結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年05月04日(月曜日)

「新たな日常」のLifestyle提案と民主主義の商売

Everybody! Good Monday!
[2020vol⑱]

2020年第19週。
5月第2週でゴールデンではない、
ステイホームウィーク。
そのみどりの日の祝日。

その趣旨は、
「自然にしたしむとともに
その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくむ」幸いにしてCOVID-19禍では、
自然に親しむこと自体は、
許されている。

ただしフィジカルディスタンシングで、
三密とならない限りにおいて。

毎日新聞「余禄」
短歌を紹介する。
海を知らぬ少女の前に
麦藁帽のわれは
両手をひろげていたり

今日が命日の寺山修司の歌。
「夏の海のまぶしさを
少女に伝えようとする
少年の姿が目に浮かぶ」

寺山は、「青森出身で、
演劇などで幅広く才能を発揮した」
1935年(昭和10年)に生まれ、
1983年(昭和58年)に47歳で逝った。
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そうか、寺山は、
そんなに早く死んだんだったか。

ちなみに葬儀委員長は、
4つ年上の谷川俊太郎だった。

コラムニストは、
寺山の故郷・青森を思ってつぶやく。
「東北は桜前線が通り過ぎ、初夏へと移る。
季節がいつものようにめぐることの
ありがたさ。今年はなおさら感じる。
あすは立夏」

コロナとともに、
足早に冬から春が行き、
もう夏だ。

夕方、安倍晋三首相が発表した。
緊急事態宣言の延長
5月31日まで。
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13の特定警戒都道府県では、
4月の緊急事態宣言下と同様。

それ以外の34県にも基本的に、
感染拡大を抑制する行動規制。

政府は「コロナ時代の新たな日常」をつくろうと要請した。

別に国家から個人が、
ライフスタイルを規定される必要はない。
しかしそれぞれの考え方で、
「新たな日常の生活様式」を確立する。
その知恵を出すのがこれからだ。

そして小売業は、
新たなLifestyle Assortmentの、
選択肢を提供しなければならぬ。

日経新聞社説。
「コロナ禍が問うもの」

とてもいい社説なので、
出来れば新聞を読んでほしい。

「新型コロナウイルスとの戦いは、
世界の民主主義国家に課された
試練ともいえる」

この世界の試練を、
2つの視点から指摘する。

第1は政治主義と指導者の問題だ。

米欧の資本主義国首脳は、
“戦時の指導者”と称して、
異例の感染防止策を正当化する。

一方、共産党の独裁を貫く中国は、
自由や私権の侵害も辞さず、
強力で迅速な封じ込め策を断行した。

「こうした権威主義国家が
コロナ禍への対応で
優位に立つような印象を持たれがちだ」

しかし英国のエコノミスト誌が、
1960年以降に流行した感染症を検証した。

非民主主義国家の死亡率は、
民主主義国家よりも高かった。

「厳しい情報・言論統制が
正確な状況の把握を妨げた」

権威主義国家の中でも、
ロシアやイランは、
事態の収拾に手間取る。

米欧資本主義国にも、
初動の遅れや危機管理の甘さがあった。

自由で開かれた民主主義国家の強みを
過小評価すべきではない。

問題はその強みが揺らいでいる点だ。

世界を覆うナショナリズム、
大衆迎合主義。

「コロナ禍で加速し、
強権的で排斥的な政治への
傾斜を強める指導者が目立つ」

ハンガリーのオルバン首相は、
非常事態宣言の権限拡大を、
無期限に延長できるようにした。

フィリピンのドゥテルテ大統領は、
外出制限を破って抗議集会に参加する
国民の反撃を受けた時には、
軍や警察に射殺してもいいと命じた。

そして米国のトランプ大統領は、
自国第一の姿勢を強め、
移民受け入れやWHOへの資金拠出を停止。
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国際非営利法制センターの調査。
世界で82カ国が非常事態を宣言した。
29カ国が表現の自由を制限する。
111カ国が集会を規制する。

「この非常時に個人の行動や権利を
一時的に制限するのはやむを得ないが、
統制の行き過ぎや常態化まで
容認することはできない」

国連のグテレス事務総長は憂えた。
「経済、社会、そして、
人間の危機である」
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第2は、国民自体の問題だ。

「民主主義国家を根底から支える国民自体が
利己的で排他的なムードに傾き、
危機の渦中に悪質な犯罪や陰湿ないじめ、
有害なデマの拡散が頻発している」

たとえば、米欧の白人は、
アジア人を差別する。
インドのヒンズー至上主義者は
イスラム教徒を非難する。

「国家の権限を拡大する際には、
その範囲や期限、科学的な根拠、
法的な裏付けなどを
十分に説明すべきだ」

「国民も権力の乱用をいつも以上に
厳しく監視する必要がある」

昨日のこのブログでも書いたが、
「国家緊急権」の憲法問題でもある。

「国民の多くが
寛容や自制の精神を失ったままでは、
健全な国家の復元や
国際協調の立て直しも
おぼつかない」

「その責任を一人ひとりが
自覚することも重要だ」

結びはアレクシ・ド・トクヴィル
19世紀のフランスの政治思想家。
その著『アメリカの民主政治』は、
古典となった名作。
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「境遇の平等が、
国民を隷属に導くか自由に導くか、
文明に導くか野蛮に導くか、
繁栄に導くか困窮に導くか、
それは彼ら次第である」

「大衆の力こそが、
民主主義の未来を左右する」

大衆と直結する商業やサービス業、
そのチェーンストア。

その公正で公平な社会的活動は、
民主主義の未来を左右する。

では、みなさん、今週も、
商売と仕事を通じて国民を、
自由に、文明に、繁栄に、
導こう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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