結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年05月31日(日曜日)

トランプの”looting⇒shooting”と谷川俊太郎の「平和」

平和〈谷川俊太郎〉

平和
それは空気のように
あたりまえなものだ
それを願う必要はない
ただそれを呼吸していればいい

平和
それは今日のように
退屈なものだ
それを歌う必要はない
ただそれに耐えればいい

平和
それは散文のように
素っ気ないものだ
それを祈ることはできない
祈るべき神がいないから

平和
それは花ではなく
花を育てる土
平和
それは歌ではなく
生きた唇

平和
それは旗ではなく
汚れた下着
平和
それは絵ではなく
古い額縁

平和を踏んずけ
平和を使いこなし
手に入れねばならない希望がある
平和と戦い
平和にうち勝って
手に入れねばならなぬ喜びがある
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COVID-19によって、
世界に不安が訪れた。
混沌もやってきた。

アメリカのミネアポリス。
白人警官が、
黒人男性の首を圧迫して、
死亡させた。

抗議行動は全米50都市に拡大し、
25都市以上で夜間外出禁止令が出た。

ドナルド・トランプはツイートした。
“When the looting starts, the shooting starts”
「略奪が始まれば、銃撃が始まる」
“looting”――略奪すること、
“shooting”――銃撃すること。
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1960年代のフロリダ州マイアミ。
人種差別的傾向が強い白人警官が、
黒人に対してどのような姿勢で臨むかと、
問われたときに答えた言葉。

その後、公民権運動家たちから、
強く非難されてきた言葉だ。

それをトランプが使った。

ツイッター社は自動的に、
投稿を表示しない措置を取った。
強制的な「非表示」である。

ツイッターは、
「投稿が暴力を賛美している」場合には、
非表示にする。
ただし「表示」をクリックすれば閲覧は可能だ。

全米にこのツイッターが広がり、
トランプへの抗議の声も爆発した。

それが抗議行動に拍車をかけた。
そして夜間外出禁止令が発動された。

平和は、
空気のようにあたりまえなものだ。
今日のように退屈なものだ。
散文のように素っ気ないものだ。

しかし平和はこの上なく素晴らしい。

平和のために必要なのは、
花を育てる土であり、
生きた唇である。
汚れた下着であり、
古い額縁である。

アメリカ合衆国には今、
花を育てる土もなく、
生きた唇もない。
汚れた下着もないし、
古い額縁もない。

ドナルド・トランプが、
見せかけの花や歌を訴求し、
まやかしの旗や絵を強調し、
銃弾によって平和を踏みにじる。

平和を踏んずけ、
平和を使いこなし
手に入れねばならない希望がある。

平和と戦い、
平和にうち勝って、
手に入れねばならなぬ喜びがある。

コロナと共生する現代、
平和は戦争の対義語ではない。

差別や偏見と静かに闘うことこそ、
平和への足取りである。

〈結城義晴〉

2020年05月30日(土曜日)

糸井重里「コロナ禍は留学説」と結城義晴「コロナ時間を早める説」

5月30日。
今日はゴルフ。

横浜市内には、
ゴルフコースが4つしかない。
いずれも名門中の名門。
ホスピタリティが素晴らしい。
ラウンド料金も高いけれど。

程ヶ谷カントリー倶楽部。
1922年、日本人用として国内初の、
18ホールのゴルフコースが生まれた。

横浜カントリークラブ。
1960年開場。
日本オープンをはじめ、
プロゴルフトーナメント開催、数知れず。

戸塚カントリー倶楽部。
1961年のオープン。
東コースと西コースがあって、
西コースは巨匠・井上誠一の設計。
流通業界のトップがメンバーに多い。

そして磯子カンツリークラブ。
1960年5月、18ホール・6305ヤード、
パー72で正式開場。

今日は磯子カンツリークラブ。isogokantori-

COVID-19パンデミックの中。
ステイホームとテレワーク。
運動不足は著しい。

しかし天気は良かったし、
コースも良いレベルのコンディション、
メンバーにも恵まれて、
充実したラウンドだった。
〈スタートテラス〉スタートテラス
もちろんフィジカルディスタンシングは、
名門コースだけに徹底されている。

アウトのハーフはまあまあのラウンド。
後半のインは疲れた。

それでも気分は最高。
ゴルフができる幸せを、
心から感謝した。

さて、ほぼ日の糸井重里さん。
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「ほんとうに一週間の回りが早い。
“もう土曜日かよ”と、
先週の土曜日に思ったばかりだ」

同感だ。

私は言っている。
コロナは時間を早める。
月刊商人舎5月号特集。

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「週末の休日をたのしみにしていた時代が、
なんだか、はるか昔のような気がする。
つまりは、頭のなかが忙しいのだろうか」

「そういえば、長い旅行をしていると、
あっというまに何日も過ぎた感覚になる。
“えっ、もう明日は帰る日だったのか”
なんてね」

そうだ、そうだ。
私は商人舎を始めてからこの12年、
旅ばかりしている。

だから時間が過ぎるのが早かった。

なぜか。

「謎だなぁ、と考えていたら、
思い当たることがあった」

「ここしばらくの生活を、
留学してると思おう」

糸井さん自身がみんなに言っていた。

「なれない土地で、
なれない日々を過ごしている。
そして、いつもは
簡単にできていることが、不自由で、
同時にいつもの義務や用事は
省略できたりもする」

「なおかつ、ここで
学ぶことがあるはずなので、
それを探して
“学んで帰ろう”としている」

留学のイメージとは、そういうもの。

たしかに今、何かを、
学んでおこうという気はある。

「たぶん、ここで学ぶ成果が
どういうものなのか、
それがわかりにくいから、
なにもできてないと思うのだ」

「なにもできてないままに、
時間がびゅんびゅん
後ろに飛んでいってしまうのでは
なかろうか」

個人としては同感だ。

「だから、なにか、
成果の見えやすいことをしたくなる」

それが時代の時間を早める。
イノベーションが早まる。

糸井さんの場合は、
「料理だとか、片付けやら、
掃除やらがはじまる」

そして自戒。
「これは、たしかに
時間が過ぎていくわけだ。
貧乏性が、
忙しさの原因だったのかもしれないや…」

時間はびゅんびゅん、過ぎていく。
コロナは時間を早める。

その時間は、
留学をしている感じ。

何を学ぶか。
そしてポスト・コロナのとき、
何をするか。

スーパーマーケットは、
ハーバード大学から、
最も競争が激しくて、
最も生産性が低い産業だと決めつけられた。

しかしCOVID-19渦中の今、
最もキャッシュフローが出る業態だ。

そのキャッシュフローを、
何に使うか。
何に投資するか。

店に投資するか、
商品に投資するか、
人に投資するか。
すべてのバランスを望むか。

それとも溜め込むか。

糸井さんが言うように、
留学している気持ちを自覚することは、
とてもいいだろう。

これによって、
その会社、その経営者、
その商人の、
本当の価値が決まる。

〈結城義晴〉

2020年05月29日(金曜日)

コロナ禍「雇用の危機」の「仕事」と6月安売り・値下げ旋風

今、いちばん、
情けないこと。

毎日毎日、
どうしたら得するか、
どうしたら儲かるか、
そればかり考えること。

私が思い描く知識商人は、
そんなこと、一瞬でわかる。

目先の得や儲けは、
誰よりも素早く察知して、
それはおくびにも出さずに、
3カ月先、半年先、
1年先、2年先、3年先を、
真剣に考えている。

NHKテレビNewsWatch9。
特集は「雇用の危機」
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染谷剛史さんが登場。
ナレッジ・マーチャントワークス㈱代表取締役社長。
「知識商人」の働きを支えるための会社。

人材に関しての価値観や、
今回の危機に対する決断などを語った。

染谷さんらしくて、
とてもよかった。

4月の完全失業率2.9%、
有効求人倍率1.32倍。

総務省・労働力調査では、
非正規労働者は昨年同月比で97万人減少。
休業状態にある人は420万人増。
過去最多。

ヒューマンリソースマネジメントこそ、
このコロナ危機の中で最も大事なことだ。

会社や組織は、
目先の損得が指標になってはいけない。
しかし働く人たちは、
目先の生活さえ危うい。

幸いにスーパーマーケットなどは、
雇用を担う業種業態だ。

ウォルマートは米国で、
3月中旬以降23万5000人を新規雇用した。
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アマゾンも10万人の労働者を、
新しく雇い入れた。

テスコは2万人の臨時労働者を雇用した。

仕事をつくろう。
仕事を支えよう。

われわれ人間が、
コロナと闘う手段は、
仕事である。

仕事をする限り、
われわれは負けない。

仕事を続ける限り、
われわれは必ず勝利する。

危うい動的均衡状態のなかで、
われわれはコロナと共生する。

そのよりどころは、
仕事である。

さて、昨日今日の、
商人舎流通SuperNews。
6月1日から改めて、
ディスカウント旋風が巻き起こる。

マルエツnews|
厳選特価アイテム緊急値下げ、1000品目に拡大

マルエツは6月1日(月)から、
「厳選特価」商品を緊急値下げする。
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これまでは約370品目だった。
それを約1000品目に拡大する。

マルエツは消費増税前の昨年9月、
3つの価格規格を打ち出した。
⑴厳選特価
⑵家計応援
⑶コレ!いい値!

このうちの⑴厳選特価商品は、
季節性・実用性のある商品を厳選して、
特別価格で販売する。
1カ月ごとにアイテムを選定して、
約340品目からスタートしたが、
それを1000品目に広げる。

⑵家計応援は、
エブリデーロープライス・アイテム。
買上頻度の高い商品約460品目を、
お買得価格で通年販売。

⑶「コレ!いい値!」は、
人気商品を中心に最大約1万品目を、
3カ月と6カ月に分けて展開。

一方、
イズミnews|
全店で毎日がお買い得!「ザ・値下げ1000品目」実施

イズミも6月1日(月)から、
「ザ・値下げ1000品目」を実施する。
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コモディティアイテム1000品目を、
従来価格から最大3割程度値下げする。

コモディティの早仕掛け。
イズミらしい機敏な行動だ。

昨年10月1日から消費増税に伴って、
キャッシュレス・ポイント還元事業が始まった。
需要平準化対策という位置づけだ。
キャッシュレス対応による生産性向上、
消費者の利便性向上の観点を含めて、
消費税率引上げ後の9カ月間、
中小・小規模事業者を支援して、
国が5%、キャッシュレス・ポイント還元をする。

5月21日時点で、登録加盟店数は約114万店。
そして期限は6月末にもかかわらず、
新規の登録加盟店の更新日は6月1日とされている。
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つまりキャッシュレス・ポイント還元は、
6月1カ月間に最後のピークを迎える。

マルエツやイズミの仕掛けは、
この最後のピークへの対抗策だ。

6月は安売りと値下げの嵐が吹きまくる。

この時に、
長期にわたって顧客の信頼を得るには、
どんな行動を取ったらいいか。

それぞれの企業ごとに、
それぞれのチェーンストアごとに、
そしてそれぞれの店ごとに売場ごとに、
よくよく考えて行動したい。

それがナレッジマーチャントの、
コロナ対策である。

〈結城義晴〉

2020年05月28日(木曜日)

ドナルド・キーンの「二つの回答」と「不可解な謎」

今日はオンライン鼎談。
私は横浜商人舎オフィス。

いつものように車で出社。
そしてパソコンの前に座る。IMG_69470

ZOOMを使って、
竹垣吉彦さんと佐々木泰行さん。IMG_68870
執筆担当の亀谷しづえも加わって、
4人の座談会。

竹垣さんは現在、
㈱イオンファンタジー監査役。
佐々木さんは早稲田大学大学院主任研究員。

お二人とも財務や経営数値の専門家で、
今年の2月・3月決算と来年の決算に関して、
忌憚なく意見を交換した。

オフレコの部分もかなりあって、
実に面白い座談会だった。

6月号で掲載予定。

座談会や対談、鼎談。
私は大好きだ。

一人ひとりが考え方を披露するのが、
講演や原稿執筆。

その一人ひとりの知見を、
ぶつけ合って、
共同作業で新しい知見を得る。

それが座談会や対談・鼎談。

対談(たいだん)は二人でする。
音楽ではデュエット、あるいはデュオ。
三人は鼎談(ていだん)。
これはトリオ。

それ以上が座談会とすれば、
これがカルテットやクインテット。

どれも好きです。

一人でやるのはソロ。

かつての販売革新や食品商業で、
この座談会や対談・鼎談を多用した。

近年はずいぶん減ってきた。

故緒方知行編集長も、
結城義晴編集長も、
そのコーディネートが得意でした。

月刊誌は現在も、この手法をよく使う。
一般誌・文学誌、経済誌・経営誌、
スポーツ誌でも音楽誌でも、
面白い企画ができる。

私はどんな人とでも、
対談するし、鼎談する。

受けて立ちましょう。
どうぞ、名乗りを上げてください。
共同作業によって、
より良い成果をあげましょう。

さて、東京新聞巻頭コラム
「筆洗」

ドナルド・キーンさんの話。
米国出身の日本文学者。
昨年2月24日に逝去された。
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キーンさんは日本人から、
たびたび同じ質問を受けた。

「あなたは俳句を理解できますか」

俳句に精通するキーンさん。
実は二種類の回答を用意していた。

一つは、「無理ですね」

「日本で生まれていなければ、
俳句を理解できるはずはありません」

こう答えると聞いた人はうれしそうに、
「そうでしょうね」と相づちを打つ。

もう一つの答えは、
「もちろんです」

「俳句なんてそれほど
理解しにくいものではありません」

この答えだと日本人は、
「興ざめた顔をして、話題を変える」

コラムニスト。
「外国人には理解できない。
それが日本人にはうれしいらしい」
しかしこれは外国人も同じだが。

コラムニスト。
「国際社会で
日本の新型コロナ対策の評判が
上がっているそうだ」

「日本は、外国人には
“理解できない方法”によって
コロナ対策に成功したのではないか。
そう持ち上げられて
満足そうに相づちを打つ日本人の顔が
つい浮かぶ」

「検査体制は不十分。
強制力を伴う都市封鎖もできないのに
感染者数を抑制できたのが、
奇妙に見えるらしい」

しかし、
「検査体制、医療体制が
対応しきれなかった事実に
変わりはない」

同感だ。

朝日新聞DIGITAL。
「不可解な謎」

「当初は日本の検査体制や、
強制力のない緊急事態宣言の効果を
疑問視していた欧米メディアは、
現在の状況を驚きとともに伝えている」

東京新聞の筆洗と同じ。

米誌フォーリン・ポリシー。
「何から何まで間違っているように思える」
その上で、それでも現状を、
「不思議なことに、全てがいい方向に
向かっているように見える」

「中国から大勢の観光客を
受け入れてきたことを考えると、
この死者率の低さは奇跡に近い」
「日本がラッキーなだけなのか。
それとも優れた政策の成果なのか、
見極めるのは難しい」

オーストラリアの公共放送ABC。
「不可解な謎」と題した記事を配信。

イギリスのガーディアン紙。
「大惨事目前の状況から成功物語へ」の見出し。
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日本人の生活習慣が感染拡大を防いだとの見方。
⑴マスクを着用する習慣
⑵あいさつで握手やハグよりお辞儀をする習慣
⑶高い衛生意識
⑷家に靴をぬいで入る習慣など

これは妥当な指摘だと思う。

東京医科大学の浜田篤郎教授。
「日本人の清潔志向とマスク文化が、
第1波の抑え込みに一定の役割を
果たした可能性がある」

そういえば、このコロナ禍の前には、
マスク論争があった
このブログでも問題にした。

昨2019年12月26日。
イオンの「原則的にマスクをしないで接客する」方針の問題について

大晦日の12月31日のブログ。
「マスク論争」に結論出して[結城義晴の毎日更新宣言]終了します!

こんな論争も、
COVID-19パンデミックで吹っ飛んだが、
ガーディアン紙の指摘に戻ると、
⑶高い衛生意識
⑷家に靴をぬいで入る習慣
これが大きいと思う。

東京医大の浜田教授。
「第1波を免れた分、
第2波の拡大が懸念される」

「感染者が少なかったということは、
免疫を持つ人が少ないということ。
第1波より感染者が増える可能性がある」

これもその通り。

PCR検査数の少なさについては、
「やらなかったのではなく、
できなかった」

「第2波が来るまでに
患者の収容体制などを整え、
検査数を増やせるよう
準備しておく必要がある」

これも同感。

だから私たちはキーンさんのように、
二つの回答を用意しておくべきだ。

日本人の良さを自覚しつつ、
足りないところは補っておく。

そのために、
人事を尽くして、
天命を待つ。

最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

対談も鼎談も座談会も、
この複数回答につながる方法論である。

〈結城義晴〉

2020年05月27日(水曜日)

ファストリ柳井正とトヨタ豊田章男の「変わるか! 死ぬか?」

Air Jump Rope。
「エア縄跳び」
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アマゾンから届きました。
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飛び方はエアでない縄跳びと同じ。
軽く肘を曲げた状態で、
縄を両手で持つのと同じ構え。
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そして縄跳びで跳んでいるつもりで、
上下に飛び跳ねる。

高く飛ぶ必要はない。
両足でジャンプする跳び方、
片足ずつ着地する跳び方。
どちらでもいいけれど、
私はボクサーのようにかっこよく、
片足ずつリズミカルに跳ぶ。

3分間が1セット。
1分休憩して、
合計3セット。

ボクシングの3ラウンド。
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Nestingのときに、
室内でできるAir Jump Ropeは、
お薦めです。

私のような座り仕事の人には、
とくに効果がある。

さて、緊急事態解除宣言で、
通勤する人も増えたし、
店の営業も再開された。
人々の出足は目だってきた。

ちょっと心配だ。

安倍晋三首相が解除宣言しただけで、
何一つ状況は変わっていない。

コロナ軍の攻撃が、
減じられたわけではない。

小売業、サービス業は、
マスクやフェイスシールド、
手洗いと消毒、検温。
そしてフィジカルディスタンシング。

徹底しよう。

徹底とは、
詳細に、
厳密に、
継続すること。

こまかく、
きびしく、
しつこく。
〈結城義晴〉

さて日経新聞の連載。
「迫真/コロナと闘う」

1回目は、
「ファストリ」

柳井正会長兼社長。
「戦後最大の人類の危機」
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それでも、開店にこだわる。
「自粛は要らない。
本業で貢献しろ」

2020年8月期の業績は、
前期比4割近い最終減益になる見通し。

4月は全国約810店のうち、
休業は4割にあたる約310店にとどまる。
入居施設が閉まったものをのぞき
自前で運営する店舗は、
できる限り営業を続ける。

「閉めるのは簡単だが
在庫と雇用はどうする。
国が補償をしてくれるのか」

小売業の役割に徹して雇用を維持し、
経済を支えるとの自負。

海外での営業からも対策を学んだ。
感染が始まったとされる中国では
全体の半数、約390店が休業した。

ただ残りの店舗で営業を続けるうち、
入店時の検温や消毒の徹底などが
重要であることをいち早くつかんだ。

来店者や従業員で
ソーシャルディスタンスを確保。
従業員も交代で食事をし、
会話も避ける。
中国全土で3万人いる従業員の感染者を
ゼロに抑えた。

「なぜ店を開けている」
「不謹慎だろう」

こんな苦情が連日寄せられた。
営業現場の受け止めも様々だ。

5月15日、再開した銀座店。
「批判より、開けてくれて
良かったという声が多かった。
自分たちの商売が何かを再認識できる」

コロナ禍での営業体験は、
実店舗の存在の大きさを実感させた。

第2回は今日、
「トヨタ」

こちらは豊田章男社長。
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「危機を乗り越えるために
何でもやる。
真剣に考えろ」

愛知県蒲郡市の研修施設。
新型コロナ感染が広がった4月8日から、
豊田社長はここに籠もり、
自宅にも帰らず、
世界の拠点に指示を飛ばし続けた。

凄い。

他の幹部は同行しておらず、
実質一人きりの最高司令所だ。

「公式情報だけには頼れない。
現地で情報を取ってくれ」

中国から駐在員を帰国させた企業が多い。
が、トヨタは逆の指示を出して、
日本では得られない生きた情報を集めた。

2月半ばには他の自動車大手に先駆けて、
工場の再稼働にこぎ着け、
3月下旬にはフル稼働に戻った。

「リーマン・ショックのときのように
資金が確保できないと大変だ」

だからトヨタは4月、
三菱UFJ銀行や三井住友銀行などから
計1兆2500億円の融資を受けた。

手元資金は2020年3月期末で
5兆7000億円。
リーマン危機時の2.5倍。
資金繰りに万全の備えをする。

「未来への種まきは
アクセルを踏み続ける」

20年度の研究開発費と設備投資は
前年並みの2兆4500億円を確保した。

「生きるか死ぬか」
豊田章男社長は、
自動車産業が置かれた状況を表現する。

最終的には「自動車メーカー」の看板を
掛け替えることが目標だ。

柳井正さんも言う。
「Change! or Die!」
「変われ、さもなくば死ね」

トヨタの2020年度は、
連結営業利益が8割減の見通し。

豊田社長。
「どんな環境変化でも
持続成長できる体制を見据え、
改革は私の代でやり切る」

柳井正さんも豊田章男さんも、
只ならぬ決意で、
決死の行動をとり続ける。

徹底とは、
詳細に、
厳密に、
継続すること。

こまかく、
きびしく、
しつこく。

どこまでやるか、
どこまでやれるか。

〈結城義晴〉

2020年05月26日(火曜日)

ジャーナリストの「距離感」と外食4割減・百貨店73%減

沖縄タイムズ。
昨日の巻頭コラム「大弦小弦」。
タイトルは、
「聞いたら書く シンプルに」

「昔は”書かない大記者”と
呼ばれるような先輩がいた」

「その一人は大物と親しく、
一目置かれていた」

全国紙も地方紙も、
政治記者や経済記者には、
こういった人がいた。

「でも、
この大物に絡む事件が発覚して
騒ぎになった時、こう言って
周囲をあぜんとさせた。
“知っていたよ”」

コラムが話題にしたいのは、
賭け麻雀の3人の新聞記者のことだ。

前にも書いたが、
私は一度もこの類の麻雀を、
したことがない。

「産経新聞記者、朝日新聞元記者の3人も、
多くを知っていたはずだ。だが、
黒川氏の処遇が焦点になった局面で、
記事に生かされた形跡はない」

「権力の思考を知り、
監視するためには
懐に飛び込む必要がある」

権力に限らない。
経営の本質を知るには、
時には懐に飛び込むことも必要になる。

「しかし、目的はあくまで
ミイラを取ることで、
同じミイラになって
秘密を共有するのでは本末転倒だ」

コラムニストは述懐する。
「距離感はいつも悩ましく、
尊敬する記者の言動を胸に刻んでいる」

この権力者とのディスタンシングは、
ジャーナリストとって、
極めて重要なポジショニングである。

コラムニストが胸に刻むこと。
「シンプルなこと。
重大な情報を得たら書く」

政治記事と経営記事は、
その意味では異なる。

そして倉本長治の”血”を引く結城義晴は、
暴露記事は断じて書かない。

しかし重大な情報や考え方を得たら、
何らかの形で表現する。
知恵や教訓として書く。

「賭けマージャンを報じ、
黒川氏を辞職に追い込んだのは
週刊文春だった」

そして3人の記者は、
書かれる側に回った。

コラムニスト。
「新聞や権力取材は、
社会に必要なのかが根本的に問われる」

「情報が命と直結することを
誰もが痛感するコロナ時代。
メディア淘汰の波は
これまで以上に高い」

同感して、自戒としたい。

今日は午後から横浜線に乗って中山へ。
㈱アイダスグループ
代表取締役はわが盟友・鈴木國朗さん。

㈱ダイヤモンド・リテイルメディアの、
幹部の皆さんと懇談。

左が鈴木さんで、
私の隣は石川純一さんと平井俊之さん。
石川さんは代表取締役社長で、
平井さんは取締役。
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それ以外にも二人の局長。
編集局長の千田直哉さんと、
流通マーケティング局長の味方和也さん。

ダイヤモンド・リテイルメディアは、
「ダイヤモンド・チェーンストア」を発刊している。

かつては、
㈱ダイヤモンド・フリードマン社と言った。
雑誌名も「チェーンストアエイジ」だった。

4年ほど前に現社名に変わり、
現媒体名に変更された。

そのころから石川さんは社長だ。

私ももう40年くらいの付き合いか。

かつての社長の岩﨑幸久さんは、
通称「ガンさん」といって、
流通業界の名物ジャーナリストだった。
今もFacebookで友達だ。

かつての常務取締役の鈴木悟さんは、
私とほぼ同年代でもあって、
ゴルフを含めて、
あれやこれやとご一緒した。

㈱ストアーズで編集局長を務めた、
故風間晃さんと三人で、
座談会やセミナーに出た。

㈱アーマジャパン代表の故西村哲さんは、
元「チェーンストアエイジ」の編集長で、
コーネル大学MBAに入学中から、
私は西村哲担当だった。

㈱商業界の「販売革新」や「食品商業」は、
会社の自己破産で一応、廃刊となった。

私はこちらの社長や編集長を務めて、
「チェーンストアエイジ」は、
いわばかつてのライバルだ。

それでも現在は全くそんな関係ではない。
現下の情勢など情報と意見を交換した。
もちろんフィジカルディスタンシング。

有意義な時間だった。
ありがとうございました。

その後、鈴木さんと懇談。
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スーパーマーケットやチェーンストアの、
ポスト・コロナのあり方などを話し合った。

終りに近づいて、
「これ、やりましょう」
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「ええっ?」
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「まえにも、やったでしょう」
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2018年12月20日。
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「えへへ」
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「はやく、はやく!」
Go! Go! ポーズ。
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「じゃあ、こんなもんで、
許してください」
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ありがとう。

さて昨日と今日の、
商人舎流通SuperNews。

2つの協会統計。
4月外食産業統計|
全体で60.4%/ファストフード84.4%・パブ4.1%

4月の外食全体の売上高は60.4%。
意外に健闘した。

しかし調査開始以来最大の下げ幅。

パブの売上げは前年比4.1%、
居酒屋は9.7%。

これはマイナスの数値ではない。
それぞれ前年比95.9%減、90.3%減。

ディナーレストランは16.0%、
喫茶は27.6%。

おおよその見当はついていても、
こうしてデータを見ると愕然とする。
数字で確認することの意味は大きい。

しかしファストフードは、
84.4%に踏みとどまった。
とくに洋風ファストフードは102.8%、
マクドナルドに代表されるものだ。

コンビニ以上。

ファストフードは他業態に比べて、
従来からテイクアウト、宅配、
そしてドライブスルーなどの、
「持ち帰り」需要に対応する、
基盤を整えていた。

これが重要なことだ。

ただし外食全体は60.4%だから、
残る4割は食品小売業に行った。

凄い量だった。
5月はさらに凄い。

一方、
4月百貨店統計|
前年比売上高73%減/統計開始以来最大の減少率

前年同月比72.8%減。
3月の33.4%減からさらに、
39.4ポイントダウン。

こちらも1965年1月の統計開始以来、
最大の減少率だ。

百貨店のインバウンドは、
客数99.5%減、売上高98.5%減。

この業態は、
「コロナは時間を早める」の影響を、
象徴することになる。

〈結城義晴〉

2020年05月25日(月曜日)

緊急事態宣言後の凡事徹底・有事活躍と「未来はわからない」

Everybody! Good Monday!
[2020vol㉑]

2020年第22週。
とうとう5月最終週。
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新田間川の並木も緑が深まる。
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本当にいい天気。
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今日、月曜日の5月25日、
緊急事態解除宣言。
49日間続いたことになる。
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国民全体の成果として、
大いに評価しよう。

しかし憲法上の課題もあるけれど、
国家による宣言の発令として、
強制力もなかったし、
現場での実施はほとんど、
各地方自治体に任されてきた。

今日の国会も相変わらず、
前黒川弘務東京高検検事長の問題。
これは今国会で、
検察庁法改正にこだわった、
政府の責任。

そのうえアベノマスクは、
まだ手元に届かない。
一律10万円の特別定額給付金申請書も、
まだ来ない。

最大200万円の中小企業持続化給付金も、
ほんの一握りの会社にしか、
供与されていない。

それでも、
「センゲ~ン!」
という掛け声は効果を発揮した。
世界最高の国民性がそれに応えた。

だから「全面解除」も、
掛け声程度には効果がある。

問題は国が融通できる資金を、
素早く国民や企業の手に届けることだ。

小売業やサービス業に対して、
私はいつも言い続ける。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。
これを提供しよう。

国民にとってアベノマスクは、
ほんの小さな喜びとなるのかもしれない。
一律10万円の給付金は、
ささやかな幸せにつながるかもしれない。

それらはまだ、
全国民にもたらされてはいない。

それ以上に大事なのは、
明日への希望だ。

国民の希望は安倍晋三首相の、
活舌や語り方の印象に影響される。

だから心からの語りでなければいけない。
自分を大きく見せようという虚栄や、
言い訳の羅列ではいけない。
誰かが書いたとはっきりわかる原稿を、
大仰に読むだけではいけない。

基本的な信頼感の問題だ。
残念ながら私にはそれが感じられない。

モリカケ・桜問題や黒川問題で、
言ってることとやってることの差異が、
露わになっている。

ならば小さな喜びやささやかな幸せは、
せめても民間で提供したい。
小売業、サービス業が支えたい。

そして明日への希望は、
私たち一人ひとりが、
自分で見つけ出し、
生き抜いていきたい。

さて、
緊急事態全面解除後。

今週から、あるいは6月から、
少しずつ日常に戻る。

しかし、少しずつ少しずつ。

まだまだCOVID-19の感染リスクが、
消えてなくなるわけではない。

つまりまだ、
「ポスト・コロナ」のときではない。

したがって、
店でも現場でも、
マスク、手洗い、消毒、
フィジカルディスタンシング。

商売の基本は、
クレンリネスの貫徹だ。

凡事徹底・有事活躍。
今はまだ有事である。
どんな業態、どんな企業も、
コロナ対策で有事活躍。
そのために凡事徹底。

月刊商人舎最新の5月号。
特集は、
「コロナは時間を早める」
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井坂康志さんの原稿。
ドラッカー学会事務局長。
「今、ドラッカーならどう言うか?」
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「危機の時代になったからといって、
無思慮で場当たり的な行動は避けるべき」

その通り。

「むしろ大きな声で、
“未来はこうなる。
だから俺についてこい”と、
触れ回っている人たちに、
ついていってはいけません」

「声の大きいだけの人についていくと、
ろくなことがない」

井坂さんは、
ナチズムやスターリニズムの例を挙げる。
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そして「20世紀最大の教訓」と忠告する。
現時点で言えば、誰なのだろう。

そして提言する。
「できないことをしようとしないでください」

「反対に今までうまくできたことを、
もっともっとうまくできるようにするには
どうしたらよいかを考えてください」

クレンリネスや、
マスク、手洗い、消毒の徹底は、
できること、やるべきことだ。

上手くできることを、
もっともっと上手く、やる。
そのために自分で考える。

商人舎流通スーパーニュース。
[海外]をクリックすると、
第1四半期決算がずらり。

ウォルマートnews|
総収入8.7%増・純利益3.9%増/EC74%増
ターゲットnews|
総収入11.3%増・営業利益58.7%減/on-line141%増

アマゾンnews|
コロナ禍で売上高26.4%増755億ドル/営業利益9.8%減

アルバートソンnews|
’19年商625億ドル3.2%増/純利益255.8%増と好調
スプラウツnews|
売上高16億ドル16.5%増・純利益62.8%増の絶好調

CVSヘルスnews|
総収入668億ドル8.3%・純利益40.6%の増収増益

ホームデポnews|
コロナ禍で売上高7.1%増・営業利益8.9%減
ロウズnews|
売上高11%増・営業利益40.5%増/on-line8割増
ベストバイnews|
コロナ禍で売上高6.3%減・営業利益31.4%減

COVID-19パンデミックの影響で、
米国チェーンストアは、
ほとんどすべてが増収を果たす。
その半面、大幅増益と減益が半々。

しかし全社に共通する作戦がある。

それは3つ。
⑴コロナ・ヒーローに報いる投資
⑵on-line販売の充実
⑶この機の経費削減

とくに第3の経費削減を、
トランスフォーメーションとして展開し、
それが第1四半期決算に貢献している。

日本以上に米国は、
まだまだ「未来がわからない」。
それでも成果をあげる。

だからこそ解除宣言のあとの日本で、
できないことをしてはならない。

では、みなさん、今週も、
凡事徹底・有事活躍。
Good Monday!
〈結城義晴〉

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