頼し続けないといけない」
高質スーパーマーケットとは、
実は「経営の高質化」なのである。
その証拠に「経営の高級化」は、
誰も口にはしない。
企業風土や企業文化が醸成され、
次々に知識商人が養成されていく。
その結果として経営の質が高められていく。
ここに高質スーパーマーケットの本質があるのだ。
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そう、5月号は、
阪食と成城石井を、
徹底的に取材し、
その共通項を探し出した。
そして極めて興味深い事実に遭遇して、
あるセオリーを発見した。
私の巻頭論文は、
ちょっと自信があります。
2011年の2月末から3月初旬。
そう、あの東日本大震災が起こる直前、
私はアメリカを訪れた。
これは先日も書いたけれど、
クォリティ&サービス型スーパーマーケットの、
研究のための研修会。
ご一緒したのは、
㈱阪食の千野和利さん、
㈱ハローデイ社長の加治敬通さん、
㈱サンシャインチェーン本部の川崎博道さん、
㈱エブリイの岡崎雅廣さん。
そうそうたるメンバー。
各社の幹部の皆さんも交えて30人弱の、
とても印象深い旅だった。

その後、東日本大震災が来て、
日本中が落ち込んでしまったけれど。
それから4年。
阪食はデフレ基調の中でも、
ずっと増収増益を果たした。
さらにこの4社の中では、
後発だったエブリイが、
追いつけ追い越せと躍進を遂げた。
もちろんハローデイも、
サンシャインチェーンも、
実力のある企業だから、
黙々と進化を遂げつつ、
この4社は連携して、
果実を手にしてきた。
その実りつつある果肉を、
月刊『商人舎』5月号は、
阪食の側面から整理した。
同時に成城石井からは、
原昭彦社長と服部吉宏商品本部長に、
たっぷり3時間も話してもらって、
こちらもすごい内容になった。
発行は5月11日。
楽しみにしていただきたい。
さて今日のDaily商人舎は、
消費増税反動減1年後の4月、
絶好調と絶不調の明暗
面白いと言っては、
絶不調組に申し訳ないが。
最後に面白い話。
『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭コラム。
糸井重里さんが書く。
その昨日のメッセージ。
「ふたつにひとつ」
「サイコロを振ったときに、
特定の目が出る確率は
6分の1だということは知っている。
だから、いくら念じて振っても
例えば3の目が出る確率は
6分の1なのだ」
しかしいかにも糸井さんらしく、
発想の転換を図る。
「5の目が出るのか、出ないのか」
と、考えてみる。
「正しい確率としては、
出るが0.167で、
出ないが0.833だ」
しかししかし、
「出るか、出ないか」で考えたら、
「5の目がでることと、
5以外の目が出ることは、
『ふたつにひとつ』ということなのだ」
「その目が出るか、出ないか‥‥」
糸井さんはこれまで、
強気に言い張っていたらしい。
「ふたつにひとつの
どちらかが出るんだから、
確率2分の1だよ」
もちろんジョーク半分。
「打率3割の打者が
チャンスに打席に入ったとき、
見るのは、打つか打たないか」
「ふたつにひとつ」
「3割打者とは、
7割は凡打で退く選手のことなのに、
選手たちも、観客も、試合に関わるものは、
みんな『ふたつにひとつ』を見ている」
これは仕事についても当てはまる。
「かなり厳しい条件のなかで
スタートさせることがある。
確率をどれだけ上げて
慎重に準備したつもりでも、
冒険的に意気込みで
走り出したという場合でも、
成功するかしないかは、
『ふたつにひとつ』なのだ」
昨日までの日経新聞『私の履歴書』
まだ余韻が残っている。
似鳥昭雄さん。
ニトリホールディングス社長。
いつもいつも、
「ふたつにひとつ」で、
意思決定してきた。
大いに失敗した。
しかし最後は大きな成果を上げた。
いや、まだもっと大きな成果を、
似鳥さんは志す。
それが痛快だった。
糸井重里も言う。
「ほんとうの数字的な
確率ばかりを追っていると、
『まだやれない』とか
『リスクがある』とか判断して、
『行く』のが怖くなってしまう」
そして決めの言葉。
「『判断』をいくつしても
『決断』にはならない」
似鳥さんに捧げたんでしょうかね。
糸井さんは。
季節はいい。
新茶の季節の5月も、
決断し続けよう。
現場から経営品質を高めつつ。
〈結城義晴〉
