結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年04月28日(火曜日)

しまむら藤原秀次郎さんの復帰とユニクロ柳井正さんの発言

急がずば
ぬれざらましを
旅人の
あとより晴るる
野路の村雨

室町時代の太田道灌の歌。
江戸城を建造した武将。

村の野辺の道で、
にわか雨が降ってこようとも、
短慮はいけないよ。
そんな歌だ。

月よみの光を待ちて
帰りませ

山路は
栗のいがの多きに

江戸時代後期の良寛の歌。
足もとが暗いといがを踏みもする、
月が照らすまでお待ちなさい。

栗のいがはコロナウイルスに似ているが、
こちらも「お待ちなさい」

どちらも中日新聞の巻頭コラム。
「中日春秋」

店頭の最前線に立つ人たちも、
焦ることはない。
顧客は向こうから押し寄せてくる。

後方で感染拡大に努める人たちも、
短慮はいけない。

むしろ気長に構えて、
江戸や室町の時代、
そして平安や奈良の時代に、
思いをはせるのもいい。

「令和」の元号は、
はじめて万葉集からとられた。

その「令和」の盛り上がった気分も、
すっかり影を潜めてしまった。

商人舎流通スーパーニュース。
しまむらnews|
実質的創業者の藤原秀次郎相談役が取締役復帰

藤原秀次郎さんが復帰する。
80歳。

しまむらの実質的創業者。
もともとの島村呉服店は、
島村恒俊(しまむら のぶとし)さんが
埼玉県の小川町で創業。

小川町と言えば、
㈱ヤオコーの発祥地。

小川町からしまむらとヤオコーが出た。
すごい街ですね。

島村さんは商業界同友会に入っていて、
ちょっと変わり者だった。

有名な「慕情」という映画がある。
香港を舞台にしたアメリカ映画。
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ジェニファー・ジョーンズと、
ウィリアム・ホールデンの大人の恋物語。
原題は”Love Is a Many-Splendored Thing”
主題歌は映画音楽史上に残る名曲。

この映画を見た島村さんは、
映画館を出てくるとつぶやいた。
「商売の役に立つことは一つもなかった」

商売一筋、論理一徹。

そんな創業者だった。

その島村さんのものとで、
衣料品のチェーンストアをつくったのが、
藤原秀次郎さん。

1990年に、代表取締役社長になり、
2005年に、代表取締役会長。
このとき野中正人さんに社長を譲り、
藤原さんは2009年取締役相談役、
2011年に相談役に退いていた。

2018年に野中さんが、
体調を崩して会長となり、
2歳年上の北島常好さんが社長になった。

そして今年、鈴木誠さんが社長に就任。
北島さんは会長になった。
こちらも商人舎SuperNews。
しまむらnews|
2・21鈴木誠企画室長が代表取締役社長就任

今回はその北島さんが退任し、
藤原さんが取締役相談役。

藤原さん80歳、鈴木さん54歳。

私は【結城義晴の述懐】を書いた。
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2020年2月期決算は3期連続の減収減益。
昨年10月の消費増税も痛手となったし、
今年のCVID-19感染拡大も、
決定的な打撃を与えている。

そこで不退転の決意で、
最後の切り札として、
藤原さんが復帰する。

根本の問題は、
「ファッションセンターしまむら」を、
リエンジニアリングすること。

このフォーマットは当初、
米国の「マーシャルズ」をモデルにした。

大躍進のアパレルチェーンだった。
現在はTJX傘下にあって、
オフプライスストアの1フォーマット。

そのマーシャルズの紹介記事を、
販売革新誌に初めて書いたのが、
編集記者の結城義晴だ。

1978年のこと。
懐かしい。

それ以降のしまむらの成長は、
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しかし野中さんが退任してから、
残念ながら不振が続く。
そのくせ2021年にはさいたま新都心に、
新本社をつくって移転する計画だ。

私は【述懐】に書いた。
「藤原さんのことだから
徹底的に基本に戻って、
組織を躍動させて、
この課題を克服するに違いない。
80歳はまだまだ若い」

柳井正さんは、
71歳でずっとトップを続けている。
㈱ファーストリテイリング会長兼社長。

アパレルチェーンの世界に、
再び役者が揃ったという観がある。

その柳井さんも月曜日(27日)、
日経新聞一面に登場して発言。
「英知集め経済維持」
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「経済を殺さずに
抜本的な対策をとることに尽きる」

「全国民を検査し、
現実を把握して
全国民へ告知する」

同感。

「そして出入国の徹底検査だ」

政府の役割。
「一番の役割は
困窮者を全員救済すること。
助ける基準をつくり、
早急に(現金を)支給する。
後は自治体に任せるべきだ」

「今の論点は、
景気対策に終始している」
その通り。

「産業振興とセットの経済対策でなければいけない」

景気対策と経済対策は全然、違う。

「コロナ後を見据えて、
どう資金を投じるか」

「困窮している人は救うべきだが、
国から金をもらう習慣ができてはいけない。
日本企業の多くが
国営企業みたいな意識に
なっていやしないか」

「潮流としてAIやコンピュータといった
はやりの分野へ意識が向きすぎた」

特集「波の下にある潮流」
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「世界の良識や英知をもっと頼り、
本業でどう貢献できるかを考え、
アイデアを世界中に求める」

「トップが先頭に立って
この問題に対峙する」

そこでしまむらでは、
藤原秀次郎さんが復帰した。
柳井・藤原クラスのリーダーが、
いま、必須なのだ。

「コロナ退治で国民生活、
特に経済を犠牲にしてはいけない。
稼ぐ部分がなければ、
生きてはいけない」

「欧州ではスウェーデンの店舗だけが
営業を続けられた。
政府が個人や企業に関与せず、
自らの判断で動いてくれ
というスタンスだ」

ただし、
「一度止めた経済を
再び立ち上げるには時間がかかる。
当社は中国でピーク時に
半数の約390店を休業した。
ほぼ再開したが、
売上げは以前の60~70%」

「長期間閉鎖した店に
顧客は戻ってこない。
他の産業でも同じ」

これは厳しい指摘だ。

いいこともある。
「コロナのまん延で、
世界が深くつながっていることを
改めて認識した」

「リーマン当時は
スマートフォンも一般的でなかった。
ネットやAI、ロボティクスの勃興も含め、
あらゆる人々が世界とつながった」

コロナの後の世界。
日本のアパレルチェーンは、
さらに寡占化を進めつつ、
必ず蘇ると思う。

それを確信した。

〈結城義晴〉

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